西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【パノラマグリーン車】特急しなの11号乗車記(名古屋12:00→長野14:56)

f:id:nishiuraexp:20211120114402j:plainJR東海名古屋駅。今回はここから特急しなの号に乗車し長野へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20211120114513j:plain名古屋駅改札口前掲示の在来線特急のりば案内。

松本、長野方面へ向かう特急しなの号は概ね1時間毎の00分発車で、運転本数、利用者数などの面から見ても名古屋発の在来線特急列車の代表格と言って良さそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211120114547j:plain改札口を抜け10番線ホームへ。

今回は名古屋駅12:00発の11号に乗車します。

 

f:id:nishiuraexp:20211120161453j:plain11:48。岐阜方から入線した特急しなの11号の編成。

本日はパノラマグリーン車を先頭にした383系6両編成での運転です。

 

f:id:nishiuraexp:20211120161540j:plain今回はパノラマグリーン車の一番前の前面展望席を確保しました。

 

f:id:nishiuraexp:20211128115804j:plainグリーン車は2列✕2列の横4列。

JRの在来線特急グリーン車は横3列のものも珍しくないので、それらに比べるとやや見劣りがするかも知れませんが、

 

f:id:nishiuraexp:20211120161706j:plainシートピッチは1200mmと標準より広く、シートもグリーン車らしい重厚なものです。

 

f:id:nishiuraexp:20211120161744j:plain最前列の座席は、名古屋発の場合左側が1番AB、右側が1番CDとなります。

AB席は運転席に視界を遮られるのでCD席の方がオススメです。

 

f:id:nishiuraexp:20211120161822j:plain1番D席からの眺め。

グリーン車が横4列となっている背景には、特急しなの号のグリーン車需要が少なくないことも背景にあると思いますが、

今回は10人程度の空いた状態で発車時刻を迎えました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083316j:plain12:00定刻に名古屋駅を発車した特急しなの11号は、東海道新幹線、東海道線、名鉄と並んで東へ向かい、2駅目の金山通過後に左にカーブして中央本線長野方面に進路をとります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083351j:plain中央本線単独の複線区間に入った列車は、次の停車駅千種まで名古屋市の中心部を進みます。

この区間は長野への旅の助走区間といったイメージですが、運転台の速度計を覗くと120kmに達しており、すでに特急らしい高速運転が始まっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083431j:plain12:06千種に停車。

名古屋市営地下鉄のメインライン東山線との乗り換えができる駅ですが、東山線は名古屋駅にも乗り入れています。

旅行者の視点では、名古屋駅に入らない名城線や、名鉄との乗り換えが容易な金山に停めるほうが便利なのではないか。という気もします。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083509j:plain千種発車後もしばらく市街地がつづき、大曽根、勝川といった乗り換え駅も高速で通過していきます。

中央本線名古屋口の列車本数は特急しなの号を除いても、高蔵寺まで毎時快速3本、普通5本と多く、展望席に座っていると頻繁に対向列車が迫ってきます。

 

f:id:nishiuraexp:20211128115118j:plain神領駅手前、神領車両区の脇を時速120kmで通過。

卸したての新型通勤車両315系の姿が見えました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083704j:plain岡崎方面への愛知環状鉄道の高架線が分岐する 高蔵寺駅を通過。

先述の普通列車5本のうち3本はこの駅で折り返しとなり、名古屋の都市圏はここで一区切りという印象です。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083827j:plain定光寺駅を通過。

高蔵寺を過ぎると車窓は一変、これから向かう木曽路の山間を思わせる風景の中を進みます。

この付近で列車は愛知県を抜け岐阜県に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083902j:plain再び眼前に大都市近郊の市街地が広がると、

13:22多治見に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211121083949j:plain中央本線のうち中央西線と称される名古屋〜塩尻間は高度成長期に電化複線化が順次進めらました。

多治見から先の写真の付近は昭和41年3月に複線化されていますが、

複線化時に下り線として使用されているトンネルが新設され、単線時代は山を迂回する右側の線路を使用していたのでしょう。

時代を下るにつれ土木技術が向上した様子だけでなく、複線トンネルの新設とならなかったあたりに、高度成長期に路線の近代化を急いだ様子も垣間見えます。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084141j:plain特急しなの号の最高時速は130km。

1973年に特急しなの号に投入された先代の381系は120kmでしたが、現在の383系への置き換えに際し10km向上しました。

しかし中央本線のようにカーブが連続する線区では最高速度だけを向上させても、必ずしも所要時間の短縮に結びつかない場合もあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084223j:plain右に大きくカーブする場面。

小さく写り込んでいる運転台の速度計は120km付近を指しています。

列車の曲線通過速度は、曲線半径などを基準に細かく定められており、その速度のことを本則と言いますが、

振子装置など曲線通過に対して特段の装備を備えている車両などは、本則を上回る速度で曲線を通過することが認められています。

現在、特急しなの号として運転されている383系は、曲線の手前から徐々に車体を傾ける制御振子を搭載しており、半径600m以上のカーブでは本則+35kmでの通過が許容されています。

なお1996年まで定期列車の特急しなの号として運転されていた先述の381系も、自然振子式を採用していましたが、同等の曲線半径で本則+20km。

381系から383系への置き換えに際し名古屋〜松本、長野間の所要時間が10分程短縮されましたが、

所要時間短縮への貢献という点では、最高速度の向上よりも、本則からの上乗せ分拡大の方が大きかったはずです。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084324j:plain下り勾配の先に広がる恵那駅周辺の市街地。

恵那駅は第3セクター鉄道の明智鉄道との乗り換え駅で特急しなの号も一部の列車が停車します。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084414j:plain12:48中津川に到着。

ホーム反対側に停車中のオレンジの313系は、名古屋〜中津川間で運転されていた座席定員制(座席定員まで発行されるライナー券を別購入して乗車)の快速列車セントラルライナー向けに登場した車両です。

名古屋駅からの主要路線を見ると東海道線は豊橋方面、岐阜方面とも名鉄と競合、関西本線四日市方面は近鉄と競合しているのに対し、

中央本線は競合路線がなく、追加料金が必要な快速列車登場の背景にはそうした事情もあると言われていましたが、

セン(銭)トラレルライナーの異名まであったようで乗車率は芳しくなく2013年に廃止。現在車両は通常の313系と混用されています。

外観の塗装だけでなく内装も多少快適な仕様になっているので、名古屋口の中央本線では当たり車両と言えそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084503j:plain中津川を発車してしばらく、長野からの特急しなの10号と行き違い。

特急しなの号の編成は長野寄りの先頭車が乗車中のパノラマグリーン車、名古屋寄りの先頭車は写真の対向列車のように他の車両と連結可能な非パノラマの普通車というのがノーマルの姿ですが、

増結や車両運用の関係で長野寄りの先頭車がパノラマタイプではないグリーン車となることがあります。

日によってパノラマグリーン車が連結されるか否かは、時刻表やJR東海のホームページでも知ることができません。 

今回も運悪く非パノラマのグリーン車になる可能性があることを承知で、パノラマ車両の場合に展望が良い席を早々に購入していました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084800j:plain13:00南木曽駅通過。タンク車両を連ねた貨物列車と行き違い。

列車は一つ手前の田立駅から長野県に入っています。

海に面さない長野県は石油燃料を陸上輸送で搬入していますが、

中央本線に並行する高速道路中央自動車道には延長が5kmを超え危険物積載車両が通れないトンネルが存在することから、その輸送の主役は今でも貨物列車が担っています。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084542j:plain長野県区間に入ると、しだいに木曽路らしい山間の風景が前方に展開するようになります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084618j:plain十二兼駅で名古屋から続いた複線区間は終了。

この先終点の長野まで単線区間と複線区間が頻繁に入れ替わります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084657j:plain11月の木曽路は冠雪した高山と沿線の紅葉の対比が美しく、車窓を見ていて飽きることがありませんが、

木曽川が開いた谷間を駆け抜けていく、この区間らしい車窓を楽しむなら、進行方向左手の座席を選択するほうがよいかも知れません。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084905j:plain13:25。木曽福島駅に到着。

左手に見える山小屋風の三角屋根が特徴の駅で

標高は約800m。

 

f:id:nishiuraexp:20211121084945j:plain木曽福島を発車して25分。列車は塩尻駅に接近。

塩尻駅は名古屋を東京を結ぶ中央本線の中間駅であり、写真右手の線路が東京方面にのびています。

かつては塩尻駅も右手方向(東京方)に存在したため、名古屋方面から松本長野方面へは塩尻駅で進行方向を変え写真左手方向へ向かう必要がありましたが、

塩尻と岡谷を直線的に結ぶ塩嶺トンネル開通を翌年に控えた昭和57年、線形改良により塩尻駅は写真左手に移転しました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085020j:plain左カーブで東京新宿方面からの線路と並んて塩尻駅に進入。

この移転改良により、塩尻駅は東京新宿方面と名古屋方面から松本長野方面へ向かう列車が、同じ方向から進入する構造となり、どちらから来ても進行方向転換は必要なくなつた一方、

かつての塩尻駅を経由する線路も残され、東京方面と名古屋方面を直結する短絡線的な機能を担っています。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085054j:plain13:52塩尻駅に停車。

塩尻はJR東海とJR東日本の境界駅です。

特急しなの号は2分停車の間にJR東海からJR東日本の乗務員さんに引き継がれます。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085128j:plain13:54塩尻駅を発車。

列車は東京方面へ向かう中央本線と別れ、この先、終点長野手前の篠ノ井までJR東日本篠ノ井線を走行します。

 

f:id:nishiuraexp:20211128114237j:plain篠ノ井線に入った列車は松本平野に延びる直線区間を快走。

対向の名古屋行特急しなの14号と200km以上の相対速度で行き違います。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085322j:plain14:03。塩尻から9分、名古屋から約2時間で松本駅に到着。

名古屋からの乗客の多くが下車する一方、松本から長野への長野県内移動のため、ここからの利用も少なくありません。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085358j:plain松本を発車した列車はしばらく日本海側の糸魚川へ抜ける大糸線との単線並列区間を走行。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085437j:plain大糸線と別れた篠ノ井線はしばらく奈良井川を左にみながら進みます。

川は列車の進行方向に流れており、千曲川に合流したのち、最後は新潟市から日本海へ注ぎます。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085506j:plain篠ノ井線の明科〜西条間は、1988年に地滑り地帯を通っていた旧線から、トンネル主体の新線に切り替えられ、防災面の強化だけでなく、直線的な短絡ルートとなったことで特急列車の所要時間が2分短縮されました。

当初は複線化も視野に入っておりトンネルも複線分の断面となっていますが、

建設中の国鉄財政悪化などから、JR化後に単線で開通。今のところ複線化の具体的な予定はありません。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085534j:plain聖高原駅で運転停車し特急しなの16号と行き違い。

名古屋発車直後に6号と行き違ってから6本目の特急しなの号同士の行き違いですが、

特急同士の行き違いは極力複線区間で行われるようダイヤが工夫されているようで、運転停車を伴う行き違いは、ここ1箇所のみでした。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085607j:plainスイッチバック駅として知られる姨捨駅を通過。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085641j:plain木曽の山中では進行方向左側のほうが眺めが良い一方、姨捨駅周辺では進行方向右側に善光寺平とその真ん中を流れる千曲川の雄大な風景を眺めることができます。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085728j:plain列車は下り勾配を進み、姨捨駅付近で見下ろした善光寺平の平坦区間へ。

間もなく篠ノ井に到着します。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085800j:plain14:47。篠ノ井に停車。

奥のホームに見える仕切りの向こうには、北陸新幹線の軌道が在来線と同じ高さで通っていますが、駅はなく、ここから東京方面へ向かう場合は長野まで逆行するか、しなの鉄道で上田まで向かう必要があります。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085830j:plain篠ノ井から終点長野の間は信越本線区間となります。

いまではJRに乗り入れる形となっている第3セクターしなの鉄道ですが、そのルーツはJR東日本信越本線であり、

1997年の北陸新幹線開通までは特急しなの号を含め篠ノ井線松本方面からの列車が、この区間の信越本線に乗り入れるイメージでした。

現在でも列車本数や通過人員数では、しなの鉄道方面のほうが多いのではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085913j:plain篠ノ井から並行してきた北陸新幹線と並んで終点の長野駅に進入。

 

f:id:nishiuraexp:20211121085957j:plain 14:56。名古屋から約3時間。終点の長野に到着しました。

 

f:id:nishiuraexp:20211121090117j:plain下車前に普通車内を撮影。

 

f:id:nishiuraexp:20211121090141j:plain20年以上前の1995年に登場した車両とあってコンセントなどはありませんが、シートピッチは1000mmとJR在来線特急の普通車としては一部の改造車両やグリーン車流用のものを除いて最も広く、快適性はこちらでも申し分なさそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211121090209j:plain左側が名古屋から乗車してきた特急しなの11号。

ホーム反対側からは長野15:00発の特急しなの18号名古屋行が間もなく発車します。

 

3大都市に数えられる大都会名古屋と北海道と並ぶ雄大な自然が広がる長野県を直結する特急しなの号は、乗車時間も適当かつ車窓も秀逸であり、数あるJR在来線特急のなかでも特に魅力のある列車ではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20211121090323j:plain北陸新幹線金沢開通にあわせリニューアルされた長野駅善光寺口周辺の賑わい。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

 
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【鉄道ボビートレイン】JR四国予土線乗車記(宇和島6:04→窪川8:09)

f:id:nishiuraexp:20211019183438j:plain愛媛県宇和島市。JR四国宇和島駅。

今回はここから予土線経由の列車で高知県の窪川へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183552j:plain乗車するのは宇和島6:04発の窪川行です。

発車表示の種別欄には普通ホビートレインとあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183632j:plain3番線で発車を待つホビートレイン。

ホビートレインは昭和39年の東海道新幹線開業時から平成20年の山陽新幹線区間での引退まで、44年にわたり活躍した0系新幹線に似せて改造されたディーゼルカーの愛称です。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183654j:plain臨時列車ではなく地元利用もある定期列車での運行ということもあってか車内の大半はロングシートですが、

 

f:id:nishiuraexp:20211019183712j:plain

f:id:nishiuraexp:20211019183728j:plain一部はショーケースが設置され、四国で活躍した車両やHOサイズの新幹線車両の模型が展示されているほか、

 

f:id:nishiuraexp:20211024154047j:plain車内の窪川寄りには0系新幹線の普通車で使われていた転換クロスシートが配置されています。

このシートは乗車記念の撮影などに使うことが想定されているようですが、空いていれば自由に掛けることができます。(窪川駅到着後撮影)

 

f:id:nishiuraexp:20211019183831j:plain6:04。定刻に宇和島駅を発車。次の北宇和島までは予讃線を走ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183858j:plain北宇和島駅を発車すると予讃線から右手方向に分岐し予土線に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211104182126j:plain 予土線は四国の南西部、愛媛県宇和島市の北宇和島駅から高知県高岡郡四万十町の若井駅に至る76.3kmの路線です。

予土線を走る列車は途中で折り返すものを除いて、宇和島〜北宇和島間でJR予讃線に、若井〜窪川間で土佐くろしお鉄道に乗り入れ、宇和島〜窪川を直通します。

宇和島〜窪川間の所要時間は2時間〜2時間半程度となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183930j:plain 北宇和島駅から予土線に入ると次の務田駅まで約6kmにわたり急勾配、急曲線が連続します。

予土線のうち宇和島に近い北宇和島〜吉野生間は、大正時代に軽便鉄道として開業した(一部後年に経路変更)経緯があり、線形は悪く高速運転には全く適していません。

 

f:id:nishiuraexp:20211019183955j:plain勾配を登る列車の速度は30km程度。

宇和島周辺ではルートの優位もあり並行する路線バスの方が所要時間が短い状況にあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184014j:plain務田駅からは田園地帯の中を進みます。

この付近は宇和島まで10km〜15kmの言わば宇和島近郊区間であり、駅前に小さな市街地が形成されている駅もあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184033j:plain大内駅。

予土線はJR四国の中でも特に利用が少ない線区で、輸送密度はコロナ前の数値で約300人。

宇和島近郊区間はその予土線の中では比較的利用がある区間です。

列車の運転本数も利用実態を反映しており、宇和島から7駅目の近永駅までは10.5往復ありますが、その先江川崎まで7.5往復、江川崎以南は4往復となります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184126j:plain6:50。松丸駅に停車。

駅は松野町ふれあい交流館と一体になっており、2階は「森の国ぽっぽ温泉」という温泉施設が入っています。

また川向いの国道381号には、道の駅「虹の森公園まつの」もあり、

予土線の駅から徒歩で観光するならこの駅が一番かもしれません。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184141j:plain6:54。吉野生駅で2分停車しキハ54形で運転の宇和島行始発列車と行き違い。

この列車の宇和島着は8:02。江川崎で行き違う次の列車だと宇和島着は8:37ですので、通勤通学に利用できるのはこの列車のみという方も少なくないはずです。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184157j:plain7:12。高知県に入り江川崎駅に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184242j:plain行き違い待ちのため3分の停車時間があり駅前へ。

予土線の主要駅の一つですが1日の利用者は50人以下。駅前は閑散としています。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184306j:plainホームの反対側に窪川始発の宇和島行が到着。

吉野生駅で行き違ったキハ54形より一回り小さいキハ32形での運転です。

キハ32形は、国鉄が分割民営化される直前に四国地方のローカル線向けに製造された小型ディーゼル車で、

実は乗車しているホビートレインの種車でもあります。

こうして横に並んだ原型の32形と改造後のホビートレインの姿を見比べると、

ボビートレインは前面、側面の窓やドアには手を加えず、パーツの付加と塗装変更程度の最低限の手間とコストで製造された改造車両であることがわかります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184328j:plain江川崎から南の高知県内区間は清流四万十川に沿って進みます。

車窓は美しい予土線の高知県区間ですが、利用者は少なく列車本数は先述のように1日僅か4往復。

窪川方面への通勤通学に予土線を利用しようとしても、朝は乗車中のホビートレインが始発列車で窪川着は8:09。次の便は4時間後。

夕方の帰宅に使えるのは窪川駅発17:40のみでそれが最終列車という状況です。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184402j:plain江川崎の次の駅は半家と書いてハゲと読みます。

この地に住み着いた平家の落ち武者が、源氏の追手から逃れるために、平の文字の横線を移動させたのが地名の由来と言われています。

なおこのハゲ駅のお陰で、単独では何の変哲もない?JR東海御殿場線の上大井駅が珍駅名扱いされることもあるようです。

駅名ばかりが注目される半家駅ですが、写真でもわかるように、隣接道路との高低差が大きく長い階段を登り降りしないと利用できない構造になっている点が気になります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184420j:plain大正時代に宇和島近郊区間が開通した予土線ですが、その後昭和28年に江川崎まで延長され、高度成長末期の昭和49年になって若井までの全線が開通しました。

発達した土木技術に物を言わせて敷かれた江川崎〜若井間の線路は線形がよく、列車は最高時速の85kmに達する快走を続けますが、

この区間の沿線人口は元々多くないうえ、開通を迎えた昭和49年の時点で、地方における交通の主役はすでにマイカーになっていました。

多少なりとも需要がある宇和島近郊区間では、軽便鉄道由来の貧弱な線形で、区間によっては原付バイクなみの低速走行を強いられるのに対し、

高度成長期以降の開通で速達性を発揮できる区間は利用者が極端に少ないというのは皮肉な話です。

鉄道は構想、計画から開通まで数十年かかることも珍しくなく、その間の社会情勢の変化を正確に予測し需要を見通すことは容易ではありません。

そしてそれは、これからの鉄道建設計画にも当てはまり、四国にもある新幹線構想もその例外ではないでしょう。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184438j:plain予土線には「しまんとグリーンライン」の愛称が付されています。

四万十川が緩やかに蛇行している箇所では川に沿って進みますが、

蛇行が大きいところでは「トンネルで川沿いの山を貫通し鉄橋で川を跨ぐ」という、まさに新幹線のような線形になっている区間もあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184518j:plain土佐大正駅。

ここも予土線高知県内区間の主たる駅の一つですが、10年前の2011年には100人を越えていた駅利用者数は最近では30人程度まで減少しています。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184539j:plain窪川の一つ手前の若井駅付近からは第3セクターの土佐くろしお鉄道線を走行し終点の窪川駅へ。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184555j:plain8:09。終点の窪川駅に到着。

宇和島から窪川までの運賃は若井駅までのJR区間が1660円、若井〜窪川の土佐くろしお鉄道区間が210円で計1870円となります。

その金額でも宇和島近郊の地元利用(往復)の4人分くらいになる計算ですが、

3大都市圏など沿線外から予土線を訪問しようとすれば、四国まで飛行機を利用したとしても、空港からは松山〜宇和島や高知〜窪川間でJR四国の特急利用となる場合が多いと思われ、

JR四国が予土線にホビートレインのような注目列車を走らせる狙いはその点にあると見て間違いなさそうです。

またJR四国は「JR四国全線○日乗り放題」という企画切符を多数発売していますが、予土線がなければ鉄道だけで四国を周遊することが難しくなり、それらの売上にも影響があるかも知れません。

予土線は輸送密度の数値だけ見れば、宇和島近郊区間も含めバスで代替できないことはないと個人的には思いますが、

路線単独の輸送密度だけで存在価値を判断できない要素も多い路線とも言えそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184617j:plain窪川駅舎。

駅から徒歩10分の距離には四国霊場88箇所の37番札所岩本寺があります。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184654j:plain今回は窪川から高知方面の特急に乗り継ぎましたが、窪川駅で高知方面の時刻表を見ると7:41に特急あしずり4号が発車したあと、

10:04の特急あしずり6号まで約2時間以上、普通列車も含め列車がありません。

沿線外からの利用で予土線を支えようとするなら、

地元利用が少ない土曜休日だけでも予讃線、土讃線の特急との接続を重視したダイヤにするほうがよいのではないか。

という気がしないでもありません。

 

f:id:nishiuraexp:20211019184719j:plain特急あしずり6号の到着まで2時間を過ごした窪川駅舎内。

コンセント完備のラウンジがあり思いのほか快適に列車待ちの時間を過ごせたのは幸いでした。

最後までお読みいただきありがとうございました。 

 

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【新東名経由になった】JR高速バスグラン昼特急7号乗車記(東京駅10:10→大阪駅18:33)

f:id:nishiuraexp:20211030094737j:plain東京駅八重洲口高速バスターミナル。

JR高速バスきっぷうりば。

 

f:id:nishiuraexp:20211030094804j:plainJR高速バスきっぷうりば内発車表示。

今回は上から3段目、10:10発大阪駅行「グラン昼特急7号」に終点の大阪駅まで乗車します。

東京と大阪を結ぶJRの高速バス「グラン昼特急号」や「青春昼特急号」は、これまで名古屋以東の区間は東名高速道路を経由していましたが、2021年10月28日より新東名高速道路経由に変更になりました。

経路変更によるダイヤ改正で「グラン昼特急7号」の場合、東京駅発時刻は変わらす大阪駅到着は18:56から18:33になり、23分の所要時間短縮が図られています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030101248j:plainきっぷうりば前の9番のりばに入線した「グラン昼特急7号」大阪駅行。

 

f:id:nishiuraexp:20211031170938j:plainダブルデッカーでの運転です。

 

f:id:nishiuraexp:20211030101410j:plain車内。1階部分は通路を挟んで2人掛けシートが5対10席。

 

f:id:nishiuraexp:20211030103330j:plain 1階後方にはトイレと2階への階段。

 

f:id:nishiuraexp:20211030105959j:plain2階部分は独立シートが横3列で並びます。

 

f:id:nishiuraexp:20211030110111j:plain今回は乗車券発売日(前月同日)に高速バスネットから2階席最前列のシートを予約しました。

 

f:id:nishiuraexp:20211030110216j:plain最前列席からの視界。

早期に高速バスネットから予約すると割引運賃を選択できることがありますが、最前列は対象外。今回の大阪駅までの運賃は正規の7000円からネット割2%を差し引いた6860円です。

 

f:id:nishiuraexp:20211030114244j:plain座席周り。左肘置きの下にUSBポート。

 

f:id:nishiuraexp:20211030114326j:plain レッグレストと、最前列席には足乗せが用意されています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030114416j:plain最前部には乗務員さんと通話ができる非常電話と、その横には前方の窓が曇った際に使用すると思われるスイッチがついています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030110323j:plain10:10定刻に東京駅八重洲口を発車したバスは一般道経由でバスタ新宿へ向かいます。

大阪駅までに降車できるバスストップは、愛知県新城市の道の駅「もっくる新城」と名神高速道路上の京都深草バスストップのみですが、

乗車のみ可能のバスストップは「もっくる新城」のほか東名御殿場以東に多数設定されています。

また途中休憩箇所は東名高速道路足柄SA、道の駅「もっくる新城」、新名神高速道路甲南PAの3箇所で、

そのうち足柄SAと甲南PAは東名高速道路経由のときと同じです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030215636j:plain 10:40。バスタ新宿に到着。

始発の東京駅からは10名程度乗車がありましたが、バスタ新宿からの乗車はそれより少なかったようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030105733j:plain10:50定刻。バスタ新宿を発車したバスはJR新宿駅前を通り首都高へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20211030111057j:plain東京駅発車から55分。

11:05初台南入口より首都高速へ。

新宿は関東一帯や中央本線沿線に住む方にとっては非常に重要な地位にあるターミナルだと思いますが、

グラン昼特急号が向かう愛知県や京都、大阪周辺に住む方にとっては、東京の出入口は昔から東京駅だったはずであり、

新宿を経由するメリットと、それにより所要時間が延びるデメリットを慎重に比較することが必要なのではないか。と個人的には思います。

 

f:id:nishiuraexp:20211030113500j:plain11:35。首都高速から東名高速道路に進入。

多摩川を渡り東京都から神奈川県に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211030114123j:plain11:38。東京料金所を通過。

料金所脇には東名向ヶ丘バスストップがあり、ここからの乗車も可能ですが本日は乗車なし。

 

f:id:nishiuraexp:20211030115048j:plain連休ではない普段の週末で、高速道路料金の割引復活も延期されている状況ですが、

東名高速道路は盆や年末年始を思わせる20kmを越える大渋滞。

コロナ感染者数の沈静化と無関係ではなさそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030115118j:plain11:49東名江田バスストップ。所定11:23。乗車なし。


f:id:nishiuraexp:20211030123716j:plain東名大和バスストップを12:30頃に通過。所定11:34。

渋滞で遅れはすでに約1時間に達しています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030124231j:plain12:40綾瀬バスストップ付近。所定11:38。

グラン昼特急号の綾瀬バスストップ停車は新東名高速道路乗り入れにともなうダイヤ改正で追加されたものです。
 

f:id:nishiuraexp:20211030124931j:plain12:48厚木バスストップ。所定11:44。

 

f:id:nishiuraexp:20211031195512j:plain 渋滞の車列越しに望む富士山。

 

f:id:nishiuraexp:20211030135318j:plain神奈川県から静岡県に入り最初の休憩地足柄SAに接近。

このあたりでようやく本来の速度での走行ができるようになりました。
 

f:id:nishiuraexp:20211030143924j:plain13:51。足柄サービスエリアに到着。東京駅から3時間40分、バスタ新宿から3時間を要しての到着です。

 

f:id:nishiuraexp:20211030144001j:plain足柄サービスエリア。

施設は充実しており1時間以上の滞在でも退屈することはなさそうです。

吉野家やココイチなども店を構えています。

 f:id:nishiuraexp:20211030222013j:plain

f:id:nishiuraexp:20211030144108j:plain サービスエリアでの休憩時間は20分程度。

トイレを済ませてから飲食するには少し短い感じであり、シュウマイ弁当で有名な崎陽軒の弁当を購入して車内に戻りました。

 

f:id:nishiuraexp:20211030144143j:plainデザートも調達。

三ヶ日みかん味のジェラート。

静岡県西部、浜名湖に近い三ヶ日の地名は、本乗車記では無視することができません。

浜名湖周辺は東京と大阪の中間地点にあたり、鉄道では東京と新大阪を同時刻に発車した東海道新幹線のぞみ号がすれ違うのが浜名湖あたりと言われています。

東京と関西を結ぶJR高速バス路線においては、東名高速道路三ヶ日IC付近の一般道沿いに乗務員の詰所が置かれ、三ヶ日以東はJRバス関東の乗務員が、三ヶ日以西は西日本JRバスの乗務員がハンドルを握ることが、半ば伝統のようになっていました。

そのため新東名高速道路開通後、途中で乗務員交代がない東京と名古屋を結ぶ路線の一部が、新東名スーパーライナーとして、東名高速道路から新東名高速道路に経路変更したのちも、

東京と関西を結ぶ路線は、長らく「三ヶ日縛り」のために全便が東名高速道路経由となっていました。 

そしてこの度、新東名高速道路新城IC近くの道の駅「もっくる新城」に隣接して新たな乗務員詰所が設けられ、

ようやく「グラン昼特急号」を始めとする東京〜関西間のJR高速バスの新東名高速道路への経路変更が可能になったということのようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030144226j:plain14:15。到着時のアナウンス通りの時刻に足柄SAを発車。(1時間35分遅れ)

なお休憩箇所発車時の人数確認はなく、乗り遅れても払い戻しなどは受けられない旨の注意書きを乗車時に渡されました。

鉄道では当然のことであり、この扱いに不満などはありませんが、

気になるのは休憩箇所より先までの乗車券を用意しておいて、

休憩箇所で意図的に乗り遅れ、迎えの車などで帰宅したり目的地へ向かっても、

この扱いなら問題として浮上しないだろうという点です。

JRでは国鉄以来の規定により、100km未満の乗車券を購入すると、券面に途中下車前途無効と記載されます。

90km先の駅までの切符を買って列車に乗り、60km先の駅で下車し改札を出たら、残り30kmの区間は無効になるというのが直接の意味ですが、

そこには「無効承知で手前の駅で下車するならそれは客の自由」という消極的な意味が含まれていると解することもできます。

##高速バスにおいて休憩箇所での下車が認められているという事実は確認していませんので御注意下さい。##

 

f:id:nishiuraexp:20211030142302j:plain

f:id:nishiuraexp:20211030142348j:plain足柄SAを発車したバスはしばらく本線を走り14:20御殿場ICで流出。

東名御殿場バスストップに停車。
 

f:id:nishiuraexp:20211030165150j:plain御殿場ICから本線に復帰して数分、御殿場JCTで東名高速道路と別れ新東名高速道路へ進入。

 

f:id:nishiuraexp:20211030165533j:plain新東名高速道路の静岡県区間の大半では、法定最高時速が段階的に引き上げられ、現在一部の車両を除いて120kmとなっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030165815j:plain法定最高速度向上にあわせ100mの車間距離目標の先に150mの目標が追加されるなどの対策が進められているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030183502j:plainバスも120kmが許容されるているはずですが、今回のような大幅遅延でも、運転席のメーター読みで100km程度の運転となるようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030150220j:plain15:00。新清水JCT通過。

ここで分岐する中部横断自動車道は8月に中央道と直結し、高速道路のみで静岡と甲府を行き来できるようになりました。
 

f:id:nishiuraexp:20211030162121j:plain15:56。静岡県から愛知県へ。

新東名高速道路の愛知県区間は現在のところ片側2車線となっており、法定最高時速も他の主要高速道路と同等の100kmとなっています。
 f:id:nishiuraexp:20211030184325j:plain愛知県区間に入ってしばらく、新城ICで一旦高速を降り、道の駅「もっくる新城」まで3分程一般道を走行。
 

f:id:nishiuraexp:20211030162224j:plain16:07。道の駅「もっくる新城」に到着。

足柄SAに続く2回目の休憩箇所であり、グラン昼特急号では唯一の乗車降車とも可能のバスストップでもあります。
 

f:id:nishiuraexp:20211030170317j:plain

f:id:nishiuraexp:20211030170355j:plain20分の休憩時間を利用して道の駅もっくる新城内を散策。

地元の農産品や土産物を扱う店舗がならびます。

 

f:id:nishiuraexp:20211030170617j:plainバス停が設けられた観光案内所前には、JR高速バスの乗り入れを祝う看板が設置されていました。

 

f:id:nishiuraexp:20211031154951j:plain 休憩中にJRバス関東から西日本JRバスの乗務員さんへと引き継がれた「グラン昼特急7号」は、所定より約1時間35分遅れの16:27「もっくる新城」を発車。

新城ICより新東名高速道路に復帰します。

乗客の休憩中に乗務員交代が行われるようになったことも所定の所要時間を短縮することに貢献しているはずです。

 

f:id:nishiuraexp:20211030170237j:plain17:00。豊田JCT通過。新東名高速道路から伊勢湾岸自動車道へと進みます。

秋の日暮れは早くフロントガラスからの西陽が眩しいと感じたのも束の間、対向車両の多くはすでにヘッドライトを点灯させています。
 

f:id:nishiuraexp:20211030172035j:plain17:18名港中央IC付近を通過。

鉄道でいうと名古屋駅からの「あおなみ線」の終点金城ふ頭駅付近を走行しています。

 

f:id:nishiuraexp:20211031160105j:plain バスは愛知県から三重県に入り、湾岸長島IC付近では左手にライトアップされたナガシマスパーランドのアトラクションが見えます。

 

f:id:nishiuraexp:20211031160155j:plain四日市JCTから新名神高速道路へ。

伊勢湾岸自動車道と新名神高速道路が繋がったことで、東名阪自動車道への迂回が不要になりました。

鉄道と比べ高速道路ネットワーク整備の進捗の早さに驚かされます。

 

f:id:nishiuraexp:20211030182648j:plainバスは滋賀県に入り18:05、最後の休憩地である新名神高速道路甲南PAに到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211030182947j:plainサービスエリアではなくパーキングエリアということもあり、足柄サービスエリアや道の駅「もっくる新城」に比べると店舗施設などは小規模です。

 

f:id:nishiuraexp:20211031160224j:plain18:25に甲南PAを発車したバスは、18:40名神高速道路に合流。

新名神高速道路は大津JCTから高槻JCTが未開通ですが、この区間でも工事が進捗しています。

 

f:id:nishiuraexp:20211030190140j:plain

f:id:nishiuraexp:20211030190222j:plain名神高速道路上のバスストップ京都深草到着のアナウンスが流れると降車ボタンがおされました。

 

f:id:nishiuraexp:20211030190302j:plain18:55。京都深草バスストップに到着。

名神高速道路上の京都深草バスストップは、京阪電鉄本線藤森駅徒歩10分、近鉄京都線竹田駅徒歩15分の場所に位置しています。

なお写真の先行車両は東京駅を1時間前に発車して同じ経路で大阪駅へ向かう青春昼特急号のようで、追いついてしまった格好です。

早い時間帯はさらに長い渋滞が発生していたのかも知れません。

 

f:id:nishiuraexp:20211030192458j:plain大阪周辺でも渋滞が発生しており、最後は名神高速道路から阪神高速11号池田線に迂回。

 

f:id:nishiuraexp:20211030233602j:plain 阪神高速池田線を南下するにつれ、東京都心を抜けて以来の大都会の光景がフロントガラス越しに展開するようになります。

 

f:id:nishiuraexp:20211030233635j:plain 梅田で阪神高速を降りると、終点の大阪駅高速バスターミナルは目の前ですが、ターミナル進入方向の関係で大阪駅前を一回り。

首都東京からの旅人に「西の大都会ここにあり」と誇示しているかのようでもあります。

 

f:id:nishiuraexp:20211031171049j:plain 19:41。足柄サービスエリア発車時点で1時間35分あった遅延を1時間8分まで縮めて終点の大阪駅高速バスターミナルに到着。

東京駅前から9時間31分(所定8時間23分)、バスタ新宿から8時間51分(所定7時間43分)。1都2府5県を駆け抜けた高速バスの旅はここで終了です。

3大都市圏を貫く高速バス路線は注目を集めやすく需要もある反面、今回のように渋滞で遅延するリスクが大きいのは残念ながら事実だと思いますが、

見方を変えれば、20km以上の渋滞に巻き込まれても1時間程度の遅延で到着できた。とも言えそうです。

そもそもダイヤ通りの運行でも東海道線新幹線のぞみ号の3倍程度の時間がかかるので、先を急ぐ客は多くないと思われ、今回も困った様子を見せる乗客は皆無でした。

東海道移動の選択肢の一つとして、時間はかかるが新幹線より安く、移動自体を楽しめる昼間の高速バスの存在を知っておいて損はないと思います。 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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【西予観光に便利】特急宇和海19号乗車記(松山15:27→宇和島16:49)

f:id:nishiuraexp:20211010134821j:plain愛媛県松山市。JR四国松山駅。

今回はここから特急宇和海号に乗車し宇和島へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20211010135030j:plain松山駅の運賃表(路線図)。

右上端の松山から左下端の宇和島まで96.9km。普通運賃1830円・自由席特急料金は1200円です。

松山から宇和島方面への予讃線は、元々水色で示されているルート(通称海線)でしたが、

国鉄末期に内子を経由するオレンジ色で示されている短絡ルート(通称山線)が繋がり特急宇和海号は全列車が山線を通ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211010135127j:plain 松山駅時刻表。赤文字が特急宇和海号。

特急宇和海号は全列車が松山〜宇和島間の運転。

等間隔ではありませんが概ね1時間毎に運転されています。

 

f:id:nishiuraexp:20211010134929j:plain今回は松山駅発15:27の19号に乗車します。

 

f:id:nishiuraexp:20211010135333j:plain改札口からホームに入ると目の前の1番線に岡山・高松からの特急を併結した「しおかぜ・いしづち11号」が入線するところでした。

松山駅改札口前の1番線ホームには、乗り換えの利便のため、宇和島へ向かう特急宇和海号と岡山・高松方面からの特急「しおかぜ、いしづち号」が縦列停車します。

(一部の列車は跨線橋を渡っての乗り換えとなります)

 

f:id:nishiuraexp:20211010135521j:plain岡山・高松からの特急「しおかぜ・いしづち11号」が松山駅1番線の高松寄りに停車。

 

f:id:nishiuraexp:20211010135649j:plain一方「しおかぜ号・いしづち11号」が入線した方向とは反対の宇和島方面からは、宇和島からの特急「宇和海18号」が入線。

 

f:id:nishiuraexp:20211010135808j:plain両列車は写真のように1番線でしばらく縦列停車し、相互の乗り換え客と松山駅からの乗客を乗せたのち、それぞれ来た道を折り返していきます。

2つの特急列車を乗り継ぐ場合は、特急料金も通算される特例が設けられています。

 

f:id:nishiuraexp:20211010140040j:plain特急宇和海号の運用に入るのは2000系気動車2両編成。

 

f:id:nishiuraexp:20211010140215j:plain15:27。松山駅発車時点での自由席の乗車率は30%くらいにみえました。

 

f:id:nishiuraexp:20211010140327j:plain松山駅周辺は高架化が予定されており、発車後しばらくは工事現場の車窓が続きます。

 

f:id:nishiuraexp:20211010140436j:plain一部では高架化に先行して複線化も実施され、こちらはすでに供用を開始しています。

今のご時世に地方路線の複線化とは景気のよい話に聞こえるかもしれませんが、

この区間の複線化は必ずしも利用者の増加や旅客列車の増加によるものではありません。

松山駅周辺の高架化に伴い、松山駅に隣接していた車庫を郊外に移転することになり、

その結果、駅隣接の車庫から構内の入れ替えで松山駅ホームに出入りできていた列車を郊外の車庫まで回送する必要が生じました。

今回の複線化は、その回送列車によって列車本数が増加するために行われたものです。

ちなみに高架の松山駅は車庫があった場所に建設され、現在の松山駅部分は高架開業後に広い駅前広場の一部になるようです。

単に駅を高架化すると言っても、車庫移転や車庫までの区間の線路容量の問題など対応すべき課題は多岐にわたります。

 

f:id:nishiuraexp:20211010140803j:plain移転新設された車庫の脇を通過。付近には2020年に南伊予駅が新たに開業しています。

南伊予駅新設の経緯を詳しく調べたわけではありませんが、車庫という地元住民には直接的な利益をもたらさない施設を受け入れてもらうために、なんらかの配慮が必要になるケースもあるようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211010140913j:plainつぎの特急停車駅である伊予市までは伊予鉄道郡中線が並行していますが、JR沿線は市街地化が進んでおらず、松山駅から数kmの場所に広大な車庫用地を確保することができたのは幸いであったかも知れません。

 

f:id:nishiuraexp:20211010141020j:plain15:35。伊予市着。

高松から続く予讃線の電化区間は当駅で終わり、この先終点宇和島までは非電化区間となります。

 

f:id:nishiuraexp:20211010141146j:plain伊予市を発車すると次の向井原駅付近で海線と呼ばれる旧来の予讃線が右手に分岐。

特急宇和海号は内陸の通称山線へ入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211010141253j:plain山線は高度成長期以降に建設された新路線らしく、長大トンネルで山を貫く直線的な線形になっています。

 

f:id:nishiuraexp:20211010141416j:plain15:51。伊予市から26kmを16分で走り内子に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211010141609j:plain高架の内子駅から望む内子市街地。

 

f:id:nishiuraexp:20211016232857j:plain内子は江戸後期から明治初期にかけて和紙や木蝋の生産で栄え、当時の白壁や格子戸が残る古い街並みが保存されています。

 

f:id:nishiuraexp:20211016232802j:plain大正時代に建築された木造の芝居小屋「内子座」は国の重要文化財に指定されています。

内子座や古い街並は内子駅から徒歩10分〜15分程度でアクセスできます。

 

f:id:nishiuraexp:20211010141733j:plain内子から10分。向井原から伊予灘沿いを辿ってきた旧来の予讃線(海線)と合流し、16:01伊予大洲に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211010141855j:plain伊予大洲を発車して間もなく列車は肱川にかかる鉄橋を渡ります。

左手には大洲城の天守が見えます。

江戸初期に建築された大洲城の天守は明治期に解体されましたが、平成16年に地元からの寄付などもあって木造で再建されました。

こちらも伊予大洲駅から徒歩でアクセスすることができます。

 

f:id:nishiuraexp:20211010141945j:plain伊予大洲と次の停車駅八幡浜の間で見える工事中の橋脚は、建設中の大洲八幡浜自動車道のものです。

特急宇和海号が結ぶ松山〜宇和島間で並行する高速道路松山自動車道は内子・大洲を経由しますが八幡浜は通らず宇和島へ向かいます。

高速道路の経路から逸れた八幡浜ですが、豊後水道を横断し四国と九州とを結ぶフェリーの発着地となっており、主要交通軸の拠点として機能していることから、

松山自動車道から分岐して八幡浜へ向かう高規格道路として建設が進んでいます。

JR四国が発足した1987年4月当時、四国内の高速道路は松山自動車道三島川之江IC〜土居IC間の僅か11kmのみでしたが、すでに4県庁所在地と高松、岡山を結ぶ高速道路が計画〜着工の段階にありました。

JR四国は発足早々から高速道路時代に対応するため、都市間の所要時間を大幅に短縮するべく大出力エンジンに制御振子装置を搭載した新型特急車両2000系を開発。

1990年頃より土讃線、予讃線で本格的に運転を開始し、都市間の所要時間を数十分単位で短縮しました。

その後、予讃線は松山の先伊予市までの電化を機に電車特急8000系に置き換えられ、土讃線でも近年新型の2700系への置き換えが進みましたが、

所要時間は2000系で運転された当時とほぼ変わっておらず、約30年前の2000系登場がいかにインパクトのあるものだったかを物語っています。

なお主要区間からは退いた2000系ですが、乗車中の特急宇和海号や、土讃線の高知以西のみを走る特急あしずり号で最後の活躍を続けています。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142031j:plain16:13。八幡浜着。

九州大分方面へのフェリーのりばは駅前から徒歩でアクセスできない距離ではありませんが、少し離れているので、乗り継ぐ場合は時間的な余裕を見ておく必要があります。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142152j:plain伊予石城駅手前では右の車窓に広がる田園地帯の中に、平成23年に東京の美術大学と地元有志の協働で制作されたという「わらマンモス」が見えます。

地元で開催される「レンゲまつり」を盛り上げるために作られたようですが、今では常設となっています。

特急は止まりませんが、伊予石城駅から徒歩3分と便利なので鉄道旅のアクセントに立ち寄るのも面白そうです。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142330j:plain「わらマンモス」最寄り駅の伊予石城駅では運転停車し松山行の特急宇和海22号と行き違い。

以前は4両での運転も珍しくなかった宇和海号ですが、高速道路の影響を受け現在では2両編成が主体になっているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142418j:plain16:30。卯之町着。

人口約4万人の西予市を代表する駅で、駅周辺には市役所を始め都市機能が集約されています。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142521j:plain16:41。最後の停車駅伊予吉田に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142615j:plain伊予吉田駅を発車した列車は、海を見下ろす登り勾配にかかります。

ハイパワーの特急気動車に乗っていると実感が薄れますが、西予市と宇和島市を隔てる法華津峠はトンネル9本、最急勾配33パーミルという本格的な峠道です。

四国山地を乗り越え高知へ向かう土讃線に比べ瀬戸内海に沿う予讃線は平坦線のイメージがありますが、その西端にあたる八幡浜以西には法華津峠以外にも33パーミルの急勾配区間が複数あります。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142700j:plain峠を越え終点宇和島の一つ手前の北宇和島で予土線と合流。

列車は宇和島の市街地に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20211017210124j:plain16:49。特急宇和海号の終点であり、高松から続く予讃線の終点でもある宇和島に到着。

規模は違いますが予讃線の起点高松駅と同じ行き止まり式の駅で、エレベーターやエスカレーターなどなくともバリアフリーが達成されています。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142903j:plain宇和島駅コンコース。

 

f:id:nishiuraexp:20211010142955j:plain宇和島駅の上階はJRホテルクレメント宇和島になっており、コンコースからドア1枚、駅前に出ることなくチェックインすることも可能です。

 

f:id:nishiuraexp:20211010143108j:plain最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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観光列車「〇〇のはなし」乗車記(東萩14:13→新下関17:50)

f:id:nishiuraexp:20210927195813j:plain山口県萩市。JR西日本山陰本線東萩駅。隣には萩駅もありますが、ここ東萩駅が萩市の玄関の役割を果たしています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927195839j:plainさて今回はここ東萩駅から観光列車「〇〇のはなし」に乗車し終点の新下関駅へ向かいます。

 「〇〇のはなし」は、午前に山陽新幹線・山陽本線の新下関駅から下関駅を経由して山陰本線に入り東萩駅まで運転され、午後に東萩から新下関に戻るダイヤになっています。

「○○のはなし」の列車種別は「快速」で、全車普通車扱いですので、普通乗車券に座席指定券を追加するだけで気軽に乗車することができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927195954j:plain改札口を抜けホームへ。

新下関行「○○のはなし」の東萩駅発車時刻は14:13です、

車両は、国鉄末期に非電化路線でも比較的需要がある路線の普通列車むけに導入されたキハ47系2両編成を観光列車として改造したものです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200044j:plain車内へ。

幕末・開国~明治維新の時代に多くの志士を輩出した長州「萩」を目的地とする観光列車ということで、

 

f:id:nishiuraexp:20210927200158j:plain下関寄りの1号車は「西洋が憧れる日本」がコンセプト。

和室のような内装で床の一部には畳も使われています。

全体として和食レストランや寿司店を連想させるインテリアです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200244j:plain

f:id:nishiuraexp:20210927200316j:plain一方、東萩寄りの2号車は「日本が憧れた西洋」がコンセプトで、

レンガ造りをイメージした壁面に革張りのソファーが並びます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200352j:plain2号車の車端にはグッズ・お土産の販売カウンターのほか、乗車記念スタンプが設置されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200451j:plain今回は1号車の1人席を希望していましたが、あいにく満席で、2号車の2人掛け席に落ち着きました。

なお「〇〇のはなし」の座席指定については、1.2号車とも座席と窓枠の相性が良い席、悪い席が存在します。

JR西日本HPの「〇〇のはなし」の詳細を紹介するページには、窓枠の位置と座席番号が一目で分かる親切な座席図が掲載されているので事前に確認しておきたいところです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200421j:plain座席の足元は広くコンセントも設置されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200542j:plain14:13東萩駅を発車。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200649j:plainおよそ4分で萩駅に停車。萩駅は萩市の中心からは離れているものの、よく整備された木造駅舎が美しく一度途中下車する価値のある駅です。

 

f:id:nishiuraexp:20211004153411j:plain萩駅舎(2016年撮影)。登録有形文化財に指定されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200720j:plain萩を発車すると列車は日本海に沿って進みます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200743j:plain2号車の座席はすべて日本海を望む方向に向いています。

日本海に向かって後方になる座席からは写真のようなアングルで車窓を眺めることになります。

今回は日本海側の窓に面した座席ばかりが埋まり後方席は全て空席でしたが、

後ろへ下がる分、複数の窓から広角で車窓を楽しむことができるメリットもあり、一概にどちらのほうが眺めが良いと断じることはできないように思います。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200827j:plain萩駅から約30分。長門市駅に到着。

列車はここで進行方向をかえ、わずか2.2Kmの行き止まり路線である山陰本線仙崎支線に入ります。

長門市駅での乗降は仙崎支線を往復して戻ってきてからとなり、1回目の停車は進行方向転換のための運転停車となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200935j:plain右が萩から辿ってきた山陰本線、左がこれから進む仙崎支線です。

仙崎支線は普通列車のみ1日6往復の運転で終点仙崎まで途中駅はありません。

仙崎駅の1日の利用者数は45人。

「よくぞ廃止されずに残っているものだ」と個人的には思ってしまいますが、

独立した路線ではなく山陰本線の一部という扱いが奏功しているのでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201000j:plain折り返しとなる仙崎駅では、30分の停車時間があります。

車内では希望者に仙崎駅周辺の観光地図が配られました。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201022j:plain30分の停車時間で訪問できそうなのは、

仙崎出身の童謡詩人金子みすゞ氏を紹介する「金子みすゞ記念館」と、

海に面して建つ道の駅「センザキッチン」あたりになりそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201052j:plain長門市駅から約4分。

地図を眺めている間に行き止まりの仙崎駅に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201151j:plain仙崎駅舎。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201243j:plain仙崎駅前から「センザキッチン」に続く道路。

地図を眺めながら、

郷土の偉人を紹介する記念館を訪問しても滞在時間はせいぜい10分程度しかとれず、慌ただしく退出して駅に帰ってくることになりそうであり、

「そういう訪問の仕方が歓迎されるだろうか」などと考え、

「センザキッチン」へ行くことにしたのですが、他のお客さんも皆同じ結論になったようです。

 

 

f:id:nishiuraexp:20210927201327j:plain仙崎駅から徒歩5分かからずにセンザキッチンの入口に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201357j:plain

f:id:nishiuraexp:20210927201435j:plain道の駅に加えインフォメーションセンターや観光船のりば、

f:id:nishiuraexp:20210927201504j:plain海に面したウッドデッキなども併設され1時間の滞在でも退屈することはなさそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201558j:plain今回は5分程の余裕を持って列車に戻ることができましたが、

もう10分〜15分くらい停車時間が長ければ「センザキッチン」での買い物も増え、「金子みすゞ記念館」訪問という選択をする乗客も増えるのではないか。

というのが個人的な感想です。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201623j:plain「センザキッチン」で購入したお寿司。

寿司ですがシャリは酢飯ではなく「おから」で、当地では「きずし」と呼ばれているようです。

調べてみると西日本では愛媛県西部にも同じような郷土レシピが存在するようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201654j:plain列車は仙崎支線を折り返し、15:31長門市駅に戻ってきました。

今度は時刻表上にも記載のある正式な停車であり、改札前ホームからは「歓迎」の旗を持ってのお出迎えもしていただきました。

なお「〇〇のはなし」の今回の乗車区間(東萩〜新下関)の乗車券を購入する際、

仙崎支線往復分の運賃について、

JRの規則を厳密に運用すれば「東萩〜仙崎と仙崎〜新下関のように分割購入するか、東萩〜新下関を通しで購入した場合は、別途長門市〜仙崎往復の乗車券が必要になるはず」と思い、

購入駅の「みどりの窓口」で尋ねたところ「JR側がそのような経路で運行しているので仙崎支線区間の運賃は不要」との回答をいただきました。

ネット情報によれば明文規定まではないようですが、JR事実上公認の「タダ乗り」区間で途中下車観光までできる。という事例は他に思いつきません。

 

f:id:nishiuraexp:20210927203205j:plain駅ホーム設置の「〇〇のはなし」運行経路図。

長門市に戻り山陰本線に復帰した「〇〇のはなし」は本州最西端の海岸線に沿って下関方面へ進みます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201759j:plain長門市を発車してしばらく、日本海に浮かぶ「青海島」を望むビュースポットで一旦停車。

青海島は周囲40km。大自然によって造られた洞門や石柱などの奇岩、怪岩が数多く存在することで知られます。

本土とは仙崎市街から続く青海大橋によって車での往き来が可能です。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202050j:plain16:15頃。列車は長門市域から下関市に入り阿川駅に到着。

阿川駅にはカフェ「Agawa」が最近開業しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202120j:plain新下関行の「○○のはなし」は6分程度阿川駅に停車。

テイクアウトで車内持ち込みというお客さんも多いようでした。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202222j:plain阿川に続いて、16:27特牛に停車。

読みは「とっこい」ではなく「こっとい」です。

全国屈指の難読駅として知られる駅です。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202248j:plain16:33滝部駅に停車、

新下関行「○○のはなし」は、阿川駅から先の下関市内区間については、快速列車らしく淡々と進んでいく印象です。

「〇〇のはなし」という変わった列車名の由来は、列車の走行区間の3自治体「萩市」「長門市」「下関市」の頭文字を取ったものですが、

実際に乗車してみると、3者は並列の関係と言うよりは、

下関市や対岸の北九州市など関門海峡周辺を訪れる多くの観光客を、下関市と同じ山口県内の「は」や「な」に引っ張り混むという「動線作り」と、

下関近郊以外では芳しいとは言えない山陰本線の利用促進という2つの役割が期待される観光列車という背景を個人的には感じました。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202354j:plain

f:id:nishiuraexp:20210927202440j:plain本州最西端。関門海峡の北西に広がる海域は「響灘」と呼ばれます。  

列車は響灘を望むビュースポットで再び一旦停車。

時刻は17時前。乗車した9月下旬では日没には少し早かったものの、これからの季節は、この付近で日没時刻を迎えるものと思われます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202522j:plain16:58。下関近郊区間の入口にあたる小串駅に停車。

先述のように運賃に座席指定券を追加するだけで気軽に乗車できる「〇〇のはなし」ですが、 

小串駅からは19分前と17分後に当駅始発の下関行の普通列車が設定されており、地元利用との混乗は極力回避されているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202642j:plain17:03。川棚温泉駅停車。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202726j:plain川棚温泉駅を発車すると次の停車駅は下関。

沿線はしだいに都市近郊らしい風景に変わっていきます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202756j:plain下関の一つ手前の駅であり、京都から続く山陰本線の終点でもある幡生で運転停車。

下関までの最後の一駅間は山陽本線を走行します。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202830j:plain17:39下関着。

これから下関周辺を訪れる観光客や北九州、福岡方面へ帰る方はここで下車となります。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202854j:plain17:43。下関駅で半数以上の客が下車した「○○のはなし」は、進行方向をかえて山陽本線を折り返し新下関へ向かいます。

幡生に停車しない列車を利用した結果、幡生~下関間が重複乗車となる場合については、下関駅で途中下車しない限りその区間の運賃は不要となります。

仙崎支線とは違い明文規定があり市販の時刻表にもその旨の記載があります。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202923j:plain幡生を通過すると東萩から辿ってきた山陰本線が分岐していきます。

同じ長大幹線でも全線が複線電化(一部複々線)の山陽本線にくらべ、山陰本線の大半はローカル線とかわらない単線非電化であり、廃止のはなし(公式ではない噂や危機感の類)がささやかれている区間も存在します。

 

f:id:nishiuraexp:20210927203003j:plain17:50。山陽新幹線の高架駅舎が頭上を覆う新下関駅終点に到着。

山陽新幹線の新下関駅はこだま号のみ停車が基本ですが、「〇〇のはなし」到着から18分後の18:08に、ひかり号相当の「さくら566号新大阪行」が停車し、乗り継ぐと姫路20:02、新神戸20:19、新大阪20:32に到着することができます。(2021年9月現在のダイヤです。)

最後までお読みいただきありがとうございました。

 


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【1時間で萩へアクセス】高速バス「スーパーはぎ号」乗車記(新山口駅11:00→東萩駅12:10)

f:id:nishiuraexp:20210925100410j:plainJR西日本新山口駅。

こちらは山陽新幹線の駅から自由通路で在来線を跨いだ先にある北口バス乗場です。

今回はここから高速バス「スーパーはぎ号」に乗車し、同じ山口県の日本海側に位置する萩へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100455j:plain「スーパーはぎ号」は座席定員制で事前予約はできません。

運賃は降車時に支払うこともできますが、北口バスターミナルに隣接するバス案内所で事前に乗車券に購入することもできます。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100518j:plainバス案内所の運賃路線図。

「スーパーはぎ号」は新山口駅北口を発車すると、次は萩市街地の萩明倫センターまでノンストップ。

萩明倫センターからは萩バスセンターを経由し終点のJR東萩駅へ向かいます。(運賃路線図右上端)

萩市内各停留所までの運賃は2090円が正規ですが、2022年3月末まではキャンペーンで1600円に値下げされています。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100543j:plainバス案内所の券売機はキャンペーン運賃対応済みでした。

券面下には中国JRバスにもご乗車できます。と書かれています。

「スーパーはぎ号」は2021年9月現在1日4往復の運行で、中国JRバスと防長交通がそれぞれ2往復を担当しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100601j:plain今回乗車する新山口駅北口11:00発のJR東萩駅行は中国JRバスの運行です。

車両には山陽新幹線のハローキティ新幹線と共通のピンク色主体のラッピングが施され「これがJRバスなのか」と目を疑うばかりです。

 

f:id:nishiuraexp:20210925102322j:plain 発車5分程前にバスターミナル2番乗場に入線。

「コロナ禍で空いているだろう」との個人的な予想に反して、乗場には入線前から行列ができており、窓側の席をほぼ埋めての発車となりました。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100714j:plain新山口駅北口を定刻に発車したバスは、しばらく市街地を走行し山口宇部道路の長谷ICへ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100741j:plain長谷ICから山口宇部道路へ進入。しばらく東方向へ進路をとります。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100825j:plain小郡ICで山口宇部道路から中国自動車道下り線に進入。今度は西方向に進みます。

地図上では迂回しているように見えても、高規格道路のネットワークを駆使するほうが、時間距離は短くなり安全性や快適性も高まるということのようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100850j:plain鉄道では険しい山越えのイメージが強い中国地方の内陸部ですが、

中国自動車道は峠の少し南(山陽側)を横に貫いており、車窓風景は思いのほか広々とした長閑なものです。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100912j:plain「秋吉台・萩」の表示が見えた美祢東JCTで中国自動車道から流出。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100933j:plain新山口駅北口発車から20分。

バスは国道490号のバイパスとして整備された小郡萩道路に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100959j:plain小郡萩道路を北上。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101024j:plain

f:id:nishiuraexp:20210925101051j:plain美祢東JCTから約10分。

現時点で小郡萩道路の終点となっている絵堂IC からは、旧来の国道490号を北上します。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101115j:plain一般道区間に入っても信号は少なく快適な走行が続きます。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101134j:plain沿道には彼岸花の赤色が目立っていました。

車窓の変化に季節の移ろいを感じることも一般道を走るバス路線の楽しみです。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101158j:plain今回は萩市街まであと10分の場所に位置する「道の駅・萩往還」の駐車場に臨時停車。

この数分前に後方席の女性が「子供がトイレに行きたいと言っている」と運転手さんに申し出たことを受けてのことですが、

「公共交通での旅行」と「マイカーでの旅行」の違いを子供に教えるべき若いお母さん自身が、その区別ができていないのではないか。と思わずにはいられません。

わずか3分でも20人乗っていれば1時間の時間が失われた計算になり、皆が同じことをすれば公共交通の定時運行などできるはずもありません。

終点まで1時間10分の座席定員制の路線で、コロナ禍でも半分の席が埋まる状況ですから、座席を多く設置できるトイレ無し車両で運行する中国JRバスの判断は妥当だと個人的には思います。

もしトイレに関してサービス向上を考えるならば、新山口駅バスターミナルの掲示や放送などで「トイレ無し車両での運行なので事前に用事をすませて乗車してほしい」旨の周知を強化することではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101224j:plainバスは少し遅れて萩市街地へ。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101253j:plain12:03。萩明倫センターに到着。

バス停の奥に見えている建物は、萩藩の藩校[明倫館]の跡地に建設された明倫小学校の校舎として平成26年まで使用されていたもので、

現在は観光拠点としてリニューアルされています。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101318j:plain萩明倫センターに続いて萩バスセンターに停車。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101341j:plain萩バスセンターを発車したバスは、萩市街地を流れる松本川にかかる萩橋を渡り終点の東萩駅へ向かいます。

内陸から萩へと流れてくる阿武川は萩市街地の南で橋本川と松本川に別れて日本海に注ぎますが、萩の市街地の大半はその2本の河川の間に広がっています。

言い方を変えればJR東萩駅は市街地の中心から見れば「川むこう」の少し離れた場所に位置しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101425j:plain12:15。5分程遅れてJR東萩駅に到着。

市街地の中心に近い萩明倫センター、萩バスセンターでの降車が多く、終点まで乗り通した乗客は5人以下でした。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101452j:plain「 川むこう」の東萩駅ですが、駅前ではレンタサイクル店が営業しており、東萩駅を拠点に市街地に点在する名所旧跡を自転車で効率よく巡ることができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210926162147j:plain

f:id:nishiuraexp:20210926162210j:plain東萩駅から自転車で6分。世界遺産松下村塾、松陰神社。

 

f:id:nishiuraexp:20210926162234j:plain高杉晋作生家付近の街並み。

 

f:id:nishiuraexp:20210926162252j:plain菊ヶ浜海水浴場の眺め。


筆者はレンタサイクルで2時間程、萩市街地を巡ったのち、東萩発14:13の観光列車「〇〇のはなし」に乗り継ぎました。

続きはこちらです。

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【地方から地方へ】FDA静岡出雲線(FDA181便)搭乗記。静岡8:20→出雲9:35

f:id:nishiuraexp:20210725212343j:plain静岡県掛川市。JR東海掛川駅前。

今回はここから静岡空港へ向かいフジドリームエアラインズの出雲行を利用します。

##本記事記載の運賃、ダイヤ、割引などは別に断っているものを除いて2021年7月の利用日現在のものです。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212412j:plain静岡空港は静岡県の島田市と牧之原市に跨がる場所に建設され2009年に開港した空港で、

空港からの直線距離では東海道線島田駅、道路距離では同金谷駅が最寄り駅となります。

静岡空港へのアクセスとしては、静岡駅、藤枝駅、島田駅、金谷駅などからバスが運行されていますが、

掛川駅からは静岡空港を拠点とするフジドリームエアラインズ利用者むけの無料アクセスバスが運行されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212445j:plainフジドリームエアラインズ静岡空港アクセスバス掛川駅前時刻表。

掛川駅から静岡空港まで40分で結ぶダイヤです。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212515j:plain6:20頃。バスが到着。

スマホで静岡空港からのFDA便の予約画面などを運転手さんに提示して乗車します。

FDA便の予約があればバスは予約なしで利用できる点は便利です。

休日の早朝でしたが筆者のほかにも数人が乗車しました。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212616j:plain定刻を待って掛川駅前を発車したバスは、市街地を抜け茶畑が広がる当地らしい風景を見ながら走り、

 

f:id:nishiuraexp:20210725212651j:plain

f:id:nishiuraexp:20210725212721j:plain

7:00頃。フジドリームエアラインズが拠点を置く静岡空港のターミナルビル前に到着しました。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212756j:plain

静岡空港ターミナルビル外観。

開港から10年余りとまだ新しいこともありガラス張りの近代的で斬新な雰囲気が感じられる建物です。


f:id:nishiuraexp:20210725212825j:plainターミナル入口に掲示された就航会社一覧。

コロナで行き来が制限されるまでは、空港規模に比して中国各地への路線か非常に充実していたことがわかります。


f:id:nishiuraexp:20210725212850j:plainターミナルビル1階、FDAチェックインカウンター。

自動チェックイン機もありますが、今回は誕生月にFDA便を利用する場合に購入することができるバースデー割で予約しており、

搭乗券発券に際して誕生月であることを確認できる免許証などの提示が必要になるためカウンターでのチェックインとなりました。

バースデー割はLCCのキャンペーン価格のような極端な割引はありませんが、記事を書いている本日の1ヶ月後の搭乗便181便(10月生まれの方が対象)の運賃を見てみると、25歳以下限定のユース割や60歳以上限定のシニア割運賃以外ではバースデー割が最安値となつていました。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212911j:plain搭乗券。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212942j:plain掛川駅からの無料バスは7:35発の福岡行141便利用者との混乗だったため、搭乗券を受け取った時点で出雲行の出発時刻8:20まで約1時間の余裕があり、ゆっくりと空港ターミナル内を見て歩くことができました。

まず1階はFDAとANAのチェックインカウンターのほか、

 

f:id:nishiuraexp:20210725213009j:plain

f:id:nishiuraexp:20210725213038j:plainセブンイレブンと、その横には軽食などができるフリースペースがあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213109j:plainエスカレーターで2階へ。


f:id:nishiuraexp:20210725213211j:plain2階は土産物屋とフードコートがメインで、

 

f:id:nishiuraexp:20210725213236j:plainエスカレーターの位置からだとフードコートや土産物屋の奥にあたる場所に保安検査場の入口があります。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213304j:plainそして保安検査場近くのフードコートから奥へ伸びる通路を進むと、

 

f:id:nishiuraexp:20210725213330j:plainカードラウンジのYOUR LOUNGEがあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213405j:plainラウンジ内部。

サービス内容はソファ、ソフトドリンクなど一般的なカードラウンジと同じですが、

施設が新しく広々としており非常に快適に過ごすことができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213434j:plainラウンジ内の窓側の席からは、搭乗口への通路越しに駐機中の機体や滑走路を眺めることができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213459j:plainラウンジにしばらく滞在したのち、保安検査場を抜け搭乗口へ。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213520j:plain制限エリア内にもセブンイレブンがあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213541j:plain午前8時前、間もなく搭乗開始。


f:id:nishiuraexp:20210725213607j:plain機体毎に塗装が違うフジドリームエアラインズですが、今回はピンク色の3号機にあたりました。


f:id:nishiuraexp:20210725213635j:plainシートの枕カバーは機体の色に合わせてあるようです。


f:id:nishiuraexp:20210725213721j:plainコロナ下でも新聞配布や機内誌のサービスは維持されていました。


f:id:nishiuraexp:20210725213756j:plain機内誌掲載のフライトマップ。

静岡空港離陸後、北西に進路をとり、名古屋空港、琵琶湖、舞鶴、鳥取付近を通り出雲空港へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213940j:plain定刻8:20より少し早めにドアを閉め滑走路へ。

機内を見渡すと前方の席はある程度埋まっていますが、後方は空席が多く搭乗率は50%を下回っていたようです。


f:id:nishiuraexp:20210725214006j:plain御前崎などを見ながら一旦太平洋上に出たのち、旋回して北上を始めると右手には富士山がみえました。

富士山静岡空港の呼び名もある静岡空港ですが、富士山までの距離は羽田空港より少し近い程度。静岡県が東西に長い県であることを視覚的に実感できる機窓です。


f:id:nishiuraexp:20210725214031j:plain水平飛行に入り機内サービスの時間。

通常のドリンクサービスに朝便限定のクロワッサンがつき、

今回はバースデー割利用ということでラゲッジタグのプレゼントまでいただきテーブル上が華やかです。


f:id:nishiuraexp:20210725214057j:plainしばらくして雲の切れ目に見えた地上の景色はフライトマップや離陸からの時間を考慮すれば丹後半島の由良川河口付近ではないでしようか。そう思うと有名な京都丹後鉄道の由良川鉄橋が見える気がします。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214153j:plain京都府北部上空からは山陰海岸に沿うように西へ進みます。

写真右下エンジン付近に見える市街地は兵庫県北部の豊岡市の中心で付近の山中には但馬空港の滑走路も辛うじて確認できます。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214354j:plain次第に高度が下がり鳥取市上空を通過。

市街地の右手には砂丘が、左手には鳥取空港の滑走路の一部が見えています。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214454j:plain米子空港がある弓ヶ浜半島を横断し最後は宍道湖上から出雲空港に進入。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214529j:plain9:15頃。出雲空港に着陸。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214618j:plain出雲空港に到着した機体。


f:id:nishiuraexp:20210725214751j:plain定刻9:35より15分の早着でした。

出雲空港の主役はJALでANAは就航していません。

FDAの静岡出雲線もJALとのコードシェアとなっており、JALの予約サイトからJAL便名で購入することもできます。


f:id:nishiuraexp:20210725214654j:plain出雲空港ターミナルビル1階到着口周辺。


f:id:nishiuraexp:20210725214905j:plain出雲空港から島根県の県庁所在地松江まではバスで35分。1050円です。

松江行のバスは航空便の到着に接続するダイヤで運行されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210725215016j:plain9:45発の松江方面のバスに乗車。

他の便で到着した客との混乗ではありませんが、181便の早着には関知せず定時を待っての発車となりました。


f:id:nishiuraexp:20210725215118j:plain出雲空港発車後、宍道ICから山陰自動車道を走つたバスは、一般道に降り宍道湖沿いを松江市街へと進みます。


f:id:nishiuraexp:20210725215204j:plain10:20頃JR松江駅前に到着。

掛川駅からちょうど4時間での到着です。

静岡駅からバスで静岡空港へ向かった場合も同程度の所要時間になると思われますが、

東京大阪など主要都市との行き来を念頭に置いた鉄道(JR)の路線、ダイヤは、

静岡と松江のような遠方の地方都市同士の連絡には不向きと言わざるを得ません。

FDA181便に近接する時間のダイヤを時刻表で確認すると、1時間に1本の静岡停車のひかり(501号)の静岡発が8:07で、岡山に11:17に到着。

やはり1時間に1本の山陰方面への特急やくも号との接続は悪く、乗り換えは岡山発12:05の11号となり松江着は14:43になってしまいます。

ヨーロッパでは主要都市間での鉄道と航空の競合を潔しとせず、コロナ禍を契機に棲み分けに向かうアクションも見られるようで、その流れは今後日本に波及する可能性もあります。

20年〜30年先の国内長距離移動の姿を想像すると東京〜福岡・札幌など空の主要路線が高速鉄道にとってかわられる一方で、

国内航空路線は、巨大なインフラで大量輸送を行うことが前提の鉄道では「手の届かない」地方と地方の迅速な移動を支えることがメインになるかも知れない。

FDAの小型ジェット機で地方から地方へ飛んでみての個人的な感想です。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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