西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

近鉄の観光特急「あをによし」乗車記(京都13:20→近鉄奈良13:54)

JR京都駅。東海道新幹線中央改札口。

 

今回はその真向かいに改札口を構える近鉄の新しい観光特急「あをによし」に乗車し奈良へ向かいます。

 

自動改札機にSuicaをタッチして改札内に入ると1番線ホームにはすでに「あをによし」の編成が入線していました。

 「あをによし」は今年4月に運行を開始した観光特急で、大阪難波〜近鉄奈良間1日1往復、京都〜近鉄奈良間を1日3往復のダイヤで運行されています。

今回は京都駅を発車する便としては2便目にあたる13:20発の近鉄奈良行に乗車します。

 

「あをによし」先頭車両。

「あをによし」は4両編成で、車両は近鉄の特急車両として長年使われていたものに大掛かりな改造を施し、新たに奈良への観光特急に仕立てられたものです。

先頭車両の前面に輝くエンブレムは、奈良時代に縁起の良い鳥として描かれた文様「花喰鳥」をイメージしています。

その他にも「あをによし」の車両側面や車内には奈良に都が置かれた時代の文化をイメージした装飾を至るところに見ることができます。

 

運転開始以来、満席での運行も珍しくない「あをによし」ですが、今回は近鉄の特急列車予約サイトで3号車の座席に空席を見つけることができました。

1・2・4号車のドアは車端部にありますが、3号車だけは移設のうえバリアフリー対応の少し幅の広いドアが設けられており、車端部にはバリアフリートイレなどが設けられています。

 

「あをによし」3号車車内。

4両編成の「あをによし」の車両のうち1号車、3号車、4号車は、全ての座席が2つのシートが向き合う形のツインシートとなっています。

 

今回はツインシートを一人で利用します。

「あをによし」に京都〜近鉄奈良間で乗車する場合、Suicaなどでも支払える普通運賃640円のほか、特急料金520円、特別車両料金210円が必要で計1370円となります。

ただし相席での販売は想定されていないため、1人で乗車する場合はツイン席のもう一席を「買い取る」必要があります。

ただその場合は、もう一席分の運賃は不要で、特急料金、特別車両料金の半額を支払えばよいことになっています。

それぞれの料金は半額で260円、110円となり「買い取り」に必要な支払いは370円。計1740円でツインシートを押さえることができます。

★普通運賃をSuicaなどで支払う場合、別料金(特急料金と特別車両料金:1人2席利用時)の支払いは1100円です。

 

ツインシートに座り車内を撮影。

対になっているシートとの間には大きなテーブルがあり、その上に置かれたブルーのライトが車内全体のアクセントになっています。

京都〜近鉄奈良間の所要時間は30分程度とあって、シートにはリクライニングなどの機能はありませんが、掛け心地のよいハイバックシートで、各座席にはコンセントが設けられてきます。

 

なお同じツインシートでも、進行方向右側と左側でシート配置が異なっており、

京都発奈良行の場合、進行方向左側のツインシートは窓に向かって斜めに設置され、三角形のテーブルを囲むような形状になっています。

料金等は右側のツインシートと同じです。

(本記事の一部の写真は近鉄奈良からの復路乗車時に撮影したものです。)

 

定刻13:20に京都駅を発車。

東海道新幹線の高架をくぐると、間もなく右手に京都のシンボルの一つである東寺の五重塔が見えます。

「あをによし」など特急列車は停まりませんが、上の写真の撮影地点からすぐのところに京都駅から1つ目の駅として東寺駅もあり訪問には便利です。

 

京都駅発車後の車窓をしばらく眺めてから2号車の販売カウンターへ。

行列ができていましたが、スタッフの皆さんが手際よくオーダーに対応しており、数分で所望の品を手にすることができました。

 

販売カウンターのショーケースに並ぶ「バターサンド」と「大仏プリン」は販売品の代表格。

車内では売り切れを心配する声も聞こえてきましたが、十分な数が用意されているように見えました。

 

販売カウンターでは記念乗車証も配布されています。

 

記念乗車証裏面。

あをによし 奈良の都は 咲く花の

にほふがごとく 今さかりなり

 

2号車の販売カウンターに隣接するエリアには、4人掛けのサロンシートが3区画設けられています。

区画内を覗くとゆとりあるスペースで応接間のような雰囲気でした。

 

その他の車内設備として4号車の車端には奈良の観光ガイドなどを並べたミニライブラリーが設けられています。

 

バターサンドはドリンクとのセット販売でした。

3号車の自席に持ち帰り備え付けのテーブルでいただきます。 

 

バターサンドは「シェラトン都ホテル大阪」の考案で、1枚は「レーズン」もう1枚には「マロン」が入っています。

 

バターサンドを口に運ぶうち列車は木津川の鉄橋を通過。

京都発車から20分弱ですが、すでに終点奈良までの行程の約半分を走っていることになります。

数十年間使われてきた車両を改造した観光特急とはいえ、その足取りは軽く列車は100km/h前後と思われる速度で走行します。

もう少しゆっくり走ってくれても良いのにと思わなくもありません。

 

大阪方面からの路線「奈良線」と合流する大和西大寺駅に進入。

 

大和西大寺駅を発車した列車は、西暦710年から都が置かれた平城京の跡地を横切るように走ります。

進行方向右手の車窓には復元された朱雀門が、

 

左手には南門や太極殿の復元が進んでいる様子を眺めることができます。

 

平城京跡を抜けた列車は終点奈良到着を前に奈良市街地の地下線に進入。

地下トンネルに入ると奈良時代をモチーフにした車内の造作の美しさが際立ちます。

 

13:54。近鉄奈良に到着。京都からわずか34分のミニトリップはあっけなく終了しました。

 

近鉄奈良駅掲出の駅周辺地図。

初めて奈良を訪れる方や修学旅行以来2度目という方の多くが、まず向かうであろう東大寺周辺(地図左下)は近鉄奈良駅からだと約1km。

これがJR奈良駅だと2km程度となり「奈良観光には近鉄が便利」と言われる由縁のようです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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