旧駅舎が解体され印象が変わった新潟駅万代口。
今回はここから土曜休日を中心に運転される羽越線方面への快速列車「海里」に乗車します。
快速「海里」の新潟発車時刻は10:11。
首都圏からは東京7:48発の上越新幹線とき305号の新潟到着が9:55となっており余裕を持って乗り継ぐことができます。
関西からはJALの伊丹発新潟行2241便が伊丹7:10→新潟8:15のダイヤで運航されており、大きな遅れなどがなければ間に合いそうです。
★★当乗車記記載のダイヤや運賃は2022年1月の投稿日時点の情報です。
新潟駅4番線ホームに入線した快速「海里」の車両。ハイブリッド気動車の4両編成です。
今回は酒田寄りの先頭車1号車の座席を指定しました。(海里は全席指定席です)
4両編成の「海里」ですが、そのうち1号車と2号車が、みどりの窓口などで乗車券、指定席券を購入できる車両となっており、
3号車は売店イベントスペース、4号車は旅行商品での利用が前提となっています。
1号車の車内。
一般的なリクライニングシートが並びます。
1号車先頭部分は、運転席越しに前面展望ができるフリーススペースになっています。
自席に荷物を置き、発車時刻までに車内見学へ。
乗車した1号車のデッキにはバリアフリーのトイレと洗面所。
海里のロゴも誇らしいデッキのドアから2号車へ。
2号車に入ると、かつての寝台特急を思わせる長い通路に沿ってコンパートメントが8室並んていました。
空室のコンパートメントを撮影。
コンパートメントの定員は4人で座席をスライドさせてフルフラットにすることもできるようです。
JR東日本HPの「海里」を紹介するページには、1人から3人の予約で、このコンパートメント席を利用した場合、相席になる可能性があります。と注意書きがあります。
3号車は売店イベントスペース。
発車前から売店には列ができていました。
発車後、車窓の良い区間で再度訪問することにし一旦自席に戻ります。
なお旅行商品での利用が前提の最後尾4号車については、
1号車、2号車の一般客の立ち入りはご遠慮下さいと何度か車内放送が流れていましたが、
編成表によれば2人または4人掛けテーブル席が24席配置されているようです。
1号車の自席に戻ると間もなく発車時刻。
1号車のリクライニングシートのシートピッチは写真のように非常に広く、
窓側の席からトイレや3号車の売店へ買物に行くために席を立つ際も、
通路側の人に席を立ってもらう必要はありませんでした。
10:11新潟駅を発車。
新潟を発車した「海里」は次の停車駅、新発田まで白新線を進みます。
1号車の天井には数台のモニターがあり、
リアルタイムの前面展望や列車紹介のビデオなどが流されます。
さて「海里」は新潟から山形県庄内地方の終点酒田まで168.2kmを約2時間半で走行します。
指定席券は840円と通常の指定席券より若干高いものの、列車種別は快速のため、特急料金などはかからず、840円と乗車区間の運賃のみで乗車することができます。
また青春18切符+指定席券での乗車も可能です。
新潟〜酒田間の乗車券は3080円で指定席券と合わせて3920円。
車内のクオリティを考えれば青春18シーズン以外でも十分に乗り得列車と言えそうです。
2駅目の大形駅を通過すると阿賀野川に架かる長い鉄橋を通過。
政令指定都市新潟の近郊に延びる白新線ですが、米どころ新潟らしく駅間では写真のような広々とした田園地帯が広がります。
10:37新発田着。
列車はこの駅から日本海縦貫線の一画を為す羽越線に入ります。
昼食には少し早い時間ですが、ここで新潟駅で購入した駅弁を広げることに。
ようこそ!にいがた彩り弁当
新潟の魅力を発信するプロジェクト「イロドリプラス」とのコラボ商品です。
掛け紙だけでなく中身も華やかな幕の内弁当でした。
弁当を食べるうちに米坂線との乗り換え駅坂町を過ぎ、
11:08。新潟から約1時間で村上に到着。
村上から先列車は日本海に沿って進みます。
今回の自席は山側ということもあり、
このタイミングでオープンスペースのある売店車両に移動することにしました。
売店車両の入口には小さな手洗いが設けられています。
意外にも発車前より空いていました。
売店で購入した、
「笹川流れの塩キャラメルパウンドケーキ」と海里ラベルのミネラルウォーター。
立席カウンターで食後のデザートというのも悪くありません。
売店では沿線の地酒などの販売もあります。
11:24。桑川駅に停車。
桑川駅は、羽越線に並行する国道345号線の道の駅「笹川流れ・夕日会館」に併設されています。
「海里」のダイヤは夏期と冬期で異なり、
夏期は当駅で約20分停車しますが、冬期にあたる現在は、他の駅と同様に乗降が終わるとすぐに発車時刻となります。
道の駅の施設を散策するだけなら季節はあまり関係なさそうであり、
通年20分停車でも良さそうな気もしないでもありません。
車内販売品のケーキや道の駅もその名を拝借している「笹川流れ」は、
日本海の荒波による侵食でできた奇岩などと、透明度の高い海水が織りなすこの付近の海岸線の美しい景観を指し、
「海里」の旅でも車窓の1番の見せ場となっています。
こうして引いた構図で売店車両内を眺めると、観光列車というよりクルーズ船で旅をしているかのようであり、「海里」というこの列車の愛称も納得の光景です。
売店車両の一画には乗車記念スタンプと台紙が置かれていました。
売店では乗車記念になる海里グッズも並んでいましたが、
節約派の方にはオススメの乗車記念品となります。
列車は山形県に入り、11:53あつみ温泉に停車。
「あつみ」は「温海」と記されることもあり、温海川沿いに湧いた温泉水が川を下り日本海の海水を温めたためその名がついたとも言われています。
12:17。
駅前にホテルなどが並ぶ庄内地方の拠点鶴岡に到着。
新潟から2時間6分での到着です。
鶴岡ではしばらく停車し、新潟行の特急いなほ8号と行き違い。
特急いなほ号を利用しても新潟〜鶴岡間は1時間50分程度かかります。
特急料金不要の快速列車「海里」は、
観光目的だけでなく特急列車代わりの地元利用も少なくないようで、
鶴岡では軽装の乗客が多数下車していきました。
なお夏期は桑川駅での停車時間がとられる分、所要時間が延び、
鶴岡到着までに後続の特急いなほ3号に抜かれるダイヤになっているため、多少様子が違うかもしれません。
鶴岡から空席が目立つようになった車内。
鶴岡から終点酒田までは庄内平野の雪原の中を快走します。
終点到着前に前面展望のフリースペースへ。
車内ではこのスペースが密にならないよう、長時間の利用は控えてほしい旨の放送が繰り返しありました。
前面展望。
雪や強風の影響を受けることも少なくない冬期の羽越線ですが、今回はダイヤ通りの快走が続きました。
最後の途中停車駅は、山形県内陸の新庄に至る陸羽西線との乗り換え駅「余目」。
終点の酒田まで海里に乗車し、1時間強の待ち時間で酒田始発の陸羽西線の快速列車最上川号に乗り継ぐと、
終点の新庄で、車内に足湯がある山形新幹線とれいゆつばさ号(福島行)や快速湯けむり号(仙台行)に接続しています。
首都圏からだと旅行商品のお世話にならなくても、
上越新幹線→(新潟)→海里→(酒田)→最上川→(新庄)→とれいゆ又は湯けむり→(福島または仙台)→東北新幹線という、
列車に1日乗り歩ける魅力的な周遊コースが用意されていることになります。
★★陸羽西線は2022年5月より隣接道路の工事に伴い長期運休、バス代行となっていますのでご注意下さい。★★
12:44。終点の酒田に到着した「海里」。
酒田から先、羽越線を下る列車としては約2時間後の14:41に特急いなほ5号秋田行がありますが、
「海里」で酒田に到着した乗客の様子を眺めていると、やはり快速最上川号への乗り継ぎが多いように見え、
またこの日は、酒田駅のアナウンスや掲示などで、新庄からの快速湯けむり号が雪の影響で運休となることを知った人が、窓口に行列する光景も見られました。
近年リニューアルされた酒田駅舎。
次は山形新幹線つばさ号の乗車記を投稿予定です。
最後までお読みいただきありがとうございました。