静岡県掛川市。JR東海掛川駅前。
今回はここから静岡空港へ向かいフジドリームエアラインズの出雲行を利用します。
##本記事記載の運賃、ダイヤ、割引などは別に断っているものを除いて2021年7月の利用日現在のものです。
静岡空港は静岡県の島田市と牧之原市に跨がる場所に建設され2009年に開港した空港で、
空港からの直線距離では東海道線島田駅、道路距離では同金谷駅が最寄り駅となります。
静岡空港へのアクセスとしては、静岡駅、藤枝駅、島田駅、金谷駅などからバスが運行されていますが、
掛川駅からは静岡空港を拠点とするフジドリームエアラインズ利用者むけの無料アクセスバスが運行されています。
フジドリームエアラインズ静岡空港アクセスバス掛川駅前時刻表。
掛川駅から静岡空港まで40分で結ぶダイヤです。
6:20頃。バスが到着。
スマホで静岡空港からのFDA便の予約画面などを運転手さんに提示して乗車します。
FDA便の予約があればバスは予約なしで利用できる点は便利です。
休日の早朝でしたが筆者のほかにも数人が乗車しました。
定刻を待って掛川駅前を発車したバスは、市街地を抜け茶畑が広がる当地らしい風景を見ながら走り、
7:00頃。フジドリームエアラインズが拠点を置く静岡空港のターミナルビル前に到着しました。
静岡空港ターミナルビル外観。
開港から10年余りとまだ新しいこともありガラス張りの近代的で斬新な雰囲気が感じられる建物です。
ターミナル入口に掲示された就航会社一覧。
コロナで行き来が制限されるまでは、空港規模に比して中国各地への路線か非常に充実していたことがわかります。
ターミナルビル1階、FDAチェックインカウンター。
自動チェックイン機もありますが、今回は誕生月にFDA便を利用する場合に購入することができるバースデー割で予約しており、
搭乗券発券に際して誕生月であることを確認できる免許証などの提示が必要になるためカウンターでのチェックインとなりました。
バースデー割はLCCのキャンペーン価格のような極端な割引はありませんが、記事を書いている本日の1ヶ月後の搭乗便181便(10月生まれの方が対象)の運賃を見てみると、25歳以下限定のユース割や60歳以上限定のシニア割運賃以外ではバースデー割が最安値となつていました。
搭乗券。
掛川駅からの無料バスは7:35発の福岡行141便利用者との混乗だったため、搭乗券を受け取った時点で出雲行の出発時刻8:20まで約1時間の余裕があり、ゆっくりと空港ターミナル内を見て歩くことができました。
まず1階はFDAとANAのチェックインカウンターのほか、
セブンイレブンと、その横には軽食などができるフリースペースがあります。
エスカレーターで2階へ。
2階は土産物屋とフードコートがメインで、
エスカレーターの位置からだとフードコートや土産物屋の奥にあたる場所に保安検査場の入口があります。
そして保安検査場近くのフードコートから奥へ伸びる通路を進むと、
カードラウンジのYOUR LOUNGEがあります。
ラウンジ内部。
サービス内容はソファ、ソフトドリンクなど一般的なカードラウンジと同じですが、
施設が新しく広々としており非常に快適に過ごすことができます。
ラウンジ内の窓側の席からは、搭乗口への通路越しに駐機中の機体や滑走路を眺めることができます。
ラウンジにしばらく滞在したのち、保安検査場を抜け搭乗口へ。
制限エリア内にもセブンイレブンがあります。
午前8時前、間もなく搭乗開始。
機体毎に塗装が違うフジドリームエアラインズですが、今回はピンク色の3号機にあたりました。
シートの枕カバーは機体の色に合わせてあるようです。
コロナ下でも新聞配布や機内誌のサービスは維持されていました。
機内誌掲載のフライトマップ。
静岡空港離陸後、北西に進路をとり、名古屋空港、琵琶湖、舞鶴、鳥取付近を通り出雲空港へ向かいます。
定刻8:20より少し早めにドアを閉め滑走路へ。
機内を見渡すと前方の席はある程度埋まっていますが、後方は空席が多く搭乗率は50%を下回っていたようです。
御前崎などを見ながら一旦太平洋上に出たのち、旋回して北上を始めると右手には富士山がみえました。
富士山静岡空港の呼び名もある静岡空港ですが、富士山までの距離は羽田空港より少し近い程度。静岡県が東西に長い県であることを視覚的に実感できる機窓です。
水平飛行に入り機内サービスの時間。
通常のドリンクサービスに朝便限定のクロワッサンがつき、
今回はバースデー割利用ということでラゲッジタグのプレゼントまでいただきテーブル上が華やかです。
しばらくして雲の切れ目に見えた地上の景色はフライトマップや離陸からの時間を考慮すれば丹後半島の由良川河口付近ではないでしようか。そう思うと有名な京都丹後鉄道の由良川鉄橋が見える気がします。
京都府北部上空からは山陰海岸に沿うように西へ進みます。
写真右下エンジン付近に見える市街地は兵庫県北部の豊岡市の中心で付近の山中には但馬空港の滑走路も辛うじて確認できます。
次第に高度が下がり鳥取市上空を通過。
市街地の右手には砂丘が、左手には鳥取空港の滑走路の一部が見えています。
米子空港がある弓ヶ浜半島を横断し最後は宍道湖上から出雲空港に進入。
9:15頃。出雲空港に着陸。
出雲空港に到着した機体。
定刻9:35より15分の早着でした。
出雲空港の主役はJALでANAは就航していません。
FDAの静岡出雲線もJALとのコードシェアとなっており、JALの予約サイトからJAL便名で購入することもできます。
出雲空港ターミナルビル1階到着口周辺。
出雲空港から島根県の県庁所在地松江まではバスで35分。1050円です。
松江行のバスは航空便の到着に接続するダイヤで運行されています。
9:45発の松江方面のバスに乗車。
他の便で到着した客との混乗ではありませんが、181便の早着には関知せず定時を待っての発車となりました。
出雲空港発車後、宍道ICから山陰自動車道を走つたバスは、一般道に降り宍道湖沿いを松江市街へと進みます。
10:20頃JR松江駅前に到着。
掛川駅からちょうど4時間での到着です。
静岡駅からバスで静岡空港へ向かった場合も同程度の所要時間になると思われますが、
東京大阪など主要都市との行き来を念頭に置いた鉄道(JR)の路線、ダイヤは、
静岡と松江のような遠方の地方都市同士の連絡には不向きと言わざるを得ません。
FDA181便に近接する時間のダイヤを時刻表で確認すると、1時間に1本の静岡停車のひかり(501号)の静岡発が8:07で、岡山に11:17に到着。
やはり1時間に1本の山陰方面への特急やくも号との接続は悪く、乗り換えは岡山発12:05の11号となり松江着は14:43になってしまいます。
ヨーロッパでは主要都市間での鉄道と航空の競合を潔しとせず、コロナ禍を契機に棲み分けに向かうアクションも見られるようで、その流れは今後日本に波及する可能性もあります。
20年〜30年先の国内長距離移動の姿を想像すると東京〜福岡・札幌など空の主要路線が高速鉄道にとってかわられる一方で、
国内航空路線は、巨大なインフラで大量輸送を行うことが前提の鉄道では「手の届かない」地方と地方の迅速な移動を支えることがメインになるかも知れない。
FDAの小型ジェット機で地方から地方へ飛んでみての個人的な感想です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
www.nishiuraexp.com
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