本記事は下に添付の記事のつづきです。
鹿児島中央駅から在来線特急と東北・北海道新幹線「はやぶさ号」を利用して札幌を目指す特急列車日本縦断旅行をしています。
本日は新大阪駅から特急くろしお号と特急南紀号で紀伊半島を一周して名古屋へ。
名古屋から特急しなの号にのりついで松本に至る行程を予定していましたしが、
昨日からの雨の影響で紀伊半島区間に運休や遅れの情報が相次いで発表されたため、
急遽予定を変更し、大阪と松本を結ぶ高速バスで一気に松本を目指すことにしました。
大阪と松本を結ぶ高速バスは、大阪側の阪急バスと松本側のアルピコ交通の共同運行で、
昼行2往復、夜行1往復、計1日3往復の運転です。
大阪側のターミナルは阪急梅田三番街の高速バスターミナルで、
昼行が8:00、16:00、夜行が21:40発となっています。
※夜行便の始発はUSJ
※JTB 時刻表2020年6月号より
ターミナル施設内、待合所と乗車券発売所。
トイレ・自販機・売店などが施設内にあるほか、
飲食店街が隣接しているので、早めの到着でも時間をつぶす場所に困ることはなさそうです。
今回は8:00発の昼行便に乗車します。
発車まで10分を切って発車案内に乗り場が表示されました。
都会の真ん中に位置するターミナルで、やや手狭な印象を受ける反面、
広大なバスターミナルと違い待合所の目の前からバスに乗車できるメリットもあります。
一定以上の距離の昼行高速バス路線では朝に地元を出て午後の便で帰る運用がよく見られますが、
大阪梅田8:00発の便は松本側のアルピコ交通の車両での運転でした。
コロナの影響を受けた長期運休からの復帰直後ということもあり、
始発からの乗車は数人のみでした。
シート。最後方が9番なので満席でも36人。
大阪~松本間の所要時間は6時間弱と昼行便としては長いこともあり、
4列シートの車両としては非常にゆったりとした造りになっていました。
コンセント、足のせのほか、座席背面には小さなテーブルもついています。
(共同運行の阪急バス車両は仕様が異なる可能性もあります。)
阪急梅田高速バスターミナルを定刻に発車したバスは淀川を渡り、
8:09。新大阪駅のバスターミナルに停車。
山陽新幹線の時刻表をみると、広島6:03発の「のぞみ88号」は福山6:28、岡山6:44と停車し新大阪に7:31に到着します。
広島、岡山から松本へ向かう際に、新大阪で高速バスに乗り継ぐというルートも有力な選択肢になりそうです。
北大阪急行の桃山台駅に近い千里ニュータウンバス停に停車。
大阪駅から順調な走行が続いていましたが名神高速道路に入ると大阪府を抜けないうちに渋滞。
事故による突発的なものだったようです。
9:25頃。渋滞の影響で約30分遅れて高速道路上に設置された京都深草バス停に停車。
当バス停には京阪電鉄本線藤森駅から徒歩でアクセスすることができます。
松本行の場合ここが最後の乗車バス停となります。
(車窓写真)滋賀県に入り野洲川を渡るあたり。
10:15頃、滋賀県北部の名神高速道路多賀SAに到着。約20分の休憩。
多賀SA施設内。土産物店やフードコートなど充実しており、店内も活気がかんじられました。
話題のステーキ屋やスターバックスも併設されています。
バスに戻る前に道路状況のチェック。
愛知県内一宮JCT付近に渋滞の表示が見えます。
10:35頃発車。
指定された発車時刻の5分以上前にバスに戻りましたが筆者が最後だったようです。
高速バスの途中休憩は乗客のためでもありますが、乗務員の休憩(法律上の義務)のためでもあり、
そのあたりも考慮して発車時刻が指定されているはずなので、
遅刻は論外ですが、今回のように遅延が発生しているときでも、必要以上に早くバスに戻る必要はないはずです。
彦根付近の車窓。
東海道新幹線の高架の向こうに琵琶湖が見えています。
東海道新幹線と走行中の名神高速は、いずれもすでに開通から50年を超えています。
多賀SAで購入した弁当を食べるうちに、バスは近畿と中部をわける関ヶ原付近にさしかかります。
晴れていれば伊吹山の美しい姿が見えたはずですが・・。
濃尾平野に抜けても天気は変わりません。
乗車予定だった鉄道路線の一部が雨が運休になっていることを思えば、
高速道路は速度規制すら出ておらず、
多くの在来線鉄道より遥かに堅牢に造られていることを実感せずにはいられません。
長良川を渡ってしばらく、
多賀SAの表示にあった渋滞箇所に到達。こちらは故障車両に起因するものだったようです。
10分程で渋滞を抜けて小牧JCTから中央道へ。
愛知側から中央道に入ると、しばらく平野がつづいて次第に山に分け入るというようなイメージがありますが、
実際には最初からカーブと勾配が連続し、むしろ長野県内のほうが走りやすいようです。
12:10頃。中央道恵那峡SAで2回目の休憩。
サービスエリア施設正面。
駐車スペースと建物の間に高低差があり人工の滝が音を立てて流れていました。
この程度の高低差でもきちんとエレベーターが設置されています。(写真右端)
土産物屋とフードコート。
ちょうど昼時だったこともあり多賀SA以上の活気が感じられました。
駐車スペース側にはファミリーマートもあり便利です。
恵那峡SAは岐阜県に位置しますが「飛騨地方」というと、
鉄道ファンには特急列車の愛称の影響もあって高山本線沿線のイメージなのですが、
中央道や「しなの号」が走る中央本線沿線も岐阜県区間は飛騨地方ということになるようです。
恵那峡SAを出ると次第に山深くなり、
全長約8.5kmの恵那山トンネルに入ります。
岐阜県と長野県を跨ぐ恵那山トンネルは1975年の開通時には道路トンネルとしては国内最長、世界でも2番目の長さを誇っていました。
現在は国内6位となっているこのトンネルをバスは6分程かかって通り抜けます。
長野県に入ると飯田付近からJR飯田線に近いルートを通ります。
写真は駒ヶ根SA付近。
このあたりも天気がよければ気持ちの良い車窓が続く区間です。
岡谷JCTで中央道を離れ長野道に入ると、高速道路上に設けられた降車専用のバス停に停車します。
そのひとつ「みどり湖」はSAに併設されており、長野行の乗車バス停にもなっているようでした。
大阪~長野間の高速バスは夜行便のみで他に直結する交通機関もないので、
ここで乗り継ぎができることを知っていて損はなさそうです。
(ただし大阪8:00発の乗車便を降りても接続便はありません。記事投稿日現在)
松本インターで長野道を出て、しばらく松本市街地を走行。
14:20頃。約30分遅れて松本バスターミナル前に到着しました。
大阪梅田から渋滞や休憩も含め6時間20分での到着です。
京阪神と松本を直結する交通機関は、
近年までJRの特急しなの号が大阪駅を9時前後に発車するダイヤで、
約4時間の所要時間で運転されていました。
それが2016年に名古屋始発に短縮されてからは、
陸路では今回乗車した高速バス路線のみになっています。
空路に目をやれば松本空港には従来からの伊丹~松本線に加え、
2019年から神戸空港の発着枠拡大を受けフジドリームエアラインズが神戸~松本間に就航しており、
今後高速バスの新たなライバルとして台頭してくるかも知れません。
アルピコ交通の松本バスターミナル。
JR松本駅前に位置しており、ここで長野行や新宿行に乗り継ぐこともできます。
松本バスターミナルに進入する大阪梅田行。(共同運行の阪急バスの車両)
松本発大阪行の発車時刻は、7:10、15:00、22:30(夜行)となっています。
(JTB 時刻表2020年6月号より)
バスターミナル前から撮影したJR 松本駅。
当初の予定より早く松本に到着したため駅前のホテルに荷物をおいて観光に出かけました。
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