JR西日本新山口駅。
こちらは山陽新幹線の駅から自由通路で在来線を跨いだ先にある北口バス乗場です。
今回はここから高速バス「スーパーはぎ号」に乗車し、同じ山口県の日本海側に位置する萩へ向かいます。
「スーパーはぎ号」は座席定員制で事前予約はできません。
運賃は降車時に支払うこともできますが、北口バスターミナルに隣接するバス案内所で事前に乗車券に購入することもできます。
バス案内所の運賃路線図。
「スーパーはぎ号」は新山口駅北口を発車すると、次は萩市街地の萩明倫センターまでノンストップ。
萩明倫センターからは萩バスセンターを経由し終点のJR東萩駅へ向かいます。(運賃路線図右上端)
萩市内各停留所までの運賃は2090円が正規ですが、2022年3月末まではキャンペーンで1600円に値下げされています。
バス案内所の券売機はキャンペーン運賃対応済みでした。
券面下には中国JRバスにもご乗車できます。と書かれています。
「スーパーはぎ号」は2021年9月現在1日4往復の運行で、中国JRバスと防長交通がそれぞれ2往復を担当しています。
今回乗車する新山口駅北口11:00発のJR東萩駅行は中国JRバスの運行です。
車両には山陽新幹線のハローキティ新幹線と共通のピンク色主体のラッピングが施され「これがJRバスなのか」と目を疑うばかりです。
発車5分程前にバスターミナル2番乗場に入線。
「コロナ禍で空いているだろう」との個人的な予想に反して、乗場には入線前から行列ができており、窓側の席をほぼ埋めての発車となりました。
新山口駅北口を定刻に発車したバスは、しばらく市街地を走行し山口宇部道路の長谷ICへ向かいます。
長谷ICから山口宇部道路へ進入。しばらく東方向へ進路をとります。
小郡ICで山口宇部道路から中国自動車道下り線に進入。今度は西方向に進みます。
地図上では迂回しているように見えても、高規格道路のネットワークを駆使するほうが、時間距離は短くなり安全性や快適性も高まるということのようです。
鉄道では険しい山越えのイメージが強い中国地方の内陸部ですが、
中国自動車道は峠の少し南(山陽側)を横に貫いており、車窓風景は思いのほか広々とした長閑なものです。
「秋吉台・萩」の表示が見えた美祢東JCTで中国自動車道から流出。
新山口駅北口発車から20分。
バスは国道490号のバイパスとして整備された小郡萩道路に入ります。
小郡萩道路を北上。
美祢東JCTから約10分。
現時点で小郡萩道路の終点となっている絵堂IC からは、旧来の国道490号を北上します。
一般道区間に入っても信号は少なく快適な走行が続きます。
沿道には彼岸花の赤色が目立っていました。
車窓の変化に季節の移ろいを感じることも一般道を走るバス路線の楽しみです。
今回は萩市街まであと10分の場所に位置する「道の駅・萩往還」の駐車場に臨時停車。
この数分前に後方席の女性が「子供がトイレに行きたいと言っている」と運転手さんに申し出たことを受けてのことですが、
「公共交通での旅行」と「マイカーでの旅行」の違いを子供に教えるべき若いお母さん自身が、その区別ができていないのではないか。と思わずにはいられません。
わずか3分でも20人乗っていれば1時間の時間が失われた計算になり、皆が同じことをすれば公共交通の定時運行などできるはずもありません。
終点まで1時間10分の座席定員制の路線で、コロナ禍でも半分の席が埋まる状況ですから、座席を多く設置できるトイレ無し車両で運行する中国JRバスの判断は妥当だと個人的には思います。
もしトイレに関してサービス向上を考えるならば、新山口駅バスターミナルの掲示や放送などで「トイレ無し車両での運行なので事前に用事をすませて乗車してほしい」旨の周知を強化することではないでしょうか。
バスは少し遅れて萩市街地へ。
12:03。萩明倫センターに到着。
バス停の奥に見えている建物は、萩藩の藩校[明倫館]の跡地に建設された明倫小学校の校舎として平成26年まで使用されていたもので、
現在は観光拠点としてリニューアルされています。
萩明倫センターに続いて萩バスセンターに停車。
萩バスセンターを発車したバスは、萩市街地を流れる松本川にかかる萩橋を渡り終点の東萩駅へ向かいます。
内陸から萩へと流れてくる阿武川は萩市街地の南で橋本川と松本川に別れて日本海に注ぎますが、萩の市街地の大半はその2本の河川の間に広がっています。
言い方を変えればJR東萩駅は市街地の中心から見れば「川むこう」の少し離れた場所に位置しています。
12:15。5分程遅れてJR東萩駅に到着。
市街地の中心に近い萩明倫センター、萩バスセンターでの降車が多く、終点まで乗り通した乗客は5人以下でした。
「 川むこう」の東萩駅ですが、駅前ではレンタサイクル店が営業しており、東萩駅を拠点に市街地に点在する名所旧跡を自転車で効率よく巡ることができます。
東萩駅から自転車で6分。世界遺産松下村塾、松陰神社。
高杉晋作生家付近の街並み。
菊ヶ浜海水浴場の眺め。
筆者はレンタサイクルで2時間程、萩市街地を巡ったのち、東萩発14:13の観光列車「〇〇のはなし」に乗り継ぎました。
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