那覇空港ターミナルビル3階。
JALチェックインカウンター。
今回は出発表示下から4段目の14:10発JAL910便羽田行を利用します。
空席表示は普通席○・クラスJ △・ファースト△になっていますが、すでにファーストは満席のはずです。
搭乗日の910便ファーストクラスは、
2日前の時点で満席でしたが、前日深夜に残4席となり当日8時の時点で残1席。
今回那覇空港へのアクセスに利用した神戸空港8:15発のソラシドエアが10:10頃に那覇空港に着陸したのち、
JALアプリで確認してみると、2時間のフライト中誰にも押さえられることなく残1席のままだったので、
那覇空港の自動チェックイン機で筆者がそれを押さえたばかりです。
アプリの表示によれば、その時点で910便ファーストクラスの航空券を購入すると50360円するようですが、
該当便の普通席などの予約があって、当日上級席に空席がある場合は、
出発空港のカウンターなどでクラスJ は追加1000円、ファーストクラスは追加8000円でアップグレードする事ができます。
アップグレード前の航空券の券種に制限はなく、今回は特典航空券からのアップグレードです。
土壇場で格安のプラチナチケットを入手したのち空港内の土産物屋などを散策。
チェックインカウンターの背後にあるエスカレーターで2階に降りた場所にあるJALファーストクラス保安検査場へ向かいました。
一般の保安検査場に隣接するJALダイヤモンドプレミアラウンジやサクララウンジ直結の専用保安検査場。
サクララウンジとダイヤモンドプレミアラウンジはANAにおけるANAラウンジとANAスイートラウンジの関係に似ていますが、
ANAスイートラウンジが最上級のダイヤモンド会員にならないと利用できないのに対し、
JALの上級ラウンジ「ダイヤモンドプレミアラウンジ」はファーストクラス利用者にも開放されており、
極端な話、JALを初めて利用する場合でも、ファーストクラスを予約すれば利用できます。
多くの地方路線にも上級席プレミアムクラスの設定があるANAに対して、
JALのファーストクラスは羽田~伊丹・福岡・札幌・那覇の4路線限定のため、
その分、より充実したサービスを受けられるということでしょうか。
保安検査場で受け取った搭乗半券。
裏面には去年秋にJALに新規就航したA350の広告がありました。
A350が就航するのは現時点では羽田~福岡・札幌・那覇のみで、
それらの路線でも数の上では従来のボーイング機が主力ですが、
これから搭乗する羽田行910便はこのA350での運航です。
那覇空港ダイヤモンドプレミアラウンジ内。
コロナの影響もあるのか、ファーストクラス利用者にまで門戸を開いている割には12:10発906便羽田行、12:50発908便羽田行と出発が重なる時間帯でも比較的ゆとりがありました。
上の写真の赤色の仕切り板の奥がダイニングカウンターになっており、アルコールを含むドリンクや軽食が並んでいます。
一通りお盆に載せて自席でいただきました。
美味で知られるJAL国際線ラウンジのカレーライスに対して、
国内線のダイヤモンドプレミアラウンジではカレーパンを食べられます。
個人的には温かい状態で提供されていた「混ぜご飯のおにぎり」のほうが口に合い、
何個でも食べられそうでしたが、ファーストクラスの機内食もあるので控えめにしておきます。
空港内の土産物屋で買った「塩ちんすこう」
JAL HP掲載のダイヤモンドプレミアラウンジ利用規定によれば、
ラウンジ外からの持ち込みは、匂いの強いものなどを除いて自由のようです。
13:25出発時刻まで45分ありますが、早めにラウンジを出て搭乗口へ。
搭乗口への通路に掲げられた首里城再建の横断幕。
910便の出発準備が進む26番搭乗口付近。
目の前にはJAL就航から1年を迎えたA350がすでに据え付けられています。
A350側面。
ANAはコロナ対策で上級会員や上級クラスの優先搭乗を中止していますが、
JALではファーストクラス利用者と上級会員の優先搭乗が継続されています。
コロナ流行以後、2通路の機体に搭乗するのは初めてでした。
国内線では手前の通路側席、奥の通路側席と2本のブリッジを使い分けることが多いように思いますが、
今回は国際線のようにファーストクラスとクラスJ は左のブリッジ、普通席は右のブリッジと、クラス別に分けられていました。
ボーディングブリッジからA350機内に進むと、CAさんと大きな鶴丸のエンブレムにむかえられました。
今はなきブルートレインの牽引機関車に取り付けられたヘッドマークを連想させる存在感があります。
JAL A350国内線ファーストクラスのシート。(離陸後、隣席の方が席を外している間に撮影したものです)
2-2-2の横6席が2列の12席で幅51cm シートピッチは135cm。
人肌に触れる部分にはプラスチック素材を使用しない。などのこだわりをもって設計されたそうで、
対になった2席を仕切るパーティションは障子をイメージしたと言われています。
使われている素材がプラスチックかどうか一つ一つチェックする客は少数だと思いますが、
そうしたこだわりの積み上げが「国際線のビジネスクラスのような雰囲気」という第一印象につながるのではないでしょうか。
備えつけのヘッドホンとスリッパ。
手の届かない個人モニターを操作するリモコンやコンセントなどは右側肘おきに内蔵されています。
各座席には機内食の案内とドリンクメニューがあり、
着席後すぐにCAさんが機内食時のドリンクの注文を聞いてくれました。
モニターを初期画面からマップモードに切り替え。
那覇~羽田は約1800km あります。
ほぼ定刻の14:10に駐機場を離れ滑走路へ。
モニターを機外カメラモードに切り替えると、滑走・離陸・車輪格納の様子をリアルタイムで見ることができます。
羽田までのフライト時間は2時間ありますが水平飛行に入ってすぐに機内食の配膳が始まりました。
ドリンクはキウイジュースを注文しました。
・小鉢
海老カツの玉子餡掛け
スモークツナサラダ
・主菜
牛ヒレ
ブラウンえのき入り赤ワインソース
・御飯・味噌汁
・茶菓
八甲田山(二階堂)
(578kcal 茶菓を除く)
機内食に関しては「JALファーストクラスの機内食は陶器の皿で提供されるから「弁当箱」のANAプレミアムクラスより優れている」という評価をネット上などでよく見かけます。
(ANAも一部路線では陶器の皿で提供されます)
SFC会員の筆者としては「器の問題なのか」と疑問を感じているところですが、
機内食に関してJALのほうがANAより優れていると思う点を挙げるならば、
提供時間帯による格差が少ないことではないでしょうか。
JAL ・ANA とも国内線上級クラスの機内食をネットで公開しており比較することができますが、
JALは朝食と昼・夕食のボリュームの差が、ANAほど顕著ではないように感じられます。
また今回の910便の14:10発というダイヤでは、ANAだと昼食と夕食の間に設定されている「軽食」(菓子の詰め合わせなど)の時間帯になってしまいます。
今回のフライトで隣席に座られた方は、着席後にCAさんがドリンクの注文伺いに来られた時点で「食事はいらない」と辞退されていました。
食事の時間帯から外れているから「いらない」と思えば客の側で辞退すればよいだけのことだと思っています。
食後のおつまみとホットコーヒー。
食後の一服を終えてもまだ到着まで1時間以上あります。
機内の照明が少し暗くなったように感じられ、リクライニングをフルに使って寛ぎます。
機内のファーストクラスエリアには、やはり国際線のビジネスクラスを思わせる贅沢な時間が流れます。
実際に那覇~羽田のフライト時間約2時間は、JAL国内線ファーストクラスが設定されている4路線の中では最も長く、ソウル~羽田などの近距離国際線と変わりません。
今回ラスト1席で押さえた席は通路側でしたが、那覇→羽田は海上がほとんどであり、離着陸時にはモニターで機外カメラからの映像をみることができるため、
「機窓を楽しめない」という通路側席のマイナス要素をほとんど意識することがありませんでした。
自席からの眺め。
奥の通路側にはエンブレムはありませんが、コーポレートカラーの赤がJALの上級クラスでの旅の途上であることを常に意識させているかのようです。
やがて高度が下がり羽田空港に接近。
今回は今春から運用が始まった都心上空ルートからの着陸となりました。
騒音や着陸角度、部品落下などいろいろ言われていましたが、
西からの到着の場合は遠回りで着陸までに要する時間も長くなっているようです。
★都心上空通過から着陸までの機外カメラ映像を撮影してみました。
【都心上空ルート】JAL A350機外カメラモニターの映像(JAL910便)
16:30頃。那覇から2時間少々のフライトを終え羽田空港の駐機場に到着。
JALの国内線ファーストクラスは2018年10月に羽田~伊丹線で利用したことがありました。
羽田~伊丹線のファーストクラスは便や予約のタイミングによっては東海道新幹線「のぞみ」のグリーン車とほぼ同じ値段で利用できる反面、
フライト時間が短く、一部サービス内容が他の路線とは異なることもあり、その時は必ずしも良い印象を持たなかったのですが、
新型機材・最長路線での利用となった今回のフライトの満足度は高く、
そのイメージも大きく変わりました。
アップグレードにかかる料金がANAのプレミアムクラスより安価である点も見逃せません。
もっともANAのプレミアムクラスに関しても、これまで利用したのはいずれも地方路線(羽田~関西もサービス上は地方路線扱い)で、
個人的な評価はその範囲内のものでしかありません。
手持ちのアップグレードポイントがあと1回分残っているので、
今度はJAL国内線ファーストクラスと競合する路線で「ANAの本気」を体験してみたいと考えているところです。
最後までお読みいただきありがとうございました。