西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

新日本海フェリー「すずらん」乗船記(苫小牧東23:30→敦賀20:30)

札幌から新千歳空港へ向かう快速列車エアポート号で約30分。

JR北海道千歳線南千歳駅改札口。

今回はここから苫小牧東港行の連絡バスに乗車、苫小牧東港から新日本海フェリーの長距離航路で福井県の敦賀へ向かいます。

★当記事のフェリー、連絡バスの運賃、ダイヤや船内サービス等の記述は2022年9月の乗車・乗船体験に基づくものです。

苫小牧東港への連絡バスは改札口を出て右手の北口ロータリーから発車します。

北口ロータリーの連絡バス乗り場。

北口周辺に店舗などはなく、連絡バスが向かう苫小牧東港周辺も同様のため、乗船前に買物が必要な場合は、札幌など南千歳駅に向かう列車に乗車する前に済ませておいたほうが良さそうです。

なお南千歳駅周辺では一駅隣の千歳駅が千歳市の市街地に位置し、コンビニや飲食チェーン店、イオンなどが駅徒歩圏にあって、買物や連絡バスまでの時間調整に便利です。

新日本海フェリーの航路は、今回乗船する苫小牧東〜敦賀を直行する航路と、途中秋田、新潟に寄港して敦賀に向かう航路のほか、小樽〜舞鶴と小樽〜新潟の計4航路(毎日運航または曜日限定)がありますが、

苫小牧東港に発着する2航路に交通機関を使ってアクセスする場合、実質的にここ南千歳駅からの連絡バスが唯一の手段となります。

苫小牧東港発19:30の秋田新潟経由敦賀行の連絡バスは17:50、 苫小牧東港23:30発の敦賀直行便の連絡バスは21:50に南千歳駅前を発車します。

南千歳駅から苫小牧東港までは約40分、1200円てす。

★乗船をネットで予約し連絡バスを利用する場合は前日までに苫小牧東港ターミナルの事務所に電話連絡が必要となる旨、新日本海フェリーHPに記載がありました。

21:45頃。苫小牧東港から到着し待機していたバスが乗り場に入線。

筆者を含め10人弱の乗車がありました。

路線バスタイプの車両で一般道を進みますが、信号は少なく高速道路を走っているような感覚です。

22:30。苫小牧東港新日本海フェリーターミナル前に到着。

ターミナルビルとこれから乗船する敦賀行の船体。本日の敦賀行は「すずらん」での運航です。

ターミナルに入ると乗船手続きのカウンターがあり数人が列をなしていましたが、筆者は素通り。

新日本海フェリーの乗船をネットで予約した場合、支払後に写真のようなe乗船券のデータを受け取ることができ、

それを印刷したものを持参した場合は、乗船手続きは不要になり、乗船直前の改札時にQRコードを読み取り機にかざすだけで乗船することができます。(他の航路については確認していません)

エスカレーターでターミナル2Fへ。

写真右手が待合席。奥に土産物などを売る売店、左手に軽食コーナーとトイレがあります。ここで乗船開始までの時間を過ごします。

待合席の一角にはこれから乗船するすずらんの模型が展示してありました。

「すずらん」は旅客定員613名、全長224.5m、総トン数17400トンで、

トラック158台・乗用車58台を積載することができますが、

特筆すべきは航海速力で27.5ノットは時速換算で約50km。

小樽~舞鶴航路などの運航に入る「はまなす」「あかしあ」の30.5ノットには及ばないものの、国内最速級の速力で、かつては2晩かかっていた北海道と若狭湾周辺(舞鶴・敦賀)を1晩・24時間以内で結んでいます。

22:50。係員の案内で乗船開始。

QRコードを読み取ってもらい、奥のエスカレーターでさらにワンフロア上がり、 

船体のエントランスへとつながる桟橋へと進みます。

船員さんの出迎えを受け乗船。

エントランスに掲示されていた苫小牧東〜敦賀航路の航路図と時刻表。

敦賀まで948km、23:30の出港から明日20:30到着まで21時間の船旅の始まります。

今回はステートAという個室を利用します。個室利用の場合、乗船後まずフロントに立寄りルームキーを受け取ります。

部屋番号は新日本海フェリーのサイトから予約する際に指定できました。

また利用するステートAは定員2人の個室ですが、新日本海フェリーでは指定された繁忙期を除いて2人部屋を1人で利用する場合でも追加料金は不要となっており、敦賀までの支払い額は22800円でした。

受け取ったルームキー。

船体中央部の吹き抜け。

客室は4F・5F・6Fの3層構造で、4Fはツーリストと呼ばれる最もリーズナブルな客室やフロント、売店など。

5Fは今回利用するステート個室とレストランや喫茶コーナーなど。

6Fはスイートなど最上級個室と浴場・スポーツルームなどが配されています。

階段でワンフロア上がり5Fのステート個室へ。

ステート個室の部屋の鍵はオートロックで、ルームキー差し込んで解錠。

ステートA個室内。一般的なビジネスホテルのシングルルームと同程度の広さがありそうてす。

デスク周り。冷蔵庫、テレビや茶器も用意されています。

写真左手にはトイレと洗面台があります。

シャワーや浴槽はステート個室にはなく、6Fの浴場を利用することになります。

出港・離岸の様子を眺めようと5F後方のデッキへ出て見ましたが、ちようど「出港が遅れる見込み」との放送があり、

周囲を見渡すと、まだバイクなどの乗船が続いているようでした。

苫小牧東港は市街地から離れているため周囲は暗く、次第に街明かりが遠のいていく船旅の始まりを印象づける光景を見ることは難しいかも知れません。

出港を待たず自室に戻りました。

深夜の出港ということで、船内の散策は明日に回し就寝することに。

ベッドサイドには室内の明かりを調整できるスイッチ類と目覚まし時計が内蔵されたテーブルが備わります。

ベッド幅がやや狭いのと、シャワーや浴槽が室内にない以外は、市中のビジネスホテルと比べても遜色ないサービス水準といえそうです。

乗船前に確認した航行時間帯の日本周辺の波予報。

南海上から接近する台風の影響で太平洋側は大変なことになっていますが、日本列島が盾になり、日本海側は波が低いことを示す濃い青色の海域が広がっています。

ただ同じ新日本海フェリーの航路でも小樽発着の航路と違い、苫小牧発着の航路は津軽海峡までは太平洋側を航行します。

その区間は台風の影響で波高2m程度の水色となっており、多少揺れを感じながらの就寝となりました。

 

朝8時前に起床。

予約したステートA個室はインサイドと呼ばれる部屋で、部屋には窓があり光は差し込みますが、

海は見えず、別の通路沿いの部屋と向き合う構造になっています。

窓には角度がつけてあり向かいの部屋から容易に室内が見えないように配慮されているようです。

朝日の差し込む船内を歩きレストランへ。

船内レストラン「プロヴァンス」は朝、昼、夕食時間に合わせた営業で、朝食は8時から1時間。

店内は空いていました。

 注文はテーブル上の端末を使ってセルフサービスで行います。

レストラン入口には各食事毎のメニー写真と価格がならんでおり、ある程度予算やメニューの見当をつけてから入店できるようになっていました。

洋食の朝食プレートを注文。

洋食でもパンをご飯に替えることができるようです。

精算は注文内容が紐付けられたテーブル備え付けのバーコードを出口の精算機にかざして支払います。クレジットカードも利用できました。

レストランの朝食営業は9時までですが、そのあと9時半からレストラン隣の喫茶コーナーが営業開始となり、こちらでもカレーなどの軽食を注文できるようです。

「ゆっくり寝て朝食と昼食は兼用で」という方には便利かも知れません。

さて5F後方のレストランを出たのち、ステートルームが並ぶ通路を通り抜け、5F最前方のフォワードサロン「ラルクアンシェル」へ。

前面展望を楽しむことができるサロンでソファなどが並びます。

窓から前方を覗くと、まるで瀬戸内海のように穏やかな日本海を時速50kmの速力で進んでいく様子を一望できました。

フォワードサロンから一旦部屋に戻り寛いでいましたが、

「あと約15分で昨夜敦賀を出港し苫小牧東へ向かう姉妹船と行き違います」との船内放送に誘われ後方デッキへ。

10:15頃。昨夜23:55に敦賀港を出港した姉妹船と行き違い。

海しか見えない外洋上で大型船が汽笛を鳴らし合いながら行き違う様子は、その場に居合わせなければ分からない感慨があるものです。

両船の出港到着時刻に大きな違いはないため、この行き違いは21時間の道のりの約半分が終わったことを意味します。 

姉妹船との行き違いから2時間。昼食のため再びレストランへ。

朝とは違う後方デッキを望むカウンター席で、味噌バターコーンラーメンをいただきました。

午前は部屋で過ごす時間が長かったため、食後は6Fのスポーツルームで軽く運動することに。

スポーツルーム室内。

ウォーキングマシーンの1台は使用中止で、もう一台は先客が使用中でしたが、

筆者が室内を眺めていると譲ってもらえたので、自身も次のお客さんが見えるまでと思い歩き始めました。 

前の景色に集中して歩いていると、まるで海上を歩いているような他では味わえない感覚になります。

時速4kmで約15分。ちょうど1km歩いたところで次のお客さんに譲って終了。

食事→運動のあとは入浴。

ステートルーム備え付けのタオルは洗面台横のハンドタオルのみだったため、フロントで貸しタオルを借りることにしました。

貸し出し時間に制限はなく「下船までに返してくれれば良い」とのこと。

6Fの浴室。

乗船直後就寝前の入浴も考えましたが、海を望む開放的な浴室は気持ちよく、昼間の利用は正解だったかもしれません。

入浴後はマッサージチェアでリラックス。

今回のように揺れの少ない航海であれば「乗船前より元気になって目的地に到着できるのではないか」そんな気分にすらなってきます。

朝から長らく通信不可を示していたスマホのアンテナマークが何本か立ち、外を確認すると小島がいくつか見え、その奥には陸地らしき影も見えました。

航路図と時刻表、現在時刻を照らし合わせると、船はすでに石川県の能登半島沖まで進んでいるようです。

18時頃日没。船は石川県沖から福井県沖へと進み長い航海も残すところあと約2時間。

そのままレストランへ行きディナータイム。

かつての寝台特急の食堂車を想起させる窓側席は残念ながら全て埋まっていました。

レストランでの3回目の食事はハンバーグ定食。

朝食プレート950円、昼食の味噌バターコーンラーメン800円、夕食のハンバーグ定食1200円。

一般的には割高な印象もある船内レストランですが、3食で2950円、1食あたりでは1000円以下で済ませることができました。

なお船内には今回利用したレストラン「プロヴァンス」とは別に「グリル・マルゴー」というレストランもあり、

「予算は気にしない」という方は予約制でコース料理などさらに充実した食事を楽しめるようです。

夕食を終えると下船まで1時間余り。

下船前に乗船記念の一つでもと思い4Fフロント隣の売店へ。

ロゴ入り300円のタオルを購入。

ルームキーは回収されなかったので、タオルの袋に一緒に入れ乗船記念にすることにしました。

入室から20時間以上を過ごした自室ステートA個室。

到着1時間前からの静かなBGMが船内に流れ、それに促されるように荷物をまとめて、到着下船案内の放送を待ちます。

到着時刻が近づき、航海中何度も訪れた5F後方デッキへ行くと、進行方向を変え敦賀港への接岸作業が行われているところでした。

徒歩での下船は、乗船時にも通った写真左奥の通路からとなりますが、

車やバイクのお客さんが車両甲板へ向かうと船内は閑散となりました。

苫小牧東港へのアクセスが難しいこともあり徒歩乗船の人数は限られているようです。

20:30。ほぼ定刻に桟橋が開放され下船。

桟橋の途中で振り返り21時間お世話ななった「すずらん」の船体を撮影。

斬新な敦賀港ターミナルビル。

ターミナル前から発車する敦賀駅行の連絡バス。敦賀駅までは約15分・350円です。

20:50頃。2024年の北陸新幹線開業を見越してのことかホテルが立ち並ぶ敦賀駅前に到着。南千歳駅から23時間、札幌からならほぼ24時間での到着です。

敦賀は福井県南端の都市で北陸地方に位置しますが関西(近畿)地方に隣接しており、

敦賀駅からJRの特急サンダーバード号に乗車すると京都まで約1時間、大阪まで約1時間半で行くことができます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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