西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

観光列車「〇〇のはなし」乗車記(東萩14:13→新下関17:50)

f:id:nishiuraexp:20210927195813j:plain山口県萩市。JR西日本山陰本線東萩駅。隣には萩駅もありますが、ここ東萩駅が萩市の玄関の役割を果たしています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927195839j:plainさて今回はここ東萩駅から観光列車「〇〇のはなし」に乗車し終点の新下関駅へ向かいます。

 「〇〇のはなし」は、午前に山陽新幹線・山陽本線の新下関駅から下関駅を経由して山陰本線に入り東萩駅まで運転され、午後に東萩から新下関に戻るダイヤになっています。

「○○のはなし」の列車種別は「快速」で、全車普通車扱いですので、普通乗車券に座席指定券を追加するだけで気軽に乗車することができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927195954j:plain改札口を抜けホームへ。

新下関行「○○のはなし」の東萩駅発車時刻は14:13です、

車両は、国鉄末期に非電化路線でも比較的需要がある路線の普通列車むけに導入されたキハ47系2両編成を観光列車として改造したものです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200044j:plain車内へ。

幕末・開国~明治維新の時代に多くの志士を輩出した長州「萩」を目的地とする観光列車ということで、

 

f:id:nishiuraexp:20210927200158j:plain下関寄りの1号車は「西洋が憧れる日本」がコンセプト。

和室のような内装で床の一部には畳も使われています。

全体として和食レストランや寿司店を連想させるインテリアです。

 

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f:id:nishiuraexp:20210927200316j:plain一方、東萩寄りの2号車は「日本が憧れた西洋」がコンセプトで、

レンガ造りをイメージした壁面に革張りのソファーが並びます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200352j:plain2号車の車端にはグッズ・お土産の販売カウンターのほか、乗車記念スタンプが設置されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200451j:plain今回は1号車の1人席を希望していましたが、あいにく満席で、2号車の2人掛け席に落ち着きました。

なお「〇〇のはなし」の座席指定については、1.2号車とも座席と窓枠の相性が良い席、悪い席が存在します。

JR西日本HPの「〇〇のはなし」の詳細を紹介するページには、窓枠の位置と座席番号が一目で分かる親切な座席図が掲載されているので事前に確認しておきたいところです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200421j:plain座席の足元は広くコンセントも設置されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200542j:plain14:13東萩駅を発車。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200649j:plainおよそ4分で萩駅に停車。萩駅は萩市の中心からは離れているものの、よく整備された木造駅舎が美しく一度途中下車する価値のある駅です。

 

f:id:nishiuraexp:20211004153411j:plain萩駅舎(2016年撮影)。登録有形文化財に指定されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200720j:plain萩を発車すると列車は日本海に沿って進みます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200743j:plain2号車の座席はすべて日本海を望む方向に向いています。

日本海に向かって後方になる座席からは写真のようなアングルで車窓を眺めることになります。

今回は日本海側の窓に面した座席ばかりが埋まり後方席は全て空席でしたが、

後ろへ下がる分、複数の窓から広角で車窓を楽しむことができるメリットもあり、一概にどちらのほうが眺めが良いと断じることはできないように思います。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200827j:plain萩駅から約30分。長門市駅に到着。

列車はここで進行方向をかえ、わずか2.2Kmの行き止まり路線である山陰本線仙崎支線に入ります。

長門市駅での乗降は仙崎支線を往復して戻ってきてからとなり、1回目の停車は進行方向転換のための運転停車となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927200935j:plain右が萩から辿ってきた山陰本線、左がこれから進む仙崎支線です。

仙崎支線は普通列車のみ1日6往復の運転で終点仙崎まで途中駅はありません。

仙崎駅の1日の利用者数は45人。

「よくぞ廃止されずに残っているものだ」と個人的には思ってしまいますが、

独立した路線ではなく山陰本線の一部という扱いが奏功しているのでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201000j:plain折り返しとなる仙崎駅では、30分の停車時間があります。

車内では希望者に仙崎駅周辺の観光地図が配られました。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201022j:plain30分の停車時間で訪問できそうなのは、

仙崎出身の童謡詩人金子みすゞ氏を紹介する「金子みすゞ記念館」と、

海に面して建つ道の駅「センザキッチン」あたりになりそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201052j:plain長門市駅から約4分。

地図を眺めている間に行き止まりの仙崎駅に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201151j:plain仙崎駅舎。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201243j:plain仙崎駅前から「センザキッチン」に続く道路。

地図を眺めながら、

郷土の偉人を紹介する記念館を訪問しても滞在時間はせいぜい10分程度しかとれず、慌ただしく退出して駅に帰ってくることになりそうであり、

「そういう訪問の仕方が歓迎されるだろうか」などと考え、

「センザキッチン」へ行くことにしたのですが、他のお客さんも皆同じ結論になったようです。

 

 

f:id:nishiuraexp:20210927201327j:plain仙崎駅から徒歩5分かからずにセンザキッチンの入口に到着。

 

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f:id:nishiuraexp:20210927201435j:plain道の駅に加えインフォメーションセンターや観光船のりば、

f:id:nishiuraexp:20210927201504j:plain海に面したウッドデッキなども併設され1時間の滞在でも退屈することはなさそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201558j:plain今回は5分程の余裕を持って列車に戻ることができましたが、

もう10分〜15分くらい停車時間が長ければ「センザキッチン」での買い物も増え、「金子みすゞ記念館」訪問という選択をする乗客も増えるのではないか。

というのが個人的な感想です。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201623j:plain「センザキッチン」で購入したお寿司。

寿司ですがシャリは酢飯ではなく「おから」で、当地では「きずし」と呼ばれているようです。

調べてみると西日本では愛媛県西部にも同じような郷土レシピが存在するようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201654j:plain列車は仙崎支線を折り返し、15:31長門市駅に戻ってきました。

今度は時刻表上にも記載のある正式な停車であり、改札前ホームからは「歓迎」の旗を持ってのお出迎えもしていただきました。

なお「〇〇のはなし」の今回の乗車区間(東萩〜新下関)の乗車券を購入する際、

仙崎支線往復分の運賃について、

JRの規則を厳密に運用すれば「東萩〜仙崎と仙崎〜新下関のように分割購入するか、東萩〜新下関を通しで購入した場合は、別途長門市〜仙崎往復の乗車券が必要になるはず」と思い、

購入駅の「みどりの窓口」で尋ねたところ「JR側がそのような経路で運行しているので仙崎支線区間の運賃は不要」との回答をいただきました。

ネット情報によれば明文規定まではないようですが、JR事実上公認の「タダ乗り」区間で途中下車観光までできる。という事例は他に思いつきません。

 

f:id:nishiuraexp:20210927203205j:plain駅ホーム設置の「〇〇のはなし」運行経路図。

長門市に戻り山陰本線に復帰した「〇〇のはなし」は本州最西端の海岸線に沿って下関方面へ進みます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927201759j:plain長門市を発車してしばらく、日本海に浮かぶ「青海島」を望むビュースポットで一旦停車。

青海島は周囲40km。大自然によって造られた洞門や石柱などの奇岩、怪岩が数多く存在することで知られます。

本土とは仙崎市街から続く青海大橋によって車での往き来が可能です。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202050j:plain16:15頃。列車は長門市域から下関市に入り阿川駅に到着。

阿川駅にはカフェ「Agawa」が最近開業しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202120j:plain新下関行の「○○のはなし」は6分程度阿川駅に停車。

テイクアウトで車内持ち込みというお客さんも多いようでした。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202222j:plain阿川に続いて、16:27特牛に停車。

読みは「とっこい」ではなく「こっとい」です。

全国屈指の難読駅として知られる駅です。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202248j:plain16:33滝部駅に停車、

新下関行「○○のはなし」は、阿川駅から先の下関市内区間については、快速列車らしく淡々と進んでいく印象です。

「〇〇のはなし」という変わった列車名の由来は、列車の走行区間の3自治体「萩市」「長門市」「下関市」の頭文字を取ったものですが、

実際に乗車してみると、3者は並列の関係と言うよりは、

下関市や対岸の北九州市など関門海峡周辺を訪れる多くの観光客を、下関市と同じ山口県内の「は」や「な」に引っ張り混むという「動線作り」と、

下関近郊以外では芳しいとは言えない山陰本線の利用促進という2つの役割が期待される観光列車という背景を個人的には感じました。

 

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f:id:nishiuraexp:20210927202440j:plain本州最西端。関門海峡の北西に広がる海域は「響灘」と呼ばれます。  

列車は響灘を望むビュースポットで再び一旦停車。

時刻は17時前。乗車した9月下旬では日没には少し早かったものの、これからの季節は、この付近で日没時刻を迎えるものと思われます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202522j:plain16:58。下関近郊区間の入口にあたる小串駅に停車。

先述のように運賃に座席指定券を追加するだけで気軽に乗車できる「〇〇のはなし」ですが、 

小串駅からは19分前と17分後に当駅始発の下関行の普通列車が設定されており、地元利用との混乗は極力回避されているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202642j:plain17:03。川棚温泉駅停車。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202726j:plain川棚温泉駅を発車すると次の停車駅は下関。

沿線はしだいに都市近郊らしい風景に変わっていきます。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202756j:plain下関の一つ手前の駅であり、京都から続く山陰本線の終点でもある幡生で運転停車。

下関までの最後の一駅間は山陽本線を走行します。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202830j:plain17:39下関着。

これから下関周辺を訪れる観光客や北九州、福岡方面へ帰る方はここで下車となります。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202854j:plain17:43。下関駅で半数以上の客が下車した「○○のはなし」は、進行方向をかえて山陽本線を折り返し新下関へ向かいます。

幡生に停車しない列車を利用した結果、幡生~下関間が重複乗車となる場合については、下関駅で途中下車しない限りその区間の運賃は不要となります。

仙崎支線とは違い明文規定があり市販の時刻表にもその旨の記載があります。

 

f:id:nishiuraexp:20210927202923j:plain幡生を通過すると東萩から辿ってきた山陰本線が分岐していきます。

同じ長大幹線でも全線が複線電化(一部複々線)の山陽本線にくらべ、山陰本線の大半はローカル線とかわらない単線非電化であり、廃止のはなし(公式ではない噂や危機感の類)がささやかれている区間も存在します。

 

f:id:nishiuraexp:20210927203003j:plain17:50。山陽新幹線の高架駅舎が頭上を覆う新下関駅終点に到着。

山陽新幹線の新下関駅はこだま号のみ停車が基本ですが、「〇〇のはなし」到着から18分後の18:08に、ひかり号相当の「さくら566号新大阪行」が停車し、乗り継ぐと姫路20:02、新神戸20:19、新大阪20:32に到着することができます。(2021年9月現在のダイヤです。)

最後までお読みいただきありがとうございました。

 


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【1時間で萩へアクセス】高速バス「スーパーはぎ号」乗車記(新山口駅11:00→東萩駅12:10)

f:id:nishiuraexp:20210925100410j:plainJR西日本新山口駅。

こちらは山陽新幹線の駅から自由通路で在来線を跨いだ先にある北口バス乗場です。

今回はここから高速バス「スーパーはぎ号」に乗車し、同じ山口県の日本海側に位置する萩へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100455j:plain「スーパーはぎ号」は座席定員制で事前予約はできません。

運賃は降車時に支払うこともできますが、北口バスターミナルに隣接するバス案内所で事前に乗車券に購入することもできます。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100518j:plainバス案内所の運賃路線図。

「スーパーはぎ号」は新山口駅北口を発車すると、次は萩市街地の萩明倫センターまでノンストップ。

萩明倫センターからは萩バスセンターを経由し終点のJR東萩駅へ向かいます。(運賃路線図右上端)

萩市内各停留所までの運賃は2090円が正規ですが、2022年3月末まではキャンペーンで1600円に値下げされています。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100543j:plainバス案内所の券売機はキャンペーン運賃対応済みでした。

券面下には中国JRバスにもご乗車できます。と書かれています。

「スーパーはぎ号」は2021年9月現在1日4往復の運行で、中国JRバスと防長交通がそれぞれ2往復を担当しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100601j:plain今回乗車する新山口駅北口11:00発のJR東萩駅行は中国JRバスの運行です。

車両には山陽新幹線のハローキティ新幹線と共通のピンク色主体のラッピングが施され「これがJRバスなのか」と目を疑うばかりです。

 

f:id:nishiuraexp:20210925102322j:plain 発車5分程前にバスターミナル2番乗場に入線。

「コロナ禍で空いているだろう」との個人的な予想に反して、乗場には入線前から行列ができており、窓側の席をほぼ埋めての発車となりました。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100714j:plain新山口駅北口を定刻に発車したバスは、しばらく市街地を走行し山口宇部道路の長谷ICへ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100741j:plain長谷ICから山口宇部道路へ進入。しばらく東方向へ進路をとります。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100825j:plain小郡ICで山口宇部道路から中国自動車道下り線に進入。今度は西方向に進みます。

地図上では迂回しているように見えても、高規格道路のネットワークを駆使するほうが、時間距離は短くなり安全性や快適性も高まるということのようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100850j:plain鉄道では険しい山越えのイメージが強い中国地方の内陸部ですが、

中国自動車道は峠の少し南(山陽側)を横に貫いており、車窓風景は思いのほか広々とした長閑なものです。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100912j:plain「秋吉台・萩」の表示が見えた美祢東JCTで中国自動車道から流出。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100933j:plain新山口駅北口発車から20分。

バスは国道490号のバイパスとして整備された小郡萩道路に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20210925100959j:plain小郡萩道路を北上。

 

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f:id:nishiuraexp:20210925101051j:plain美祢東JCTから約10分。

現時点で小郡萩道路の終点となっている絵堂IC からは、旧来の国道490号を北上します。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101115j:plain一般道区間に入っても信号は少なく快適な走行が続きます。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101134j:plain沿道には彼岸花の赤色が目立っていました。

車窓の変化に季節の移ろいを感じることも一般道を走るバス路線の楽しみです。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101158j:plain今回は萩市街まであと10分の場所に位置する「道の駅・萩往還」の駐車場に臨時停車。

この数分前に後方席の女性が「子供がトイレに行きたいと言っている」と運転手さんに申し出たことを受けてのことですが、

「公共交通での旅行」と「マイカーでの旅行」の違いを子供に教えるべき若いお母さん自身が、その区別ができていないのではないか。と思わずにはいられません。

わずか3分でも20人乗っていれば1時間の時間が失われた計算になり、皆が同じことをすれば公共交通の定時運行などできるはずもありません。

終点まで1時間10分の座席定員制の路線で、コロナ禍でも半分の席が埋まる状況ですから、座席を多く設置できるトイレ無し車両で運行する中国JRバスの判断は妥当だと個人的には思います。

もしトイレに関してサービス向上を考えるならば、新山口駅バスターミナルの掲示や放送などで「トイレ無し車両での運行なので事前に用事をすませて乗車してほしい」旨の周知を強化することではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101224j:plainバスは少し遅れて萩市街地へ。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101253j:plain12:03。萩明倫センターに到着。

バス停の奥に見えている建物は、萩藩の藩校[明倫館]の跡地に建設された明倫小学校の校舎として平成26年まで使用されていたもので、

現在は観光拠点としてリニューアルされています。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101318j:plain萩明倫センターに続いて萩バスセンターに停車。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101341j:plain萩バスセンターを発車したバスは、萩市街地を流れる松本川にかかる萩橋を渡り終点の東萩駅へ向かいます。

内陸から萩へと流れてくる阿武川は萩市街地の南で橋本川と松本川に別れて日本海に注ぎますが、萩の市街地の大半はその2本の河川の間に広がっています。

言い方を変えればJR東萩駅は市街地の中心から見れば「川むこう」の少し離れた場所に位置しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101425j:plain12:15。5分程遅れてJR東萩駅に到着。

市街地の中心に近い萩明倫センター、萩バスセンターでの降車が多く、終点まで乗り通した乗客は5人以下でした。

 

f:id:nishiuraexp:20210925101452j:plain「 川むこう」の東萩駅ですが、駅前ではレンタサイクル店が営業しており、東萩駅を拠点に市街地に点在する名所旧跡を自転車で効率よく巡ることができます。

 

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f:id:nishiuraexp:20210926162210j:plain東萩駅から自転車で6分。世界遺産松下村塾、松陰神社。

 

f:id:nishiuraexp:20210926162234j:plain高杉晋作生家付近の街並み。

 

f:id:nishiuraexp:20210926162252j:plain菊ヶ浜海水浴場の眺め。


筆者はレンタサイクルで2時間程、萩市街地を巡ったのち、東萩発14:13の観光列車「〇〇のはなし」に乗り継ぎました。

続きはこちらです。

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【地方から地方へ】FDA静岡出雲線(FDA181便)搭乗記。静岡8:20→出雲9:35

f:id:nishiuraexp:20210725212343j:plain静岡県掛川市。JR東海掛川駅前。

今回はここから静岡空港へ向かいフジドリームエアラインズの出雲行を利用します。

##本記事記載の運賃、ダイヤ、割引などは別に断っているものを除いて2021年7月の利用日現在のものです。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212412j:plain静岡空港は静岡県の島田市と牧之原市に跨がる場所に建設され2009年に開港した空港で、

空港からの直線距離では東海道線島田駅、道路距離では同金谷駅が最寄り駅となります。

静岡空港へのアクセスとしては、静岡駅、藤枝駅、島田駅、金谷駅などからバスが運行されていますが、

掛川駅からは静岡空港を拠点とするフジドリームエアラインズ利用者むけの無料アクセスバスが運行されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212445j:plainフジドリームエアラインズ静岡空港アクセスバス掛川駅前時刻表。

掛川駅から静岡空港まで40分で結ぶダイヤです。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212515j:plain6:20頃。バスが到着。

スマホで静岡空港からのFDA便の予約画面などを運転手さんに提示して乗車します。

FDA便の予約があればバスは予約なしで利用できる点は便利です。

休日の早朝でしたが筆者のほかにも数人が乗車しました。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212616j:plain定刻を待って掛川駅前を発車したバスは、市街地を抜け茶畑が広がる当地らしい風景を見ながら走り、

 

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7:00頃。フジドリームエアラインズが拠点を置く静岡空港のターミナルビル前に到着しました。

 

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静岡空港ターミナルビル外観。

開港から10年余りとまだ新しいこともありガラス張りの近代的で斬新な雰囲気が感じられる建物です。


f:id:nishiuraexp:20210725212825j:plainターミナル入口に掲示された就航会社一覧。

コロナで行き来が制限されるまでは、空港規模に比して中国各地への路線か非常に充実していたことがわかります。


f:id:nishiuraexp:20210725212850j:plainターミナルビル1階、FDAチェックインカウンター。

自動チェックイン機もありますが、今回は誕生月にFDA便を利用する場合に購入することができるバースデー割で予約しており、

搭乗券発券に際して誕生月であることを確認できる免許証などの提示が必要になるためカウンターでのチェックインとなりました。

バースデー割はLCCのキャンペーン価格のような極端な割引はありませんが、記事を書いている本日の1ヶ月後の搭乗便181便(10月生まれの方が対象)の運賃を見てみると、25歳以下限定のユース割や60歳以上限定のシニア割運賃以外ではバースデー割が最安値となつていました。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212911j:plain搭乗券。

 

f:id:nishiuraexp:20210725212942j:plain掛川駅からの無料バスは7:35発の福岡行141便利用者との混乗だったため、搭乗券を受け取った時点で出雲行の出発時刻8:20まで約1時間の余裕があり、ゆっくりと空港ターミナル内を見て歩くことができました。

まず1階はFDAとANAのチェックインカウンターのほか、

 

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f:id:nishiuraexp:20210725213038j:plainセブンイレブンと、その横には軽食などができるフリースペースがあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213109j:plainエスカレーターで2階へ。


f:id:nishiuraexp:20210725213211j:plain2階は土産物屋とフードコートがメインで、

 

f:id:nishiuraexp:20210725213236j:plainエスカレーターの位置からだとフードコートや土産物屋の奥にあたる場所に保安検査場の入口があります。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213304j:plainそして保安検査場近くのフードコートから奥へ伸びる通路を進むと、

 

f:id:nishiuraexp:20210725213330j:plainカードラウンジのYOUR LOUNGEがあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213405j:plainラウンジ内部。

サービス内容はソファ、ソフトドリンクなど一般的なカードラウンジと同じですが、

施設が新しく広々としており非常に快適に過ごすことができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213434j:plainラウンジ内の窓側の席からは、搭乗口への通路越しに駐機中の機体や滑走路を眺めることができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213459j:plainラウンジにしばらく滞在したのち、保安検査場を抜け搭乗口へ。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213520j:plain制限エリア内にもセブンイレブンがあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213541j:plain午前8時前、間もなく搭乗開始。


f:id:nishiuraexp:20210725213607j:plain機体毎に塗装が違うフジドリームエアラインズですが、今回はピンク色の3号機にあたりました。


f:id:nishiuraexp:20210725213635j:plainシートの枕カバーは機体の色に合わせてあるようです。


f:id:nishiuraexp:20210725213721j:plainコロナ下でも新聞配布や機内誌のサービスは維持されていました。


f:id:nishiuraexp:20210725213756j:plain機内誌掲載のフライトマップ。

静岡空港離陸後、北西に進路をとり、名古屋空港、琵琶湖、舞鶴、鳥取付近を通り出雲空港へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210725213940j:plain定刻8:20より少し早めにドアを閉め滑走路へ。

機内を見渡すと前方の席はある程度埋まっていますが、後方は空席が多く搭乗率は50%を下回っていたようです。


f:id:nishiuraexp:20210725214006j:plain御前崎などを見ながら一旦太平洋上に出たのち、旋回して北上を始めると右手には富士山がみえました。

富士山静岡空港の呼び名もある静岡空港ですが、富士山までの距離は羽田空港より少し近い程度。静岡県が東西に長い県であることを視覚的に実感できる機窓です。


f:id:nishiuraexp:20210725214031j:plain水平飛行に入り機内サービスの時間。

通常のドリンクサービスに朝便限定のクロワッサンがつき、

今回はバースデー割利用ということでラゲッジタグのプレゼントまでいただきテーブル上が華やかです。


f:id:nishiuraexp:20210725214057j:plainしばらくして雲の切れ目に見えた地上の景色はフライトマップや離陸からの時間を考慮すれば丹後半島の由良川河口付近ではないでしようか。そう思うと有名な京都丹後鉄道の由良川鉄橋が見える気がします。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214153j:plain京都府北部上空からは山陰海岸に沿うように西へ進みます。

写真右下エンジン付近に見える市街地は兵庫県北部の豊岡市の中心で付近の山中には但馬空港の滑走路も辛うじて確認できます。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214354j:plain次第に高度が下がり鳥取市上空を通過。

市街地の右手には砂丘が、左手には鳥取空港の滑走路の一部が見えています。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214454j:plain米子空港がある弓ヶ浜半島を横断し最後は宍道湖上から出雲空港に進入。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214529j:plain9:15頃。出雲空港に着陸。

 

f:id:nishiuraexp:20210725214618j:plain出雲空港に到着した機体。


f:id:nishiuraexp:20210725214751j:plain定刻9:35より15分の早着でした。

出雲空港の主役はJALでANAは就航していません。

FDAの静岡出雲線もJALとのコードシェアとなっており、JALの予約サイトからJAL便名で購入することもできます。


f:id:nishiuraexp:20210725214654j:plain出雲空港ターミナルビル1階到着口周辺。


f:id:nishiuraexp:20210725214905j:plain出雲空港から島根県の県庁所在地松江まではバスで35分。1050円です。

松江行のバスは航空便の到着に接続するダイヤで運行されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210725215016j:plain9:45発の松江方面のバスに乗車。

他の便で到着した客との混乗ではありませんが、181便の早着には関知せず定時を待っての発車となりました。


f:id:nishiuraexp:20210725215118j:plain出雲空港発車後、宍道ICから山陰自動車道を走つたバスは、一般道に降り宍道湖沿いを松江市街へと進みます。


f:id:nishiuraexp:20210725215204j:plain10:20頃JR松江駅前に到着。

掛川駅からちょうど4時間での到着です。

静岡駅からバスで静岡空港へ向かった場合も同程度の所要時間になると思われますが、

東京大阪など主要都市との行き来を念頭に置いた鉄道(JR)の路線、ダイヤは、

静岡と松江のような遠方の地方都市同士の連絡には不向きと言わざるを得ません。

FDA181便に近接する時間のダイヤを時刻表で確認すると、1時間に1本の静岡停車のひかり(501号)の静岡発が8:07で、岡山に11:17に到着。

やはり1時間に1本の山陰方面への特急やくも号との接続は悪く、乗り換えは岡山発12:05の11号となり松江着は14:43になってしまいます。

ヨーロッパでは主要都市間での鉄道と航空の競合を潔しとせず、コロナ禍を契機に棲み分けに向かうアクションも見られるようで、その流れは今後日本に波及する可能性もあります。

20年〜30年先の国内長距離移動の姿を想像すると東京〜福岡・札幌など空の主要路線が高速鉄道にとってかわられる一方で、

国内航空路線は、巨大なインフラで大量輸送を行うことが前提の鉄道では「手の届かない」地方と地方の迅速な移動を支えることがメインになるかも知れない。

FDAの小型ジェット機で地方から地方へ飛んでみての個人的な感想です。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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【並行高速道路が全線開通】特急ふじかわ12号乗車記(甲府16:35→静岡18:55)

f:id:nishiuraexp:20210819173519j:plain山梨県甲府市JR甲府駅改札口。

今回はここから静岡行の特急ふじかわ号に乗車します。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174142j:plain特急ふじかわ号の終点は静岡ですが、今回は静岡で東海道新幹線に乗り継ぎ静岡空港に近い掛川へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210819173551j:plain特急ふじかわ号は、甲府と静岡の間を身延線経由で2時間少々で結ぶ特急列車で1日7往復の運転。

乗車するのは甲府16:35発の12号です。

 

f:id:nishiuraexp:20210819173615j:plain甲府駅から特急ふじかわ号など身延線方面の列車に乗車する場合、1番ホームの東端に位置する行き止まり式の4番・5番線からの乗車となります。

 

f:id:nishiuraexp:20210819173647j:plain甲府発の身延線は普通列車が概ね40分毎、その間に特急ふじかわ号が約2時間間隔で運転されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210819173709j:plain16時過ぎ。少し遅れて静岡からの特急ふじかわ7号が4番線に到着。

乗客が下車したあと車内清掃と座席回転が行われ、折り返し特急ふじかわ12号となります。

特急ふじかわ号は全列車が写真の373系3両編成での運転です。

 

f:id:nishiuraexp:20210819173749j:plain

f:id:nishiuraexp:20210819173830j:plain373系は東京〜静岡間の急行東海号、東京〜大垣間の夜行快速列車、現在の特急ふじかわ号の前身で静岡〜甲府を結んでいた急行富士川号やそれらの間合いで東海道線の普通列車としても運転されていた急行型電車165系を置き換える目的で1995年に投入されました。

373系は特急型車両として製造され、急行東海号と急行富士川号は373系投入に伴い特急に格上げされました。(特急東海号は2007年に廃止)

一方で間合いとはいえ乗降の多い普通列車の運用にも入る前提であったため、スムーズな乗降を考慮する必要があり、ドアは特急車両としては珍しい幅広の両開きが採用されデッキと客室を仕切る扉も設けられていません。

 

f:id:nishiuraexp:20210819173928j:plainドアが車端ではなく少し中間に寄った位置にあるのも特急車両としては異例で、

ドアと車端の間のスペースは4人掛席の真ん中にテーブルが配されたコンパートメントのような区画になっています。

 

f:id:nishiuraexp:20210819173904j:plain

f:id:nishiuraexp:20210819173958j:plain

特急車両でありながら普通列車としての運転も考慮された373系ですが、座席は他のJR特急車両と比較して見劣りするようなことはなく、モケットの色遣いの効果もあって普通車の座席としては高級感さえ漂っています。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174116j:plain

シートピッチは97cmでフットレストが備わります。ただ90年代製造の車両で大きな改造の履歴もないことからコンセントは備わっていません。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174225j:plainテーブルは座席背面ではなく肘置きに内蔵されており、引き出すと一般的なサイズの弁当とペットボトルをのせても余る程度の大きさがあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174309j:plain16:35。信号が変わり定刻に甲府駅を発車。

373系は一般的には前面展望車両とは認識されていませんが、運転席の後ろのデッキに立つとある程度前面展望を楽しむことができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174331j:plain甲府を発車した特急ふじかわ号が進む身延線は大半が単線ですが、甲府駅からしばらくは中央本線の複線との並行区間となります。

なお身延線はJR東海の路線、並行する中央本線はJR東日本の路線です。

写真は身延線最初の通過駅で金手と書いて「かねんて」と読みますが、並行する中央本線にはホームはなく身延線単独の駅となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174352j:plain金手からもしばらく中央本線と並行したのち身延線は右手に別れ、南に進路をかえ静岡県方面へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174416j:plain中央本線との分岐点に近い善光寺駅を通過したのち、16:40。最初の停車駅南甲府に停車。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174439j:plain
国母駅〜常永駅間で中央自動車道をアンダークロス。

 

f:id:nishiuraexp:20210819174501j:plain16:48東花輪駅に停車。

旅客施設としては島式ホーム1面ですが、ローカル線の途中駅としては広い構内を有する駅であることがわかります

 

f:id:nishiuraexp:20210828211925j:plain東花輪を出ると笛吹川の鉄橋を渡ります。

笛吹川は甲府市街を流れる釜無川と合流し富士川となって静岡県から太平洋に注ぎます。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212005j:plain16:56市川大門駅に停車。

1995年築の中国風駅舎は公民館を併設しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212040j:plain乗車日の甲府周辺は夕立に見舞われましたが、身延線を南下するにつれて天候は回復。

雨上がりの瑞々しい車窓を楽しむことができました。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212124j:plain市川大門駅を出て間もなくアンダークロスする新しい高速道路は中部横断自動車道で、

本記事投稿日の2021年8月29日に身延線に並行する区間のうち未開通で残っていた南部IC〜下部温泉早川IC間が開通。

新東名高速道路新清水JCT〜中央自動車道双葉JCTの区間が全線開通しました。

特急ふじかわ号が結ぶ静岡市と甲府市の間は、高速道路がなかった時代には国道52号経由で2時間45分かかっていたものが、今回の全線開通で1時間40分まで短縮されるようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212204j:plain17:00鰍沢口駅着。

甲府から21.6km。鰍沢口駅は甲府盆地の南端に位置しています。

甲府からの普通列車はここで折り返すものが多く、ダイヤ上も甲府都市圏の末端駅となっています。

特急ふじかわ号の自由席を身延線内で利用する場合、30kmまで330円の特急料金で利用でき、甲府〜鰍沢口間もその対象となるはずですが、甲府都市圏内での利用は多くないように見えます。

甲府〜鰍沢口駅間は特急では25分程度ですが、朝ラッシュ時の甲府方面の普通列車では45分から50分かかります。

現在のダイヤでは甲府方面へ向かう特急ふじかわ号の初発1号の甲府着は10:31で甲府への通勤に特急ふじかわ号を利用することはできません。

一方、甲府から静岡へ向かう最終の特急ふじかわ14号が18:36に甲府を発車したのち、静岡からは11号が20:01に、13号が22:06に甲府に到着します。

この2本の編成は甲府滞泊となり、翌日の甲府発6:20の2号と8:45発の4号となって静岡に帰る運用になっていると思いますが、11号が20:01に甲府に到着したのち、普通電車として身延まで折り返し、

翌朝、身延を7:20頃に出て、鰍沢口7:45頃、甲府着8:10頃となる通勤特急として運転すれば、一定の需要が見込めると思うのは筆者だけでしょうか。

新幹線を持たないJR四国などでは、実際にこのようなキメ細かい車両運用で増収が図られ、利用者からも一定の評価を得ているように見えます。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212251j:plain鰍沢口からは次第に山間の風景となり、

17:19下部温泉駅に到着。

しばらく停車して甲府行の特急ふじかわ9号と行き違います。

下部温泉駅からの乗車は行き違った9号のほうが多かったようです。

特急ふじかわ号の自由席特急料金が安く設定されているのは、このあたりから特急ふじかわ号に乗車し甲府で中央本線の特急に乗り継いで首都圏とを行き来する乗客に対する乗り継ぎ割引的な意図もあるのかも知れません。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212419j:plain下部温泉駅から約10分。17:29身延着。

路線名にもなっている身延線の主要駅で、日蓮宗の総本山久遠寺の最寄り駅でもあります。

改札上には「ようこそ信仰の町 心のふる里」の文字もみえますが、

駅の利用者数はコロナ前の数値で303人と控えめで、特急ふじかわ12号への乗車も他の駅に比べ目立って多いわけではありません。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212504j:plain

f:id:nishiuraexp:20210828212547j:plain

身延からは富士川に沿って南下します。車窓は美しいこの区間ですが、線形は厳しく列車の速度は上がりません。

高速道路と競合どころか並行する一般道を走る自動車に抜かれることも珍しくないようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212620j:plain17:43内船駅着。

f:id:nishiuraexp:20210828212705j:plain富士川の流れから一旦離れると、沼久保駅から西富士宮駅にかけて富士宮市街地を見下ろす長い下り勾配を進みます。

天気が良ければ市街地越しに富士山を裾野まで見渡すことができるJR屈指の絶景区間でもあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212752j:plain内船を発車して30分。

18:13富士宮市街に入りその玄関である富士宮駅に停車。

以前はこの駅を目的地とする宗教系臨時列車が多数運転されていましたが、現在ではほとんど運転されることはありません。

バス輸送などに取って代わられたのではなく宗教上の理由によるものです。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212844j:plain全線88.4kmの身延線ですが、富士宮と東海道線接続の富士の間10.7kmのみ複線化されています。

背景には先述の宗教系臨時列車のスムーズな運転という理由があったとも言われていますが、

その運転がほぼ無くなった現在でも、複線設備が活きるだけの本数の普通列車が運転されているのは幸いです。

 

f:id:nishiuraexp:20210828212926j:plain富士宮から約10分東海道線に合流し富士駅に進入。

特急ふじかわ号はここで進行方向をかえて東海道線に入り終点静岡へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213008j:plain富士では4分の停車時間があり車内ではセルフサービスで座席の転換作業が行われます。

静岡まで30分もかかりませんが大半の乗客が座席を回転させていました。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213043j:plain富士を発車して間もなく、身延線では一度も渡ることなく並行していた富士川にかかる鉄橋を渡ります。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213123j:plain国道1号、東名高速道路と並んで静岡へラストスパート。

道路越しには駿河湾が広がり背後には富士山がそびえています。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213158j:plain18:46最後の停車駅、清水に停車。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213252j:plain清水からの最終区間になって甲府発車以来初めて時速100kmを突破。

身延線の線形の悪さが災いし、乗車中の特急ふじかわ12号は甲府〜静岡の全区間122.4kmの走行に2時間20分を要し平均時速は52.5km。

平均時速70km台でも全線開通した高速道路を走る場合と同タイムで静岡〜甲府間を走破できる計算てすが、

残念ながら現状では遠く及ばず全国屈指の鈍足特急となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213322j:plain東海道線の清水〜静岡間はターミナルは離れているものの静岡鉄道と並行しています。

静岡鉄道の路線は短距離ながら全線複線で運転間隔も10分未満。

西日本で言えば広島におけるJR山陽本線と広島電鉄宮島線の並行区間に近い印象です。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213355j:plain富士駅で進行方向を変えたのち東海道線を下ること約25分。高架線に上がり終点の静岡駅に進入。

 

f:id:nishiuraexp:20210829193821j:plain18:55終点静岡駅に到着。

下車客のうち一定数は駅出口ではなく東海道新幹線乗り換え改札口へ向かったようです。

時刻表を確認すると静岡停車のひかり655号新大阪行と接続が図られており、乗り継ぐと京都に20:15、新大阪には20:30に到着することができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213531j:plain 筆者はその1本あとの「こだま747号」に乗り継ぎ隣の掛川駅で下車。

 

f:id:nishiuraexp:20210828213616j:plain

f:id:nishiuraexp:20210828213641j:plain 掛川駅前のホテルで一泊し、翌朝フジドリームエアラインズ利用者専用の無料バスで静岡空港へ向かいました。

続きは近日中に投稿します。

 

 

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【JR最高路線】小海線乗車記(小諸12:04→小淵沢14:23)

f:id:nishiuraexp:20210818205347j:plain長野県小諸市。小諸駅。

今回はここからJR東日本小海線に乗車します。

 f:id:nishiuraexp:20210822142809j:plain小海線は小諸から北陸新幹線接続の佐久平駅・小海駅などを経由して山梨県に入り、中央本線の小淵沢に至る78.9kmの路線です。

 

f:id:nishiuraexp:20210818205428j:plain小諸駅は1997年の北陸新幹線開業まで、信越本線の主要駅の一つに数えられ、上野と長野を結んでいた特急あさま号も停車していました。

駅舎内は国鉄時代の名残りも感じられます。

 

f:id:nishiuraexp:20210818205514j:plain乗車する列車は小諸発12:04の小淵沢行普通列車。

小海線の定期列車は全て普通列車で、小諸周辺では1時間に1本程度の運転ですが、途中の中込や小海までの便が多く、終点小淵沢まで運転する定期列車は1日7本しかありません。

 

f:id:nishiuraexp:20210818205557j:plain5番線で発車時刻を待つ小海線列車。

発車時刻まで30分でありましたが、すでに乗車可能でした。

 

f:id:nishiuraexp:20210818205716j:plain 車両は平成19年に世界で初めて定期列車に導入されたハイブリッド気動車キハE200系の2両編成です。

発車時には蓄電池の充電電力を使用するため、気動車特有のディーゼルエンジンの唸りを聞くことはありません。

小海線での運転を開始して14年になりますが、この車両で運転される列車は今でも時刻表に「ハイブリッド車両で運転」の注釈が添えられています。

 

f:id:nishiuraexp:20210818205842j:plain小諸を発車した列車は、しばらく複線電化のしなの鉄道線の軌道と並行して進みます。

並行区間では、小海線には東小諸、乙女の2駅が設けられていますが、しなの鉄道線には駅はありません。

なお小海線は終点小淵沢まで全線が単線非電化です。

 

f:id:nishiuraexp:20210818205917j:plain乙女駅ホームの電柱に設置された路線図。

右側に各駅の標高が記されています。

小海線は全線が標高600m以上に位置しています。

小諸方から見ると中込までは標高700m近くで小刻みなアップダウンを繰り返しますが、中込からは山梨県境に向けて登り勾配が続き、海尻から終点小淵沢の一つ手前甲斐小泉までの8駅は標高1000mを越えています。

そのうち佐久広瀬から甲斐大泉の表記の横には1位〜5位の文字があります。

これは小海線内での標高ランキングではなく全JRでの順位です。

参考までにJR西日本で最も標高が高い駅は木次線の三井野原駅でその標高は727m。

小海線がいかに高い所を走っているかがわかります。

 

f:id:nishiuraexp:20210818205952j:plain三岡で行き違った小諸行の普通列車はキハ110系での運転。

キハ110系はJR発足から間もない1990年に登場した高出力気動車で、勾配が続く小海線では早い段階で国鉄型気動車からの置き換えが進みました。

現在でも小海線の列車の大半はこの車両で運転されています。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210049j:plain12:19。高架の佐久平駅に到着。

小海線の高架下には北陸新幹線の佐久平駅があります。

佐久平駅は新幹線乗り換え駅として1997年の北陸新幹線長野開通と同時に開業しました。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210126j:plain北陸新幹線長野開業から間もなく24年。

佐久平駅周辺には新しい街が形成されていますが、その街周辺で移動の主役となっているのは、新幹線でも小海線でもなくクルマであることがよくわかる光景です。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210244j:plain12:30着の中込では臨時列車HIGH RAIL1号と行き違い。

HIGH RAIL号は土曜休日などに運転される臨時快速列車で全車指定席。

普通列車より10分から20分短い2時間少々で小海線を走破します。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210321j:plain古い木造住宅が残る羽黒下駅。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210435j:plain列車は千曲川に沿って進み小海の市街地に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210500j:plain 13:05。小諸から約1時間で標高865mの小海に到着。

小諸から30.6km、20駅目にあたります。

ここまでの平均駅間距離は1.5km。対して小海から終点小淵沢まで48.3kmに途中駅は9駅しかなく平均駅間距離は4.8kmと3倍の開きがあります。

これは沿線人口の差に加え、小諸〜小海間が私鉄てして開業し後に国有化されたのに対し、小海〜小淵沢間は最初から国鉄路線として建設されたという歴史の違いも関係ありそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210610j:plain13:32。佐久広瀬駅。

小海から山間の勾配を登り続け、この付近で標高は1000mを越えます。

小海線の小さな駅では写真のような三角屋根の待合室がよく見られます。冬季の降雪も少なくないのでしょう。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210644j:plain13:52。JRで最も標高の高い駅として有名な野辺山に到着。小諸方から来ると長野県内最後の駅でもあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210718j:plain野辺山駅のホームには「JR線最高駅野辺山。標高1345.67m」の標柱が立っています。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210755j:plain野辺山の手前まで山間の登り勾配が続いていましたが、野辺山からしばらくは八ヶ岳を望む高原を快走します。小海線には八ヶ岳高原線の愛称もあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210854j:plain野辺山駅を発車して約3分。

列車は「JR鉄道最高地点標高1375m」と記されたポールの前を通過。

列車はこの付近で長野県から山梨県に入り、終点の小淵沢に向け下り勾配に転じます。

 

f:id:nishiuraexp:20210818210944j:plain14:00。山梨県内最初の駅清里に到着。

清里はバブル期に行楽地として注目を集め多くの人で賑わったことを覚えている方も多いと思います。

JRも東京方面から小淵沢まで中央本線を走ってきた電車の前に、ディーゼル機関車を連結し、非電化の小海線へ電車を直通させる荒技で清里への需要に応えたこともあります。

ある指標で見れば、あの時代から30年余りが経過した今でも当時を超えられないのは事実であり「当時は華やかで良かった」と言うことは簡単かも知れませんが、

スマホ以前にインターネットがなかったという話は差し置いても、

公共の場所での受動喫煙は当たり前、これまでに国内でコロナウイルスが原因で亡くなられた方の数に近い数の命が毎年交通事故で失われ、

鉄道の旅でもエレベーターやエスカレーターがあるのは大都市圏の一部の駅のみ、少し田舎へ行けばトイレは汲み取り式も珍しくなかった時代。

当時を知っている世代も含め今の多くの日本人には耐えられないのではないでしようか。

  

f:id:nishiuraexp:20210818211017j:plain清里から標高1000mの森林の中を下ること20分。

松本方面からの中央本線と合流すると間もなく終点の小淵沢駅に到着します。

 

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14:23。終点小淵沢駅に到着。

この日の小淵沢駅は標高886mの高地とは思えない猛暑の中にありました。

小淵沢駅からは中央本線の普通列車で甲府に移動し、

JR東海の特急ふじかわ号に乗り継いで静岡方面へ向かいました。

続きはこちらです。
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しなの鉄道快速「軽井沢リゾート2号」乗車記(長野9:11→軽井沢10:13)

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JR東日本長野駅コンコース。

長野駅は長野冬季五輪開催を翌年に控えた1997年、北陸新幹線の長野開通にあわせ、現在の橋上駅舎となりました。

今回はここから第3セクターしなの鉄道に乗り入れる快速列車「軽井沢リゾート号」に乗車し軽井沢へ向かいます。

※本記事掲載のダイヤ、運賃、料金、サービス内容等は、2021年7月現在のものです。

 

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長野から運賃表右下の軽井沢までは1670円。

 篠ノ井までのJR区間が200円、篠ノ井からのしなの鉄道線区間が1470円です。

 

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快速軽井沢リゾート号は土曜休日のみ1日2往復の運転です。

今回は長野発9:11の2号に乗車します。

 

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長野駅6番線に入線した快速軽井沢リゾート2号。

SR1系と呼ばれる、しなの鉄道の最新型車両2両編成での運転です。

 快速軽井沢リゾート号は全車指定席で、しなの鉄道のサイトから事前予約することができます。

 

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今回座席指定した前寄り1号車の車内。

3扉車両に2人掛シートが並ぶ車内は、京阪神や名古屋周辺の新快速を連想させます。

この車両の座席指定料金は500円です。

 

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指定の席に着席。

シートピッチは広く、足元にはドリンクホルダーとコンセントが設置されています。

 

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こちらは後寄り2号車の車内。

2号車は軽食付きプランでの利用となり、追加料金は2000円。

写真のように半数の座席を埋める形で大きなテーブルが設置され、

予約が入っている席には、長野駅入線時点でSR1系柄の掛け紙が添えられた軽食ボックスが置かれていました。

1人で専有できる面積も広く値段の価値はありそうですが、

始発の長野駅発車時刻が9:11、終点軽井沢到着が10:13という2号のダイヤでは、朝食には遅く昼食には早過ぎると思い、

今回は、朝食後に座席のみの1号車に乗車することにした次第です。

 

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定刻に長野駅を発車。

長野止まりの北陸新幹線あさま603号が入れ違いに長野駅新幹線ホームに進入していきます。

長野を発車した列車は、先述のように4駅目にあたる篠ノ井まではJR東日本信越本線を走行、篠ノ井から先しなの鉄道線に入ります。

しなの鉄道は終点軽井沢まで全線が元JR東日本信越本線で、1997年の北陸新幹線長野開通により、篠ノ井〜軽井沢間を並行在来線としてJRから移管され発足した第3セクター鉄道です。

長野から終点の軽井沢まで、元は信越本線という1本の路線だったため、しなの鉄道の列車は、会社境界の篠ノ井を通る全列車がJRと直通するダイヤになっています。

 

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快速軽井沢リゾート号は篠ノ井駅を通過。

しなの鉄道線区間に入ると間もなく信濃川と名を変え新潟市から日本海に注ぐ大河千曲川にかかる鉄橋を渡ります。

 

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9:23、長野を発車して最初の停車駅屋代に到着。

進行方向左手に見える写真のホームには長野電鉄屋代線の電車が発着していましたが、利用者の減少により2012年に廃止されました。

国鉄時代には東京方面からの列車が当駅を介し長野電鉄に直通する設定もあったようです。

私鉄との直通は民営化以前の国鉄時代のほうが盛んで、富山地方鉄道、名古屋鉄道、南海電鉄、島原鉄道など多数の事例がありましたが、いずれも現在では廃止されています。

 

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駅舎側には長野行の普通列車が到着。

湘南色と呼ばれる国鉄時代の塗装に戻された115系での運転です。

 

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しなの鉄道では、他にも台湾の在来線を運行する台鉄の特急列車をイメージした車両なども運行されています。

 

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坂城駅前には、しなの鉄道で2013年まで活躍していた国鉄型急行電車169系が、国鉄時代の塗装に戻され静態保存されています。

 

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坂城駅は通過のため、実物は上手く写せませんでしたが、車内前方に設置されたモニターでも紹介されていました。

 

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左手から北陸新幹線の高架線が近づくと間もなく上田。

上田は、しなの鉄道沿線最大の都市で県庁所在地である長野との行き来も少なくありません。

長野〜上田を新幹線で移動すると12分・1470円であるのに対し、しなの鉄道の普通列車は45分・780円となっており、その差690円。

これは実質的に在来線特急と同等の追加料金で新幹線を利用できることを意味します。

 

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 9:39。普通列車で45分程度の区間を28分で走り上田駅に到着。

快速軽井沢リゾート号が土曜休日の運転であるのに対し、平日の朝夕には同じSR1系を使用した快速しなのサンライズ号・サンセット号が運転されています。

快速しなのサンセット号の場合、長野〜上田間ノンストップで所要時間26分、座席指定料金は300円で、

料金、所要時間いずれも新幹線と、しなの鉄道普通列車の中間に位置する存在です。

 

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 上田を発車した列車は起伏に富んた地形に敷かれた軌道を軽快な速度で進みます。

しなの鉄道の運転本数は、長野、篠ノ井〜上田間が1時間に2〜3本、上田〜軽井沢間は1時間に1〜2本程度。

それに加えて貨物列車が篠ノ井〜坂城間に数本程度となっていますが、

特急列車が多数運転されていた新幹線開通前のJR時代のまま全線が複線であり、一見すると輸送実態に比してインフラが過剰なようにも見えます。

昨今、JRでは経営合理化のため複線路線の単線化や電化路線の非電化化などが検討されているようですが、

特に複線を単線にすることについては、信号、踏切など多くの施設改修が必要であり、

その費用を単線化後に、複線維持の場合のランニングコストとの差で、現実的な期間で回収できるケースは少ないのではないでしょうか。

 

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JR小海線乗り換えの小諸駅も通過。

新幹線のルートから外れた小諸ですが、駅から徒歩圏内に小諸城址などの観光スポットがあり鉄道で訪問するには適しています。

大都市圏から近い或いはアクセスが良く、気候や自然環境に恵まれ、観光一色ではなく一定の生活インフラが整っている地方都市の、古いが安い宿泊施設に1〜2週間滞在するような旅行が、今後は日本でも広まっていくのではないか。と個人的に思っています。

ホテル滞在の合間に散歩程度で訪問できる静かな観光スポットがあればなおよく、長野県であれば、小諸や岡谷などがその条件を満たしてくれそうです。

 

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小諸を過ぎると間もなく左の車窓には浅間山が姿を現しますが、夏場は雲がかかりやすいようです。

 

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10:07中軽井沢に停車。

 

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10:13終点軽井沢に到着。

普通列車だと1時間半程度かかる長野〜軽井沢間を1時間2分で走破した計算です。

ちなみに北陸新幹線開通まで運転されていた特急あさま号は最高時速120Kmで、同区間を50分〜55分で程度で結んでいましたが、

軽井沢から先、次の横川までの区間は、碓氷峠の急勾配を下るため、補助機関車の連結を必要とし、軽井沢到着からその補助機関車を切り離して横川駅を発車するまで30分以上を要していました。

 

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軽井沢駅に到着したSR1系軽井沢リゾート号。

濃いブルーの塗装が秀逸です。

 

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向かいのホームではしなの鉄道のクルーズ列車「ろくもん」が発車を待っていました。

隣に見える機関車は1997年10月1日の北陸新幹線開通の前日に、横川から補助機関車として碓氷峠を登ってきたのち、翌日の新幹線開通で在来線の碓氷峠区間が廃止となり、そのまま軽井沢駅で静態保存という運びになったようです。

 

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駅改札口へ向かう前に、改札内にある「森の小リスキッズクラブ」に立ち寄り。

 

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 店内にはしなの鉄道グッズが並んでおり、キッズクラブとありますが、大きなお友達向けと思われるマニアックな商品も多数ありました。

 

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しなの鉄道軽井沢駅舎。

新幹線開通後長らく駅としては使用されていませんでしたが、近年リニューアルされ、再び駅舎として本来の用途で使われるようになりました。

 

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軽井沢駅にしばらく滞在したのち、115系で運転の10:50発の普通列車で小諸まで戻り、JR小海線に乗り継ぎます。

 

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国鉄→JR→しなの鉄道と引き継がれてきた115系ですが、大掛かりな改造は受けておらず、車内は4人掛けセミクロスシートの原型を留めています。

 

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希少車両として注目されファンが押しかける前の今のうちに、ゆったりと静かな車内で車窓を楽しみつつ独特の走行音に耳を傾けたいものです。

 

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 11:13小諸着。

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【乗り継ぎ割引適用可】特急しらゆき号→北陸新幹線乗り継ぎ乗車記(新潟16:24→18:23上越妙高19:14→長野19:38)

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JR東日本新潟駅万代口。

在来線ホームが高架化された後も長らくその姿を保っていた万代口駅舎もついに解体工事が始まりました。

 

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 今回は新潟駅から信越本線経由で上越妙高へ向かう、特急しらゆき号と北陸新幹線を乗り継いで長野へ向かいます。

写真は特急しらゆき号の指定席特急券と北陸新幹線の自由席特急券です。

特急しらゆき号は新潟から直江津までJR信越本線を走行しますが、直江津からは第3セクターの「えちごトキめき鉄道」に乗り入れ、終点の上越妙高に到着します。

北陸新幹線とはJR同士の乗り継ぎとならないため、

本来は、新幹線と在来線特急を同日に乗り継ぐ場合、在来線特急の運賃が半額になる乗り継ぎ割引は適用されませんが、

特急しらゆき号で終点の新幹線接続駅の上越妙高駅まで行く場合に限り、

乗り継ぎ割引が適用となる特例が設けられています。

新潟から上越妙高までの指定席特急料金は乗り継ぎ割引適用で1570円です。

 

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特急しらゆき号は1日5往復の運転、乗車するのは新潟駅16:24発の8号です。

 

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新潟駅5番線に入線した特急しらゆき8号。

E653系4両編成で全車普通車のモノクラス編成です。

 

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E653系のシートピッチは91cm。

国鉄時代の特急車両普通車や京阪神や名古屋周辺の新快速と数値上は同じで、JRの特急車両としては広くありません。

 

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ただ実際に着席してみると、シート形状に工夫があるようで、それほど窮屈な感じはしません。

同じ車両で運転される新潟発着の特急いなほ号と違い、グリーン車という選択肢はありませんが、

終点の上越妙高まで乗っても2時間程度なら問題になることはなさそうです。

 

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16:24定刻に新潟駅を発車。

 

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新潟から2駅目、広いホームを持つ亀田駅を通過。

亀田駅の乗車人員はコロナ前には5000人を超えていました。

コロナの影響で大都市圏の鉄道の混雑率が大幅に低下するなか、新潟や広島など地方都市近郊路線の混雑が問題視されるようになっています。

 

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秋田からの羽越線と合流し、広い構内を持つ新津駅に進入。

 

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16:37新津着。新津は福島県の郡山駅へ向かう磐越西線との乗り換え駅でもあります。

 

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新津から先は沿線の建物も減り、列車は田園地帯を快走します。

日本海縦貫線の一部をなす信越本線ですが、この先、柏崎駅までは越後線のほうが日本海に近い所を通り、

その越後線と信越本線の間を上越新幹線が通っています。

 

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16:51加茂着。

対向ホームでは到着した新潟行の普通列車に多くの乗客が乗車する光景が見られました。

普通列車は6両編成、新潟近郊の鉄道需要の高さを実感する光景です。

 

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16:56東三条着。

三条市は金属加工業が盛んなことで知られる人口9万人の都市で、当駅が市の玄関の役割を果たしています。

 

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曲線で信越本線に合流し東三条駅に進入する弥彦線の電車。

弥彦線は東三条から上越新幹線との乗り換え駅「燕三条」、越後線との乗り換え駅「吉田」を経て、終点の弥彦に至る17.4kmの路線です。

 

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新津、加茂、東三条と10分程度の間隔で駅に停まりますが、駅間では最高時速120km/h に頻繁に達する快走が続きます。

 

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17:05見附着。

2面3線で中線を上下共用の待避線として使用する配線は、東海道本線、山陽本線、東北本線などJRの主要幹線によく見られますが、

ここでは中線があった部分の一部を埋めてエレベーターを設置したようです。

 

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見附の次の停車駅は長岡。

長岡が近づくと田園地帯の向こうから次第に上越新幹線の高架が近づいてきます。

 

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17:14長岡着。

在来線ホームの一部は上越新幹線駅舎の下に潜る形になっています。

長岡から先、上越新幹線は南に進路を変え、上越国境を超えて群馬県方面へ抜け、

在来線についても長岡の次の宮内駅から上越線が分岐し新幹線に近いルートで群馬県方面へ向かいます。

特急しらゆき号は長岡から先も直江津まで日本海に沿う信越本線を進みます。

時代を遡ると、上越新幹線が開通するまで、在来線の上越線が新潟と東京を結ぶメインルートでしたが、

昭和初期に上越線が開通するまでは、信越本線で長野へ迂回するルートがメインでした。

上越線については「国境の長いトンネルを抜けるとそこは」という小説「雪国」の一節が有名ですが、

雪国新潟と東京の鉄道ルートの変遷を知ると、トンネル掘削技術の進歩で、群馬から新潟へのワープが可能になったことに感心しているような、少し違った印象を持つようになるものです。

 

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17:40柏崎着。

ここまで新潟からちょうど100km、新津駅からでも84.8kmありますが、

日本海沿いを辿り当駅で合流する越後線経由では新潟から83.8km。

越後線を直角三角形の斜辺とすると、信越本線は新津を直角とする直角三角形の2辺を辿ってきたイメージです。

 

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柏崎から先の信越本線は、越後線にかわるように日本海沿いを進みます。

かつて日本海縦貫線ルートで大阪と札幌を結んだトワイライトエクスプレスのネーミングは、

この付近で日本海に沈む美しい夕陽を車窓から眺められることに由来したと言われています。

時刻はすでに18時になろうとしていますが、真夏の7月下旬では、日没はもう少し遅い時間になるようです。

 

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18:08直江津着。

特急しらゆき号はここから終点の上越妙高まで、第3セクターの「えちごトキめき鉄道」に乗り入れます。

「えちごトキめき鉄道」は、2015年の北陸新幹線開通で並行在来線としてJRから切り離された、 

直江津から長野県境「妙高高原」駅までの信越本線と、直江津から日本海沿いに進む北陸本線の富山県境に近い「市振」駅までを引き継いだ形です。

直江津には北陸新幹線は乗り入れませんが、並行在来線の切り離しにあたっては、10km離れた上越妙高駅が、新幹線直江津駅として扱われた格好です。

 

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直江津駅に停車中の旧国鉄急行形電車。

JR西日本七尾線での活躍を終え廃車となる運命でしたが、レア車両で集客を狙う、「えちごトキめき鉄道」に買い取られ、すでに市振方面への臨時急行列車として運転を開始。鉄道ファンの注目を集めています。

 

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特急しらゆき号と同時に直江津駅を発車し市振方面へ向かう普通列車。

「えちごトキめき鉄道」の市振方面の普通列車は、電化区間にも関わらすディーゼルカーで運転されています。

 

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直江津から先も旧JR信越本線を走行しますが、日本海を離れ進行方向が南に変わると車窓も一変します。

 

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直江津から6.7km、18:18高田着。

30年近く前の冬、大阪から急行きたぐに号で初めて直江津駅に降り立ち、乗り換えて長野へ向かった際、直江津と高田の積雪量の差に驚いた記憶があります。

冬の日本海側は寒く降雪が多いと言っても、その水面が見えるような街では、海水温によって気温の低下は緩和され、積雪も少ないということを実体験で学んだ格好です。

  

f:id:nishiuraexp:20210801222929j:plain高田から5分、18:23終点上越妙高駅に到着。

 

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「えちごトキめき鉄道」の改札を抜け右手方向に進むと、隣接するJR北陸新幹線の改札口が見えます。

 

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JR東日本のコーポレートカラーである緑字に白抜きのJR上越妙高駅入口の文字。

北陸新幹線は上越妙高駅を境に金沢方面がJR西日本、東京方面がJR東日本の路線として扱われていますが、

上越妙高駅の施設はJR東日本が管理しているように見えます。

 

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冒頭で述べたように、特急しらゆき号利用時に限り、上越妙高駅での新幹線と在来線の乗り継ぎに乗り継ぎ割引が適用されますが、

割引が適用されるからと言って、必ずしもスムーズな乗り継ぎができるわけではありません。

長野駅へ向かうために乗り継ぐ、東京行はくたか574号の発車は、特急しらゆき号到着から51分後の19:14。

北陸新幹線開通以前に遡ると、新潟と長野の間には国鉄時代から急行赤倉号が運転されていました。

急行赤倉号はJR化後、特急みのり号に格上げされましたが、長野方面への利用は奮わず、後に新潟県内のみの運転に変更された歴史があります。

今回も特急しらゆき号から下車し、北陸新幹線に乗り継いだ客の多くは、11分接続の金沢行はくたか571号に乗車したようです。

新潟と金沢の間には北陸新幹線開通前日まで特急北越号が走っており、長野乗り入れ時代の特急みのり号とは比較にならない需要がありました。

新幹線が開通して沿線と東京の間の所要時間は大幅に短縮されても、

周辺の地方都市間の移動は必ずしも便利にはならず、

場合によっては新たな乗り換えが生じるなど不便になることもあります。

 

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新幹線改札前には、コンビニNEWDAYSや土産物屋、ベンチが並ぶ待合スペースなどがあり、1時間程度の乗り継ぎ時間なら暇を持て余すようなことはありません。

 

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待ち時間を利用して駅前へ。

駅周辺は、駅前にレンタカー店とホテル、少し離れた場所にコンビニが見える程度で、新幹線の駅前としては長閑な雰囲気が漂います。

日本海に面する直江津から10kmしか離れておらず、標高が高いわけではありませんが、

真夏でも日が傾くと風は涼しく、このまま駅前のホテルで一泊したいと思わせる心地よさでした。

 

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発車時刻が近づき新幹線ホームへ。

JR西日本とJR東日本の境界駅ですが、通過列車も多く、乗務員交代などもないため、東北新幹線の途中駅などと変わらない雰囲気です。

 

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上越妙高駅に入線する北陸新幹線はくたか574号。

長野〜東京などJR東日本区間だけを走る便も多数ある北陸新幹線ですが、車両の塗装はJR西日本の車両をイメージさせます。

 

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自由席車内は上越妙高駅発車時点で、A席とE席がほぼ埋まる程度の乗り具合。

乗車率にすれば40%近くということになります。

北陸新幹線のJR西日本区間はコロナ前から空いているイメージでしたが、思いのほか健闘している印象です。

 

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JR西日本とJR東日本の車内誌が仲良くシートポケットにおさまっていました。

 

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長野県に入り飯山に停車。

 

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間もなく長野と車内放送が流れる頃。

日も暮れた市街地の空に月が昇ります。

 

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 19:37長野着。

 

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 長野駅善光寺口。

本日の行程はここまでです。

翌日はしなの鉄道、小海線、特急ふじかわ号などを乗り継ぎ、静岡方面へ向かいました。

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