西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

しなの鉄道快速「軽井沢リゾート2号」乗車記(長野9:11→軽井沢10:13)

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JR東日本長野駅コンコース。

長野駅は長野冬季五輪開催を翌年に控えた1997年、北陸新幹線の長野開通にあわせ、現在の橋上駅舎となりました。

今回はここから第3セクターしなの鉄道に乗り入れる快速列車「軽井沢リゾート号」に乗車し軽井沢へ向かいます。

※本記事掲載のダイヤ、運賃、料金、サービス内容等は、2021年7月現在のものです。

 

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長野から運賃表右下の軽井沢までは1670円。

 篠ノ井までのJR区間が200円、篠ノ井からのしなの鉄道線区間が1470円です。

 

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快速軽井沢リゾート号は土曜休日のみ1日2往復の運転です。

今回は長野発9:11の2号に乗車します。

 

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長野駅6番線に入線した快速軽井沢リゾート2号。

SR1系と呼ばれる、しなの鉄道の最新型車両2両編成での運転です。

 快速軽井沢リゾート号は全車指定席で、しなの鉄道のサイトから事前予約することができます。

 

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今回座席指定した前寄り1号車の車内。

3扉車両に2人掛シートが並ぶ車内は、京阪神や名古屋周辺の新快速を連想させます。

この車両の座席指定料金は500円です。

 

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指定の席に着席。

シートピッチは広く、足元にはドリンクホルダーとコンセントが設置されています。

 

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こちらは後寄り2号車の車内。

2号車は軽食付きプランでの利用となり、追加料金は2000円。

写真のように半数の座席を埋める形で大きなテーブルが設置され、

予約が入っている席には、長野駅入線時点でSR1系柄の掛け紙が添えられた軽食ボックスが置かれていました。

1人で専有できる面積も広く値段の価値はありそうですが、

始発の長野駅発車時刻が9:11、終点軽井沢到着が10:13という2号のダイヤでは、朝食には遅く昼食には早過ぎると思い、

今回は、朝食後に座席のみの1号車に乗車することにした次第です。

 

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定刻に長野駅を発車。

長野止まりの北陸新幹線あさま603号が入れ違いに長野駅新幹線ホームに進入していきます。

長野を発車した列車は、先述のように4駅目にあたる篠ノ井まではJR東日本信越本線を走行、篠ノ井から先しなの鉄道線に入ります。

しなの鉄道は終点軽井沢まで全線が元JR東日本信越本線で、1997年の北陸新幹線長野開通により、篠ノ井〜軽井沢間を並行在来線としてJRから移管され発足した第3セクター鉄道です。

長野から終点の軽井沢まで、元は信越本線という1本の路線だったため、しなの鉄道の列車は、会社境界の篠ノ井を通る全列車がJRと直通するダイヤになっています。

 

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快速軽井沢リゾート号は篠ノ井駅を通過。

しなの鉄道線区間に入ると間もなく信濃川と名を変え新潟市から日本海に注ぐ大河千曲川にかかる鉄橋を渡ります。

 

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9:23、長野を発車して最初の停車駅屋代に到着。

進行方向左手に見える写真のホームには長野電鉄屋代線の電車が発着していましたが、利用者の減少により2012年に廃止されました。

国鉄時代には東京方面からの列車が当駅を介し長野電鉄に直通する設定もあったようです。

私鉄との直通は民営化以前の国鉄時代のほうが盛んで、富山地方鉄道、名古屋鉄道、南海電鉄、島原鉄道など多数の事例がありましたが、いずれも現在では廃止されています。

 

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駅舎側には長野行の普通列車が到着。

湘南色と呼ばれる国鉄時代の塗装に戻された115系での運転です。

 

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しなの鉄道では、他にも台湾の在来線を運行する台鉄の特急列車をイメージした車両なども運行されています。

 

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坂城駅前には、しなの鉄道で2013年まで活躍していた国鉄型急行電車169系が、国鉄時代の塗装に戻され静態保存されています。

 

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坂城駅は通過のため、実物は上手く写せませんでしたが、車内前方に設置されたモニターでも紹介されていました。

 

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左手から北陸新幹線の高架線が近づくと間もなく上田。

上田は、しなの鉄道沿線最大の都市で県庁所在地である長野との行き来も少なくありません。

長野〜上田を新幹線で移動すると12分・1470円であるのに対し、しなの鉄道の普通列車は45分・780円となっており、その差690円。

これは実質的に在来線特急と同等の追加料金で新幹線を利用できることを意味します。

 

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 9:39。普通列車で45分程度の区間を28分で走り上田駅に到着。

快速軽井沢リゾート号が土曜休日の運転であるのに対し、平日の朝夕には同じSR1系を使用した快速しなのサンライズ号・サンセット号が運転されています。

快速しなのサンセット号の場合、長野〜上田間ノンストップで所要時間26分、座席指定料金は300円で、

料金、所要時間いずれも新幹線と、しなの鉄道普通列車の中間に位置する存在です。

 

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 上田を発車した列車は起伏に富んた地形に敷かれた軌道を軽快な速度で進みます。

しなの鉄道の運転本数は、長野、篠ノ井〜上田間が1時間に2〜3本、上田〜軽井沢間は1時間に1〜2本程度。

それに加えて貨物列車が篠ノ井〜坂城間に数本程度となっていますが、

特急列車が多数運転されていた新幹線開通前のJR時代のまま全線が複線であり、一見すると輸送実態に比してインフラが過剰なようにも見えます。

昨今、JRでは経営合理化のため複線路線の単線化や電化路線の非電化化などが検討されているようですが、

特に複線を単線にすることについては、信号、踏切など多くの施設改修が必要であり、

その費用を単線化後に、複線維持の場合のランニングコストとの差で、現実的な期間で回収できるケースは少ないのではないでしょうか。

 

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JR小海線乗り換えの小諸駅も通過。

新幹線のルートから外れた小諸ですが、駅から徒歩圏内に小諸城址などの観光スポットがあり鉄道で訪問するには適しています。

大都市圏から近い或いはアクセスが良く、気候や自然環境に恵まれ、観光一色ではなく一定の生活インフラが整っている地方都市の、古いが安い宿泊施設に1〜2週間滞在するような旅行が、今後は日本でも広まっていくのではないか。と個人的に思っています。

ホテル滞在の合間に散歩程度で訪問できる静かな観光スポットがあればなおよく、長野県であれば、小諸や岡谷などがその条件を満たしてくれそうです。

 

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小諸を過ぎると間もなく左の車窓には浅間山が姿を現しますが、夏場は雲がかかりやすいようです。

 

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10:07中軽井沢に停車。

 

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10:13終点軽井沢に到着。

普通列車だと1時間半程度かかる長野〜軽井沢間を1時間2分で走破した計算です。

ちなみに北陸新幹線開通まで運転されていた特急あさま号は最高時速120Kmで、同区間を50分〜55分で程度で結んでいましたが、

軽井沢から先、次の横川までの区間は、碓氷峠の急勾配を下るため、補助機関車の連結を必要とし、軽井沢到着からその補助機関車を切り離して横川駅を発車するまで30分以上を要していました。

 

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軽井沢駅に到着したSR1系軽井沢リゾート号。

濃いブルーの塗装が秀逸です。

 

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向かいのホームではしなの鉄道のクルーズ列車「ろくもん」が発車を待っていました。

隣に見える機関車は1997年10月1日の北陸新幹線開通の前日に、横川から補助機関車として碓氷峠を登ってきたのち、翌日の新幹線開通で在来線の碓氷峠区間が廃止となり、そのまま軽井沢駅で静態保存という運びになったようです。

 

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駅改札口へ向かう前に、改札内にある「森の小リスキッズクラブ」に立ち寄り。

 

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 店内にはしなの鉄道グッズが並んでおり、キッズクラブとありますが、大きなお友達向けと思われるマニアックな商品も多数ありました。

 

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しなの鉄道軽井沢駅舎。

新幹線開通後長らく駅としては使用されていませんでしたが、近年リニューアルされ、再び駅舎として本来の用途で使われるようになりました。

 

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軽井沢駅にしばらく滞在したのち、115系で運転の10:50発の普通列車で小諸まで戻り、JR小海線に乗り継ぎます。

 

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国鉄→JR→しなの鉄道と引き継がれてきた115系ですが、大掛かりな改造は受けておらず、車内は4人掛けセミクロスシートの原型を留めています。

 

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希少車両として注目されファンが押しかける前の今のうちに、ゆったりと静かな車内で車窓を楽しみつつ独特の走行音に耳を傾けたいものです。

 

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 11:13小諸着。

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