西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

速い!観光特急しまかぜ乗車記(鳥羽16:11→四日市17:14)

 

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 本記事は上に添付の記事の続きです。


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三重県鳥羽市。近鉄鳥羽駅。

今回はここから近鉄の観光特急しまかぜ号に乗車し四日市へ向かいます。

#本記事掲載のダイヤ、運賃、料金等は乗車日6月26日時点ものです。7月にダイヤ改正が実施されています。


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近鉄鳥羽駅切符売り場。


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「しまかぜ」は大阪難波・京都・名古屋の各駅と、伊勢神宮最寄りの宇治山田や鳥羽を通り賢島とを結ぶ3系統が、それぞれ1日1往復(木曜運休)運転されています。

大阪難波行は大阪府内や阪神なんば線でつながる阪神地区と、

名古屋行は名古屋周辺や東海道新幹線乗り継ぎで、静岡県、首都圏と伊勢志摩方面の往き来をカバーしていることは容易に想像できますが、

岡山以西の山陽新幹線各駅から鉄道で伊勢志摩方面を目指す場合、

京都で新幹線としまかぜ号を含む近鉄特急を乗り継ぐルートが、

乗り換え負担や所要時間の面で最も合理的であるという事実はあまり知られていないように思います。

大都市圏への復路にあたる、しまかぜ号の鳥羽駅発車時刻は京都行15:20、名古屋行16:11、大阪難波行16:31となっていますが、

終点からの乗り継ぎでカバーするエリアが広い順の発車という印象もあります。


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しまかぜ号はJR 風にいえば全車グリーン車であり、通常の特急料金に上乗せで、しまかぜ特別料金が必要です。

運賃と特別料金込みの特急料金を合わせ、鳥羽駅から乗車の場合、名古屋まで3930円、難波まで4670円、京都まで5010円です。


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近鉄特急を利用する際、インターネット予約サービスを利用できますが、

予約時に支払うことができるのは特急料金や特別料金のみで、

普通乗車券は別途乗車前に購入するか、ICOCAやピタパなどを使うことになります。



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鳥羽駅に入線する16:11発名古屋行「しまかぜ」。行先を問わず6両編成での運転です。


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今回は名古屋寄り先頭1号車のプレミアムシートを予約しました。

両端1号車と6号車のプレミアムシートは床面が72cm嵩上げされたハイデッカー構造になっており、階段を登って客室へ進みます。


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客室入口から見たデッキ部分。

デッキ部分の天井はハイデッカーの客室と同じ高さになっていることもあり、

列車内としては異例の開放的な空間になっています。

また車両連結部に近い側には大型のロッカーがあり、大きな荷物を抱えて客室への階段を登る必要もありません。


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1号車プレミアムシート客室内。

横3列の明るい色調のシートと前面側面の大きな窓が観光特急らしい雰囲気を醸しています。


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シートピッチはJRグリーン車標準を上回る125cmで大型の背面テーブルが備わります。


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座席ポケットに備え付けの車内設備案内とカフェ車両のメニュー。 


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鳥羽駅発車後にアテンダントさんから配られたおしぼりと記念乗車証。

今回は乗車時間が短いため、早速席を立ち、車内見学を兼ねて4号車カフェ車両へ向かいます。


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両端1号車と6号車に隣接する2号車と5号車は、ハイデッガー構造ではないプレミアムシート。


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3号車はグループ車両と呼ばれ、写真のサロン室(定員4〜6名)のほか、


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和風、洋風個室(定員3〜4名)があります。

サロン室はプレミアムシートと同料金で利用できます。(定員利用時)

和風、洋風個室については別途個室料金が1室あたり1050円必要ですが、

1人あたりでは数百円の追加で済むことから人気があり、発売早々に埋まることも珍しくないようです。

(個室写真は車内パンフレットのものを拝借しました)


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4号車カフェ車両に到着。

カフェの入口にあたる鳥羽・賢島寄りには土産物などを扱うカウンターがあり、

「入店」しようとすると、上下どちらのフロアの席が良いか、好みを聞いてくれました。

カフェ部分は2階建になっています。


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下のフロア。6席。


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上のフロア。13席。

眺めが良い上のフロアのほうが人気があるようで、

筆者も、訪問時は無人だった下のフロアではなく、上のフロアの空席を案内してもらいました。


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今回は海の幸ピラフを注文。

カフェ車両を名乗っていますが、ラーメン、カレー、松坂牛の牛丼など食事メニューも多彩で「食堂車」と考えて差し支えありません。


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食後はスイーツセット。

ケーキはモンブランなど4種類から選択できます。

マドレーヌはカウンターで販売している商品の試供品ですが、

「真珠の小箱」という懐かしい?商品名に惹かれ、

食後にカウンターで8個入りの小箱を買って席に戻りました。

「真珠の小箱」は2004年まで日曜の朝に放送されていた近鉄提供の旅番組の名称です。

毎回、近鉄沿線の神社仏閣や祭事を紹介する中高年向けの渋い内容だったと記憶していますが、

オープニングで表示される「第千数百回」という放送回数のテロップが、

長寿番組であるということ以上に、沿線にその類のネタが尽きないことを誇っているかのようでした。


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「真珠の小箱」と並んで置かれていた伊勢志摩の定番土産「赤福」。


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カフェ車両で早めの夕食を楽しむうち、列車は宇治山田、伊勢市と停車、

席に戻るとすでに大阪線と名古屋線が分岐する伊勢中川駅にさしかかるところでした。

先頭車両の座席を予約すると、車両後方の座席でも、ある程度は前面展望を楽しむことができます。


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伊勢中川駅に隣接するデルタ線を速度を落として通過。

大阪方面へ向かう線路から右へ別れ名古屋方面へ進路を変えます。


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デルタ線を抜け名古屋線に入った列車は、田園地帯に延びる直線を120km/h で快走。

JR四国やJR九州が週末を中心に運転している観光特急では、定期特急にくらべ所要時間が延びる傾向にあり、平均時速を算出すると「特急とは名ばかり」という事例もありますが、「しまかぜ」に限らず近鉄の観光特急は違います。

例えば乗車中の名古屋行「しまかぜ」の場合、鳥羽~四日市間の所要時間は63分。

これは平日ダイヤ、土休日ダイヤ問わず同区間を走行する特急列車の中では最速で、

他の特急がすべて停車する津も通過してしまいます。


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ちなみに、今回はすぐ後ろの席がずっと空席のままで、プレミアムシートの機構を試すには好都合でしたが、

十分に楽しむ間もなく、列車は下車駅の四日市に近づいてしまい、

「JRの観光特急のようにゆっくり走ってくれた方が有り難い」と思ったのも事実です。


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四日市の市街地に入った「しまかぜ」の前面展望。

 
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17:14定刻に近鉄四日市に到着。


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 先行の特急とのセパレーションを広げるかのような長めの停車時間のあと、

17:17。鋭い加速で四日市駅を発車していきました。

終点の名古屋までは27分。名古屋で東海道新幹線に乗り換えると、概ね19:30頃には品川駅・東京駅に到着できます。


今回は蔓延防止措置の発出状況などを考慮し三重県内の区間乗車としましたが、1時間での下車は後ろ髪をひかれる思いでした。

感染状況が落ち着いたら、私鉄最長距離運転の記録ホルダーでもある、京都発の「しまかぜ」に改めて乗車したいと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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