西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

ANA421便(伊丹8:00→福岡9:15)で観光特急「ゆふいんの森」号にアクセス。

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午前7時過ぎ。伊丹空港南ターミナル。

 

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今回はJR 九州の格安きっぷ「みんなの九州きっぷ(北部九州版)」を利用した鉄道旅行に出発します。

最初に乗車する列車は博多発10:24の特急「ゆふいんの森3号」ですが、

博多へのアクセスは新幹線ではなく伊丹8:00発の福岡行ANA421便を利用することにしました。

福岡空港から博多駅までは地下鉄で5分ですので充分間に合うはずです。

 

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保安検査を抜けたのち、新しく開業したウォークスルー型のフードコートを覗いてからANAラウンジで一服。

 土曜日朝のラウンジ内はコロナ以前を思わせる活気が感じられました。

 

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5番搭乗口から搭乗。

リニューアルが進む伊丹空港ですが、搭乗口では昭和の産物と思われる反転フラップ式の出発表示が今も現役で使われています。

 

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搭乗機は737-800。

 

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特典予約のエコノミー。満席でした。

 

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定刻にターミナルを離れ滑走路へ。

 

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離陸。

 

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神戸空港と明石海峡大橋。

 

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高松市街地を左手に見るあたりから雲の上へ。

 

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西日本の緊急事態宣言が解除されて約1ヶ月が経過。

今のところ再度の発令を検討するような状況にはないようで、

満席の機内でドリンクサービスのお茶を飲んでいると、良くも悪くもコロナが遠のいていくかのようです。

今後も「対策は最大限にして、自粛は最小に留める」というのが理想であることに変わりないと個人的には思っています。

 

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やがて高度が下がり海の中道越しに福岡の市街地が見えてきました。

 

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よく見ると市街地の右手にこれから着陸する福岡空港の滑走路が見えています。

 


雨の福岡空港に着陸 伊丹発ANA421便(B737-800)

 伊丹空港と同じく市街地を低空で飛行しての着陸です。

 

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9:05頃着陸。

定刻より5分早い9:10頃にターミナルに到着しました。

 

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ソーシャルディスタンスに配慮しながら降機し地下鉄の福岡空港駅へ。

 

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福岡空港が世界的にみても市街地に近い便利な空港であることは周知の事実ですが、

空港ターミナルから地下鉄駅への動線も短く、

手荷物受取のあとエリア外に出て目の前のエスカレーターに乗ると、

眼下に地下鉄駅の改札口が見えていました。

 

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博多までは2駅、5分、260円。

 

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9:30発の筑前前原行に乗車。

福岡空港駅が終点のため全ての列車が折り返し博多・天神方面へ向かいます。

 

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JR博多駅の駅前広場には9:40頃に到着しました。

伊丹空港出発から1時間40分ですが、大阪都心の梅田からだとプラス1時間程度を見る必要があり、

トータル2時間40分程度が、大阪~福岡・博多間の空路での実勢の所要時間となるようです。

これは梅田・大阪から新大阪駅へ向かい山陽新幹線を利用する場合とほぼ互角の所要時間です。

 試しにJR 時刻表の山陽新幹線のページを確認してみると、

新大阪7:11発の「のぞみ75号」の博多着が9:39、

そのあと新大阪7:15発の「さくら545号」の博多着が9:52となっています。

通常の乗車券・特急券で山陽新幹線から九州内の特急に乗り継ぐ場合、

JRの規定により、運賃が通算になる、九州内の特急料金が乗継割引で半額になるなど、

博多まで新幹線でアクセスするメリットは少なくありません。

しかし今回利用する「みんなの九州きっぶ」のように、

JR九州は九州内完結の格安切符を多数用意しており、

それらの切符を利用する場合には、九州まで新幹線でアクセスしても航空でアクセスしても条件は同じです。 

1泊2日や時には日帰りなど限られた旅行期間で、九州内完結の企画切符を有効活用したい場合には、

あえて航空利用でJR九州の拠点博多駅にアクセスするというのも有効な選択肢となるかもしれません。

 このあと博多10:24発のJR 九州の観光特急ゆふいんの森3号に乗車し別府へ向かいました。

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つづきはこちらです。 

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松本電鉄(上高地線)訪問記

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長野県松本市の玄関JR松本駅。

今回はここから松本電鉄に乗車し終点の新島々駅へ向かいます。

 

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松本電鉄の起点松本駅はJR松本駅の一部を間借りしたような形になっています。

松本電鉄は2011年にバス会社を合併し「アルピコ交通」に社名変更されていますが、今でも松本電鉄の呼称が使われることが多く、

松本駅入口にもJRマークと並んで「松本電鉄」の表記がありました。

 

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切符売り場もJRと同じ場所にあります。

写真左手の2台が松本電鉄の券売機です。

 

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券売機上の時刻表と運賃表。

終点の新島々まで14km、30分、710円ですが、新島々までの乗車は観光客が大半で、地元利用の多くは24分、590円の波田までのようです。

ダイヤは朝ラッシュ時のみ20分間隔、それ以外は終日約40分間隔です。

90年代まで新宿と大阪からJRの夜行列車が午前4時台に松本駅に到着するのに合わせ、上高地方面へ向かう観光客のため、終点新島々までノンストップの快速列車が運転されていました。

定期夜行列車の廃止後も、新宿からの臨時快速列車が運転されることがあり、比較的最近まで早朝4時台の快速列車が残っていたことが時刻表の様子から伺えます。

また乗車予定の13:29の時刻表記の横には「あんしん」の文字がありますが、

欄外の注意書きによれば、ワンマン運転ではあるが「火曜・水曜・金曜日に案内係が乗車」とあります。

「IGRいわて銀河鉄道」や「えちぜん鉄道」などでも同様のサービスが行われていたと記憶しています。

列車のワンマン化は純粋に鉄道側の事情で行われるものであり、

利用者にはマイナスに作用することはあってもプラスに作用することはほとんどありません。

平日日中のローカル線利用者は通院の高齢者などが一定の割合を占めることが多く、

ワンマン化のマイナス面が露呈しやすいため、その対応が求められているのでしょうか。

**  あんしん電車は現在コロナの影響で休止中との表示がありました。


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新島々から先のバスとのセット乗車券も券売機で購入できるようになっていました。

 

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今回は松本~新島々往復運賃と同額の1日フリー乗車券「上高地線電車わくわく1日フリー乗車券」を購入し改札へ向かいました。

 

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改札機はJRと松本電鉄の区別はありません。

 

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改札を抜け右手方向へ進み6・7番ホームへの階段を降ります。

階段を降りてすぐの7番線が松本電鉄のりば、奥の6番線がJR大糸線のりばになっています。

 

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松本電鉄の車両は元京王電鉄井の頭線3000系2両で統一されています。

以前は元東急の5000系が使われていました。

5000系は東急時代の緑一色の塗装から元「青ガエル」の愛称もある車両で、お隣の長野電鉄などにも転じていましたが、

冷房設置が困難な車体であったため各社とも置き換えが進み、

全線が標高600メートルを超える冷涼な地域を走る松本電鉄でも平成11年~12年にかけ現在の車両に置き換えられました。

 

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車内。(終点到着後撮影)

多くの地方私鉄の例に漏れずワンマン運転対応の改造が施されていますが、

多くの地方私鉄やJRローカル線では3扉車両をワンマン運転に用いる場合、

運転台寄りの前扉を降車口、中扉を締め切り、後扉を乗車口とすることが多いのに対し、

松本電鉄は中扉が乗車口になっています。

後扉を乗車口とするとワンマン扱いの駅で乗降する乗客全員が車内の後ろから前まで歩く必要がありますが、中扉だと車内を歩く距離が半分で済むことになります。

バス車両ではよく見られる構造であり、バス会社と合併して再スタートを切った電鉄会社らしいアイデアと言えるのかも知れません。

 

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軽く座席が埋まったところで発車時刻に。

松本駅を発車した列車はJR用地を回り込むような形で右手方向へカーブしていきます。

松本電鉄の輸送密度は平成初期の3000人近い水準から一時2000人を切るまでに減少していましたが、

コロナ直前には2000人台半ばまで数値を戻していたようです。

コロナの影響については大都市圏で、移動自粛やリモートワークなどで鉄道利用の大幅減少が見られており、

元々利用者減少で厳しい状況にあった地方の鉄道を心配する声も少なくなかったようですが、

JR・私鉄問わず地方ローカル線の実態を考えれば、利用者が少ないローカル線ほど「地元の公立高校が通常授業を再開すれば需要はほぼ回復するのではないか」と個人的には考えていました。

しかし観光客の比率が高い松本電鉄はその例外かも知れません。

観光利用は「みずもの」という危機意識はあっても、こういう形で観光利用が激減することは誰も考えていなかったのではないでしょうか。

 

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松本駅から約400m。最初の停車駅「西松本」に停車。

駅ホームに自転車置き場が設置されていました。

多くの地方私鉄で自転車の車内持ち込みができるケースが増えていますが、松本電鉄の場合、ターミナルの松本駅がJRと共用のため実施が難しいのでしょうか。

車内への自転車持ち込みの効果は大きいと個人的には考えています。

駅まで800m 、電車乗車10km、駅から800m の11.6kmの移動にかかる時間を想定すると、

徒歩で駅までアクセスする場合、

駅まで徒歩10分、電車20分程度、駅から徒歩10分、電車が30分間隔運転の場合の平均待ち時間15分を合計し計55分程度となりますが、

徒歩10分を自転車5分に置き換えると45分に短縮できます。

電車の時刻にあわせて出発する前提なら30分程度となり平均時速は23.2km 。

これでようやくマイカーとスピードで競う土俵に立てるというものではないでしょうか。

 

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松本から4駅目の大庭(おにわ)駅は松本インターに近く高速バス「松本インター前」バス停と徒歩で乗り継ぎができます。

新宿や大阪方面から高速バスで松本へアクセスし上高地方面へ向かう場合は短絡ルートとなり時間を節約できそうです。

 

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電車は市街地を抜け郊外の田園地帯を走ります。

松本電鉄の軌道は終点の新島々へ向けて登り勾配になっていますが、勾配は穏やかで山岳路線の趣はありません。

 

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松本から14分。路線中間の新村駅に到着。ここで終点まで1回だけの対向列車との行き違いがあります。

松本電鉄のダイヤはケーブルカーやロープウェーを想像するとわかりやすそうです。

 

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松本から24分。波田駅。

松本駅以外では最も利用者の多い駅で唯一の終日駅員配置駅となっています。

駅近くにはスーパーが見え小さな市街地が形成されていました。

 

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最後の停車駅は渕東で「えんどう」と読みます。

単線一面の無人駅ですが、松本電鉄の萌えキャラ「渕東なぎさ」さんが下車客を出迎えていました。

 

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13:59終点の新島々駅に到着。

松本駅で席を埋めた乗客の8割近くがここまで乗り通したのは意外でした。

山の観光シーズンではなく、首都圏で緊急事態宣言が続くなかでも一定の観光需要があるようです。

 

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線路は新島々駅から先、島々駅まで続いていましたが、

昭和58年に土砂崩れで運転休止となり翌年廃止されました。

 

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上高地方面へのバスターミナルと一体化した新島々駅。

 

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バス路線図の右端が松本駅、赤印が現在地新島々で左端は岐阜県の高山です。

 

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折り返しの電車に乗車し復路は新村駅で途中下車。

 

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駅舎は近年建て替えられたようです。

 

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駅前には松本市のコミュニティーバスのバス停があります。

 

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1日7往復程度の運行。

 

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バス停ポールの裏のボックスにあった路線図と時刻表の冊子。

いずれの路線もメインターミナルの松本駅へは入らず、郊外鉄道駅からのフィーダーに徹しています。

また大半の系統はJR大糸線や篠ノ井線など別路線の駅とを結んでおり、2つのフィーダー路線を1本に繋げたようなルートが特徴といえそうです。

 

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新村駅前で発車を待つコミュニティーバス。

 

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駅から徒歩3分程の場所には30台程度が駐車できるパークアンドライド駐車場が設置されていました。

 

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次の電車で松本駅に戻る際に撮影。

駅ホームへは元々スロープだったものを、より緩い勾配に改良したのでしょうか。

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あんしん電車にはじまり、中間扉からの乗車、自転車との連携、パークアンドライド駐車場、スロープ改良と、

観光利用が多いことで知られる松本電鉄ですが、

フィーダーバスを運行する地元自治体も含め、

地元利用者の繋ぎ止めに対する意識の高さが随所に感じられました。

コロナ前の利用者数の盛り返しは、そうした努力の結果であったのかも知れません。

観光需要は「みずもの」と言っても、松本電鉄を利用して向かう観光地は、旅館組合のやる気次第で浮き沈みするような観光地ではなさそうですし、

コロナの終息によって、観光需要が貴重な地元の足を下支えするという、従前の姿に1日も早く戻ることを期待せずにはいられません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

以下補足。

 

 

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今回はFDA神戸松本線往復とホテルのセットで10000円という格安プランを利用して松本を訪問しました。

ホテルは松本駅を出て左手方向に徒歩3分程のホテルモルシャン。

 

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客室と朝食。

 

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復路で利用した松本空港発FDA233便神戸行。

 


【絶景機窓】松本空港離陸から10分間。FDA233便神戸行。

 

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FDA神戸松本線(FDA232便)搭乗記。神戸10:00→松本11:00。

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神戸空港ターミナルビル。

 

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今回はフジドリームエアラインズ(FDA ) 232便を利用して長野県の松本へ向かいます。

 

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今回の旅行は、3月限定で神戸発着のFDA の往復航空券と到着都市でのホテル宿泊がセットで10000円~という、破格のツアー商品が発売されていることをネットニュースで知り予約したものです。

支払い額は神戸~松本往復航空券+松本駅近くのホテルに宿泊するプラン(1人部屋・朝食付き)で11380円でした。

 

静岡県に本拠を置くFDAの神戸空港乗り入れは、

2019年秋に神戸空港の発着便数制限が緩和されたことを受け、

出雲線と松本線の2路線が開設されたのが最初で、

その後高知線、青森線が追加され4路線体制になりました。

3月28日からは出雲線に変わり岩手県の花巻空港への路線が就航することが決まっています。

 

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松本行232便の出発は10:00。JAL とのコードシェア便です。

9:45頃から搭乗開始。

 

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機材はエンブラエル175。

FDAは機体毎に色が異なるのが特徴ですが、今回はFDA の航空券などと共通の白地に黄色と赤色に塗られた機体にあたりました。

 

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機内はエコノミーのみ横4席21列の84席ですが、

10000円ツアーの客が多かったのか空席はわずかでした。

 

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シートピッチはピーチなどのLCCと比べると広く、JAL ANA の一般的な機材のエコノミーとかわりません。

 

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機内誌も各座席に用意されています。

 

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10:00。定刻にターミナルを離れ滑走路へ。

 

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10:05離陸。

神戸空港出発便は行先・離陸方向に関わらず一旦西へ向かい、松本線を含む東日本方面への路線は、加古川の手前で北へ旋回、播磨地方、丹波地方の上空へと進みます。

 

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雲をぬけベルトサインが消えると機内サービスの時間。

紙パックのお茶とチョコレート。

JALやANA はドリンクのみ、他に茶菓子(チョコレート)のみ無料の航空会社もあったと思いますが、

両方いただけるのはFDAだけです。

 

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琵琶湖上空から先、名古屋上空を経て中部地方の山岳地帯へ。

時刻は10:30。すでに降下に入っているようです。

神戸空港から松本空港までの所要時間はダイヤ上60分ですが実際の飛行時間は45分程度です。

 

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高度が下がった機窓の「下」と言うよりは「横」方向に見えた高山は乗鞍岳でしょうか。

 

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高い山を避け、河川が長い年月をかけて切り開いた平地の上を縫って進むというのは古い鉄道路線のお家芸ですが、

山に囲まれた松本空港へのアプローチは飛行機がそんな飛び方をしているような印象を受けました。

プロの仕事に身を任せていればよいことではありますが、

松本空港は国内では着陸が難しい空港の一つに数えられるようです。

 

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着陸直前に広がる松本平野の風景。

緑がなく土色の地面と、枝だけになった夏緑樹が作る茶色い風景は、寒冷地の春の風景でもあります。

 

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標高658mの松本空港に着陸。

松本空港には並行誘導路がないため、滑走路の端まで進みターンしてターミナルビルへ向かいます。

 

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コンパクトな松本空港のターミナルビル。

定刻11:00より5分程早い到着でした。

 

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ターミナルビル1階には到着ロビーとFDAのチェックインカウンターのほか小さな土産物屋があります。

松本空港に通年就航しているのは現時点ではFDA1社のみで、

JALが夏期限定で伊丹からの路線を就航させています。

 

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フロア中央からエスカレーターで2階出発フロアへ。

 

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保安検査場入口前に食堂「城下町」と土産物屋が一店。

 

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保安検査場は本日は出発便がない時間帯のため閉鎖されていました。

 

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なお本日は運休でしたが、神戸から松本空港に到着したのち、松本空港発11:35の札幌新千歳行211便に乗り継ぐことも可能です。

あえて1日松本に滞在してから北海道に向かう周遊旅行も面白そうです。

211便は13:10に新千歳に到着します。

 

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1階に戻りバスで松本駅へ向かいます。

 

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松本駅へのバスは路線バスとシャトルバスがあり、

シャトルバスは松本駅まで30分、650円、路線バス空港・朝日線は32分、570円となっています。

 

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神戸からの到着に合わせ11:20にターミナルビル前を発車するシャトルバスに乗車しました。

コロナの影響でシャトルバスの運休情報もあるので事前の確認が必要です。

筆者が確認したところ、

松本駅へ向かう路線バスは12:00までないようです。

 

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窓側の席が埋まる程度の乗車率で空港を発車。

 

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松本駅へ向かう途中、車窓に見えたアルピコ交通(松本電鉄)の電車。

上高地へのアクセスを担う路線です。

 

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松本市街地に入ってから渋滞気味で、空港から40分かかって12:00に松本駅前の松本バスターミナルに到着しました。

神戸空港出発からちょうど2時間。

三宮からだと3時間程度での到着です。

これからアルピコ交通の電車(松本電鉄)で終点の新島々まで行きバスに乗り継いで上高地周辺の観光に向かうこともできそうです。

 

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松本バスターミナルと向き合うJR松本駅舎。

神戸周辺~松本間の鉄道事情に目を向けると、

今回利用したFDA232便に近い時間帯では、

姫路9:26発、新神戸9:43発、新大阪9:57発の「のぞみ102号」の名古屋到着時刻は10:47。

名古屋11:00発の特急しなの9号に乗り継ぐと松本に13:05に到着することができます。

新神戸からの所要時間3時間22分は航空と大差なく、所要時間の面では健闘している印象です。

運賃・料金の合計額は普通車指定席利用で新神戸~松本間12540円(通常期)となっています。

 このあとバスターミナルが入るビルの上階で昼食をとり、アルピコ交通(松本電鉄)の乗り歩きに出かけました。

続きはこちらです。

 

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* 記事記載のダイヤ運賃などは記事投稿日時点ものもです。

* 撮影カメラはキャノンG7Xmark2に戻しました。

 

最後に復路で利用した松本発神戸行FDA233便の松本空港離陸後の景色が素晴らしいものだったので動画を添付しておきます。


【絶景機窓】松本空港離陸から10分間。FDA233便神戸行。

 

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【快速サンポート松山行?】四国最長普通列車の旅(高松13:13→松山17:52)

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2021年1月某日。JR四国高松駅

今回はここからJR四国の「メインライン」予讃線で松山へ向かいます。


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高松駅7番線で発車を待つ松山行の特急いしづち号。

高松から松山までは特急で2時間30分ほどですが、

今回は特急列車は利用しません。

 

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こちらは高松発13:13の快速サンポート南風リレー号。

列車としては観音寺行ですが、その先列車番号上は別列車となるものの、同じ車両が松山まで直通します。

駅の発車表示は快速サンポート南風リレー号松山行となっていました。

今回はこの列車に終点の松山まで乗り通します。

 

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高松~松山間の営業距離は194.4km 。普通・快速列車としては実質的に四国最長距離を走る列車です。

 

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13:13。半分程度の席を埋めて高松駅を発車。

サンライズエクスプレスなどが休む車両基地の脇を通過します。

 

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高松と岡山を結ぶ快速列車マリンライナーの場合、

大半は高松を出ると坂出まで停車しませんが、

同じ快速列車でも、四国内だけを走る快速サンポート南風リレー号は途中の端岡駅にも停車します。

快速サンポート号は、2001年に現在の高松駅舎と駅周辺の整備が完了した際に運転を開始しました。

端岡駅はその際、快速列車と普通列車の緩急接続を実施するために構内の改良が行われ、

限られたスペースに上下線それぞれの待避線が設けられています。

 

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端岡の次の停車駅坂出で快速運転は終了。

その先、宇多津・丸亀と市街地の高架駅に停車します。

始発からしばらくの間だけ優等列車として走り、

その後各駅停車として走りつづけるというのは、

大都市圏私鉄の準急列車を思わせるものです。

 

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13:43。高松から30分で高知方面との分岐駅多度津に到着。

ここで10分停車し岡山から来る高知行の特急南風11号と接続をとります。

これが「南風リレー号」の列車名の由縁です。

高松から松山方面へは高松からの特急いしづち号と岡山からの特急しおかぜ号を宇多津で連結しますが、

高松から高知に関しては、独立した特急列車を仕立てるほどの需要が見込めないようで、

一部時間帯をのぞき、高松近郊の快速列車サンポート南風リレー号との乗り継ぎ対応となっています。

 

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蒸気機関車時代の給水搭が残る多度津駅西方。

右方向へ進む予讃線松山方面に対して高知へ向かう土讃線は左手方向に分岐していきます。

 

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多度津から2駅、14:03詫間着。

温暖な瀬戸内ですが乗車日は小雪の舞う寒さでした。

 

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14:25。観音寺に到着。

高松から56.5kmを72分かけて走ったことになりますが、

多度津での10分停車があったことを思えば快速列車らしいスピードと言えそうです。

ちなみに特急に乗ると45分程度で到達します。

 

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取り外された快速サンポートのヘッドマーク。

 

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列車は終点の松山まで2両編成での運転ですが、

ここからはワンマン運転の普通列車となり、後方の車両は締め切り扱いとなります。

JR他社では2両編成をワンマン運転する場合、後方車両はドアだけ締め切り車内は開放することが多いようですが、

JR四国ではこの列車に限らず車両ごと締め切る対応になっているようです。

ドアの締め切りを知らず「列車に乗れない降りられない」といったトラブルの防止や、

乗務員の目が届くことによる不正や犯罪の抑止には効果的かもしれませんが、

突発的な混雑が発生した際の苦情など苦労もありそうです。

 

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観音寺では16分の停車時間があり駅前に出て見ました。

観音寺市は愛媛県境に接する香川県西端の都市で人口約6万。

観音寺駅は特急列車も全て停車する予讃線の主要駅の一つです。

 

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観音寺から2駅、香川県最後の停車駅箕浦は貨車を転用した駅舎が特徴です。

 

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観音寺から先、普通列車となっても駅間では100km/h をこえる快走が続きます。

乗車中の7000系の最高時速は110km/h 。加速性能も高く地方幹線を走る普通列車としてはハイスペックと言えます。

多度津以西が単線の予讃線で、前から後ろから頻繁にやってくる特急列車を効率的にやり過ごすダイヤを組むには、このくらいのスペックが必要だったのでしょう。

 

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愛媛県四国中央市に入ると海岸に沿って並ぶ製紙工場の煙突が右手に見えます。

14:58川之江、15:03伊予三島と特急も停車する主要駅が続きます。

 

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関川~多喜浜駅間で小さな峠をこえ、15:31新居浜に到着。

 

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ここでも10分停車し上りの特急列車と行き違います。

 

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JR初期から活躍が続く振子式8000系アンパンマン仕様車両で到着した上り特急しおかぜ・いしづち22号。

8000系の後継車両として車体傾斜方式の8600系が2014年から投入されていますが、

JR四国ではディーゼル特急向けの振子式2000系の後継に登場した車体傾斜の2600系が期待された走行性能を示すことができず、

振子式2700系に後継車両を切り替える事態になっており、

8000系の後継車両については今後の動向が注目されます。

 

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新居浜から2駅、約10分で四国鉄道文化村が隣接する伊予西条に到着。

愛媛県東部は中規模の都市が連続し、コロナ以前は駅の利用者数も比較的堅調に推移していたようですが、

その数字を支えているのは特急列車のようで、

普通列車は1~2両で1時間に1本程度と少なく、

地元内での移動に鉄道は十分には活かされていないように見えます。

 

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壬生川と今治の中間に位置する伊予桜井。

手前は伊予三芳、次は伊予富田です。 

高松~松山間には香川県21駅、愛媛県33駅の計54の途中駅があります。

そのうち香川県の旧国名「讃岐」を冠するのは讃岐府中と讃岐塩屋の2駅のみですが、

愛媛の旧国名「伊予」を冠する駅は伊予三島、伊予寒川、伊予土居、伊予西条、伊予氷見、伊予小松、伊予三芳、伊予桜井、伊予富田、伊予亀岡、伊予北条、伊予和気と12駅もあります。

 

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丸亀以来の高架線に上がり今治の市街地へ。

 

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16:37今治着。高松発車から3時間24分が経過しています。

今治では松山行の特急しおかぜ・いしづち15号を先に通すため11分の停車があります。

 

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今治駅は四国の県庁所在4市に次ぐ四国5番目の人口規模を誇る今治市の玄関です。

 

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なお観音寺駅で締め切られた後部車両は、ここで再び開放されます。

先述のようにJR四国はワンマン運転=1両という立場のためワンマン運転もここで終了です。

松山都市圏での需要を考慮した措置のようですが、

コロナの影響もあってか、1両ワンマンのまま松山まで運転してもなんら問題がない程度の混み具合(空き具合)でした。

 

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今治駅を発車すると右手にしまなみ海道の南端に位置する来島海峡大橋の主搭が見えます。

今治駅前からは「しまなみ海道」経由で広島県の福山へ向かうバスも運転されています。

 

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浅海駅~大浦駅付近では、香川愛媛県境付近以来、久しぶりに瀬戸内海の波打ち際へ。

冬の早い日没が迫ります。

 

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終点松山が近づいて初めて車内でカメラを取り出せる状況に。

坂出駅~詫間駅間では満席に近い状態でした。

乗車日は冬の青春18切符利用期間最終日だったこともあり、

筆者のように高松から松山まで乗り通した乗客も複数いたようです。

 

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17:52。高松から4時間39分かけて終点の松山に到着。

2両編成の列車から両手で数えられる程の乗客が下車し足早に立ち去ってしまうと、ホームは四国最大の都市の玄関駅とは思えない静けさに包まれました。

高松から2時間30分程度で運転の特急いしづち号より2時間ほど余計に時間がかかった計算ですが、

途中48もの駅に停車し、そのうち多度津、観音寺、新居浜、今治の各駅では10分以上停車していたことを考えると、むしろ特急との差が2時間しかないことに驚かされます。

 

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地方の県庁所在都市の古い駅舎と言えば最近役目を終えた新潟駅万代口駅舎がまず思い浮かびますが、

松山駅舎も高架化により近い将来姿を消すことになりそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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【急がば回れ智頭急行】特急スーパーいなば7号乗車記(岡山13:43→鳥取15:32)

 

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JR 西日本岡山駅。

今回はここから特急スーパーいなば号で鳥取へ向かいます。

 

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岡山駅山陽本線ホームで発車を待つ岡山13:43発の特急スーパーいなば7号。

自由席・指定席が1両ずつの2両編成です。

 

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車両側面には鳥取県の花である梨の花があしらわれています。
 

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暖色系で纏められた187系車内。

岡山発車時点での乗客は自由指定席とも1両15人程度だったようです。

 

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シートピッチは充分で、

肘置き内臓と前席背面の大小2つのテーブルが備わります。

 

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デッキにはバリアフリートイレも設けられていました。

車端の銘板を見ると車両製造年は2003年となっていましたが、

最近の新型車両との違いはコンセントの有無程度ではないでしようか。

 

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さて発車時刻までにスーパーいなば号の運転経路と岡山と鳥取を結ぶ優等列車の沿革について書かせていただきます。

特急スーパーいなば号は岡山を発車すると山陽本線を姫路方面へ走り、

最初の停車駅である上郡駅で進行方向を変え第3セクターの智頭急行線に入り、

智頭で因美線に合流して鳥取へ向かいます。(写真の赤線のルート)

走行距離は141.8km、鳥取までの所要時間は乗車中の7号の場合1時間49分となっています。

岡山~鳥取間の優等列車の歴史をさかのぼると、1997年までは津山線・因美線ルート(写真の青線)で運転された急行砂丘号がその役目を担っていました。 

 

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急行砂丘号に使われた急行型気動車。

津山線・因美線ルートの走行距離は132.1km と現在の智頭急行線ルートに比べ約10km 短かったものの、

全線が単線で岡山鳥取県境の峠越えもあったことから、

岡山~鳥取間では2時間30分程度を要していました。

下記は運転時刻が近接する両列車のダイヤの比較です。

1992年  2021年

砂丘4号 スーパーいなば5号

岡山11:04 岡山11:05

金川11:24 上郡11:42

福渡11:36       

弓削11:47 佐用11:57  

亀甲11:58       

津山12:08    大原12:09

加茂12:29

智頭12:58    智頭12:26

郡家13:20    郡家12:44

鳥取13:30    鳥取12:53

 

このように現在の特急より時間を要した急行砂丘号ですが、

岡山~鳥取だけでなく山陽新幹線接続で広島や京阪神と鳥取を結ぶ役割も担っていたことから、

すでに急行列車が姿を消しつつあったJR 初期に4往復から5往復に増発され、

半室ながら全便がグリーン車を連結するという異例の急行列車でした。

なお急行砂丘号は1997年11月まで運転がつづけられたのち廃止され、

1994年に開通した智頭急行線を経由する特急いなば号に引き継がれました。

高規格路線の山陽本線と智頭急行線を通るルートへの経路変更により、

先述のように運転距離が約10km長くなったにもかかわらず、所要時間は30分程度短縮されました。

特急いなば号は2003年に使用車両を国鉄型の181系から新型の187系に置き換え、車両性能の向上で、さらなる所要時間短縮も図られたことから、名称を「スーパーいなば」に改め現在に至っています。

 

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13:43定刻に岡山駅を発車した列車は岡山市街地を流れる旭川を渡り猛然と加速。

 

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早くも山陽本線区間の最高時速120km近くに達しました。

 上郡までの区間に限れば平均時速は90kmを超えます。

 

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熊山駅~和気駅付近で車窓を流れる吉井川。 

 この付近は2021年春のダイヤ改正で日中の普通列車の本数が1時間に2本から1本に減便されることが発表されています。

 

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 和気・吉永・三石と通過し船坂峠を超えると兵庫県西端の上郡駅に接近。

 進行方向左側から、これから向かう智頭急行線の高架が接近してきます。

 

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14:17。普通列車が50分程度かけて走る区間を34分で走り上郡駅に到着。

わずか2分の停車時間の間に、車内では乗客が座席を回転させ、

乗務員室ではJR西日本から智頭急行へと乗務員の交代が行われます。

 

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14:19。さきほど走ってきた山陽本線を見下ろして智頭急行線へ。

 

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14:31。姫路と津山・新見を結ぶJR姫新線との接続駅「佐用」に停車。

 

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直線が続く智頭急行線の線路(佐用~大原間 以前撮影)。

線内の最高時速は130kmが許容されています。

智頭急行線はもともと国鉄時代に姫路と鳥取を結ぶローカル線として建設が進められていましたが、モータリゼーションの進展や国鉄財政の悪化から一旦建設が凍結されていました。

しかしその経路を考慮すれば、高速運転が可能な高規格路線として開通させれば主に京阪神と鳥取を結ぶバイパスルートとなり充分な需要が見込めるとの判断のもと、沿線3県等出資の第3セクター鉄道として建設・開業に至った経緯があります。

 

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187系は強力なエンジンに加え制御式振子装置を搭載しており、

デッキに立つと高速でカーブに進入する際、前の車両から車体が傾いていく様子を見ることができます。

 

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14:43。岡山発車から1時間で大原駅に到着。

上郡の手前で岡山県から兵庫県に入った列車は、この付近では再び岡山県内を走行します。

  

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大原では上りのスーパーいなば6号岡山行と行き違い。

智頭急行線を経由する特急列車は1994年の路線開業当初は阪神方面からのスーパーはくと号3往復のみでしたが、

1997年から「いなば号」の運転がはじまり、現在ではスーパーはくと号7往復、スーパーいなば号5往復が行き交う特急街道に成長しています。

 

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大原駅を出てしばらく、全長5592mと智頭急行線で最も長い志戸坂トンネルを抜け鳥取県に入ると、車窓に雪も見えましたがその量は多くありません。

 

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14:59。左からJR因美線が合流し上郡から56:1kmの智頭急行線の終点智頭に到着。
ここからはJR線に戻り鳥取まであと約30kmの道のりです。

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JR因美線に入ると列車は千代川に沿って走ります。

北へ向かっていますが平地に降りると雪はほとんど見られなくなりました。

 

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15:23。最後の停車駅郡家に停車。

郡家は第3セクター鉄道若桜鉄道との乗り換え駅です。

特急スーパーいなば号は岡山から鳥取まで途中5つの駅に停車しますが、

他路線との接続がないのは大原駅だけであることに気づきます。

 

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郡家からの鳥取市近郊区間では、意外にも雪の量が増え、真冬らしい車窓が広がりました。

 

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14:32。雪景色の終点鳥取駅に到着。

 

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岡山から伯備線へ向かう特急やくも号に乗車すると、鳥取県の西の要米子まで約2時間で、スーパーいなば号の鳥取までの所要時間と大きく違いませんが、

実際に乗車した感覚としてはスーパーいなば号の方が短く感じられました。

また気動車ゆえのエンジン音は気になるものの、乗り心地でもスーパーいなば号のほうが勝っており、

全体として短編成で地味な存在ながら、かつてローカル線を走る急行としては異例の活況を呈した砂丘号の後を継いだ列車らしい実力が感じられる特急列車という印象を持ちました。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。


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鉄道旅行ランキング

高松~広島2500円!「高松エクスプレス広島号」に乗車(高松中央ICBT 8:01→広島駅11:17)

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香川県高松市「高松中央インターバスターミナル」今回はここを経由して高松~広島駅・広島バスセンター間を運行する高速バス「高松エクスプレス広島号」に乗車します。


※本記事掲載の運賃ダイヤなどは記事投稿日現在のものです。

 

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高松市市街地の南に位置する高松中央インターに隣接するバスターミナルは、

車でアクセスする事を前提にしたバスターミナルのようですが、

鉄道でアクセスする場合の最寄り駅は琴電長尾線の元山駅となり、

地図でみると徒歩で15分~20分程度でアクセスできそうです。

 

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バスターミナルの隣と道向かいにはバス利用者向けの広い駐車場が用意されており、

駐車場の看板にはここから乗車できるバス路線の行先が並んでいます。

 

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駐車場を利用してバスで出掛ける場合、入庫時に発行される駐車券と、復路のバスで到着した際に運転手さんから受け取るサービス券を精算機に通すことにより24時間以内の駐車は無料になります。

 

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ターミナル内部。

ベンチ・自販機・トイレと、有人窓口を構えた乗車券発売所があります。

 

f:id:nishiuraexp:20210103194617j:plain定刻8:01より少し遅れて中国JRバス運行の「高松エクスプレス広島号」広島行が到着。

「高松エクスプレス広島号」は中国JRバスとジェイアール四国バスの共同運行で、いずれもトイレ付き4列シート車両での運行となっています。

なお乗車便の高松駅発車は7:40ですが、さらに早朝の6:30に高松駅を発車する便があり、

阪神方面からは神戸三宮港と高松東港を結ぶジャンボフェリーの深夜便との高松駅乗り継ぎなどは検討の価値がありそうです。

運賃については後述しますが、神戸~広島間で充分な睡眠時間を確保しつつ4000円台で移動できそうです。

 

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高松中央インターバスターミナルを発車すると、隣接する高松自動車道高松中央インターより高速道路に入り松山方面に進みます。

 

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高松市街地を貫く高松自動車道は都市高速のような雰囲気ですが、

2020年の年末はコロナの影響で交通量が少ないことが一見して分かる状況でした。

 

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乗車口で配布のウエットティッシュと備え付けの消毒液。

隣り合う座席の間にはカーテンが設置されるなど様々なコロナ対策が施されていました。

 

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高松自動車道を西進すること約15分、坂出ジャンクションから瀬戸中央自動車道へ進入します。

 

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瀬戸大橋に入る手前の坂出ICで一旦流出し、ICからすぐの坂出ICバスターミナルに停車。

ここも広い駐車場を併設しており自家用車からバスに乗り継ぐことができます。

 

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瀬戸中央自動車道に戻り瀬戸大橋へ。

 

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乗車日の瀬戸大橋上は強風が吹き、着陸直前の航空機のような揺れが伝わってきました。

路面の下を通る鉄道も強風の影響で徐行や運転見合わせとなることがあります。

 

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橋の上は強風でも瀬戸内海の水面は比較的穏やかに見えます。

瀬戸大橋を走る列車が強風で運休になった際も、

ながらの宇高航路がその代替を果たすことがありましたが、

2019年末で宇高航路は長年の歴史に終止符を打っています。


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瀬戸大橋を渡り終え岡山県内を走行。


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高松中央インターを発車して1時間弱の粒江パーキングエリアで10分間の休憩。

トイレと自販機のみで立ち寄る車両も少ない静かなパーキングエリアです。

 

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粒江パーキングエリアを発車してしばらくで、瀬戸中央自動車道と山陽自動車道の交点にあたる倉敷ジャンクションを通過。山陽自動車道下り線に進入します。

鉄道と違い高速道路で四国と広島県方面を行き来する場合、岡山は経由しません。

 

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山陽自動車道下り線に合流。

ここまでの区間にくらべて交通量が増え、年末も休みなく物流を支える大型車の姿が目立ちます。

 

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山陽自動車道の出口標識には金光・鴨方など山陽本線の旅で馴染みの地名が見えますが、山陽本線からは少し離れた場所を通っているため、

山陽自動車道の岡山県内区間は、鉄道沿線と違い人家は少なく単調な景色が続きます。

 

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福山西インターで「しまなみ海道」方面と分岐。

 

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三原の少し先にあたる八幡パーキングエリアで2回目の休憩。

パーキングエリアではありますが、こちらはコンビニを併設しています。

 

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パーキングエリア設置の道路インフォメーション。

年末に入っても中国四国地方の高速道路に渋滞表示はみあたりません。


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八幡パーキングエリアを発車してしばらくで山陽自動車道最高地点を通過。

標高375mとあります。

ちなみに平行する山陽本線は少し先の八本松駅が最高所の駅となり標高は255m。

両者の差は120mもあります。

八本松駅と隣の瀬野駅の間は、瀬野八と呼ばれる山陽本線で最も厳しい峠越え区間で、

広島駅側から登坂する貨物列車は補助機関車の力を必要とし、

旅客列車も通過できる形式に制限があるほどですが、

鉄道に比べ勾配に強い自動車は、より厳しい線形を特に苦にすることもなく駆け抜けていきます。

 

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最前列の座席からの眺め。

自分の運転体験と重ねることができるのは、鉄道にはないバスの前面展望の楽しみではありますが、

山陽自動車道は大きく見れば海沿いを通っているにもかかわらず、

内陸部を貫く中国自動車道よりトンネルが多く、トンネル内の道幅も充分とは言い難いもので、

 

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一般的なサイズの自家用車を運転していても、トンネル内での大型車との並走などハンドルを握る手に力が入るものてす。

鉄道でも航空でも同じですが、

公共交通での快適な移動は、常にハンドル・マスコン・操縦桿を握る「人」の絶え間ない緊張感とプロの技術の上に成り立っている。

バスの最前列の座席では特にその思いを強くします。

 

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左手に見えた東広島市内の街並み。

 

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広島東ICで山陽自動車道から流出し広島都市高速1号線に進入。

 

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広島高速1号線は山陽自動車道側からは、ほぼ下り勾配のみで、時折100万都市広島の市街地を見下ろしながら高度を下げていきます。

 

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間所ランプで広島高速をおり、イオンモールを左に見て芸備線の矢賀駅付近を走行。

 

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定刻11:17より若干早く広島駅新幹線側のバスターミナルに到着。

高松中央インターバスターミナルからの乗車時間は、2回の休憩時間を含め約3時間でした。


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広島駅で半数以上の客を下ろしたバスは終点の広島バスセンターへに向け発車。

終点広島バスセンターの所定到着時刻は11:30です。

 

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鉄道に目をやれば、高松駅から快速マリンライナーに乗車し岡山で山陽新幹線に乗り継ぐと2時間かからずに広島に到着できますが、

岡山から新幹線を使わず在来線を利用すると4時間程度かかります。

「高松エクスプレス広島号」は所要時間面ではその中間ということになります。

運賃については岡山から新幹線の自由席を利用した場合6810円、

岡山から在来線を利用した場合4280円であるのに対して、

「高松エクスプレス広島号」は広島駅まで、高松駅から4100円、高松中央インターから4000円、坂出インターバスターミナルから3800円で、

岡山から広島まで在来線を利用するより安いうえ、

往復購入の場合は1割引、さらに早期購入で片道2500円となる企画切符も発売されています。

本業の鉄道より条件が良く、鉄道から客を奪う可能性がある路線を、JR グループのバス会社が運行しているのは不思議な感じもしますが、

高速バスを走らせれば鉄道より有利になることが明白ならば、

JR とは直接関係のないバス事業者に客を取られるよりも、JRグループの囲いの中に客をつなぎ止めておく方が良いということでしょうか。

全体として高松~広島の移動では、

特に急ぐ場合はマリンライナーと山陽新幹線の乗り継ぎ以外に選択肢はありませんが、

時間に余裕がある場合は「高松エクスプレス広島号」を利用するのが賢明な選択ではないかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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戦前の栄華を今に伝える西岩国駅と快速シティライナー乗車

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広島から山陽新幹線とバスを乗り継いで錦帯橋を訪問。

周辺散歩ののち徒歩で近くを通るJR岩徳線の西岩国駅へ向かいました。

 

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錦帯橋から徒歩約20分。

西岩国駅に到着。

西岩国駅は昭和4年に岩国と徳山(櫛ヶ浜)を結ぶ現在の岩徳線の一部が開通した際に岩国駅として開業しました。

そして昭和9年に岩徳線が全線開通が開通すると、

従来の柳井経由の山陽本線より岩国~徳山間の距離が短いバイパスルートとなったことから、

岩国駅(西岩国駅)を含む現在の岩徳線が山陽本線を名乗り、柳井経由の従来の山陽本線は柳井線に改称されました。

 

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その後、昭和17年に山陽本線(現在の岩徳線)と柳井線が分岐する交通の要所となった麻里布駅が岩国駅に改称されたため岩国駅は西岩国駅とされ、

昭和19年には、山陽本線となった現在の岩徳線ルートが、

欽明路越えと呼ばれる峠越えや単線であることが輸送上のネックとされ、

結局柳井経由の旧来のルートが山陽本線の名に復し、

西岩国駅を含む欽明路越えルートには、現在に続く岩徳線の名称が使われるようになりました。

戦後は柳井経由の山陽本線が昭和50年の山陽新幹線開通まで特急や急行が多数運転され幹線として発展したのに対し、

岩徳線は単線非電化のままローカル線としての道を歩み目立った投資も行われませんでしたが、

西岩国駅のような戦前の立派な駅舎が現在まで残っているのも、

そのような歴史が深く関係しています。

 

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西岩国駅舎は登録有形文化財の指定を受けています。

 

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駅舎内部。

アーチを多用した窓や天井から下がる灯具など、戦前に主要駅として重用された雰囲気が伝わってくるようです。

 

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ホーム側から見た改札口周辺。

 

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運賃表の路線図。

緑のラインが一時期は山陽本線だった現在の岩徳線。

青のラインが柳井を経由する現在の山陽本線です。

 

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西岩国駅の時刻表。

岩徳線の川西~西岩国~岩国の2駅間は、錦川鉄道からの直通列車も乗り入れることから岩国行は1時間に1~2本の頻度ですが、

下りの時刻表を見れば、岩徳線・錦川鉄道いずれも1時間に1本以下の頻度であることがわかります。

 

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歴史の一時期山陽本線であったことを今に伝える広い構内。

長いホームに徳山行の1両のディーゼルカーが到着。

 

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岩国方面を眺めると10両以上停車できそうな長いホームが今も残っていました。

 

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13:35発の錦川鉄道からの直通列車に乗車。

 

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2人掛シートが並ぶ車内。

 

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数分で岩徳線の起点岩国駅に到着しました。

 

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岩国駅は人口13万人の山口県岩国市の玄関で近年橋上駅舎に建て替えられています。

岩国市は東では広島県大竹市と、北では日本海側の島根県益田市とも市境を接する広大な都市です。

 

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岩国駅前。駅舎の建て替えとともに駅前も整備され広々としています。

特筆すべきは岩国錦帯橋空港が近いことで駅前から空港行の路線バスに乗ると10分程で到着します。

 

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岩国駅の山陽本線時刻表。

広島方面へは日中1時間に3本のダイヤですが、20分間隔ではなく15分、15分、30分の間隔を繰り返す変則ダイヤになっています。

また平日はすべて普通列車なのに対し、土日は1時間あたり快速シティライナーが2本に普通列車が1本となり、

快速通過駅へは途中で普通列車に乗り換える必要があります。

もっともこのような複雑なダイヤは2021年春のダイヤ改正で、

1時間2本への減便と日中の快速廃止により「普通列車のみ30分間隔」の「シンプルで分かりやすいダイヤ」に改められることになっています。

岩国~広島方面の山陽本線は、国鉄末期の昭和50年代に、

列車の編成を短くするかわりに、国電のような高頻度かつ等時隔のダイヤを導入する、

所謂「広島シティ電車」方式の導入で10分間隔のダイヤになり、利用者の増加に繋がったことから、

JR初期にかけて鳥取県の境線や山形県の左沢線(ともに40分の等時隔)といったローカル線に至るまで、

全国で同じ発想に基づく列車の増発が行われました。

しかしバブル崩壊後の長引く不景気での旅客需要減少などから、

国鉄時代への「逆戻り」のような減便が全国で見られるようになり、

皮肉にも広島シティ電車発祥の地である広島都市圏の山陽本線のダイヤは「逆戻りの典型」の様相を呈してします。

 

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改札口付近。

 

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14:09発の快速シティライナー広島行に乗車します。

 

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車両は新型227系の4両編成。

国鉄末期に大幅改善されたダイヤとは裏腹に、JR 化後20年を経ても京阪神から転属の中古車両が集結していた広島地区でしたが、

快速シティライナーに限らず広島都市圏の電化路線を走るほとんどの列車が、この新型車両に置き換えられています。

ダイヤの変遷と合わせ穿った見方をすれば、

「旅客需要の減少→減便→置き換えのために必要車両数減少」というサイクルがある程度回るのを待っての新型車両投入だったようにも見えます。

 

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大幅減便でも混雑は見られず、コロナの影響を抜きにしても10分間隔運転だった時代と比べ、需要が大幅に減っていることは間違いないようです。

 

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宮島付近では海沿いを走りますが、

曇り空から今年初めての雪が舞い落ちて視界を遮り、

日本三景に名を連ねる観光地周辺の車窓を楽しむには残念な天候でした。

 

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山陽本線岩国方面から広島市都心の紙屋町方面へ行く場合、

横川駅で下車して広電(路面電車)に乗り換えるか、

横川の次の新白島駅で下車してアストラムラインに乗り換えるかのいずれかですか、

快速シティライナーは新白島には停まらないため選択の余地はなく、

横川駅で下車して広電に乗り換えることにしました。

 

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横川駅は山陽本線と可部線の分岐駅でもあり広島県内では広島駅に次いで利用の多い駅です。

高架下の改札口周辺も多数の店舗で埋まり活気が感じられます。

 

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そして賑やかな駅前の一角から路面電車(広電)に乗車することができます。

 

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路線図記載の区間毎の所要時間を合計すると紙屋町まで13分となります。

広島非在住者の感覚ですが、乗り換え時間が同じなら新白島でアストラムラインに乗り換える方が若干早いのではないかと思います。

 

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広電では「当たり前」になったバリアフリー対応の超低床車両が発車を待っていました。

 

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車両のサイズが小さい路面電車では混雑してくると車内の「密」が心配ですが、

今回は紙屋町まで空席が残る余裕の乗車率で、

客の立場としては安心して車内の時間を過ごすことができましたが、・・

 

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紙屋町西詰電停に到着。

 

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紙屋町電停は広島市の都心に位置し、

左手には「広島そごう」と広島バスセンターが、

前方を南北に横切る道の地下には新交通システム「アストラムライン」の軌道と地下街が広がっており、

電停のホームは直接その地下街に繋がっていました。

広島近郊の電車・バスを乗り歩いた今回の乗車記はここで終了です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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