西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【特急あずさ3号区間乗車記】大糸線で日本海側へ抜ける。(甲府7:49⇒松本⇒南小谷⇒糸魚川12:57)

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正月休みを利用した青春18旅行。3日目は甲府駅から出発します。

 

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甲府駅コンコース。

 

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まず中央本線の下り列車で松本へ向かいます。

乗車する甲府発7:49の松本行の始発駅は高尾となっており、東京と長野を直結するロングラン列車です。

中央本線の普通列車で使われている写真の211系にはロングシート車と4人掛けクロスシート車が混在していますが共通運用されているようで、どちらが来るかは運次第。今回は6両編成の全車両が残念ながらロングシートでした。

 

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小淵沢付近で進行方向左側に見えるのは甲斐駒ヶ岳(2966m)でしょうか。

この付近は左右とも美しい車窓がつづき、ロングシートの乗客は上半身をくねらせて車窓見学やスマホ撮影に励んでいました。

 

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上諏訪駅では同じホームで飯田線方面の列車と接続。

向こうも約7時間かけて飯田線全線を走破し豊橋へ向かうロングラン列車です。

 

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9:35.甲府から2時間弱で終点の松本に到着。

ここで発車表示の右上にある10:27発特急あずさ3号に乗り継ぎます。

ここまで乗車してきたロングシートの211系(写真左)は、10:40発の上り列車として高尾まで折り返すようです。

 

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松本駅は、早朝に新宿からの急行アルプス号と大阪からの急行ちくま号が同じホームに並んでいた時代から何度も利用していますが、

駅前といえば市街地が広がる「お城口(城までは徒歩15分程度かかります。)」のイメージしかなかったので、今回初めて反対側のアルプス口へ出てみました。

駅が橋上化や高架化されてからそれほど経過していなくても、元々の駅前がどちらだったのか分からないくらい立派な市街地が形成されているケースもありますが、

松本駅の場合(メインの駅舎は昭和時代から橋上構造)は、今でもお城口の比重が高いようでアルプス口は発着するバスもわずかでタクシーの台数も少なく、時折送迎のマイカーが到着する程度の「駅裏」といった雰囲気が漂っていました。

 

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ホームにもどり新宿から到着した特急あずさ3号南小谷行きに乗り継ぎます。

去年のダイヤ改正で1990年代から特急スーパーあずさ号に使われてきた振子車両E351系と特急かいじ号に使われてきたE257系をすべて置き換えたE353系での運転です。

E353系は車体傾斜方式を採用しています。

車体傾斜方式の車両は振子車両に比べて安価である反面、傾斜角度が小さいため振子車両と同じ速度でカーブを通過すると乗り心地が犠牲になるというイメージがありましたが、E353系は様々な対策によりその問題をクリアしており振子車両並みかそれ以上の乗り心地を実現しています。

筆者自身も2018年に先行デビューした編成に乗車してその乗り心地の良さに感心し、これでいよいよ「振子の時代は終わり今後の在来線特急車両は車体傾斜方式に統一される」との印象を持っていましたが、

その後四国で車体傾斜方式の弱点が露呈し、振子式の新型特急車両が製造されるという意外な展開が待っていました。

 

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シートも先代車両から様々な改良が加えられています。

 

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あずさ号のメインの運転区間は新宿と松本の間ですが、1日数本が松本から先大糸線の南小谷まで運転されており、今回はその大糸線区間のみの乗車です。

終点の南小谷までの指定席特急券・乗車券は2360円で青春18切符1日分とほぼ同額ですが、その先糸魚川方面の列車との接続を考えれば避けられない投資でした。

 

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10:27定刻に松本を出発。しばらく並走していた篠ノ井線が右に分岐すると奈良井川を渡り、

 

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島高松駅と梓橋駅の間で列車名にもなっている梓川を渡ります。

松本周辺は中央分水界より北側に位置しています。

奈良井川と梓川は合流して犀川となり犀川は千曲川に合流して日本海へ注ぎます。

 

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松本近郊の大糸線の典型的な車窓風景。

安曇野の平野に雪はなく秋や春先を思わせる車窓が広がっていました。

 

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11:01信濃大町に停車。松本から35km。

松本近郊区間の末端にあたるとともに立山黒部アルペンルートの入口としても機能する駅です。

 

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信濃大町を出ると山までの距離が近くなります。

写真の水面は木崎湖だったと思います。

 

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木崎湖につづき青木湖の湖畔を走行。

 

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松本発車時点で車内に目立っていた外国人の下車が目立った白馬駅。

目的はスキーだったのでしょうか。

 

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姫川が車窓に見えると終点の南小谷は間もなくです。

 

 

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11:42.南小谷に到着。下車前に車内を撮影しました。

寒色系でまとめられた落ち着いた雰囲気に好感がもてます。

 

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車外に出て先頭部分を撮影。

松本市内にはなかった雪が見えますが、この付近の1月の積雪量としては異例の少なさではないでしょうか。

 

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大糸線は松本と日本海沿いの糸魚川を結ぶ路線ですが、ここ南小谷から先は非電化になるとともに、管轄がJR東日本からJR西日本にかわります。

 

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糸魚川へ向かう区間はJR西日本屈指のローカル区間で、中国地方の山中でお馴染みの小型ディーゼルカー「キハ120」が1日片道10本以下のダイヤで運転されています。

 

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南小谷駅舎。

 

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改札前にあった駅の案内板。標高513mは意外にもこの駅が松本駅より低い位置にあることを意味しています。

 

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18分接続で糸魚川行きに乗り換え。

 

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近畿や中国地方からの旅行者はJR西日本仕様の駅名標に親近感を感じるかもしれません。

 

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南小谷から標高ほぼ0mの糸魚川までは約35km。線路は下り勾配が連続します。

梓川などと違い日本海へ「直行」する姫川もまた日本有数の急流で知られています。

 

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12:57.南小谷から約1時間で県境を超え新潟県の糸魚川に到着しました。

 

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北陸新幹線の開業で様変わりした糸魚川駅ですが、以前の機関庫の一部が保存されています。

機関庫の奥へつぐくレールは単なる飾りではなく、機関庫の奥に展示されている車両の搬入搬出という実用に供されることもあるようです。

 

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展示されている車両はキハ52系ディーゼルカーです。

勾配に対応した国鉄型ディーゼル車両で2010年までさきほど辿ってきた南小谷と糸魚川の間を往復していました。

 

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車内に立ち入ることもできます。

車内は2010年に運行を終了した当時の運賃表や掲示物などがそのまま残されていました。

 

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そのほか駅1階部分にはレイアウトコーナーや、

 

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糸魚川を通る中央構造線(フォッサマグナ)やジオパークに関する展示などを集めた施設もあり、1~2時間程度の時間潰しには困ることはなさそうでした。

 つづきはこちらです。

 

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