西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

特急南紀6号・快速みえ11号乗り継ぎ乗車記(紀伊勝浦12:23→14:47多気14:59→鳥羽15:26)


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JR西日本紀勢本線。紀伊勝浦駅。

今回はここから特急南紀6号名古屋行に乗車し、途中の多気駅で下車、鳥羽行の快速みえ号に乗り継いで、終点の鳥羽を目指します。

 特急南紀6号は紀伊勝浦駅が始発で12:23に発車します。


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11:56。名古屋8:05発の特急南紀1号として終点の紀伊勝浦駅に到着したキハ85系車両。

車内清掃や座席の転換が行われたのち、南紀6号となり名古屋へ折り返します。

時刻表掲載の編成表によれば、南紀6号は2両編成での運転となっていますが、乗車日は3両での運転でした。

キハ85系は1988年にデビューした特急型気動車です。

アメリカ、カミンズ社製の強力エンジンを搭載しており、最初に投入された高山本線の特急ひだ号では、名古屋~高山間の所要時間を従来の国鉄型気動車に比べ30分以上短縮しました。

特急南紀号への投入は1992年のことで、こちらでも名古屋~紀伊勝浦間の所要時間を42分短縮しています。

 

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車内整備が終わり乗車。

キハ85の車内は、座席部分が通路より一段高いハイデッガー構造になっています。

窓の寸法も拡大されたことから、広い視野で車窓を楽しめることが、

強力エンジンによる高速運転とならぶこの車両の特長で、

キハ85で運転される、ひだ号や南紀号は「ワイドビューひだ」「ワイドビュー南紀」とサブ愛称を付して呼ばれることも多いようです。


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座席は最近の特急車両のものに比べると分厚く柔らかい座り心地です。


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キハ85系は運転台の後ろに扉がないため、最前列の座席に座ると前面展望を楽しむことができます。

先頭の前面展望を楽しめる座席は、名古屋発の下りでは指定席、紀伊勝浦発の上りでは自由席となります。

 

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折角なので最前列の座席に陣取って前面展望を楽しむことに。

運転台のない右側のほうが眺めはよいのですが、先客がいたため左側です。


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12:23定刻に紀伊勝浦を発車。

JR東海の特急車両であるキハ85系で運転され、本社がある名古屋に発着する特急南紀号ですが、紀伊勝浦から次の新宮まではJR西日本区間を走ります。


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この地域では最も有名な観光地である那智の滝最寄りの那智駅を通過し、列車は太平洋の海岸線に出ました。


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紀伊勝浦から約20分でJR 西日本とJR 東海の境界にあたる新宮駅に入線。


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駅に隣接する留置線ではJR 西日本の特急くろしお号とJR 東海の気動車が並んで出番を待っています。


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始発駅発車から20分ですが、3分の停車時間の間に運転士さんもJR 西日本からJR東海に交代。

下車予定の多気駅までは2時間2分余りの行程です。

 

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新宮駅を発車した列車は熊野川の鉄橋を通過。



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新宮駅から先は、海岸線から少し離れるためか新宮以西に比べ直線が多く、

列車は80km/h程度とはいえ快調に走ります。


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13:05。熊野市に停車。


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南紀号が通る紀勢本線は国内の幹線としては歴史が浅い路線です。

中でも「熊野市」から次の停車駅「尾鷲」までの区間はすべて戦後に開通した区間となっており、

その途中の新鹿駅~三木里駅間が1959年に開通したことにより全線開通に至っています。

歴史が浅いというと聞こえがよくないかも知れませが、東海道新幹線開通を5年後に控えた時期の開通とあって、

線路は、海岸線が突出した部分では、その付け根を直線的なトンネルで貫き、

トンネルを抜けると入江に広がる集落の玄関となる駅を減速することなく通過するといった近代的な造りになっています。


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南紀号のこの区間の最高時速は85km/h と速くはありませんが、

熊野市~尾鷲間34.3kmを26分45秒で走行するダイヤになっており平均時速は76.9km/h。

駅発車到着時の加減速以外、ほぼトップスピードを維持し続けるダイヤが組まれています。


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前方に尾鷲の市街地が見えてきました。

紀伊山地に隣接する地形などの影響で、尾鷲市は年間降水量が全国トップクラスの都市として知られています。

今回の南紀号乗車区間のほとんどは曇りでしたが、

写真のように尾鷲周辺ではワイパーが活躍していました。


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13:31尾鷲発車。


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紀伊勝浦発車から1時間以上が経過し手洗いついでにデッキを覗いてみます。

 

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トイレは和式で、登場から30年近い車両であることを実感しましたが、

清潔な洗面所が独立して設けられており、


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自動販売機も設置されていました。

和式トイレや座席のハイデカー構造は昨今のバリアフリーには逆行する側面がありますが、

JR東海は85系の後継となるハイブリッド気動車HC85系を新造。

すでに試運転の段階にあり車内設備についても改善が図られるものと思われます。

 

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席に戻ると小さな峠を越えるところで、トンネルを抜けると前方には海が広がりました。


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13:53紀伊長島着。

隣のホームには、本来なら熊野市〜尾鷲の途中駅で行き違うはずの南紀3号が停車中です。

乗車日は徳和駅で事故が発生しダイヤが乱れていました。


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紀伊長島駅を発車した列車は、紀伊の国と伊勢の国を分ける荷坂峠にさしかかります。

海のイメージが強い紀勢本線ですが、南紀号が走る紀伊半島東側の区間では、

太平洋を望む区間は限られており、この山越えは南紀号の車窓のハイライトと言えそうです。


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全長1914mの荷坂トンネルを抜け、ほぼ峠のサミットに位置する梅ヶ谷駅をゆっくり通過。

梅ヶ谷駅の標高は193m、同3mの紀伊長島駅から1駅8,9kmで190m登ったことになります。

SL時代は言うに及ばずキハ85系登場まで活躍した国鉄型の特急気動車にとっても苦しい峠道であったはずです。

 

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梅ヶ谷駅からは下り勾配に転じ、

対向の普通列車を待たせて滝原駅を通過。


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14:21、三瀬谷駅に停車。


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次は下車駅の多気ですが、途中の栃原駅に運転停車し南紀5号と行き違い。


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右手から参宮線が合流し並んで多気駅に進入。


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14時52分。栃原駅で行き違った南紀5号の遅れの影響で5分程遅れて多気駅に到着。

ここで下車し参宮線に乗り入れる快速みえ号に乗り換えます。


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乗り換え時間で駅前に出て見ました。

紀勢本線と参宮線が合流する多気駅の所在地は三重県多気郡多気町多気。乗車人員は560人。


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駅前には商店街が延びていますが、行き交う人やクルマは少なく静かな佇まいです。


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多気駅から乗車する快速みえ号の発車は14:59ですが、こちらも事故の影響で約10分遅れ。


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15:10頃、多気駅に到着した快速みえ11号。キハ75系2両編成です。

快速みえ号は1990年に名古屋~鳥羽間の気動車快速列車としてデビュー。

1時間毎の運転で当初は国鉄から引き継いだ急行型気動車を使用していましたが、

1993年に現在のキハ75系が投入され一部区間では気動車快速列車としては異例の最高時速120km/h での運転を開始しました。

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快速みえ号車内。

京阪神や名古屋都市圏の新快速などと同じく転換クロスシートが並んでいます。


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鳥羽寄りの車両は中央の扉より前の席が指定席、後ろが自由席となっています。


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多気駅を発車した列車は、電車並みの加速で速度を上げ、紀伊勝浦からの特急南紀号では体験できなかった速度で快走します。


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伊勢市駅手前で併走する近鉄電車。

JR東海が発足早々から名古屋~鳥羽間に高速運転の快速列車をまとまった本数運転している背景には、

名古屋や首都圏から名古屋乗り継ぎで伊勢志摩方面へ向かう需要の多くを近鉄の特急が押さえている実情があり、それを切り崩す狙いがあったのでしょう。

名古屋~鳥羽間で近鉄特急(全席指定)と快速みえ号の指定席利用で比較すると、 所要時間では近鉄特急が1時間40分程度、快速みえ号は最速便こそ1時間43分ですが、概ね2時間程度を要しており近鉄特急がリードしています。

運賃は近鉄特急が特急料金込みで3090円なのに対して、

快速みえ号は運賃2500円、座席指定券530円で計3030円と若干快速みえ号に分がありますが、

運転本数や連結車両数に大きな差があり、トータルで見ると「快速みえ号は近鉄特急に一矢報いることには成功しているが、登場から30年が経過した今も一矢報いるに留まっている」というのが個人的な印象です。

 

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ライバル近鉄の駅と跨線橋で結ばれた伊勢市駅に進入。駅の規模ではJR が勝っています。


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伊勢市を発車して6分、二見浦駅に停車。

ダイヤ乱れの影響で対向列車到着まで10分以上停車していました。

JR参宮線は全線が単線です。


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二見浦駅から、しばらく海岸線近くを走り、


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終点の鳥羽駅に進入。

JR の鳥羽駅は終点駅でありながら無人のため、車内では鳥羽駅到着前に車掌さんが切符を回収していました。

 

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15:50頃、25分遅れで鳥羽駅に到着。


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無人の改札口を抜け駅前へ。


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JR鳥羽駅の施設は近鉄と一体ですが、

海側の近鉄駅出口付近には、到着する観光客を待つバスが並び観光地の玄関らしい雰囲気があるのに対して、

JR側は人通りも少なく他のローカル線の終点駅とあまり変わらない印象です。

鳥羽からは近鉄の観光特急「しまかぜ」に乗車し四日市へ向かいました。

続きはこちらです。

 

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【パンダくろしお】特急くろしお1号グリーン車乗車記(和歌山8:48→紀伊勝浦11:40)

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JR西日本和歌山駅。午前8時半。

今回はここから、JRの特急くろしお号と特急南紀号を乗り継いで紀伊半島を周り、三重県の多気駅から鳥羽までJR東海の快速みえ号で移動。鳥羽からは近鉄の観光特急「しまかぜ」に乗り継ぎ三重県の四日市へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210624204916j:plain時刻表の地図で辿るとこのようになります。

 

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和歌山駅から乗車する特急「くろしお1号」は新大阪始発で和歌山駅の発車は8:48。

 

f:id:nishiuraexp:20210626090214j:plain特急くろしお号の乗車位置案内。

以前くろしお号のヘッドマークとして使われていた絵柄が使われています。

 

f:id:nishiuraexp:20210626090231j:plain和歌山駅4番線に進入する287系特急くろしお1号。

くろしお1号に使われる287系は、途中停車駅の白浜駅に近い「白浜アドベンチャーワールド」とのコラボレーションで「パンダくろしお」編成となっており、市販の時刻表にもその旨の記載があります。

 

 

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車体側面も。

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車内客室の出入り扉も。

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普通車の枕カバーもパンダづくしです。

 

f:id:nishiuraexp:20210626090320j:plain今回はグリーン車を利用します。

こちらはパンダは控えめのようです。

特急くろしお号のグリーン車は横3列の大きなシートを備え、車内はグリーン車に相応しい風格が感じられますが、

JR 西日本が発行するクレジットカードJWESTカード会員向けに発売される切符の割引率が他の特急列車より高いという事実は特筆に値します。

今回の紀伊勝浦までのグリーン特急券は3350円(内訳:特急料金1250円、グリーン料金2100円)で購入しました。

 

f:id:nishiuraexp:20210626090813j:plainそのような事情もあってか、和歌山発車時点でグリーン席は15席中10席程度が埋まっていました。

東海道新幹線の普通車でさえガラ空きも珍しくないコロナ下にあって異例のことではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20210626090748j:plain和歌山駅を発車した列車はしばらく市街地をすすみます。

この付近では車窓左手の山の中腹に西国33霊場の一つ紀三井寺の仏搭が見えます。

 

f:id:nishiuraexp:20210626095455j:plain10分程走って、2面4線の高架駅という近代的な姿の海南駅に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20210626095517j:plain海南を発車すると、しばらく列車は田園と里山の風景のなかを走ります。

 このあたりで特急くろしお号の来歴について少々書かせていただきます。

特急くろしお号は、昭和40年に紀伊半島を周る紀勢本線経由で、大阪・天王寺と名古屋を結ぶ長距離特急としてデビューしました。

当時の紀勢本線は非電化だったためディーゼル車両での運転でした。

 

f:id:nishiuraexp:20210625190041j:plain昭和44年の時刻表(くろしお1号は右端)

(天王寺9:10発、和歌山10:02発、紀伊勝浦13:19発、終点名古屋17:52着)

その後、昭和53年に和歌山~新宮間が電化されると、天王寺~新宮間の運転となり、車両は振子式の381系電車に置き換えられ所要時間の短縮が図られます。

今回乗車する287系は、その381系を置き換える目的で平成24年からくろしお号の運用に入ったものですが、

平成8年には制御振子を搭載し381系以上にカーブを高速で通過することができる283系も投入されています。

283系で運転される便は愛称も「オーシャンアロー」として区別されていましたが、現在は「くろしお」の一部として活躍を続けています。

 

f:id:nishiuraexp:20210626095551j:plain海南から約30分が経過、9:30御坊着。

JR御坊駅の片隅からは御坊市の中心部とを結ぶミニ私鉄「紀州鉄道」のディーゼルカーが発着しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210626095612j:plain振子装置を搭載していない287系の場合、紀伊田辺以北の比較的線形の良い区間でも80km/h程度で走行する区間が長く、特急列車としては必ずしも速くはありません。

制御振子を搭載した283系や先代の381系に比べ、時刻表上の所要時間も、今回乗車する和歌山~紀伊勝浦の場合で10分程度余計に見積もられています。

特急列車の車両更新により所要時間が延びるという事例は他に思いつきません。

 

f:id:nishiuraexp:20210626095725j:plain和歌山周辺の市街地を抜けてから約1時間、海に近いところを走っているにも関わらず、田園や里山の風景が続いた特急くろしお号の車窓でしたが、

岩代駅(御坊~紀伊田辺)付近で、ようやく雄大な太平洋の風景が広がり、

車内では車窓案内の放送が入り、また景色を楽しめるよう徐行運転のサービスもありました。

 

f:id:nishiuraexp:20210626111640j:plain列車はみなべ町の市街地に接近。

くろしお1号は、みなべ町内の駅にはとまりませんが、一見して観光利用が主体とわかる客層への配慮か、

「みなべ町は南高梅や紀州備長炭で知られ・・」と、ここでも観光案内放送がありました。

 

f:id:nishiuraexp:20210626111705j:plain10:00。列車は田辺市内に入り和歌山以南では最大の拠点駅となる紀伊田辺駅に到着。

和歌山からつづいた紀勢本線の複線区間はここで終わり、

これより先は線形もより厳しいものになるため、381系で運転されていた当時から「くろしお号」の平均時速は紀伊田辺駅を境に大きく低下していました。

 

f:id:nishiuraexp:20210626111812j:plain紀伊田辺を発車して約10分。南紀観光の中心「白浜」に到着。

グリーン車では動きは少なかったものの、普通車からは大勢が下車したようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210626111832j:plainくろしお号で到着する観光客を迎える白浜駅の改札口。

 

f:id:nishiuraexp:20210626111848j:plain白浜駅を発車してしばらく、列車は富田川にかかる鉄橋を渡ります。

上流に目をやると高架道路がみえますが、付近には紀勢自動車道の南紀白浜ICがあります。

紀勢自動車は現在、すさみ南ICまで延伸されており、

紀伊田辺以南での高速運転が難しい「くろしお号」の利用状況に影響を及ぼしています。

 

f:id:nishiuraexp:20210626111910j:plain10:33。周参見(すさみ) 着。

 

f:id:nishiuraexp:20210626112246j:plain 周参見駅ではホームに隣接して津波避難タワーが設けられていました。

 

f:id:nishiuraexp:20210626112613j:plainグリーン車・普通車問わず、特急くろしお号の座席ポケットには、津波が予想される場合の避難手順を記した注意書きが入っています。

 

f:id:nishiuraexp:20210626121903j:plainデッキには注意書きに記述のある車外脱出用の避難用はしごも準備されていますが、

発生が想定されている南海トラフ地震では、くろしお号が通る串本の津波到達予想時間が地震発生から4分とされていることを知れば、

海外の鉄道車両やバスのように、脱出のために近くの窓ガラスを叩き割るハンマーを窓横に設置したり、

航空機のように各座席下に救命胴衣を設置するほうが、現実的ではないか。という気もします。

 

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 参考 ドイツの高速列車ICEの車内。

写真に写っている範囲だけでも4箇所に赤いハンマーが設置され、ハンマー近くの窓には脱出口となることを示す緑のステッカーが見えています。

 

f:id:nishiuraexp:20210626112035j:plain見老津駅付近。

線路は半島の付け根をトンネルで横切ったりせず、急曲線で、入り組んだ海岸線を忠実にトレースするように伸びています。

 

f:id:nishiuraexp:20210626112111j:plain田並駅では対向の普通列車が行き違い待ち。

この付近の普通列車は長らく国鉄型105系の活躍が続いていましたが、写真の227系への置き換えが進んでいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210626112139j:plain11:07。北緯33度28分。本州最南端の駅「串本」に到着。

和歌山から2時間20分。始発の新大阪からだと3時間30分程度かかった計算です。

 

f:id:nishiuraexp:20210626190447j:plain11:15古座に停車。

比較的小さな駅にも停車しますが乗車・下車はほとんどありません。

 

f:id:nishiuraexp:20210626190504j:plain岩場が目立つ車窓の海岸を見ていると、海面と列車が走っている線路の高低差は僅かのようです。

ひとたび大きな地震が起これば、この美しい海が地元住民や列車で旅する人の命を奪いにくるのかと思うと複雑な気持ちになるものです。

 

f:id:nishiuraexp:20210626190520j:plain単線一面の太地駅を発車すると次は下車駅の紀伊勝浦。

 

f:id:nishiuraexp:20210626190538j:plain11:40紀伊勝浦に到着。

列車は終点の新宮へ向け発車していきました。新宮までは18分の道のりです。

 

f:id:nishiuraexp:20210626190608j:plain紀伊勝浦駅舎。

紀伊勝浦からは約40分後の12:23に発車する特急南紀6号名古屋行に乗り継ぎました。
 続きはこちらです。

 

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特急しまんと1号乗車記(高知8:20→窪川9:26)

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JR四国高知駅。午前8時。

今回はここから土讃線の特急列車に乗車し土讃線の終点、窪川へ向かいます。

 

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乗車するのは高知駅8:20発の特急しまんと1号。

特急しまんと1号は始発の高松駅を6:04に発車、高知を経て窪川から先、第3セクター鉄道の土佐くろしお鉄道に乗り入れ中村までの運転です。

** 特急しまんと1号の高松~高知間については2020年3月に乗車した際に乗車記を投稿しています。

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高知駅改札前の運賃表。

右端が高知駅で、ピンク色の区間が今回乗車する土讃線、その先に続く灰色の区間が中村を経て終点の宿毛に至る土佐くろしお鉄道線です。

 

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8:18。高知駅に到着した特急しまんと1号。

2018年から運転を開始したJR四国の最新型気動車2700系2両編成での運転です。

 

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車内。

グリーン席の設定はなく全席普通席で、前方(窪川・中村方)の車両の前寄り1~7番席までが指定席扱いになっています。

該当座席はそれを示す枕カバーで区別されています。

 

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2700系普通車のシートピッチは980mm。 普通車でも全席の肘置きにコンセントの差込口が内臓されており、

単線非電化区間を走るローカル特急としては異例ともいえるハイスペックなシートといえそうです。

 

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発車前の車内から眺める高知駅前。

高架化により広くなった駅前広場には路面電車「とさでん」が乗り入れており、

雨の日もほとんど濡れることなくJR との乗り継ぎができるようになっています。

 

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8:20。

定刻に高知駅を発車した列車はしばらく高知市街地の高架を進みます。

高架線上には単線一面の入明駅、円行寺口駅が設けられています。

 

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高架区間が終わると、8:24最初の停車駅である旭駅に停車。

旭駅を発車すると高知市街地を貫流する鏡川を渡ります。

 

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旭駅から4分。高知大学最寄りの朝倉に停車。

特急列車らしからぬ頻度で駅に停車しますが、旭、朝倉とも一定の乗車が見られました。

 

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朝倉駅を発車した列車は、次の枝川駅にかけて小さな峠を越えます。

並行して峠を越える県道には「とさでん」の単線軌道が延びており、土讃線と交差する付近には咥内電停が設けられています。

高知市の中心地では日中でも4~5分毎に運転される「とさでん」の路面電車ですが、この付近では最近の減便で日中40分に1本程度まで運転間隔が広がってしまいました。

 

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8:33伊野駅に停車。

「とさでん」との並行区間はここまでで、土讃線の普通列車の一部もここで折り返します。

 

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伊野駅を発車した列車は、愛媛高知県境の山中に端を発し太平洋に注ぐ仁淀川を渡ります。

仁淀川は水質の良さで知られる四国を代表する川の一つです。

 

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高知市周辺の市街地を抜けた列車は、時折120km/h に達する俊足を披露しますが、

今回のしまんと1号の乗車区間である高知~窪川間72.1km 全体で見れば、所要時間66分で平均時速は65.5kmと振るいません。

平行する高速道路が宿毛まで延びた今、所要時間面でマイカーに対して優位に立てないのは将来への不安材料ではあります。

 

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8:47。佐川駅に到着。

 

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佐川駅ホームに向けられたバス乗り換えの案内看板。

かつては高知と松山を結ぶ特急バス「なんごく」号が駅前に立ち寄っていました。

「なんごく」号が高速道路経由に変更されたあとも、2つの路線バスを乗り継いで同じ経路で松山まで行くことができましたが、

近年になって路線の短縮で松山への道は断たれてしまいました。

 

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佐川駅を発車すると、しばらく田園風景の中を進みます。

かつては温暖な気候を生かした二毛作で知られた高知の農業ですが、

現在では、6月に入っても田植えから間もないと思われる水田の風景が車窓に流れます。

 

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9:00。

高知から40分で土讃線高知以西では最大の拠点須崎駅に到着。

線路の奥に見える鉄柱の間には鉄線が張られています。

近い将来発生すると予想されている南海トラフ地震などによって津波が発生した際、水流はとめられませんが、津波に巻き込まれて流れてくる大型の漂流物を食い止め、駅や街の被害を減らす効果が期待されています。

 

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須崎から先の区間、列車は田園風景から一転、太平洋に沿って走りますが、

海のすぐそばまで山が迫りトンネルも少なくありません。

 

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窪川までの乗車区間では最後の停車駅、土佐久礼に到着。

土佐久礼の一つ高知寄りの駅名は「あわ」となっています。

漢字では「安和」となるのですが、同じ四国の徳島県内には旧国名を冠した「あわ○○」を名乗る駅が多数ありますが「あわ」駅はここが唯一です。

 

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高知から約1時間、列車は窪川駅に接近。

 

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窪川に到着。

窪川駅は高松の西約30kmの多度津駅から四国山地を越え高知県に至るJR土讃線の終点にあたり、

この先、中村方面は第3セクター土佐くろしお鉄道の路線となります。

短い停車時間の間に、JR四国からオーシャンブルーの制服姿の土佐くろしお鉄道の乗務員に引き継がれた特急しまんと1号は、9:27、終点の中村に向けて発車していきました。

窪川から中村までは43km 、37分の道のりです。

 

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なお特急は高知方面から中村・宿毛方面へ直通しますが、普通列車はここで乗り換えとなるため、

JRの窪川駅に隣接して土佐くろしお鉄道の普通列車が発着する駅とホームが独立して設けられています。

 

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JR 窪川駅舎。

付近は高知県高岡郡四万十町の中心で、駅に隣接して四万十町役場の庁舎が立っていました。

 

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窪川駅から先、土佐くろしお鉄道で一駅の若井駅から分岐するJR予土線経由の普通列車で愛媛県の宇和島へ向かう予定でしたが、

窪川駅10:43発の乗車予定便に充当される「鉄道ホビートレイン」車両が、

車両点検のため一般車両で代走となることを窪川駅到着時の車内放送で知りました。

 

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代走の一般車両。

JR予土線は清流四万十川に沿って伸びるローカル線で、車窓も美しく一般車両でも楽しめる路線ではありますが、

今回は旅程を変更し高知方面へ戻ることにしました。

 

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 最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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【ロングラン特急】スーパーおき3号乗車記(鳥取9:29→新山口14:41)

f:id:nishiuraexp:20210504214349j:plain五月晴れの気持ち良い朝を迎えたJR西日本鳥取駅前。

今回はここから特急スーパーおき3号に乗車し新山口へ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20210504214544j:plain鳥取駅改札口上の発車表示。

特急スーパーおき3号は始発の鳥取駅を9:29に発車し、益田まで山陰本線を下ったのち山口線に入り、終点の新山口に14:41に到着します。

 

f:id:nishiuraexp:20210503092750j:plain時刻表の地図で特急スーパーおき3号の走行経路を確認してみました。

近畿地方に隣接する鳥取から九州手前の新山口まで378.1km。

東京~名古屋に匹敵する長い道のりです。

 

f:id:nishiuraexp:20210504214629j:plain鳥取駅改札近くに店を構える駅弁屋さん「アベ鳥取堂」。

昼食時間帯を挟み終点まで5時間を越えるロングランとなるスーパーおき3号ですが、車内販売はなく途中の駅で食料を調達できるような長時間停車もありません。

長距離乗車の場合は事前に飲料や食事の購入が必須です。

 

f:id:nishiuraexp:20210504214722j:plain9:15頃、米子方から入線したスーパーおき3号。

キハ187系普通車のみの3両編成です。

キハ187系は山陰本線の島根県・鳥取県内区間の高速化事業に合わせ製造・増備された車両です。

外観こそ特急車両としては地味ですが、エンジンの出力はJRの気動車ではトップクラスを誇り最高時速は120km/h 、加速も国鉄時代の電車特急を上回る性能を持っています。

 

f:id:nishiuraexp:20210504214810j:plainスーパーおき号車内。

 

f:id:nishiuraexp:20210504214904j:plain特急列車の普通車としては標準的なシートピッチが確保され、前席背面と肘掛けに大小のテーブルが備えられているなど、長時間の乗車でも身体的な苦痛を感じることはなさそうです。

ただしコンセントはありませんので、必要に応じて事前の充電など対策しておいたほうが良さそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20210504214936j:plain スーパーおき号の走行区間の大半は単線です。

9:27。隣のホームにスーパーおき号と同型車両で運転されるスーパーまつかぜ号が到着すると、間もなく出発時刻を迎えます。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215015j:plain鳥取駅を定刻に発車したスーパーおき号はおよそ4分で最初の停車駅「鳥取大学前」に停車。

単線一面の小さな駅ですが、鳥取県内では鳥取・米子・倉吉に次ぐ利用者数第4位の駅であり、

あまり知られていませんが、鳥取空港まで徒歩15分でアクセスすることができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215056j:plain宝木~末恒間で海側の車窓に見える水面は水尻池といい、渡り鳥の越冬地として知られているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215127j:plain10:00。鳥取県第3の都市「倉吉」着。

隣のホームでは10:13発の京都行スーパーはくと6号が発車を待っています。 

スーパーはくと号の流線型の先頭形状は外観上のデザインだけでなく、

智頭急行線内の単線トンネルに高速で進入する時にトンネル内の気圧変化を緩和する実利的な役目も担っています。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215206j:plain自由席車両のデッキにはささやかなフリースペースがあり、マガジンラックには地元を走る観光列車「あめつち」や「奥出雲おろち」号のパンフレットが並んでいました

 

f:id:nishiuraexp:20210504215335j:plain海側の自席を離れデッキに移動したのは、山側の車窓に見える西日本を代表する秀峰「大山」を写真におさめておきたかったからです。 

本日は残念ながら山頂周辺に雲がかかっていました。

山陰本線から眺める大山は、春先の季節が最も美しく見える日が多いのではないかと思っています。

 

f:id:nishiuraexp:20210808191540j:plain 参考 2019年3月。快速とっとりライナー車内から撮影した大山。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215419j:plain反対の海側に目をやると日本海越しに境港や米子空港などが立地する弓ヶ浜半島が見えていました。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215515j:plain鳥取から92.7km 。大阪~姫路を若干上回る距離を、行き違い待ちを含め67分で駆け抜け、10:36米子に到着。

山陰本線の単線非電化区間ですが、ここまでの走りは京阪神の新快速と遜色ありません。

米子駅は、2022年度にかけ南口新設などの改良工事が行われており、国鉄時代からの立派な駅舎は間もなく姿を消す予定です。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215612j:plain米子を発車すると安来に連続停車。

列車は米子~安来間で県境を越え島根県に入りました。

 

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f:id:nishiuraexp:20210504215735j:plain11:00松江着。スーパーおき号は鳥取・松江・山口と3つの県庁所在都市を結んでいますが、

車窓から見る駅周辺の賑わいは松江が他の2都市より一歩リードしている印象です。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215827j:plain松江を発車すると列車は宍道湖の湖岸を走行します。

 

f:id:nishiuraexp:20210504215933j:plain宍道湖畔の玉造温泉駅に停車したのち、荘原駅に運転停車し対向列車待ち。

列車は宍道湖に注ぐ斐伊川を渡り出雲市の市街地へと進みます。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220013j:plain11:28頃、対向列車待ちで5分程遅れて出雲市駅に到着。

隣のホームでは11:34発の特急やくも16号岡山行が発車を待っていました。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220230j:plainさて出雲市駅を発車した時点で鳥取から2時間が経過、そろそろ昼時。

乗車前にアベ鳥取堂で購入した駅弁「あご寿し」を開封することにします。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220309j:plain包み紙には、

当地鳥取では美しい日本海を飛びながら泳いでいる飛魚のことを「あご」と呼び春の味覚としてあっさりした味で親しまれています。(抜粋)

と文章が添えられていました。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220351j:plainあご寿司を口に運ぶうち、車窓には“宣伝に偽りなし”の「美しい日本海」が広がりました。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220448j:plain11:50頃大田市着。

出雲市以西の山陰本線は特急や快速アクアライナーの利用が中心で、

利用が少ない普通列車には、鳥取県内では見られなかった閑散路線向けの小型ディーゼルカーキハ120も使われています。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220548j:plain大田市発車後の車窓。

当地特有の石州瓦を載せた日本家屋の向こうにエメラルドグリーンの日本海が広がります。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220628j:plain江の川を渡り江津駅に接近。

江の川は延長184kmの中国地方を代表する大河で、広島市街地を流れ瀬戸内海に注ぐ太田川水系との分水嶺は、三次よりも南、広島県安芸高田市にあります。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220712j:plainその江の川に沿って路線を伸ばし、ここ江津と広島県北部の要衝三次を結んでいた三江線は2019年に108.1kmの全線が廃止されました。

長年、三江線との乗り換え駅であった江津駅は広い構内を有していますが、

今となっては持て余し気味のようにも感じられます。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220750j:plain江津駅を発車後も石州瓦の家屋と日本海の風景が続きます。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220855j:plain12:30。島根県西部の要衝「浜田」に到着。

駅前には市街地が広がっている様子がうかがえます。

出雲市以西の島根県内主要特急停車駅の都市規模を見ると、江津市が2万人台、大田市が3万人台、益田市が4万人台であるのに対し、浜田市は唯一5万人を越えています。

かつてはサンライズ出雲の前身とも言える寝台特急出雲号の終着駅となっていたほか、駅前からは浜田自動車道経由で広島とを結ぶ高速バスが1時間毎に発車しています。

 

f:id:nishiuraexp:20210504220934j:plain浜田からしばらくの間、山陰本線は日本海の波打ち際を走行します。

車窓を写した写真を見返すと海水浴場に立って写した写真のようにも見えます。

鳥取発車からすでに3時間が経過し、新山口までの長い道のりもすでに折り返し地点を過ぎています。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221020j:plain前方に島根県西端の街、益田の市街地が見えてきました。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221056j:plain13:04益田着。益田では浜田以上のまとまった下車が見られました。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221138j:plain益田で下車した人の半数程度は山陰本線長門市行の普通列車に乗り継いだようです。 

スーパーおき号は当駅で山陰本線と別れ山口線に入ります。

益田以西、山口県内の山陰本線には平成17年まで特急いそかぜ号が走っていましたが、現在は普通列車のみの運転となっています。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221223j:plain益田を発車し、山陰と山陽を結ぶ陰陽連絡線の一つである山口線に入ると海岸線から一転、川に沿って南下します。

線路に平行する川は高津川で、分水嶺を越えると、山口県南部の第3セクター鉄道「錦川鉄道」の沿線へ抜けることができます。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221307j:plain山口線に入り最初の停車駅「日原」に停車。

先述の錦川鉄道は国鉄のローカル線「岩日線」を引き継いで開業しましたが、その路線名が示すように、元は岩国とここ日原を鉄道で結ぶことが想定されていました。

未成のまま途中の錦町止まりとなったうえ、国鉄路線としては廃止され3セク化というと、聞こえは良くないかもしれませんが、

人口の都会への流出とモータリゼーションが進行した昭和後半の時代の流れの中で建設された地方ローカル線のなかには、

開業後もあまり利用されることなく短命で廃止されたものもあり、その中には先述の三江線の一部区間も含まれます。

岩日線の辿った歴史は、結果から見れば、その時代ごとの賢明な判断の積み重ねであったとも言えそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221428j:plain13:37津和野に到着。

津和野は小京都とも言われる古い街並みが人気の観光地で、益田で一旦空いた列車は、ここから新山口方面へ向かう利用者で自由席車両は再び窓側の席が埋まる程度の乗車率になりました。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221512j:plain津和野駅を発車した列車は盆地に位置する津和野の市街地を見下ろす登り勾配にさしかかります。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221550j:plain徳佐駅で対向のスーパーおき4号鳥取行と行き違い。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221623j:plain山口線内の車窓。

長閑な里山と田園の風景を眺めるうち、列車は山陰から山陽へと歩を進めます。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221706j:plain宮野駅を通過するあたりから沿線は市街地になり、

 

f:id:nishiuraexp:20210504221739j:plain14:28。山口駅に進入。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221819j:plain山口市は山口県の県庁所在地です。

スーパーおき号が結ぶ、鳥取・松江・山口の3県庁所在地の人口はいずれも20万人程度で、人口の多い順では松江が44位、山口が45位、鳥取が46位となっています。(H22国勢調査データ)

 

f:id:nishiuraexp:20210504221856j:plain14:32最後の停車駅「湯田温泉」を発車。

 

f:id:nishiuraexp:20210504221931j:plain湯田温泉から山口市内の市街地を走ること10分弱。

終点新山口到着の車内放送が流れると、山口線の気動車が休む車両基地の向こうに、三江線全線開通と同年の昭和50年に開業した山陽新幹線の高架が見えました。

県庁所在都市の人口は同程度でも、歴史的・地理的な経緯から山陰の山陽の交通インフラの水準には大きな差があることを実感する光景です。

 

f:id:nishiuraexp:20210504222026j:plain山陰本線での遅れはいつの間にか回復していたようで、スーパーおき3号は14:41定刻に新山口駅に到着しました。

今回は天候に恵まれたこともあり、車窓の海や山の美しさに見入るうち、退屈する暇もなく5時間が過ぎてしまったというのが、新山口駅に降り立っての感想です。

 

f:id:nishiuraexp:20210504222115j:plain新山口駅新幹線側駅舎。

 新山口駅所在地の住所表記は今年2月に元号を意識した「小郡令和1丁目」に変更されています。

小郡駅が新山口駅に改称されたのは平成15年のことですが、小郡の字はしっかりと新しい時代に引き継がれたようです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 
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【展望席は自由席】783系特急みどり18号乗車記(佐世保13:41→新鳥栖→博多15:31)

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JR九州佐世保駅。

 

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「みんなの九州きっぷ」を使った九州鉄道旅行。

締めくくりは、佐世保13:41発の特急みどり18号で博多へ向かいます。

 

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13:27。博多から特急「みどり9号」として佐世保駅に到着した783系4両編成。

783系は1988年3月にJR グループで最初の新型特急車両としてデビューしました。

出入口を車両中央に設け1両を2つの客室に区分するなど他に見られない特徴があります。

 

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到着した車両は、短時間で車内清掃と座席転換作業が行われ、折り返し博多行「みどり18号」となります。

 

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車内清掃が終了し乗車。

佐世保駅では最後方の車両となる8号車自由席の一番後の座席に陣取りました。

4両編成なのに8号車というのは、佐世保を発車して最初の停車駅「早岐」で特急ハウステンボス号と連結する日・列車があり、

その場合、ハウステンボス号が1~4号車となるため、それに合わせたもののようです。

ハウステンボス号連結のない乗車日の18号は終点博多まで5~8号車のみの4両編成での運転となります。

 

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13:41定刻に佐世保駅を発車。

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佐世保を発車し次の早岐までは交通量の多い幹線道路と並び市街地を進みます。

 

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次の停車駅「早岐」で8分停車ののち、進行方向を変えて発車。

ここからは佐世保駅で陣取った最後方の自由席が前面展望席となります。

なお早岐駅での進行方向転換は、現在の佐世保線・大村線ルートが博多~長崎を結ぶルートとなっていた名残りで、

有明海沿いを進む現在の長崎本線開業後、肥前山口~早岐~佐世保が佐世保線。早岐~諫早が大村線に改称され現在に至っています。

 

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早岐駅構内。

左側が佐世保方面から到着した線路。

右側の鳥栖方面へ進みます。

 

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佐世保線は全線が単線です。

早岐の次の三河内駅では、対向の「みどり11号」と行き違いのため運転停車。

 

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三河内駅を発車してしばらく、単線の佐世保線に左から非電化の松浦鉄道の線路が合流すると、

前方に有田焼の窯元の煙突が多数見え、間もなく有田に到着します。

 

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14:14有田着。

乗車日の「みどり18号」は日曜日の午後に博多へ向かう列車とあって、

各停車駅からまとまった乗車があり、コロナ下の空いた列車に馴れていた身には活気が感じられました。

 

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曲線区間に設けられたホームの桜が美しい上有田駅をゆっくりと通過。

 

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最高時速130kmの性能を誇る783系ですが佐世保線の最高時速は95km。

全体に曲線が多く、その最高速度に届く区間も多くありません。

 

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列車は武雄の市街地に入り高架に上がりました。

右手には間もなく開業する真新しい西九州新幹線(長崎新幹線)の高架が寄り添います。

 

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西九州新幹線( 長崎新幹線)の始発駅となる武雄温泉駅に進入。

バリケードが設けられている線路に博多からの在来線特急が入り、同じホームの向かい側で長崎行の新幹線に乗り継げるようになるようです。

 

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博多から長崎へ向かうために、ここでの乗り換えが必要となる背景には、様々な経緯がありますが、

新幹線開業後は、九州内の駅や列車内でけでなく、山陽新幹線の車内でも「武雄温泉」の駅名が毎日アナウンスされることになりそうで、地元にとっては活性化の絶好の機会かも知れません。

 

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全線単線の佐世保線ですが、新幹線と接続し長崎へのメインルートに「返り咲く」ことになった武雄温泉~肥前山口間では現在複線化工事が進められています。

 

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「ハウステンボス号」を併結し1~8号車まで揃った「みどり・ハウステンボス13号」と行き違い。

 

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佐世保から約1時間。

14:43着の肥前山口で佐世保線区間は終わり、ここからは長崎本線に入ります。

向かいのホームには長崎行特急「かもめ23号」が停車中で乗り換えの便が図られていました。

長崎行特急「かもめ号」の運転も西九州新幹線の開業を以て終了となる予定です。

 

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肥前山口から鳥栖方面の長崎本線は複線で、佐世保線区間に比べ直線区間が多くなります。

 

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運転台のスピードメーターの針は最高時速の130km に迫ろうとしています。

 

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唐津線の上下列車が停車中の久保田駅を高速で通過。

 

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14:53佐賀駅着。

佐賀駅からの乗車で自由席は満席になりデッキに立つ人の姿も。

終点博多までは約40分の距離です。

 

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佐賀からも高速運転が続きます。

中原では中線に停車中の先行の普通列車を追い抜き。

 

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佐賀から10分少々で線路を横断する九州新幹線の高架線と新鳥栖駅が見えてきました。

 

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15:06新鳥栖着。

終点博多まで乗り通すつもりでしたが、九州新幹線も含めて乗り放題の「みんなの九州きっぷ」の恩恵を最大限に活用すべく、ここで下車し九州新幹線に乗り継いで博多へ向かうことにしました。

 

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新鳥栖駅には新幹線と在来線の乗り換え改札はなく、一旦改札外へ出ての乗り換えとなります。

 

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在来線の改札口と新幹線の改札口は向き合っており、動線には無駄がありません。

 

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改札外へ出る機会を得たので駅前へ出てみましたが、駅舎の立派さに比して駅周辺に店舗などはほとんど見当たりません。

 

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駅に戻り12分接続の15:18発の「つばめ320号」博多行に乗り継ぎます。

新鳥栖には「こだま」に相当する「つばめ」とひかりに相当する「さくら」が停車し停車列車は1時間に3本~4本が確保されています。

 

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螺旋状になった高架ホームへの階段。

 

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新鳥栖駅新幹線ホーム。

「みんなの九州きっぷ」利用者が多かったのか、筆者と同じように、みどり号から乗り継いで博多へ向かう客が少なくなかったようです。

 

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入線する「つばめ320号」。

九州新幹線内のみで運転される800系6両編成です。

 

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800系の車内は、座席背面が木製であるほか日除けにも個性が感じられます。

 

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15:31。わずか13分で終点の博多に到着。

佐世保からだと乗り換え時間を含め1時間50分での到着です。

 

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博多到着後、在来線乗り換え改札口を通り、新鳥栖駅まで乗車した「みどり18号」が到着するホームへ行くと、ちょうど列車が入線するところでした。

「みどり18号」の博多着は15:34。

「3分しか違わない」のか、新鳥栖駅での乗り換え時間が12分もあったにも関わらず博多に先着する新幹線は「やはり速い」のか、捉え方は様々だと思いますが、

他のJR各社と違い九州新幹線と在来線特急を乗り継いでも乗り継ぎ割引は適用されず料金が割高になることから、余程急いでいない限り、みどり号と九州新幹線の新鳥栖乗り継ぎに実用性はなさそうです。

 

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博多に到着した「みどり18号」の車両は折り返しの佐世保行に供されることなく、しばらくホームに停車したのち車庫に引き揚げるようです。

 

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みんなの九州きっぷ(北部九州版)の2日の有効期間を最大限に活用して、

昨日の博多駅から特急ゆふいんの森→(別府)特急あそぼーい→(熊本)九州新幹線みずほ→(博多)特急かもめ→(諫早)快速シーサイドライナー→(佐世保)特急みどり→(新鳥栖)九州新幹線つばめ→(博多)

と乗り継いで来た今回の旅行もここ博多で終点です。

筆者も鉄道旅行者としては回送扱いとなり福岡空港から帰路につきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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大村線快速シーサイドライナーと千綿食堂訪問(諫早10:42→千綿→佐世保12:58)

 

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博多8:52発の特急かもめ9号に乗車。

10:34に諫早駅に到着しました。

今回はここで大村線の快速シーサイドライナーに乗り継ぎ佐世保方面へ向かいます。

 

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国鉄型気動車66・67系での運転の諫早10:42発の大村線経由佐世保行の快速シーサイドライナー。

大村線はここ諫早と早岐を結ぶ47.6km の路線ですが、

広域的には長崎と長崎県第2の都市佐世保を結ぶ機能を担っており、

ダイヤ上も1時間ヘッドで長崎と佐世保を直通する快速シーサイドライナーがメインとなっています。

 

f:id:nishiuraexp:20210413150547j:plainキハ66.67系快速シーサイドライナー車内。

九州新幹線を含む九州内の特急列車乗り放題の「みんなの九州きっぷ」を使った今回の九州旅行では唯一の快速列車乗車となりました。

大村線には快速と普通しか走っていないので他に選択肢はないのですが、これはこれでよいアクセントになります。

北九州地区の快速列車用として昭和49年にデビューしたキハ66 67系は、

「急行列車への使用も考慮し2人掛の転換クロスシートが採用された」などと説明されることが多いのですが、

デビュー当時にはまだ全国で活躍していた急行列車のほとんどは、4人掛けボックスシートだったはずであり、当時としては画期的な車両だったに違いありません。

 

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諫早から約10分で大村駅に到着。

大村市の人口はおよそ10万人。大村線沿線最大の都市で長崎空港も駅から数キロの海上に立地しています。

始発の長崎から乗車していたと思われる多くの乗客がここで下車しました。

 

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大村を発車した列車は竹松、松原と市街地の駅に停車したのち、大村湾の海岸線に出ました。

 

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諫早から快速シーサイドライナーの終点佐世保まで乗り通すと1時間20分ほどですが、

今回は大村湾の波打ち際に位置する千綿駅で途中下車することにしました。

 

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一見すると昭和3年の駅開業時のままの姿のように見える千綿駅舎ですが、調べて見ると平成に入ってから改築され現在の姿になったようです。

 

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千綿駅は無人駅で、現在駅舎内ではカレー専門店「千綿食堂」が営業しています。

 

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まだ昼前でしたが店内の10席程度の座席は埋まっており、注文のあとしばらくホームで待つことに。

車で来店した客は駐車場に車を止め車内で待つようですが、

列車の切符を持っている客が駅舎に入れないことに疑問を感じなくもありません。

コロナの感染防止のための一時的な措置かもしれませんが、真夏、真冬、雨天の日などに列車で訪問する場合は注意が必要です。

 

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20分程で先客が退店し駅舎内へ。

駅事務室内は厨房に改造されていますが、客が利用する部分の改造は最小限に留められているようで、

まさに古い駅の待合室にテーブルをおいて食事をする。といった感覚です。

 

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カレー。

専門店のカレーというとスパイシーな味を想像しますが、マイルドな味わいで、見た目も「映える」おすすめの一品です。

 

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待ち時間と食事の時間をあわせて到着から50分程度。

良いタイミングで千綿駅まで乗車した便の次便の千綿駅発12:08の快速シーサイドライナーに乗り継ぐことがてきました。

なお便宜上「快速」シーサイドライナーと言っていますが、

朝夕に運転される厳密な意味での「快速」シーサイドライナーは千綿駅には停車しません。

日中の快速シーサイドライナーについては2018年のダイヤ改正で竹松以北が各駅停車の「区間快速」に変更されたことで千綿駅にも停車するようになりました。


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手入れされた花壇の花に駅前の桜、文字通り花いっぱいの小串郷駅。 

この駅も従来の快速シーサイドライナーは通過していました。


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 大村線の終点早岐の一つ手前のハウステンボス駅。

オランダの街並みをイメージしたテーマパークの一部を車窓から眺めることもできます。

ちなみに目の前を流れているのは川ではなく海の一部で、大村湾はこの狭い海峡を介して外海と繋がっています。


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12:38早岐駅に到着。

大村線の終点にあたり、快速シーサイドライナーはこの先佐世保線に乗り入れ終点の佐世保へ向かいます。

隣のホームに停車中の列車は佐世保線上りの鳥栖行普通列車です。

現在でも長崎県の2大都市を結ぶ重責を担う大村線ですが、

有明海沿いを進む現在の長崎本線が開通するまでは、

長崎・諫早→大村→早岐→佐賀・鳥栖・博多のルートの一角として、長崎と博多を結ぶ機能も果たしていました。

 

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早岐からの佐世保線区間は交通量の多い幹線道路と並行しながら市街地を進みます。

 

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千綿駅から50分。

12:58終点の佐世保に到着。

 

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高架の佐世保駅を出た場所からの眺め。

 

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佐世保駅は海に面しており、駅周辺はウォーターフロントの再開発で美しく整備され商業施設も多数立地しています。

 

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海側から見た佐世保駅。

 

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佐世保からは特急みどり号で今回の九州旅行の出発点の博多へ戻りました。

 つづきは近日中に投稿します。


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【4号車がおすすめ】787系特急かもめ9号乗車記(博多8:52~諫早10:34)

 

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 本記事は上に添付の記事の続きです。

 

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日曜日の午前8時半。九州の玄関。JR 九州博多駅。

今回はここから長崎本線の特急かもめ号に乗車し長崎の手前、諫早へ向かいます。

 

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かもめ号は博多と長崎を約2時間で結ぶ特急列車で概ね1時間に2本の頻度で運転されています。

今回はそのうち博多8:52発の9号に乗車します。

 

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かもめ号の車両は振子装置を備えた885系もつかわれますが、

9号は写真の787系7両編成での運転です。

 

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787系かもめ号普通車内。

4号車以外の普通車の車内には、写真のようにリクライニングシートが特急列車としは標準的な間隔で配置されていますが、

 

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787系が、かつて九州新幹線開通前の博多~西鹿児島間を特急つばめ号として走った時代に、

ビュッフェとして使われていた4号車は、同じ普通車でありながら内装が大きく異なっています。

 

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4号車内。

ビュッフェの設備は改造で撤去され、現在は他の車両同様にリクライニングシートが並んでいますが、

 

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側面から見た4号車指定席の座席。

ビュッフェ時代からの大きな窓はそのまま残され、その窓にあわせて座席が配置された結果、グリーン車標準の1160mm を上回る1200mm という普通車としては破格の広いシートピッチになっています。

 

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天井はビュッフェ時代の間接照明が残され、これも他の車両とは違った華やかな雰囲気を醸しています。

天井の造作を残した影響か、4号車のシートは座席上の荷物棚がなく、コートかけや足元スペースを利用することになりますが、シートピッチの広さをかんがえれば不便はないでしょう。

 

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4号車の一部は写真のような4人掛コンパートメント席になっています。

ビュッフェ車両として営業していた当時は空席で購入したメニューを食べることもできました。

今回の九州旅行ではJR九州がD&S 列車として売る観光特急「ゆふいんの森」号や「あそぼーい」号にも乗車しましたが、

コロナ下の現在でさえ観光に都合のよい時間帯の便は混雑し、車窓を求めて窓側の席を予約すると、

車内の売店・ギャラリーやロビーなどへ向かう際にも、通路側に座っている人に気遣いながらという状況がありました。

787系・885系問わず、かもめ号には車内売店も車内販売もありませんが、

余裕のある乗車率で、広い座席に腰掛け、ゆったりと車窓を楽しむことができた「787系・かもめ号」のほうが、鉄道旅行慣れした筆者には、満足度が高かったというのが正直なところです。

 

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博多を定刻に発車し福岡近郊の鹿児島本線を下ること約20分。

佐賀県に入り鳥栖駅に到着。

福岡(博多)~大牟田間で鹿児島本線と並行する西鉄天神大牟田線が福岡県内だけを通るのに対し、

鹿児島本線が佐賀県に入るのは長崎までの距離を少しでも縮める意図もあったのでしょうか。

 

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鳥栖駅の南で熊本方面へ向かう鹿児島本線から分岐し長崎本線へ。

 

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鳥栖から3分ほどで九州新幹線接続の新鳥栖に停車。

博多から九州新幹線で1駅のここ新鳥栖まで来て、かもめ号に乗り換えるほうが佐賀・長崎方面への所要時間短縮になる場合もありますが、

乗り継ぎ割引が適用されないこともあり、そうした利用は少ないようです。

 

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9:31。博多から39分で佐賀駅に到着。

自由席車両を中心に大勢が下車しました。

博多~佐賀の距離53.9km は、東京・大阪から西へ向かうと概ね藤沢・明石に相当します。

フリーゲージトレインの開発頓挫で新鳥栖と長崎を結ぶ長崎新幹線のうち佐賀県区間(新鳥栖~武雄温泉)の将来が見通せない状況になっていますが、

佐賀県はフリーゲージトレインに代わるフル規格新幹線の建設によって博多~佐賀間の所要時間が20分程度に短縮されるメリットよりも、

並行在来線問題や建設費負担などのマイナス面に着目し県内区間のフル規格新幹線の建設に反対の立場をとっています。

 

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佐賀の市街地を抜けると最高速度の130km/h に迫る高速運転で佐賀平野の田園地帯を駆け抜けます。

 

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駅名が変更されることになった肥前山口で佐世保線が分岐、

次の停車駅、肥前鹿島を発車すると次は諫早まで停まりません。

肥前鹿島からの区間、列車は有明海の海岸線をすすみます。

指定席車両の場合A B 席側が海側席になります。

海岸沿いの線路は急曲線がつつき、振子式の885系との所要時間差が開く区間のようにも思われますが、

単線で行き違い待ちがあることもあり、時刻表で787系で運転される列車と885系で運転される列車の肥前鹿島~諫早間の所要時間を見ると、日中はいずれも40分程でほとんど差がないことがわかります。

 

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長く続いた海岸線区間が終わり、佐賀以来の大きな市街地が車窓に見えると間もなく諫早に到着します。

 

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 10:34諫早着。

あと20分程乗車すると終点の長崎ですが、今回はここで下車し、大村線の快速シーサイドライナーに乗り継ぎました。

つづきはこちらです。

 

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