西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

特急あそぼーい乗車記(別府15:12→熊本18:29)

 

 

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 本記事は上に添付の記事の続きです。

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JR九州別府駅。

今回は別府始発の特急「あそぼーい」号で熊本へ向かいます。

 

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別府駅3番線に入線した特急「あそぼーい」号。

 

 

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「あそぼーい」号は4両編成のディーゼル車で、両端の1号車と4号車の運転台を屋根上に設け、先頭部分をパノラマ席としているのが最大の特徴です。

 

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パノラマ席内部。

3席×3列の9人分の座席があります。

後方席からの展望を考慮してか、背もたれは低く、掛け心地の点では他のシートに一歩譲るかもしれません。

 

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パノラマ席以外にも多彩な座席が用意されています。

2号車の一部はテーブルを囲む4人ボックス席になっています。

 

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3号車の中央部は、

大人用の普通サイズのシートと幼児用の小さなシートが対になった「白いくろちゃんシート」。

 

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同じく3号車の車端寄りでは売店「KURO CAFE」 が営業しています。

商品はコーヒーだけでなく弁当・アイスクリームなど多彩なラインナップで、販売カウンターの一部は子供向けに低くなっています。

 

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3号車反対側の車端には幼児向けのフリースペースがあります。

 

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4号車は一般座席と暖簾で区分けされたパノラマ席部分で構成されています。

暖簾に描かれた子猫は売店の名前にもなっているこの列車のイメージキャラクター「KURO 」で、

車内の至る所にその姿をみることができます。

 

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4号車のパノラマ席の後ろはソファーを配したラウンジ。

3号車の幼児向けフリースペースに対しこちらは大人が一服する場所というイメージです。

 

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多彩なシート・設備が魅力の「あそぼーい」号ですが一般的な2人掛のリクライニングシートも多数あります。

なお「あそぼーい」号の座席はいずれも指定席で自由席の設定はありません。

 

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別府駅を発車した列車は次の大分まで別府湾に沿って走ります。

 

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別府湾の海岸に立つ水族館「うみたまご」。

車内では早速、客室乗務員さんから観光案内の放送が入ります。

 

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別府から約10分で大分に到着。

大分からの乗車が多くほぼ満席になりました。

 

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大分駅を発車すると宮崎方面へ向かう日豊本線と別れ、豊肥本線に入ります。

 

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豊肥本線は阿蘇山地を乗り越え九州を横断する路線で、大分~熊本間の営業距離は148kmあります。

 

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16:01三重町。

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16:25豊後竹田。

大分近郊の街の駅にこまめに停車しますが乗降客は僅かでした。

途中、中判田までは1時間に2本程度、豊後竹田までは1時間に1本程度普通列車が運行されているため、

「あそぼーい」号の乗客の多くは阿蘇観光の拠点阿蘇駅などへ向かう観光客と、

大分~熊本の都市間移動の用務客のようです。

 

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阿蘇山地への上り勾配を登る列車のパノラマ席を覗いて見ましたが、

大きな窓の内側に結露が生じて前が見えづらくなっているのが気になりました。

 

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2号車の売店「KURO CAFE 」のカウンターにあった乗車記念カード。

 

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豊後萩駅でしばらく停車し別府行の九州横断特急3号と行き違い。

「あそぼーい」号は土日祝日など特定日のみ運行で、

それ以外の平日は「九州横断特急84号」として、同じダイヤで写真の車両を使って運転されています。

 

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宮地駅付近から列車は阿蘇外輪山の内側を通ります。

左手に阿蘇五岳を望む区間ですが、雨天の本日は裾野すらほとんど見えず、車内放送での観光案内も省略されたようです。

 

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阿蘇外輪山の内側には5万人が暮らす。と昔教わった記憶がありますが、

この付近の豊肥本線の車窓は北海道の原野を思わせるものです。

列車は宮地・阿蘇・赤水の各駅に停車。

阿蘇観光へ向かう乗客が下車していきます。

 

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赤水駅を発車後、急な下り勾配に差し掛かると、

大分から100km以上走ってきた豊肥本線の線路は唐突に行き止まりになっています。

 

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減速・停車した列車の車内では客室乗務員さんがボードを掲げてスイッチバックの案内。

標高467mの赤水駅から次の標高277mの立野駅まで、約6kmで190mの高低差があり、

勾配に弱い鉄道は進行方向を変えることで効率良く高度を上げ下げしています。

列車がスイッチバックを行うこの付近は、阿蘇外輪山の狭い切れ目にあたり、外輪山内外を行き来する道路も線路に平行して狭い谷間を抜けています。

 

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立野駅に到着。

ここでも進行方向切り替えがあり、しばらく停車します。

立野駅は第3セクター鉄道「南阿蘇鉄道」との分岐駅ですが

南阿蘇鉄道は熊本地震の被害により未だ立野駅への乗り入れができない状況が続いています。

現在2023年の復旧を目標に工事が進められています。

 

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立野駅からは進行方向を元に戻す形で写真左手方向の線路へと進みます。

 

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立野から坂道を下り肥後大津に到着。

肥後大津駅は熊本空港から車で15分程度と近く、

空港アクセス輸送を担う「阿蘇くまもと空港ライナー」も駅前から運転されています。

 

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武蔵塚駅で対向列車との行き違い待ちのため数分停車。

肥後大津から熊本までは電化されており、単線ながら普通列車が約20分間隔で運転されています。

阿蘇の雄大な風景から一転、車窓は市街地が続きます。

 

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18:29。日本の西端に近い九州らしく、3月のこの時刻でもまだ明るさが残る終点熊本駅に到着しました。

 

大小のシートが仲良くならぶ「白いくろちゃんシート」やキャラクター「KURO 」に代表されるように、

子供連れの利用を強く意識したと思われる「あそぼーい」号ですが、

子供連れで観光地へ向かう列車に乗車する背景には、

マイカーという選択肢がない、或いはマイカーが使いにくいという状況があると思います。

そして、そういう状況、つまり公共交通が発達している一方、駐車スペースや駐車費用などの面から「車なし」の生活をしている人が、

「どこに」「どれくらいの数」いるだろうか。と考えると、

九州内では熊本や大分といった地方都市よりも福岡周辺が圧倒的に多いのではないか。と思います。

そういう意味では「あそぼーい」号が博多まで乗り入れれば、

この列車が狙う客層によりアプローチできるのではないか。という印象をもちました。

 

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在来線部分も含めて高架化された熊本駅。

間もなくJR 九州系のショッピングセンターが駅前に開業する予定です。

 

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今夜の宿は熊本駅徒歩3分のホテルルートイン熊本駅前。

 

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朝食

 

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翌朝チェックアウト時に撮影。

「みんなの九州きっぷ(北部九州版)」の旅2日目は、熊本から九州新幹線で博多へ向かい、博多から長崎方面の特急かもめ号に乗り継ぎました。

続きは近日中に投稿します。

 

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