西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

ANA783便 (伊丹13:00→長崎14:15)搭乗記。伊丹空港食堂OASIS とANAアプリに見るMaaS

f:id:nishiuraexp:20200810111822j:plain

阪急電鉄伊丹線の終点伊丹駅からバスで到着した、伊丹空港。

今回はANA783便で長崎に向かいます。

出発は13:00。

まだ1時間あるので気になっていた食堂で昼食を済ませることにしました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810111851j:plain

リムジンバス乗り場に面して立つローソンと北ターミナル(写真奥)の間を左におれると、

 

f:id:nishiuraexp:20200810111934j:plain 

一般客が行き交う営業エリアから外れたような光景が広がりますが、

よく見ると奥に黄色い看板がみえます。

 

f:id:nishiuraexp:20200810112010j:plain

カフェ&レストラン「OASIS」の文字。

 

f:id:nishiuraexp:20200810112039j:plain

看板の下まで行くと、およそレストランの入口とは思えない扉があり、

 

f:id:nishiuraexp:20200810112118j:plain 

関係者以外立入禁止とか運客乗務員更衣室などという貼り紙までありますが、

思い切って中へ入ると、

 

f:id:nishiuraexp:20200810112211j:plain

通路の先に「OASIS」の店舗がありました。

入口の物々しさを思えば、店舗周辺は市中の食堂と変わらない雰囲気で一安心といったところです。

空港の食堂というと沖縄の郷土料理を安く食べられる那覇空港の「空港食堂」が有名ですが、

伊丹空港のOASISは那覇の「空港食堂」ほどの知名度はなく、

場所が一般客にはわかりづらいこともあって、

「関係者専用」の社員食堂感が漂っています。

 

f:id:nishiuraexp:20200810112249j:plain

それでも「レストラン」を名乗るだけのことはあって、

入口には食欲をそそる綺麗なサンプルが並んでおり、

しかもメニューの価格を見れば、

かけうどん・そば310円、醤油・味噌ラーメン490円、ビーフカレー510円など、

一般客が利用するターミナルビルの食堂街の概ね半額程度と格安です。

 

f:id:nishiuraexp:20200810112412j:plain 

入口で食券を買い、厨房と対面のカウンターでセルフサービスで皿を並べていくスタイルこそ「社員食堂」のイメージですが、

食事スペースは市中のファミレスに匹敵する雰囲気であり、

また空港関係者の皆さんは仕事柄「交代で昼食」となることが多いのか、

正午前後でも空いていて、ゆっくり食事ができました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810112729j:plain

豚生姜焼き定食は610円。

デザートは入口付近に併設されているカフェで別買いしたものですが、

こちらも格安で買うことができました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810112817j:plain 

さて12:30頃になって搭乗口へ向かいます。

利用するANA783便長崎行は上から3番目。

修行に重宝するような路線ではないと思いますが、

プレミアムクラスは残席僅かの△表示になっています。

 

f:id:nishiuraexp:20200810112958j:plain

今回はコロナ流行後初のANA利用でしたが、

施設の改良工事が進み、プレミアムチェックイン・保安検査のあと、

一般客と合流することなくANAラウンジに入ることができるようになっていました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113030j:plain

伊丹空港ANAラウンジ利用も半年ぶり。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113103j:plain

ラウンジ内ではスタッフの皆さんが頻繁に消毒作業をされていましたが、

サービス内容はほぼコロナ以前と同じでした。

利用者も思っていたより多く、

空港利用者の減少率に比べて、ラウンジ利用者の減少率は低いのではないか。

という印象です。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113134j:plain

ラウンジ窓側席の真下に駐機中の機体が搭乗予定の長崎行の機体であることに気づきました。

離陸方向に見える入道雲は気になりますが、夏らしい風景ではあります。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113400j:plain

ラウンジを出て搭乗口へ。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113502j:plain

優先搭乗はコロナ対策(ソーシャルディスタンスの確保)で中止となり、

後方窓席、後方通路席、前方窓席、前方通路席の順に機内に案内されます。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113540j:plain

機内安全ビデオは通常と変わりませんが、

終了後にCAさんの肉声で「酸素マスクはご自身のマスクを外して(ずらして)からお使い下さい」と追加の案内がありました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113611j:plain

13:00定刻に出発。

減便ダイヤのおかげで離陸待ちもほとんどありません。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113646j:plain

神戸方面の街並み。

このあと右に旋回し瀬戸内海上を西へ進みます。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113724j:plain

姫路付近。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113810j:plain
カメラの望遠機能を使い、市街地の真ん中の緑地の中に姫路城の天守閣を確認することができました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810113914j:plain

水平飛行に入るとドリンクサービスの時間。

紙コップにドリンクを注いでもらうコロナ以前のスタイルに戻っていましたが、

紙コップは見慣れた「NAVITIME柄 」ではなく、

自社の旅行商品の広告が入ったものにかわっていました。

今のタイミングでコップの図柄が変わった理由について、

筆者の個人的な推測に過ぎませんが、思い当たる節があります。

 

f:id:nishiuraexp:20200810114006j:plain

こちらは機内WIFIで起動させたANAアプリの予約確認画面です。

出発の大阪(伊丹)と到着の長崎の文字の下に、

これまではなかった「空港までのアクセスナビ」、「空港からのアクセスナビ」の文字がみえます。

 

f:id:nishiuraexp:20200810114050j:plain

長崎の下の「空港からのアクセスナビ」をクリックすると、

空港からの目的地を入力する画面が現れ、

 

f:id:nishiuraexp:20200810114129j:plain

試しに長崎駅と入力し「検索」を押下すると、

 

f:id:nishiuraexp:20200810114203j:plain

長崎空港到着後、

5番乗り場を14:35に発車する連絡バスに乗車すると15:18に長崎駅前に到着できること、

運賃が1000円であることが表示されました。

 

ネット検索画面で「ANA MaaS」と検索すると、

ANAと京浜急行電鉄、横須賀市、横浜国立大学の名で、

Universal MaaSの社会実装に向けた連携開始について

~誰もが移動をあきらめない世界の実現を目指し2020年度内の実装開始を目指します~   

と謳ったページに行き当たります。

ANAアプリへのアクセスナビ機能付加も、こうしたMaaSへの取り組みの一環と考えて間違いないでしょう。

話を紙コップに戻すと、

これからは「ANAアプリで空港からのアクセスを検索することができますので、そちらを積極的にご利用下さい」

という背景が見え隠れすると同時に、

これまでもただ「漫然とNAVITIME柄の紙コップ 」だったわけではななく、

最近でこそ「MaaS」として注目されるようになった概念が背景にあったのだと気づかされました。

今回、初めてアクセスナビを使ってみた個人的な印象としては、

運賃表示の部分に、SUICAなどのICカードが使えるのか、

使えない場合は、乗車時前払い、降車時払い、事前に切符購入などの別が表示されれば、

事前切符購入の場合をのぞき、もはや到着空港では何も確認することなく、

今回の場合、5番乗り場へ向かえばよいことになります。

そうなると、到着便との接続ダイヤで連絡バスが運行される地方空港では、

航空便到着からバス発車までの余裕時間を切り詰めることができ、

トータルの所要時間短縮によって航空利用の価値も向上するのではないかと感じました。

また「利用の仕方や運行の詳細が分かりにくい」という心理的な障壁がなくなることで、

地方では大都市とを結ぶ高速バスに次ぐ貴重な採算路線になっていることが多いであろう「空港連絡バス」の利用促進効果も期待できそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20200810114412j:plain

福岡県の北岸から九州上空へ。

 

f:id:nishiuraexp:20200810114447j:plain

高度が下がり長崎県諫早市の市街地が見えると最終の着陸態勢となり、

 

f:id:nishiuraexp:20200810114531j:plain

f:id:nishiuraexp:20200810114600j:plain

大村市沖合いの小さな島をベースとして海上に建設された長崎空港に着陸しました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810114641j:plain

長崎空港ターミナルビル。

 

f:id:nishiuraexp:20200810114710j:plain 

2019年1月に名古屋から到着したときは、「ある晴れた日に」のBGM に出迎えられましたが今回はなし。

長崎が誇るご当地クラシックも、到着ロビーで流すのに相応しいかどうかは別問題なのでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20200810114741j:plain

アプリの表示を疑うわけではありませんが、

到着ロビー掲示のバス時刻表を確認すると、

最上段に「5番・先発・14:35・長崎駅前」の表示がありました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810114820j:plain

5番乗り場。

長崎空港の場合は「きっぷうりば」で乗車券を購入してからバスに乗車することが原則のようです。

バス側でも航空と歩調を合わせてMaaSを推進するという観点では、

もっともよいのは全国共通システムのICカード対応だと思いますが、

その投資が難しい場合でも、均一運賃なら乗車時、区間別運賃なら下車時の支払いにするほうが、

遠来の客が航空便から乗り継ぐ場合は、ありがたいかもしれません、

 

f:id:nishiuraexp:20200810114923j:plain

筆者は長崎駅ではなく大村駅へ向かうため、

バスの発車時刻までターミナルビル内を見学することに。

一階は到着ロビーとチェックインカウンター。

チェックインカウンターは、ANA ・ソラシドエア、 JAL 、 スカイマーク、ジェットスター、ピーチが一列に並び壮観でした。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115045j:plain

2階は出発フロアで保安検査場と、

 

f:id:nishiuraexp:20200810115118j:plain

土産物屋や飲食店。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115148j:plain

そして到着利用もできるカードラウンジ「アザレア」があります。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115213j:plain

「アザレア」内部。

ソフトドリンクなどサービス内容は一般的なカードラウンジと同じです。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115239j:plain

f:id:nishiuraexp:20200810115302j:plain

窓側の席からは海上空港らしく海を望むことができます。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115333j:plain

さてラウンジを出て再びバス乗り場へ。

長崎駅など長崎市街地方面は複数の系統がありますが、

長崎市街地・長崎駅までの運賃は1000円均一。長崎駅まで45分程度。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115404j:plain

高速バスタイプの車両での運転です。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115430j:plain

一方、佐世保、諫早・大村、ハウステンボスなどへの路線もあって、

こちらは目的のバス停によって運賃が変わります。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115458j:plain

乗車した大村経由諫早行は路線バスタイプの車両でした。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115524j:plain 

空港ターミナルの前を横切り、

 

f:id:nishiuraexp:20200810115549j:plain

着陸直前に見えた連絡橋をわたると、

すでにそこは大村の市街地で、

 

f:id:nishiuraexp:20200810115618j:plain

空港から約10分で大村駅前に到着しました。運賃は240円です。

航空のMaaS対応を体験した直後に降り立った大村駅前バス停は、

「駅前」なのに一瞬「駅はどこ」と思うような位置にあるのが気になりました。

 

f:id:nishiuraexp:20200810115659j:plain

駅前バス停から駅までは100メートル程度なのですが、

写真のように趣のある古い駅舎の前は、バスが入れないほど狭いというわけでもないようで、

大村駅に限りませんが、人口減少時代に公共交通が生き残っていくためには、

乗り換えの障壁をすこしでも下げる対応が必要なのではないかと個人的に感じました。

大村駅からは長崎新幹線受け入れ準備が進む諫早駅で途中下車し、

古くからの長崎本線である長与周りの路線で長崎駅前のホテルに向かいました。

ちなみに大村駅から長崎駅までのJR 運賃は760円で、

空港~大村駅間のバス運賃との合計は、空港~長崎市街地の連絡バスと同額の1000円となります。

1時間に1本の快速列車シーサイドライナーに接続できれば、

空港から長崎駅まで1時間程で行くことも可能です。

直行のバスの方が便利なのはわかっていますが、

知っておいて損はない予備知識だと思います。

続きはこちらです。

 

www.nishiuraexp.com

 

 

 

www.nishiuraexp.com

www.nishiuraexp.com

www.nishiuraexp.com