JR 九州熊本駅。
今回は今春で全線開通から10周年を迎えた九州新幹線に乗車します。
熊本駅は地平にあった在来線の駅に隣接して新幹線の高架駅が設けられましたが、
現在は在来線部分の高架化も完了し、
高架下の広いコンコースに在来線改札と新幹線改札が横並びに設けられています。
乗車する列車は博多から山陽新幹線に直通する7:46発「みずほ600号」新大阪行。
熊本駅新幹線ホーム。
九州新幹線は2004年3月に南側の鹿児島中央~新八代の間が先行開通したのち、
2011年3月に熊本駅を含む北側の博多~新八代間が開業し、
博多~鹿児島中央間が全線開通しました。
南側区間のみが開通していた期間には、
在来線で残る博多~新八代間に特急「リレーつばめ」号が運転され、
新八代駅では実質的に「リレーつばめ」号のために設けられた在来線と新幹線駅を結ぶ連絡線を介して、
同じホームの対面で新幹線と乗り換えがてきるよう配慮されていました。
九州新幹線熊本駅 博多・山陽新幹線方面の時刻表。
オレンジが朝夕を中心に運転される「みずほ」号で東海道山陽新幹線の「のぞみ」に相当。
赤は「さくら」号で東海道山陽新幹線の「ひかり」に相当。
黒の「つばめ」号は東海道山陽新幹線で言えば「こだま」に相当します。
「みずほ」と「さくら」の多くが山陽新幹線に直通し新大阪へ向かうのに対し、
「つばめ」は九州新幹線内のみの運転で、その大半は博多~熊本間の区間運転になっています。
7:45。始発の鹿児島中央を7:00に発車した「みずほ600号」が熊本駅に入線。
N700系8両編成です。
九州新幹線の車両は指定席がグリーン車と同じ2席×2席の横4列となっており、
もっともグリーン車に近い普通車の座席とも言われています。
当ブログ記事での九州新幹線乗車は初めてですが、直通先の山陽新幹線で頻繁に、この快適なシートを利用させていただいています。
福岡県南部の車窓。
熊本~博多間には新玉名・新大牟田・筑後船小屋・久留米・新鳥栖の5駅がありますが、
在来線接続のない新玉名駅や新大牟田駅などは停車する列車の本数も少なく、利用状況は必ずしも芳しくないようです。
九州新幹線は新鳥栖~博多間に筑紫山地の山越え区間があります。
当区間には九州新幹線で最も長い11.2km の筑紫トンネルのほか、
北陸新幹線の碓氷峠区間の30‰を上回る35‰の急勾配も存在します。
博多方面へ向かう列車は山を越えると福岡の市街地へ着陸するかのように急勾配を駆け下ります。
長いトンネルで山の下を抜けるなら勾配で高度を稼ぐ必要はなさそうですが、
トンネルが地下水脈に干渉することを極力避けた結果、高低差の大きい線形にならざるを得なかったようです。
勾配区間が終わると山陽新幹線の車両基地とその脇に設けられた博多南駅の横を通り在来線の鹿児島本線と並んで博多駅に進入します。
8:19。熊本からノンストップ、わずか33分で博多駅に到着しました。
鹿児島中央駅発車からだと1時間19分での到着です。
九州新幹線開通前の在来線特急つばめ号は概ね3時間40分~50分程度で鹿児島中央(旧西鹿児島)と博多を結んでいたので、所要時間はおよそ1/3になった計算です。
また、このまま「みずほ600号」に乗り続けると終点の新大阪に10:49に到着できますが、鹿児島からは、かつての博多までの所要時間で大阪まで行けるようになったという見方もできます。
もっとも鹿児島~大阪の移動については、本数の多い「さくら」号では所要時間が4時間を超えることもあり、
航空との関係では、鹿児島空港が市街地から離れているにも関わらず、九州新幹線全線開通直後に奪ったシェアの一部を航空に奪還されるという現象も見られるようです。
圧倒的な早さを誇るように見える九州新幹線ですが、
山陽新幹線直通列車の「さくら」→「みずほ」への格上げなど、今後も分単位の時間短縮の積み上げが必要とされているのかも知れません。
博多からは長崎行の特急かもめ号に乗り継ぎました。
続きは近日中に投稿します。