西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

《青春18》北陸鉄道旅行2 福井のローカル私鉄乗り歩き

 神戸から青春18切符を利用した北陸鉄道旅行、本記事は2回目で、福井県武生市の福井鉄道越前武生駅からローカル私鉄では珍しい急行電車で福井市へ向かいます。


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 JR武生駅から福井方向へ徒歩3分程のところにある福井鉄道の越前武生駅。

 

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 福井鉄道は武生と福井の間約20キロを結ぶローカル私鉄ですが、路線形態としては武生、鯖江、福井の「都市間路線」であり、またJR北陸線と並行・競合関係にあるなど「のんびり、のどか」そんなイメージだけでは語ることができない側面をもっています。

 写真のように電車の本数も1時間に3~4本とローカル私鉄としては異例の多さで、またまとまった数の急行電車(赤で表示)が運行されているのも特徴です。。


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 運賃も武生から福井までJRの320円にたいして400円で、大差ない水準に抑えられています。

 

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 また土日には全線が550円で乗り放題になるフリーパスが発売されるため、これを利用すれば、JRより安く武生・福井を往復できるようになっています。


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 14時12分の急行電車で福井方面へ向かいます。行先の鷲塚針原は「えちぜん鉄道」の駅で、福井鉄道の終点田原町駅の改良により乗り入れが可能になったものです。

 

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 福井鉄道とえちぜん鉄道は車両も相互に乗り入れており、乗車する急行電車は「えちぜん鉄道」のki-boと呼ばれる2両編成の低床車両でした。なお福井鉄道は一回り大きい3両編成のフクラムという車両で直通運転を行っています。


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 ki-boの車内。斬新な雰囲気とは対照的にシートは4人掛けスタイルで配置されています。


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 福井鉄道は福井市内の一部を除き単線です。途中の西鯖江で対向列車待の待ちあわせ。前方のドーム状の屋根はポイント部分に設置されており、積雪によるポイント不転換を防止するためのものです。


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 対向列車は廃止になった名鉄の岐阜市内線から転属した車両でした。


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 急行電車の最高速度は60km/h程度です。過疎地帯を走っているわけではありませんが、このあたりの商業施設などは幹線道路沿いに集中しているようです。


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 福井市街地は路面走行となります。


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 福井市街を流れる足羽川沿いの公園に立つ銅像。由利公正は幕末から明治の時代に活躍した地元出身の政治家とのこと。

 

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 市役所前から改称された「福井城址大名町」駅に到着。福井駅への分岐線がありますが、福井駅までは、商店街をあるいても無理なく行ける距離です。


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 半数以上の乗客が下車。ここが福井市のターミナルといってよさそうです。武生から約40分で到着しました。ちなみにJRは普通列車でも20分程で福井駅に到達します。

 

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 裁判所前から改称された仁愛女子高校駅。イメージアップ作戦ということでしょうか。「裁判所は紳士的に紛争を解決する役割を担っているのに、日本人は悪い印象をもちすぎているのではないか」というようなことを、あるノーベル賞受賞者が言っていたのを思い出しました。

 

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福井鉄道の終点田原町駅に到着。ここから「えちぜん鉄道」(右の線路)に乗り入れます。この乗り入れ設備は2014年に完成し、地方都市での公共交通活性化事業として注目されています。


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 えちぜん鉄道に入って一つ目の福大前西福井駅で下車。


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 「えちぜん鉄道」は一般的な鉄道車両が中心である一方、福井鉄道から乗り入れてくる電車は低床車両のため、ホームは低いものと高いものを使い分けています。


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 商業施設と一体になった駅です。

 

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 一番下が越前武生駅。緑の線が乗ってきた福井鉄道です。今度は水色の線で示されている「えちぜん鉄道」で終点の福井駅までいきます。福井市の人口は20万人台ですが、この地図のほかにJRが2路線あり、鉄道路線の密度は非常に高くなっています。


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 高いホームに到着した「えちぜん鉄道」の福井駅行。


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 愛知環環状鉄道から転属してきた一般的な鉄道車両です。「えちぜん鉄道」では他に阪神電鉄からの転属車両も活躍しています。


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 福井駅手前で高架線に入ります。並行する高架線はJR北陸線、その間で北陸新幹線の工事が急ピッチですすんでいました。


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 高架で新しくなったえちぜん鉄道の福井駅。島根県の一畑電鉄出雲市駅に雰囲気が似ていると思いました。


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 手前からえちぜん鉄道福井駅、北陸新幹線の高架、JR福井駅の順です。


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 JRの駅を通り抜け反対側へ出ました。


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 こちらには、さきほどの福井城址大名町駅からの福井鉄道分岐線のターミナルがあります。全体に伊予鉄道の松山市駅の路面電車乗場のような雰囲気でした。こちらのほうが古くからの駅前で商店街やデパートもあって賑やかです。


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 福井のローカル私鉄乗り歩きを終えて、JR福井発16時15分の金沢行に乗車します。JR西日本の「顔」が地方都市にも急速に浸透しているようです。


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 車内も京阪神の新快速などに似たつくりになっています。


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 45分で石川県の小松に到着。

 

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 駅から徒歩2分のホテルエアポート小松にチェックイン。


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 一泊5000円でした。シンプルながら広さは充分です。


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 素泊まりプランでしたが、クロワッサンのサービスがありました。


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 客室から見下ろす小松の街並み。金沢の空の玄関「小松空港」は写真右手の方向です。


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 青春18旅行には、飛行機で海外へ行くのとは別の良さががあり、甲乙をつけるようなものではないと思います。

 翌日、小松空港からJALでの羽田へのフライト(旅行記つづき)と、今回実践予定の神戸までの東海道線乗り継ぎの記事を下に添付しています。

 

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《青春18》北陸鉄道旅行1 長浜鉄道スクエア経由で福井へ


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 今回の鉄道旅行は、東海道線の終点で山陽本線の起点でもある神戸駅から出発です。神戸の玄関としての地位は三ノ宮に譲った格好ですが、戦前からの駅舎は拠点駅にふさわしい風格があります。


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 駅舎内は、去年10月に利用したオーストリア国鉄のザルツブルク中央駅などヨーロッパの古い駅と共通する雰囲気を感じます。

 

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 9時02分発の新快速近江塩津行で出発。この1本あとの野洲行に3月からAシートが連結されますが、乗車便は神戸時点で立客多数。Aシートが連結されても明石あたりで満席になり、一般車両の混雑に拍車がかかることになるような気がします。


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 混雑は京都で一段落。写真は彦根手前の前面展望です。もう春霞の季節になったのでしょうか、右手前方に伊吹山が見えていますが、写真では霞んでよくわかりません。


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 米原で12両のうち後ろ8両を切り離すためしばらく停車。4両になった列車は再び立客多数にもどってしまいました。


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 米原から3駅、神戸から約2時間の長浜で下車。古い街並みや黒壁ガラス館などの観光施設は東口ですが、今日は西口から徒歩3分ほどの長浜鉄道スクエアへ向かいます。


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 長浜駅西口。


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 長浜鉄道スクエアに到着。


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 スクエア正面の建物は旧長浜駅舎です。現在の長浜駅もこの駅舎をイメージしたものになっているようです。


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 入館は300円、9時から16時30分までで、年末年始以外は無休です。


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 長浜鉄道スクエアは、旧長浜駅舎、長浜鉄道文化館、北陸線電化記念館で構成されています。


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 長浜から鉄道連絡で運航されていた琵琶湖汽船の上級席利用者向け待合室が再現されていました。JALやANAのラウンジと発想は同じですね。


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 長浜駅ではありませんが、北陸地方のある駅で使用されていたという1900年頃にアメリカで製造された古い時計です。古い時計だなと思った次の瞬間、その時計が現在の時刻を指している、つまり時計として現役であることに気づくというサプライズがありました。

 

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 北陸線電化記念館にあるQAスタイルのパネル展示。長浜鉄道スクエアで学んで帰りたいことが、この一枚に凝縮されています。

Q1 交流電化と直流電化の違いは。

Q2なぜ日本の電車は直流が多いのか。

Q3戦後になぜ交流電化が計画されたのか。

Q4北陸線の米原福井間がなぜ最初の交流電化区間にえらばれたのか。

Q5最近の電化が再び直流中心になっているのはなぜか。

筆者が正確に答えられるのはQ3だけでした。

 

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 交流電化前に北陸線で運転されていたSLと


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 交流電化後に導入された電気機関車が展示されています。


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 電気機関車の運転台。筆者はコンソールから離れた場所にあるスピードメーターに目がいきましたが、あとから入ってきた女性は写真左下の灰皿をみて「煙草吸いながら運転しよったんやな」と。スピードメーターは前方から目を離さずに速度を確認するために高い位置に設置されているのでしょうが、喫煙運転はこの時代にはOKだったのでしょうか。


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 長浜駅にもどり隣接の商業施設モンテクールで昼食にします。モンテクールは「帰ってくる」という意味だと思いますが、かなり広範囲で通用する方言のようです。


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 フードコートのうどん屋にて。


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 フードコートの隣は土産物屋になっていました。鉄道スクエアももっと物販に力を入れればよいのにと思います。


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 1時間後の新快速で、近江塩津まで歩を進めます。


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 長浜を過ぎると4両でも空いています。


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 車窓も長閑なもので、遠くに冠雪した比良山系の山並みが見えていました。琵琶湖の近くを走っているはずですが、湖面が見える区間は少ないようです。


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 終点近江塩津に到着。


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 近江塩津は関西と北陸地方のバイパスルートである湖西線と北陸線の分岐点にあたります。


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 近江塩津駅舎。交通の要衝で鉄道施設は立派ですが、駅周辺は静かで、コンビニなども5分や10分歩いたくらいでは見つからないと思います。


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 改札付近。


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 左が北陸線(長浜、米原)廻りの姫路行、入線してきた右の列車がこれから乗車する、湖西線からの敦賀行です。


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 今回は青春18切符を利用していますが、敦賀から福井鉄道に乗り継ぐ武生までは特急を利用します。

 福井行の普通列車も30分以内の接続であるのですが、JRの下り普通列車が武生に到着する2分後に福井鉄道の急行列車が発車するダイヤになっており、駅は徒歩3分程度離れていて間に合いません。

 福井鉄道は1時間に1本の急行以外にも30分毎に普通列車があるのですが、地方私鉄の優等列車は貴重な存在ですし、福井鉄道の急行は、えちぜん鉄道に直通する看板列車でもあります。どうせ乗るなら急行ということで高い急行料金を支払った格好です。


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 敦賀から乗車したのは名古屋からの「しらさぎ7号」です。


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 自由席は3割程度の着席率で空いていました。敦賀を出ると「列車は間もなく北陸トンネルに入ります。北陸トンネルは全長13.87km、通り抜けるのに7分を要します。その間スマホなどは使用しにくくなります。ご不便をおかけします」と放送がありました。


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 約20分で到着した武生駅。駅前の樹木を覆う三角錐の木組みは「雪吊り」といい、雪害から樹木をまもるためのものです。兼六園のものが有名で北陸地方の冬の風物詩といわれていますが、一昨日まで2月だったとは思えない陽気では、真価を発揮できず持て余しているように見えます。


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 JRの駅から福井方向へ3分ほどのところに、福井鉄道の越前武生駅があります。

 つづき福井鉄道急行乗車からは、こちらです。

 

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神戸市営地下鉄の新型車両6000系に乗車

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 神戸市営地下鉄は、新神戸駅から西神中央駅を結ぶ路線(写真の緑のライン。厳密には山手線、西神線、西神延伸線の3路線)と、三宮花時計前駅と新長田駅を結ぶ海岸線(写真の青のライン)の実質2路線がありますが、2019年2月に新神戸~西神中央間で新型車両の6000系の運転が始まりました。神戸市営地下鉄の新型車両は、1993年登場の3000系以来26年ぶりです。

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  車両運用の詳細情報を見つけることができなかったので、とりあえず名谷駅まで行き駅員さんに尋ねると「さっき谷上行(北神急行直通)で出て行った。1時間20分後に西神中央行で戻ってくる」とのこと。待っているのは時間が勿体ないので、15分後の谷上行で追いかけて、新神戸で折り返しを捕まえることにしました。


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 谷上駅での折り返しは、ゆっくりしたもののようで20分程待って、ようやく目的の電車6000系が入線。

 車体の塗り分けは、車両製造時に3つの案が提示され、公募で決定したという経緯があります。従来の車両に比べ、地下鉄らしいというか、銀色部分が目立つ大人しい外観です。

 車両のスタイルも特に斬新な印象はありませんが「新しさを感じさせるものほど、古くなりやすい」とも言われ、公共交通機関として今後長きにわたる活躍が期待される鉄道車両に、過剰に斬新さを求めるべきではないのかもしれません。


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 一方車内は、ロングシート端部のパーティションの大型化や、ドア上部の多言語対応のディスプレイなど最近の流行が取り入れられ3000系登場から四半世紀の進化を感じさせるものでした。

 また神戸市営地下鉄の従来車両は、車両連結部が広幅の貫通路(扉なし)になっていましたが、6000系では写真のようにシースルーの扉が設置されていました。今回乗車してみて従来車両より静粛性が向上したように感じましたが、この扉の設置が関係しているのかもしれません。

 他に特徴はないかと車内を窺っていると、隣に座った小学生が友達に「椅子が堅くなった」と感想をもらしていました。たしかにその通りだとおもいましたが、国内の鉄道車両のロングシートが堅くなってきたのは、JR東日本の209系登場(90年代)の頃からではないでしょうか。久しく新型車両の製造がなく柔らかいシートの車両ばかりだった、神戸市営地下鉄にも遅ればせながら堅いシートが導入された。ということのようです。


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 なお6000系は今後増備がつづき、従来車両をすべて置き換える予定です。その過程でまず姿を消すのが、1977年の開業以来走りつづけてきた1000系です。今回登場の6000系とは対照的に、全面塗装でロンドン地下鉄「チューブ」を思わせる、個性の強い顔立ちの車両です。今回は各駅で新型の6000系にカメラを向ける同業者の姿をみかけましたが、あと数年もすれば、消えゆく1000系にカメラを向ける鉄道ファンが多く見られるようになることでしょう。

 


神戸市営地下鉄6000系 西神南駅入線

 名谷駅で下車し、西神中央方面へ走り去る6000系を動画に収めて、初乗りのミニトリップを終えるつもりでしたが、カメラの設定を誤り撮影失敗。やむを得ず後続の電車で追いかけ、西神南駅で終点の西神中央から再び谷上行となって折り返してきた6000系を動画に収めることができました。スマホ撮影のため画質に難がありますが、よろしければご覧ください。

 

 

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黒字なのに廃線?神戸電鉄粟生線問題雑感

神戸電鉄は、神戸市兵庫区の新開地を運転上の拠点とし、郊外の三田市、三木市、小野市に4つの路線を持つ兵庫県の私鉄です。そのうち粟生線は、神戸市北区の鈴蘭台で有馬線から分岐し、神戸市西区、三木市を通り、小野市の粟生へ至る、神戸電鉄で最も長い29.2kmの路線です。

 

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 写真 小野駅に到着した新開地からの急行粟生行き。

 

 全線開業~成長の時代の粟生線

同路線の利用者数は1992年のピークには年間1400万人を超えていましたが、以後減少がつづき、現在は600万人台となっています。高度成長期からバブル期にかけての沿線開発で利用者が急増した時代に行った、輸送力増強のための投資の負担が重荷となり、路線廃止の議論が浮上する事態になっています。

 しかしピークの半分以下になったとはいえ、年間600万人以上の利用があり、目先の列車の運行にかかる経費は運賃収入で賄えている(黒字)路線の廃線問題は異例で「粟生線問題」として注目されています。

粟生線は戦前に三木市の三木駅までが開通、戦後になり小野市域へ延長され、昭和29年に粟生までの全線が開業、終点の粟生では国鉄加古川線、北条線との接続が実現しました。全線開業からしばらくは、小野市・三木市(当時の人口3~4万程度)と神戸市を結ぶローカル輸送が中心でしたが、昭和43年に神戸高速鉄道の開通により、神戸側の運転上のターミナルが新開地となり、阪神電鉄、阪急電鉄との乗り継ぎができるようになると、沿線はベッドタウンとして注目されるようになり、昭和40年代後半から50年代にかけて、西区、三木市南部の駅周辺を中心に人口1万人単位の大規模ニュータウンが次々に誕生しました。

ローカル私鉄であった神戸電鉄はこれらのニュータウンから発生する通勤通学需要に対応すべく、車両の増結やそれにともなう駅ホームの延伸、複線化、単線区間の駅への行き違い設備の新設など輸送力増強工事に追われることになります。

そして増加が続いた粟生線の輸送人員は、沿線のニュータウンに移り住んだ団塊世代の神戸市中心部などへの通勤需要と、その子世代(団塊ジュニア世代)の高校進学による通学需要になどにより、1992年に年間約1400万人となりピークを迎えることになります。

 

 ピーク以降の利用減少の要因

しかしその後、子世代が大学進学や就職で沿線を離れると、少子化傾向のうえ、沿線開発が短期間で進んだ影響で、もともと沿線住民の年齢構成が偏っていたことから、あとが続かず通学需要が減少。通勤に関しても団塊世代が退職年齢に達すると同じ理由により、減少傾向が顕著になりました。

また「あとが続かない」という観点では、「年齢構成の偏り」に加え、沿線ニュータウンがいずれも一戸建て中心で開発されたことから、集合住宅の住民にくらべ住み替えによる入れ替わり(若返り)が進みにくいという事情もあったように思います。

一方、ピーク期以降の粟生線を取り巻く環境の変化としては、まず昭和62年に開業した神戸市営地下鉄「西神中央駅」周辺の開発が進み、地下鉄の運行本数が増加すると、沿線から西神中央駅へ向かうバスが多数運転されるようになり、神戸市営地下鉄が粟生線と競合関係になったことや、もともとは沿線ニュータウンと粟生線の駅の間のフィーダー輸送を担っていた神姫バス(神姫ゾーンバス)が沿線ニュータウンと神戸市の中心「三宮」をダイレクトに結ぶ路線を2001年に開業させると、当初1時間に1本程度であったものが、数年後にはラッシュ時に3~5分間隔で運行されるまでに成長し、粟生線の利用者数に少なからぬ影響を与えたこと。などが挙げられます。

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 写真 粟生線と競合する路線を運行する神姫バス。

 

ただ粟生線の列車が大手私鉄に比べれば短い4両(以前は5両)とはいえ、バスの輸送力は桁違いに少なく「神姫バスVS神戸電鉄(粟生線)」の構図は趣味的には面白いものの、粟生線の利用者数がピークの1400万人から600万人に減少した、その差800万人に占める比重としては、バスよりも先に述べた「人口動態」的な理由の方が、ずっと大きいのではないでしょうか。

言い換えれば、現時点での、沿線からの三宮行、西神中央駅行のバスの輸送人員に粟生線の現在の輸送人員600万人を加えても、ピーク時の粟生線の輸送人員1400万人よりずっと少ないだろうというのが筆者の個人的な見方です。企業としての神戸電鉄が粟生線の今後を考える協議の中で「一企業の努力では限界がある」と述べていることについても、単にバスや地下鉄に客を奪われたのではなく、もっと大きな要因があることを示唆しているように感じられます。

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 写真 営業運転中の粟生線の車内。

 

 明るい展望を見出しにくい現状

では今後についてですが、粟生線を成長させた沿線のニュータウンは住民の高齢化が進み、人口減少時代に入ったこともあり、郊外のニュータウンが活気を取り戻すのは容易ではないでしょうし、三木市、小野市の旧来の市街地についても、駅徒歩圏にある商店街はすっかり活気を失い、かつては駅から徒歩で行くことができる場所にあった市役所や市民病院は、電車でのアクセスが不便な場所へ移転するなど、現状で仮に運賃を半額にしたり、電車の本数を倍増させても、それで利用が増えるのか。と疑問に感じるほど明るい展望が見いだせないというのが実態だと思います。

現在、活性化策としてフィーダー輸送に力点が置かれ、各駅からのバスの発車時刻をまとめたパンフレットの配布なども行われているようですが、フィーダー機能を果たすことができるだけの本数が確保されている駅は少ないうえ、そもそも神姫バスがフィーダー輸送から都心へのダイレクトアクセスに転換して成功し、粟生線からまとまった数の利用者を奪った経緯を考えれば、フィーダー輸送の充実やPRが、どの程度の効果を発揮するのか、それが利用者が望んでいることなのか少々疑問に感じます。

 

 最後に筆者個人の提案

旧市街地やニュータウンの活性化などにくらべれば、短期間で多少なりとも現実性がある活性化策として筆者が考えるのは以下の3点です。

 

 ・逆通勤の創出

木津駅は粟生線で唯一利用者が増加していますが、その要因は駅に隣接して工業団地が新設されたことで、主として神戸市中心部方面からの通勤利用が発生していることによるもののようです。工業団地ほどの規模でなくとも、公共交通への依存度が高く人口も多い神戸市中心部から沿線への流動を促進することは、粟生線のみならず、沿線の商業の活性化などにもつかなるのではないでしょうか。

 ・三木・小野旧市街での駅の新設・移転

高度成長期以降、車が中心となった郊外の市街地では新しくできたショッピングセンター周辺などに商業施設があつまり、古くからの駅の位置が地元の生活のニーズと合致していないように思います。簡易なホーム1面でも、現状にあった位置に駅を新設するか、あるいは新設のかわりに現在の駅を廃止(つまり駅の移転)するなどの方法が検討されてもよいのではないでしょうか。実施例としては三重県の三岐鉄道北勢線が挙げられます。

 

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写真 JR神戸駅 神戸電鉄のターミナル「新開地」から地下道を歩いて10分少々でアクセスできる。

 

 ・メトロ神戸を有効活用できないか。

神戸電鉄は「大人の事情」により自らPRすることができないのかもしれませんが、神戸電鉄の運転上のターミナル「新開地駅」とJR神戸線の神戸駅は「メトロ神戸」という地下街(地下道)でむすばれています。筆者は徒歩でどのくらいかかるか、実際に歩いてみましたが、改札から改札までで11分でした。東京の都営地下鉄で同一駅名が付され「地上乗り換え」と案内されている駅の中には、同程度の乗り換え時間を要する駅も存在するようです。

昭和レトロというと聞こえが良いですが、どこか「怖い」雰囲気のある地下道をリニューアルしたり、少しでも徒歩距離が短くなるよう動線を工夫するなどして、JR「新快速」と徒歩で乗り換えができる路線であることをPRできれば、粟生線以外の神戸電鉄の路線も含め利用者の増加が期待できそうです。また新快速利用者に神戸電鉄のPRができれば、沿線への流入需要も期待できるのではないでしょうか。

 

 

 

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沖縄都市モノレール「ゆいレール」とソラシドエアSNA24・ANA3724便(那覇→神戸)搭乗記(沖縄三角飛び旅行3)

2019年はANAの上級会員「SFC」を目指しています。1月に中国国際航空ビジネスクラスでのシンガポール旅行と、ANA乗り継ぎ石垣島旅行に出かけ、プレミアムポイントは15088ポイントとなっています。今回の旅行は神戸⇒羽田⇒那覇と飛んで1泊、翌日のソラシドエア運航便で神戸に戻る3フライトです。

ANA412  神戸 7:05 羽田 8:15

ANA475  羽田 14:35    那覇  17:30

ANA3724     那覇 11:15     神戸 13:05

 計25280円、3004ポイント、ポイント単価は8.39円となっています。

本記事は3回目で那覇での「ゆいレール」の話題とソラシドエア搭乗記です。  

   

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国際通り沿いのカプセルホテルMAXI ALPAをチェックアウトして、最寄りのモノレール牧志駅へ。徒歩3分程です。

 

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昨日那覇空港駅で購入した1日券はまだ有効です。

 

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 牧志駅から空港とは反対方向の首里行きに乗り、終点の首里駅に到着。高架を降りると世界遺産「首里城」周辺へ向かうバスに乗り換えることができます。

 

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「ゆいレール」は開業から15年間、那覇空港と首里の間12.9kmでの営業でしたが、今夏には首里駅から浦添市の「てだこ浦西」駅まで4.1kmの延伸開業が予定されています。首里駅から「てだこ浦西」方面を見ると新しい軌道が伸びていました。

 

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首里駅のホームも延伸に向けて工事中です。

 

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首里駅にあった路線図。左の緑に塗られたエリアが那覇空港、オレンジのラインが「ゆいレール」の軌道です。

 

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運賃は初乗りが150円、全区間(12.9km)乗車すると330円です。同じ条件で比較すると、大阪モノレールの大阪空港~南茨木間13.3kmが430円(初乗り200円)、広島のアストラムラインは本通~長楽寺間12.7kmが400円(初乗り190円)ですから、かなり割安ということができると思います。

 

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ダイヤは全列車全区間運転が基本で、運転間隔は朝ラッシュ時4分、日中8分となっています。利用者は増加傾向で2両から3両への増結も検討されているようです。

 

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首里から折り返しのモノレールに那覇空港まで全線乗車しました。車内はロングシートですが、車端部のみ2人掛けのクロスシートになっており、前面展望や後面展望を楽しむことができます。(運転席の後ろの席から撮影した動画を添付しておきます。)

 


沖縄都市モノレール「ゆいレール」前面展望 首里⇒旭橋

 

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首里から27分で終点の那覇空港に到着。朝9時前後でしたが、沖縄旅行を終え空港へ戻る人を中心に途中から満員状態でした。

 

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到着フロアの1階にあるカードラウンジ「華」。

モノレールの駅と直結しているのはターミナルの2階で、同じフロアに保安検査場があるので、カウンターに用事のない方には便利ですが、航空会社のカウンターは3階、ラウンジは1階ですので、モノレール駅⇒2階⇒3階(カウンター)⇒1階(ラウンジ)⇒2階(保安検査)と、やむなく上下移動を繰り返している人も少なくないはずです。

 

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ラウンジ華は空港の規模に比して小規模で混雑しています。

 

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ソフトドリンクのほかに、おつまみがあるのは良心的だと思います。

 

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3階のANAカウンター付近。これから利用するのはソラシドエアの神戸行ですが、ANA便名での予約です。SKIPサービスも利用できますが、自動チェックイン機で紙の搭乗券を発券して搭乗口へ向かいました。

 

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国境や県境などは人間の都合で勝手に決めたに過ぎず、自然の世界には関係のないことです。沖縄本島は、東京や大阪を基準に距離だけ見れば、韓国や中国の上海などより遠いわけで、検疫上の特別な対策が必要になるのも当然だと思います。

 

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ANA3724便(ソラシドエア運航)の搭乗口は37番でした。増設されたエリアなのか、施設があたらしい代わりに売店や土産物店からは離れた場所にありました。

 

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到着したソラシドエアの機体(ボーイング737-800)。

ソラシドエアはLCCではなく、「スターフライヤー」などとともにMCC(レガシィとLCCの中間)というカテゴリーに分類される航空会社です。本社は宮崎にあり、当初はスカイネットアジア航空を名乗っていましたが2015年に現社名に変更になりました。

 

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上の写真でソラシドエアの機体の後方に見えるのはEVA航空の機体です。EVA航空は台湾の航空会社で、ANAやJALと同じくスカイとラックス社が認める5つ星エアラインです。スターアライアンス加盟なのでポイント稼ぎに利用することもできますが、写真の「ハローキティJET」については、機体のラッピングだけではなく、機内も「KITTYちゃんづくし」のようで、男一人で乗るのはかなり敷居が高そうです。

 

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ソラシドエアに話を戻します。搭乗方法についてはANAに準じており、上級席はありませんが、スターアライアンスゴールドなどの資格があると優先搭乗できるようでした。

 

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3列・3列のシート配置ですがグレーの生地に黄緑の枕カバーは個性的だと思います。

 

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シートピッチはANAのエコノミーより若干広いように感じられました。

 

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機内誌「ソラタネ」。

 

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機内誌掲載の路線図です。東京から西の地域と九州・沖縄方面を結ぶ路線のみで、北日本への路線はありません。北海道に拠点をおくAIR DOとすみ分けがなされている印象を受けました。

 

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機内WIFIも利用できました。マップモードやエンターテイメント、観光情報などのメニューがあるようでした。

 

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無料ドリンクサービスもあり、機内サービスはANAのエコノミーと同じレベルです。

 

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写真ではわかりにくいですが、九州東岸を飛行中です。ソラシドエアの本社がある宮崎の市街地が見えていました。このあたりで「あと10分で神戸空港へ向けて降下を開始します」とアナウンスがあり飛行機の早さをあらためて実感しました。

 

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高知市の南を飛行中。写真左よりの川は仁淀川です。

 

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高度を下げながら四国山地を乗り越え、徳島市上空を飛行中です。このあと播磨灘へ出て東に進路を変え、

 

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13時05分。ほぼ定刻に神戸空港に到着しました。

 

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写真は那覇空港到着後に国際通りで購入した土産です。安売りドラッグストアのようなノリで販売されており、空港より安い値段で買うことができました。

今回の旅行でプレミアムポイントは18092ポイントになりました。

 

 

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JAL2301便 伊丹・松山線搭乗記と松山空港アクセス

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 伊丹空港発7時20分のJAL2301便松山行を利用するため、早朝の伊丹空港へ向かいます。梅田から伊丹空港へ行く場合、阪急電鉄宝塚線の蛍池駅でモノレールに乗り継ぐのが一般的だと思いますが、10km以上ある梅田・蛍池間が220円であるのに対し蛍池・大阪空港(伊丹)のモノレールの運賃は1.4kmで200円です。SUICAなどの電子マネーの普及で見えにくくなっていますが、蛍池駅から10分少々歩いてアクセスすると、運賃は約半額になります。モノレールの運転間隔を考えれば空港到着時刻もほとんど変わりません。

 

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 伊丹空港まではモノレールの軌道の下の道を進みます。

 

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 午前6時20分ごろ、JALのチェックインカウンターに到着。今回は特典航空券を利用します。

 

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 保安検査場が空いていることを確認してから、カードラウンジの「ラウンジオーサカ」へむかいます。

 

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 ちょうど6時30分にオープンしたところで、早朝限定のクロワッサンのサービスを受けることができました。神戸空港などもそうですが、飲食はソフトドリンクのみと公表されているラウンジでも、早朝はパンなどのサービスがあるラウンジは他にもあるのかもしれません。ちなみに15分後に退室した時点では、まだ配布が続いているようでした。

 

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 23番搭乗口からバスで搭乗します。去年12月にどこかにマイルで利用したエンブラエル190より一回り小さいエンブラエル170での運航です。

 

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 小雪の舞う寒さでしたが、搭乗口から階段を降りると目の前でバスが扉を開いて待機しており寒い思いをすることはありませんでした。バス搭乗で許容されるのはこの程度ではないでしょうか。今の羽田空港(2ターミナルのみで1ターミナルの最近の状況は知りませんが)の状況は異常だと個人的には思っています。

 

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 搭乗機に到着。エンブラエル190に比べて見るからに前後長が短く、いかにも小さな飛行機という印象をうけます。

 

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 2列目だったので、機内を見渡す写真は撮れませんでしたが、機内に入ると外見よりも奥行き(前後長)があるように感じました。

 

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 シートピッチは「190」や大型機と同じのようです。横幅についてはむしろ余裕があるように感じました。定員は70人程度だったと思いますが、今日は20人くらいしか乗っていないようでした。別に搭乗記を書いた(この記事の最後に添付)昨日のピーチ松山⇒関西線が180席ほぼすべて埋まっていたのとは対照的です。

 

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 ANAは最近、安全ビデオが刷新されましたが、JALは制服が新しくなるようです。

 

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 「松山までの飛行時間は41分、雪雲の影響で強めの揺れが予想されます」と機長の放送がありましたが、不快な揺れもなく快適な飛行がつづきました。

 ベルトサインが消えてもドリンクサービスはなく、短距離路線では省略になったのでしょうか。そもそも不要ではないかと思っていたので、省略自体は個人的には構わないと思いますが、サービスの有無は事前に分かったほうがいいように感じました。

 

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 一方気になったのが機内WIFIです。スムーズに接続できましたが、マップ機能やグーグル検索はできなくなったのでしょうか。マップはともかく、検索のほうは到着地の鉄道やバスの接続、ホテルへの道順の確認など有益だったと思うのですが。操作方法を間違っていただけかもしれません。

 

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 松山空港に到着。滑走路に接地してから、減速し駐機場に停止するまでわずか1分半でした。上空でのスピードアップは困難でも、航空利用の所要時間には「ぜい肉」が多いので、やり方次第ではまだまだ時間短縮が可能なのではないでしょうか。

 客層はピーチの松山関西線にくらべ個人(1人)利用が多い印象で、機内は静かで落ち着いていましたが、搭乗率に圧倒的な差があったので、単純な比較はむずかしいと思いました。今回は特典航空券利用でしたが、運賃は1万円前後のことが多く、同じ日の羽田行より高いことも珍しくありません。JRの新幹線・特急乗り継ぎとは勝負になっても、3000円のピーチとの比較では、関空発着の不利を考慮してもダイヤさえあえばピーチに軍配があがるように思います。また多くの方がそのように感じている結果が搭乗率の差に現れているのではないでしょうか。

 

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 昨日のピーチ(松山⇒関西)の記事では2階のカードラウンジ「ビジネスラウンジ」について簡単にご紹介しましたが、今日は3階のカードラウンジ「スカイラウンジ」に入ってみます。こちらも制限エリア外にありアライバル利用もできますが、オープンはビジネスラウンジの6時45分に対して、8時30分と遅めです。

 

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 外からみるとビジネスラウンジより簡素に見えましたが、こちらもポンジュース、コーヒー・紅茶・緑茶のサービスと全席コンセント完備で、サービス内容は同じです。

 

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 地酒などの販売もあるようでした。

 

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 ビジネスラウンジと違い窓があって、展望デッキごしに飛行機の離発着を眺めることができます。乗ってきたエンブラエル170が大阪へ折り返すのを見送って退室しました。

 

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 松山空港から市街への交通機関はバスのみですが、JR松山駅、伊予鉄道松山市駅、繁華街の大街道、道後温泉に直通し、運賃・所要時間の面から見てもアクセスの良い空港のひとつに数えられると思います。

 

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 ちなみに交通機関で松山観光をする場合は、写真の1DAY~3DAYチケットが便利だと思います。上記の空港リムジンバス往復と、松山市周辺の公共交通をほぼ独占している伊予鉄道の電車、路面電車、バスの乗り放題がセットになっています。

 「独占している」というところがポイントで、「〇〇電鉄は乗れるが、〇〇電鉄はダメ」とか、「〇〇バスは利用できません」というようなケースがほぼありません。ヨーロッパの主要都市では、同様のフリーパス(向こうは公営であることが多い)をよく見かけますが、日本の他の地方都市でも、このような本物のフリーパスが普及すれば便利になるのにと思います。

 

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 松山銘菓の「坊ちゃんだんご」(空港の土産物屋で買ったものです。

 

 

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四国松山空港とピーチ最短路線「松山→関西」MM310便搭乗記

LCCピーチアビエーションは関空発着を中心に、国内外に多数の路線を運航していますが、その中で最短距離となる路線が、関空と四国の松山空港を結ぶ路線です。f:id:nishiuraexp:20190210211503j:image

大阪と松山はJRの新幹線と特急を乗り継いで3時間半程度、高速バスでも5時間程度です。また関西空港に比べ立地で勝る伊丹空港からはJAL、ANAがともに松山への路線をもっています。

そのような状況のなかで、あえて関空まで行って1日1往復のピーチに乗る動機は、価格しかないように思われます。

ピーチのHPで検索すると大阪松山路線の価格は、セール期間に関係なく、1週間から10日前でも、支払い手数料込みで3000円程度のことが多く、これは高速バスの半額程度、JAL、ANA、JRの3分の1程度ではないでしょうか。

ピーチのダイヤは少し前までは夜に関空から松山を往復するダイヤでしたが、現在は時刻が早まり関空発が16時台、折り返しの松山発が17時台に変更になっています。

今回、松山から折り返しの関西空港行きに乗る機会があったので、四国最大の松山空港の様子と併せてご紹介させていただきます。


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ピーチMM310便関西空港行の松山空港出発時刻は17時35分です。16時ごろに空港ターミナルに到着。


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ピーチのチェックインは国内線は90分前から、国際線は120分前からです。カウンターへ行くと、ちょうどチェックインが始まるところでした。WEBチェックインはなく、当日カウンターでのセルフチェックインが原則です。


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レシートのような搭乗券を発券し、出発フロアへ向かう途中で面白いものを見つけました。「愛媛では水道の蛇口をひねると、みかんジュースが出てくる」という都市(都市?)伝説がモチーフのようです。スマホを向けていた観光客から「一杯350円か、ええ値段やな」と言われていましたが、筆者も同感でした。


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2階出発フロアには航空会社の店舗以上に地元の私鉄「いよてつ」系列の土産物屋が目立っていました。松山における「いよてつ」は、福岡の「にしてつ」なみの存在感があります。


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土産物売り場の反対側はフードコートと飲食店になっていました。その中の一店「かどや」で早めの夕食にします。


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地元名物の「鯛めし」に、やはり特産品の「じゃこ天」などがついた「鯛めし御膳」です。右上の鯛を卵が浮かぶダシに入れてかき混ぜ、お櫃から茶碗に移したご飯の上にのせて食べます。


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こんな感じです。高級食材の代名詞を、あえて高級とは縁遠い食べ方をするという、なんとも贅沢な地元料理だと思いました。


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食後のコーヒーはカードラウンジ「ビジネスラウンジ」でいただくことに。制限エリア外で土産物売り場の奥にあります。


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20席程度とそれほど広くありません。全席コンセント完備のようでした。


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ドリンクはポンジュースとコーヒー、紅茶、緑茶などがありました。蛇口から出てこなくても無料のほうがありがたいですね。


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ちなみに松山空港には3階にもう一つカードラウンジがありますが、外から見る限りやや簡易な雰囲気で、上記の2階のビジネスラウンジの混雑救済のためのラウンジという印象でした。


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17時ごろに保安検査場へ向かいましたが、ピーチが出発する17時35分前後は出発便が集中し10分前後の待ち時間が生じていました。


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出発20分前の17時15分から搭乗開始。


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ピーチは関西空港以外は松山にかぎらずボーディングブリッジからの搭乗となる場合が多いようです。

 

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ほぼ満席になりました。

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前席に膝があたるピッチにも慣れてきましたが、最近は機材によってはシートがくたびれてきている印象をうけることがあります。


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ピーチだけではありませんが、以前から国内LCCの機内販売の価格は高すぎると思っていましたが、今回、炭酸水がコンビニ価格にちかい100円で売られているのを発見しました。

LCC側にしてみれば、こういうところで稼ぎたいのかもしれませんが、コスト意識の高いLCC利用者が、機内販売で500円のサンドイッチや1000円の弁当は買わないと思います。筆者はすでに20回以上ピーチを利用していますが、実際に周囲の席の乗客が買って食べている光景をみたことがありません。


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最短路線らしく飛行時間35分前後で関西空港に到着しました。連休の中日ということもあり、客層はこれから大阪へ出かける人、松山旅行から帰る人など老若男女入り乱れ、ピーチ運航開始当初からのキャッチコピーではありませんが、カジュアルな雰囲気、多彩な客層に、35分という「乗車時間」もあいまって、まさに大都市近郊の電車の車内のようでした。


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国際線が隣接の建物に移ってからスペースを持て余し気味の、関西空港第2ターミナルの国内線ターミナルです。目の前から京阪神各地へのリムジンバスに乗車できるようになるなど、利便性は高まっているのですが、今後はピーチ以外のLCCも引っ越してくるのでしょうか。

 

松山への復路は伊丹空港からJALを利用しました。ピーチとの比較も含む搭乗記はこちらです。

 

 

ピーチ国際線(台北行)の搭乗記事はこちら

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