西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

神戸市営地下鉄「快速復活」報道について

 9月20日の新聞に神戸市営地下鉄で快速運転を再開するため上沢駅などの改良工事を実施し、早ければ5年後には実現させる計画という記事が載ったようです。

 神戸市営地下鉄の快速は阪神大震災前の数年間、西神中央・新神戸間で運転されていました。日中のみ30分毎の運転で、途中停車駅は名谷・新長田・三宮のみというものでした。この快速は1時間8本の普通に、純増の形で新設されたため、1時間あたり普通8本・快速2本の計10本の列車が運転されていました。利用は芳しくなく、阪神大震災により駅施設が被害を受け、臨時ダイヤで運転を再開して以降、快速運転が復活することはありませんでした。

 今回の快速復活は、この震災前の快速の再開ではなく、待避線増設という投資をしたうえで、普通の運転間隔が詰まっているラッシュ時の運転を視野に入れているようです(日中の運転間隔なら待避線新設は必要ない)。その背景には、先述にように震災前の日中のみの快速列車の需要が少なかったという「実績」が反映されたのかもしれませんが、筆者はそのあたりに少々疑問を感じています。

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(写真:新神戸駅で発車を待つ神戸市営地下鉄。現役車両の全車置き換えが決定済)

 

 神戸市営地下鉄(ここでは海岸線は除きます)は、他都市の地下鉄のように都心部での移動手段というよりは、郊外のニュータウンから都心部への移動手段としての性格が強い路線です。具体的には西神中央~妙法寺間の沿線のニュータウン住民を板宿~新神戸の既成市街地へ輸送することがメインの路線ということができます。また板宿~新神戸の既成市街地の駅の中では三宮への需要が突出しています。これは言い換えれば妙法寺~三宮間の途中駅への停車を必要としない人が常に一定以上の割合で存在しているということです。その意味では、日中・ラッシュ時問わず、神戸市営地下鉄の輸送実態は快速運転の潜在需要が大きいと言うことができると思います。

 このような事情を踏まえ震災前の快速列車の需要が振るわなかった原因を考えると、ニュータウン区間での停車駅が始発の西神中央と名谷のみで、この区間で発生する三宮への需要を十分に拾えていなかったこと、普通列車と合わせた運転本数がやや供給過剰であったことなどが原因であり、日中に快速運転の需要がなかった訳ではないと思います。

 筆者個人としては、駅改良工事の上での本格的な快速運転に先行して、現状の施設での快速運転の復活はできないのだろうかと思っています。具体的には、上記を踏まえ西神中央から名谷までの各駅と三宮に停車するものとして、純粋な増発ではなく、西神中央発を10分間隔、1時間6本とし、そのうち2本を快速化。名谷からの通過区間を救済するため、名谷ー新神戸の普通列車を運転するというものですが、どうでしょうか。

(ダイヤパターン)

 西神 名谷 新長 三宮 新神 谷 快 0 12 通過 25 27 35 

      13 20 31 33止

  10  22 29 40 42 50

  20 32 39 50 52止  

 快30 42 通過 55 57 05

     43 50 01 03止

     40 52 59 10 12 20 

  50 02 09 20 22止

 

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(写真:西神ニュータウンの玄関 神戸市営地下鉄 西神中央駅 開業は1987年)

 

 快速列車の運転再開については、全国の大都市圏で人口増加の受け皿となってきたニュータウンが、住民の高齢化などで勢いを失いつつあり、さらに人口減少の時代に入って、都心部での住居の確保が以前ほど難しくなくなっている現状で、あえて郊外のニュータウンに住みたいと思ってもらうためには、交通面での魅力(都心部へのアクセスの良さなど)も重要な要素になるという点も視野に入れる必要があると思います。

神戸に限ったことではありませんが、筆者は今後「ニュータウン間競争」とでも呼ぶべき状況が到来し、この競争に勝ったニュータウンだけが、今後もニュータウンとして存在するようになると思っています。

 神戸市営地下鉄では快速復活とは別に、阪急電鉄神戸線との直通構想がたびたび話題になっていますが、ラッシュ時の快速運転と阪急電鉄への直通が仮に実現したとして梅田までの所要時間は西神中央から50~55分程度。大阪にフォーカスすれば同条件以上の大規模ニュータウンは数えきれないほどあります。以前の日中快速の復活や、試行的な復活のうえラッシュ時の運転も検討するというようなものではなく、最初から先行投資を伴う快速運転計画が発表された背景には、沿線ニュータウンの今後への危機感があるのではないかと感じました。

 

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