西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

「たま駅長」に沸く和歌山電鐡を訪問(和歌山鉄道旅行3)

f:id:nishiuraexp:20190527222009j:plain午前中に紀州鉄道と紀三井寺を訪問し、一旦和歌山駅まで戻ってきました。

 

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次に乗車する和歌山電鉄の電車はJR和歌山駅の9番のりばから発車します。

 

f:id:nishiuraexp:20190527222145j:plainJRから乗り継ぐ場合は階段を上がったところにある切符売り場でJRの切符を渡す、または改札機でICカードの出場処理をしてから和歌山電鉄の切符を購入します。

 

f:id:nishiuraexp:20190527222222j:plain和歌山電鉄の電車は日中30分毎の運転で、ほとんどの列車が終点の貴志まで行きます。

 

f:id:nishiuraexp:20190527222308j:plain途中の主要駅で和歌山電鉄の拠点がある伊太祁曽まで310円、終点貴志までは400円です。

 

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1日乗車券は780円ですので、終点まで行って帰ってくる場合は、こちらのほうがお得です。窓口で購入すると購入日の日付部分をスクラッチされた状態で手渡されました。サービスでもあり、不正使用防止の意味もあるのでしょう。

 

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和歌山電鉄はもとは大阪に本社を置く大手私鉄「南海電鉄」の一路線(貴志川線)でした。しかし利用の減少から路線の維持が困難になり廃止も検討される中、岡山の路面電車「岡山電気軌道」の子会社となって、2005年に和歌山電鉄として再出発することが決まりました。

 

f:id:nishiuraexp:20190527222511j:plain車両は南海電鉄から引き継いだものですが、沿線外からの観光客誘致策の一環で、編成毎に大掛かりな改造が施されています。

 

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13時25分発の貴志行は「うめぼし」編成でした。

 

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外観だけでなく内装も大掛かりな改造がほどこされています。

 

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座席を撤去して設置された「インテリア」については、沿線の利用者の一部からラッシュ時などに「座れない」という反発もあったようです。

JRのローカル線の中には観光列車の利用者がその路線の利用者の大半という区間もあるようですが、和歌山電鉄の場合は数の上では地元利用が中心で、その不足分を観光客誘致で補うことによって結果的に地元の路線が維持できるという状況だと思います。

沿線の利用者の多くがそのことを理解してくれているからこそできる大掛かりな改造なのではないでしょうか。

 

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途中駅の伊太祁曽には、車庫や車両の検修施設があります。施設は基本的に南海電鉄から引き継いだもののようですが、南海電鉄時代の貴志川線(現在の和歌山電鉄線)は、他の南海電鉄の路線と接続しない独立路線だったため、施設や車両を貴志川線専用で用意する必要がありました。

経営上は非効率であり南海電鉄が貴志川線から手を引くメリットを大きくしたという見方もできます。

 

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伊太祁曽で行き違った編成は「たま電車」でした。「たま」は現在の和歌山電鉄を語る上で欠かすことのできない存在です。

 

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ネコをイメージした駅は「たま駅」ではなく終点の貴志駅です。

 

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「たま」は、この駅の駅長ネコのことで、15歳以上の長生きだった初代の死後2代目が後を継いだ格好になっているようです。

 

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初代は和歌山生まれでしたが、2代目は岡山から「連れてきた」というのが面白いと思いました。

 

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駅舎内のカフェもホームの神社も「たま」にちなむものです。

「たま」を軸に据えた和歌山電鉄や終点貴志駅のPRは巧妙なようで、休日の駅はかなりの賑わいでした。

またその観光客の半数程度が中国や台湾からと思われる外国人が占めているというもの驚きでした。関西空港からのアクセスの良さも追い風になっているようです。

 

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日中は3編成で30分ヘッドのダイヤをこなす運用で、訪問日は、いちご電車、たま電車、うめ星電車の3編成が仕業に入っていました。

 

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14時33分のいちご電車で折り返します。

 

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たま電車やうめ星電車に先駆けて改造が施された編成だったと思いますが内装は比較的おとなしく見えます。改造が次第に「エスカレート?」していった経緯が窺い知れます。

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約30分で和歌山駅にもどりました。和歌山駅での下車時には、和歌山電鉄の改札で切符と交換に精算済証を受け取って、これをJRの改札に通して駅の外に出るというスタイルになっています。

 

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地下道から商業施設連絡の改札を出たところには、和歌山ラーメンが食べられる店がありました。時間帯が中途半端だったので立ち寄っていませんが、乗り継ぎ時間が30分もあれば、ご当地ラーメンを味わうことができそうです。

 

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出発地にもどってきましたが、最後に和歌山駅に発着する短距離路線に乗車します。

JR和歌山駅と南海電鉄との接続駅和歌山市駅を結ぶ2駅3.3kmのJRの路線です。

戸籍上は長大路線の紀勢線の一部という扱いになっていますが、1時間に1~2本の列車は全列車が和歌山~和歌山市の折り返し運転になっています。

 

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私鉄の和歌山電鉄と違い、同じJRですが駅の入口の改札とは別に乗り換え改札があり、ICOCAなどのICカードも利用できません。

 

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105系の2両編成。15時41分発の便は軽く席が埋まるくらいの乗車率でした。

 

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唯一の中間駅「紀和駅」付近は高架になっています。

 

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約6分で南海和歌山市駅の片隅にあるJRホームに到着しました。

 

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南海和歌山市駅からは大阪難波方面への特急サザンが30分毎に運転され、難波までの所要時間は約1時間です。


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南海和歌山市駅には数年前まで「高島屋」が入っていましたが撤退し、現在は駅ビルの建て替え工事が行われています。

 

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和歌山市駅周辺は、かつてはJR和歌山駅周辺と賑わいを二分するエリアだったようですが、現在はJR和歌山駅周辺の比重が高まる傾向にあるようです。

そういう「時代の流れ」にはあえて逆らわないということでしょうか、大半が和歌山市駅どまりとなっている大阪難波からの特急サザンを、さきほど乗車してきたJRの路線に直通させJR和歌山駅まで運転しようという構想もあるようです。

和歌山鉄道旅行はここで終点とさせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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