西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

ANA503便搭乗記(伊丹9:35⇒宮崎10:40)と活気溢れる宮崎空港 (宮崎ソウル函館旅行1)

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3週連続入室の伊丹空港ANAラウンジ。先週はなかったクリスマス飾りが施されていました。

 

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今回は18500ANAマイル(ローシーズン)で購入した、

 

①国際線乗継第1区間

 NH503 伊丹  9:35⇒宮崎10:40

(宮崎観光)

②国際線乗継第2区間

 NH610 宮崎15:55⇒羽田17:25

③国際線往路    

  NH867 羽田20:00⇒金浦22:30

(ソウル泊・観光)                 

④国際線復路   

 NH868   金浦20:10⇒羽田22:15

(羽田泊)

⑤国際線乗継第1区間

 NH4757 羽田  6:55⇒函館  8:15

(函館観光)

⑥国際線乗継第2区間

 NH746  函館13:20⇒ 伊丹15:10

  

の6枚の特典航空券を使って旅行します。

なお国際線往路をビジネスクラスにしたため18500マイル必要でしたが、すべてエコノミーであれば12000マイルで同じ6フライト分の航空券を発券することもルール上可能(マイル数はローシーズン基準)であるほか、

国際線区間にスターアライアンス加盟便を含めると、今回の旅程で言えば宮崎・函館のいずれかでストップオーバー(24時間以上の滞在)をすることも可能になるようです。

  

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しばらくラウンジで過ごすつもりでしたが、最初のフライトである宮崎行503便の出発は9:35にも関わらず9時過ぎにはラウンジ内に搭乗開始の案内が流れ急いで搭乗口へ。

今回も地平の9番搭乗口からバスでの搭乗です。

 

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次発のIBEXエアラインズ福島行は先週利用したばかりです。

 

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バスで移動すること300m程度。歩いた方が早いような位置に沖止めされていたB737-800が本日の宮崎行503便の使用機材でした。

 

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通路を挟んで3列・3列のシート配置の同型機は、A320とならびLCC・MCCで多用されており、スカイマークや春秋航空日本などで利用した記憶があります。

 

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座席定員は170人程度だったと思いますがほぼ満席で、バス4台に分乗して搭乗。

バス4台を走らせてもブリッジ接続より安上がりなのか、ブリッジが不足しているのか、日本の空港施設内を走るバスの収容力が少なすぎるのか。いろいろと考えさせられる搭乗風景でした。

 

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早目の搭乗開始は適切だったようで定時の9:35にドアが閉まり、間もなく駐機場を離れました。

 

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伊丹空港離陸直後に進行方向左手に見える伊丹市の昆陽池公園は都市部では珍しい渡り鳥の飛来地として知られるほか、池の中に日本列島の形をした小島が浮かぶことでも有名です。

 

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徳島上空から四国山地を縦断して

 

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高知県の安芸市付近から太平洋上へ出ました。

 

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機内WIFI対応機材でしたが、「本日は不具合のため使用できません」と案内がありました。

以前から対応機材でもつながらないことがよくありましたが、このような案内があったのは初めてです。

「黙っているのはおかしい」と客から苦情があったのかもしれません。

 

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関西と宮崎市などが立地する九州東海岸は陸地を進む鉄道では遠回りになりますが、

海上の直線距離は近く多くのフェリー航路が就航しています。

陸地の形の制約を受けないのは空路も同じでフライト時間50分程度で日向灘に突き出した宮崎空港の滑走路に着陸しました。

 

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到着時の案内によれば気温は16度、出発時の伊丹空港より5度程度高かったようです。

 

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ターミナルビルから撮影した搭乗機B737-800。

 

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宮崎空港は羽田空港の第1ターミナルと同じく到着客と出発客が顔を合わせる構造になっています。

このような空港では到着時に利用できる店舗やラウンジが多くなる傾向にあるようで、空港内での営業サイド・利用者サイドのいずれから見てもメリットがありそうですが、

あえて羽田第2のように到着客と出発客を分ける構造をとる空港が多いのは保安上のメリットを優先してのことでしょうか。

 

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1階で手荷物受取を終えエリア外に出たところにも飲食店などが並んでいたほか、

 

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ターミナルビル中央部分は吹き抜けを取り囲むように土産物店やレストランなどが並んでいました。

宮崎市の人口はおよそ40万人で大分市の約47万人より少ないにもかかわらず、先日訪問した大分空港より店舗数も空港内を行き交う人の数も明らかに多いように感じました。

東京への足としては宮崎・大分とも空路が主流である点は同じですが、

京阪神へは大分の場合は所要時間的に鉄道も選択肢に入る一方、宮崎では京阪神も空路が主流、九州内の福岡についても多数の便が就航していることなどが理由と思われ、

平成30年度の利用者の統計でも宮崎空港は年約333万で仙台空港に匹敵するのに対し、大分空港は年約197万と数値に開きがみられます。

九州の鉄道に目をやればJR九州の経営について収益力がある北半分を「北半九」、採算が課題の南半分を「南半九」と呼んだりすることもあるようですが、空の世界ではその反対のことが起こっているようです。

 

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空港駅から鉄道で出かけるまでに3階のレストランCOSMOSで早目の昼食をとることにしました。

 

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宮崎和牛ゴロゴロカレーは1230円。

 

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カウンター席からは滑走路を離発着する飛行機を望むことができました。

 

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食後、1階にもどり一旦ターミナルビルを出て、

 

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ターミナルビル隣接の宮崎空港駅へむかいました。

1996年の駅開業時には「高架駅から1階に降りてビルに入り、カウンターでチェックインをして、2階の保安検査場を抜けて搭乗口へ」という流れは自然だったかもしれませんが、

事前のWEBチェックインなどで直接保安検査場へ向かうことが珍しくなくなった現在では高架駅⇒1階素通り⇒2階検査場・搭乗口という動線は面倒な印象をもたれているかもしれません。

宮崎空港駅から宮崎市街や観光地「青島」方面への鉄道事情についてはこちらです。

 

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【国内最速160㎞/h運転】京成スカイライナー乗車記(京成上野15:40⇒空港第2ビル16:21)

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郡山から乗車した東北新幹線「なすの276号」は東京行ですが上野で下車し、京成電鉄の空港特急スカイライナーで成田空港へ向かいます。

 

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東北や上越・北陸新幹線で上野まで行き京成電鉄のスカイライナーに乗り換えて成田空港から出国というのは、鉄道の経路としては東京の地理に詳しくなくても理解しやすく、

実際にそのルートで海外旅行に出発する人も少なくないと思いますが、地下深い上野駅の新幹線ホームから地上の改札口まで移動するだけでも大変で、

 

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JR上野駅から京成電鉄の上野駅への移動も素直に案内に従えば横断歩道を渡っての移動となります。雨だと傘が必要であり大きな荷物を携えての新幹線~スカイライナーの乗り換えはかなりの苦痛を伴いそうです。(地下でつながるルートも探せばありそうですが)

実際に上野駅での乗り換えを体験して、新幹線の「圧勝」で羽田路線がない仙台空港や新潟空港から成田行の航空路線が成立する理由が垣間見えた気がしました。

東北・上越・北陸新幹線沿線から成田空港へ地上の交通機関で行く場合の代替ルートとしては東京駅八重洲口から1000円程度の運賃で頻発しているアクセスバスを使うか、大宮でリムジンバスに乗り継ぐルートなどが合理的かもしれません。

 

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京成上野駅の切符売場。

不慣れな外国人が目立ち、関西で言えば関西空港駅や京都駅の切符売場を思わせる雰囲気です。すべての券売機でスカイライナーの乗車券を買うことができるわけではありません。

 

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切符売場の運賃表。左端中央の赤字が京成上野駅、右上端が成田空港駅です。

両駅はブルーのラインを辿ると京成電鉄だけでつながりますが、スカイライナーが通るのは途中の京成高砂から分岐するオレンジのラインで、成田スカイアクセス線の愛称が使われています。

正式には京成成田空港線といい、線内では京成電鉄が駅や線路などの施設を保有する北総鉄道・千葉ニュータウン鉄道・成田高速鉄道アクセス・成田空港高速鉄道の4社に使用料を支払って電車を運行する「上下分離方式」が採用されています。

 

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成田空港までの運賃はどちらを経由するかによって異なり、ブルーのラインを辿ると1050円、スカイアクセス線経由だと1270円となります。

 

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スカイライナーは2019年10月のダイヤ改正で増発され終日20分間隔での運転になりました。

15:40発のスカイライナー61号の切符を券売機で購入しホームに向かいます。

下車駅の成田空港第2ビル駅には16:21到着予定で乗車時間は41分です。

スカイライナーは全席指定席ですが、何日も前から満席になるようなことは少なく、多くの場合は、今回の筆者のように次の便の指定券を券売機や窓口で購入して乗車することができるようです。

 

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スカイライナーは8両編成です。

成田空港から到着した車両は客を降ろした後、車内清掃と座席の転換が行われるためドアが開いて車内に入ることができるのは発車5分程前になってからです。

 

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現在スカイライナーに使用されている車両は2010年の成田スカイアクセス線開業時に導入されたもので、車内は座席背面のメタリックと青系の配色が目立つ近代的な雰囲気が漂います。

上野から空港まで40分程度ということもあり座席は比較的簡素で航空機のエコノミーの座席に近い掛け心地でした。

 

 

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空港特急らしく出入口付近には荷物置場があります。

 

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座席背面の編成と車内設備の案内。

多彩な設備が整っているように見えますが、非常通報装置や消火器の設置位置を示すものが目立っており、例えばトイレが設置されているのは5号車のみです。

これも全区間乗り通しても40分程度ということが前提になっているのでしょう。

 

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運賃1270円にライナー券1250円が加算され乗車には2520円が必要です。

 

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スカイライナーは地下の上野駅を発車するとすぐに地上の高架線に上がり、JR山手線・京浜東北線などと乗り換えができる日暮里駅に停車します。

JRの特急列車や新幹線など日暮里を通過する列車からスカイライナーに乗り継ぐ場合は上野駅を利用することになりますが、それ以外のJRの列車からの乗り換えは日暮里の方が動線が短く断然便利です。

 

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日暮里を発車すると空港第2ビル駅まで36分間ノンストップ運転となります。

途中京成高砂駅までは住宅密集地の中を走り線形も悪いため速度もあがりませんが、

 

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京成高砂からスカイアクセス線に入ると最高時速は区間により160㎞/hとなり、別の列車に乗り換えたかのような快走が始まります。

車内のモニターには運転席からの映像が流され160㎞/h運転の迫力を実感することができます。

ちなみに最高時速160㎞/hというのは、越後湯沢~金沢間で運転されていたJRの特急「はくたか号」が2014年の北陸新幹線開通により廃止になった後は、新幹線以外では国内最速記録となっています。

 

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成田空港が近づくとJR成田空港線と合流。

両者は横に並び一見すると複線のように見えますが、実態は線路を共有しない単線並列方式となっており、スカイライナーがJRの特急「成田エクスプレス号」や快速列車を走行中に追い越すシーンが見られることもあります。

 

列車は単線並列のまま成田空港の地下に設けられた成田空港第2ビル駅に到着。

成田空港第2・第3ターミナルへは、ここで下車することになります。第1ターミナルを利用する場合は終点の成田空港駅が最寄り駅となります。

下車した成田空港第2ビル駅で隣に並んだJRの特急成田エクスプレス号(写真左)は最高時速130kmでスカイライナーより遅いものの、東京駅からだと50分台で成田空港まで到着することができるほか新宿へも直通するため、山手線各駅からの所要時間では「成田エクスプレスを利用するほうが早い」駅のほうが多そうです。

その観点から言えば、直近のスカイライナーの20分間隔への増発(成田エクスプレスは30分間隔)には、待ち時間も含めたトータルの所要時間で成田エクスプレスに対して優位に立つという狙いも込められているのかも知れません。

 

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成田空港からは日本航空を利用させていただきました。

成田発伊丹行JL3009便は国内線でありながら国際線機材が使われることで知られ、そのビジネスクラス席はクラスJ席として開放されています。

1000円の追加料金で利用したJALの国際線ビジネスクラス席の搭乗記は近日中にアップします。

 

 

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東北新幹線「なすの276号」乗車記。(郡山13:36⇒上野15:16)

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福島空港からバスで40分。郡山駅前に到着。

 

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郡山市の人口は約33万人で福島県内では太平洋岸のいわき市とトップを争う状況です。

県内に県庁所在地に並ぶ大都市がある事例は静岡県における静岡と浜松など他にも見られますが、県庁所在地ではない2市が人口トップを競っている事例は他には思いつきません。

 

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郡山市の中心で東北新幹線も停車する郡山駅の乗車人員は約18000人です。

在来線においても東北本線と新潟方面への磐越西線、いわき市方面への磐越東線が交差する要所となっています。

 

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郡山発13:36発の東北新幹線上り「なすの276号」東京行きに乗り継ぐ前に駅そば屋へ。

 

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筆者の場合「うどん」「そば」の選択はあまりこだわりを持たず「郷に入れば郷に従え」的なところがあって、概ね関東甲信越以北では「そば」、中部以西では「うどん」にすることが多いように思います。

衣ばかりではない「真面目なイカ天」が入って400円台というのも良心的でよかったのではないでしょうか。

 

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東海道山陽新幹線の「こだま」に相当する東北新幹線の「なすの号」は朝の時間帯は那須塩原、日中は郡山折り返しが多く、郡山始発となる列車は仙台・盛岡方面の下りホームからの発車です。

 

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乗車する車両を写すために11・12番線ホームの端(東京方)まで行くと、ホーム柵の銘板に213km827mと表記がありました。

この213km827mは東北新幹線の起点の東京駅からの新幹線の軌道の正確な距離を示しているようですが、市販の時刻表で東京駅~郡山駅間の距離を調べると226.7kmとなっています。

これは東北本線と東北新幹線のように新幹線に並行する在来線が新幹線開業後もJR(国鉄)として運行している場合、新幹線の運賃料金の計算に用いられる「営業距離」は在来線の「営業距離」と一致させることになっているためで、

それにより運賃計算や精算事務の合理化が図られ、そのメリットは乗客も享受しているはずですが、

端的に言えば新幹線の運賃・料金は実際の乗車距離より長い距離で計算されてことになります。

なお並行在来線がJRから分離されているケース、例えば金沢~富山では、JRの後を継いで在来線を運行する3セク会社の営業距離はJR時代からの距離(59.4km)を踏襲しているのに対し、新規開業の北陸新幹線は実際の距離である58.6kmが「営業距離」になっています。

 

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乗車する「なすの276号」は最高時速320kmで世界最速を誇る東北新幹線最速種別の「はやぶさ」号用に製造が開始されたE5系の10両編成です。

高速走行時の抵抗を少なくするために考案された超ロングノーズがこの車両の外見上の最大の特徴です。

 

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鼻先が長い分、両端の車両は車内スペースが狭くなっており、写真が1号車の客室内の全景です。なお反対側の10号車はグリーン車のさらに上級クラスであるグランクラスとなっています。

 

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2号車内。東京寄りの自由席は始発の郡山発車時点では非常に空いた状態でした。

 

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乗車中のE5系以前の東北新幹線の車両はシートピッチが98cmでしたが、E5系では東海道新幹線の普通車と同じ104cmとなり足元には余裕が感じられます。

航空との比較ではJALのクラスJが97cmとなっており、ピッチはそれより7cmも広い計算になりますが、

「クラスJほどのゆったり感がない」と感じるのは昭和の0系新幹線時代からほとんど変わっていない横幅のせいでしょう。

 

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シートポケットに入っていた編成表と車内誌トランベールと産直品のカタログ。

以前はこれとは別に通販のカタログが入っており、新幹線や鉄道・旅行などとは無関係の品まで豊富な品揃えで買う気はなくても見ているだけで面白かったのですが、一般のネット通販の普及により廃止されたようです。

 

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郡山を出て最初の停車駅新白河に停車。

東北地方と関東地方を分ける小さな町に設置された駅ですが、まとまった数の乗車がありました。

駅自体は福島県(東北地方)に位置しますが、この駅の利用は東京方面が主流のようで仙台方面のホームに人影はほとんどありません。

 

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北関東の栃木県に入り黒磯付近を通過。

市街地を通りますが新幹線の駅は南に5kmほど進んだ那須塩原に設置され、そこで在来線の東北本線と接続しています。

 

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栃木県の県庁所在地宇都宮に接近。

 

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14:17。郡山から41分で宇都宮に到着。

 

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通過列車の待避のため3分停車します。郡山から東京の間でなすの276号が後続列車に道を譲るのはここだけであり、東海道山陽新幹線の「こだま」と同じように各駅に停車していても、運転は非常にスムーズに感じられました。

 

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ホームの停車位置表示。

多種多様な編成・車両は鉄道ファンにとっては東海道新幹線にはない東北新幹線の楽しみでもありますが一般の乗客には難解な面もあるかもしれません。

 

 

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14:32。両毛線・水戸線が乗り入れる小山に到着。東京までは在来線でも行くことができる距離ですが、乗車が目立ち車内は8~9割の席が埋まりました。

 

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上越新幹線との複々線区間に入ると大宮到着の放送が流れます。

写真の防音壁の向こうには新交通システムのニューシャトルが新幹線の軌道に並走しています。

東北新幹線が建設された昭和50年代は先発の東海道新幹線の騒音問題が顕在化していた時期で、沿線住民にメリットをもたらす話とセットでないと建設をスムーズに進められなかったのでしょうか。

 

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14:50。大宮に到着。東北・上越・北陸の3新幹線が発着するターミナルですが、東京の「近郊輸送」が主体の「なすの」号は乗車・下車とも意外に少なく、満席近い乗車率にも変動はありません。

 

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大宮から東京方面は最高時速が110kmに規制されていますが現在これを130㎞に向上させる計画が進行中です。

所要時間短縮効果は1分程度とのことですが、将来の北海道新幹線札幌延伸を見据えJR東日本がまずこの区間のスピードアップに着手したのはもっともなことだと感じています。

例えば東北新幹線の最速列車はやぶさ号が最高時速320kmで64kmを走行するのにかかる時間は12分ですが、これを11分にするために必要な速度は時速349kmと計算されます。

一方時速110kmで11kmを走行するのみかかる時間は6分、これを5分にするために必要な速度は時速132kmです。

東北地方で64kmにわたって時速350km対応工事をするより、この区間を130km化するほうが効率的であり、その短縮効果は同じ線路を走る北陸新幹線や上越新幹線の全列車に及ぶことになります。

 

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15:16.上野駅の地下ホームに到着。終点東京駅に向けて発車していく列車を見送り、成田空港へ向かう京成電鉄のスカイライナーに乗り継ぎました。

郡山から上野まで約210kmを100分で走り平均時速は126km。

大宮以南の徐行があるとはいえ、停車駅ごとに「のぞみ」の待避を繰り返しながら東京~新大阪を走破する東海道新幹線のこだま号とほぼ等速というのは意外であり、

最高速度では東北新幹線に劣る東海道新幹線のダイヤや車両がいかに洗練されたものであるかを裏付けているかのようでもあります。

つづきはこちらです。

 

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【伊丹⇒福島】IBEXエアラインズ79便(ANA3179便)搭乗記と福島空港リムジンバス

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伊丹空港ANAラウンジ。

今回は11:00発のIBEXエアラインズ79便(ANA3179便)で福島へ向かいます。

航空券はANA便名で確保した特典航空券です。

 

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前回の大分行のフライトと同じく他の搭乗口があるフロアから階段を降りたところにある9番搭乗口からバスを介しての搭乗となります。

 

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伊丹福島線は平成5年の福島空港開港以来の路線です。

 

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福島行の全搭乗客が1台のバスにおさまりました。

 

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機体に到着。

 

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IBEXエアラインズの本拠地仙台周辺の観光キャラクター「むすび丸」ラッピング機材での運航です。

 

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指定の席に着席するとシートポケットには福島県の特産品のカタログが入っていました。

先週利用した大分行では見た記憶がなく、行き先によって機体を使い分けたりシートポケットの読み物を差し替えたりしているのでしょうか。

 

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伊丹空港離陸後左へ左へと旋回をつづけ東へ進路をとります。

 

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大阪と京都の府境がある山崎周辺。左が大阪府高槻市方面、右奥が京都市方面です。まだ上昇中で高度はそれほど高くありませんが、遠方に目をやると若狭湾つまり日本海が見えており、その距離の近さに驚かされます。

 

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70人乗り機内ですが、搭乗率は6割程度だったようです。

後部座席に座って機内を見渡すと、枕カバー背面のIBEXエアラインズの親会社「株式会社日本デジタル研究所」の広告が非常に目立ちます。

 

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今回は小刻みな揺れがつづきドリンクサービスは「りんごジュース」のみとなりました。

機長の放送があり「ただいま愛知県の上空を飛行中。あと8分程で福島空港に向け降下を開始します。」とのこと。水平飛行の時間は伊丹羽田路線などと同程度です。

 

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山梨県付近で雲の間に冠雪した山並みを見ることができました。

 

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福島空港に向け降下をつづけ雲を抜けたタイミングで進行方向左手に見えた山は磐梯山でしょうか。

西日本ほど土地勘がないため間違っているかもしれません。

 

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伊丹空港から約1時間で福島空港に到着しました。

 

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沖止めでターミナルビルへは徒歩で向かいます。

 

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関西空港からピーチを頻繁に利用しているため、徒歩でターミナルへ向かうことに抵抗はありませんが、ここは歩く距離が長く200mくらいはあったと思います。

雨・雪の日などは傘を貸してもらえたとしても少々面倒かも知れません。

 

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ターミナルビル内にあった伊丹からのフライトマップ。仙台行に比べるとかなり南を飛行するようです。

 

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手荷物受取を終え1階制限エリア外へ。

 

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奥には国際線エリアがありましたが、閉鎖されていました。

福島空港のHP によれば台湾の遠東航空が不定期で台北へのチャーター便を運航しているようです。

 

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福島空港が立地する福島県須賀川市はウルトラマンの生みの親「円谷英二」氏の出身地でもあります。

 

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現在福島空港を発着するフライトはチャーター便を除くと、伊丹線が1日3往復、新千歳線が1日1往復の計4往復のみとなっています。

 

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ターミナル見学は早々に切り上げバス乗り場へ。

空港からのバスを運行するのは地元の福島交通です。

福島空港からのバスは飛行機の到着にあわせ9:35、12:20、17:05、17:40、20:45発の計5便が郡山駅へ向かうのみです。

このような空港では到着後速やかにバス乗り場に向かう必要があります。

接続のバスが出てしまうと空港は陸の孤島と化し、最寄りの街や駅まで高額のタクシー料金を支払わざるを得ないことになってしまいます。

バスの郡山駅までの所要時間は40分。運賃は1120円です。

 

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前乗り前降り高速バスタイプの4列シート車両ですが、シートの枕カバーにはIBARAKI  KOTSU の文字があります。

 

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シートポケットにあった車内誌「みちのり」。

運行会社の福島交通は枕カバーに名前があった茨城交通などとともに「みちのりホールディングス」 の傘下に入っています。

 

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みちのりホールディングスは経営難に陥った公共交通事業者などを傘下に収める持株会社で、傘下の事業者間の連携や調整を行うことで収益性を向上させ、公共交通ネットワークの最適化を図ることなどをビジョンに掲げています。

乗車している福島空港のリムジンバスに使われている車両は、元は茨城交通の高速バス車両だったのではないでしょうか。

空港と市街地を直結するリムジンバスは途中の乗降が少ないという点で高速バス路線と共通する一方、高速道路を長時間走行するような路線は稀であることから走行負荷が小さく、高速バス路線で長年使用した車両の「再就職先」としては好適と言えます。

しかし一つのバス会社内で都合よく、高速バス路線への新車導入⇒従来車両の空港路線への配置換え⇒空港路線に使っていた車両の使用停止というようなサイクルを回せるケースはそう多くないと思われ、

そこに「みちのりホールディングス」がビジョンに掲げる「事業者間の連携・調整による収益向上」という考えが活かされる余地があるのでしょう。

 

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12:20定刻に発車。

 

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ターミナル出口の交差点に表示されている各都市への距離は非常に興味深いものです。

福島県南部に位置し県都福島市以上の人口を有する郡山へは24km ですが、福島までは76kmあり空港から直通するバス路線もありません。福島を名乗る空港でありながら福島までの距離では仙台空港と大差ないという点も見逃せません。

また北関東の水戸へ126km、宇都宮へ109km というのは、両都市から東京都心や羽田空港までの距離と同レベルです。

茨城空港が開港するまでは、水戸や宇都宮から大阪や札幌へ行く場合に、「鉄道で羽田空港まで行くより車で福島空港へ向かうほうが便利」ということもあったはずです。

 

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郡山駅までは全区間一般道走行です。

JR東北本線には空港所在地の須賀川を名乗る駅がありますが、バスの車窓からは水戸と郡山を結ぶ水郡線の線路が見えていました。

 

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30分程で大きな市街地が見え

 

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郡山駅の北側でJR東北本線をオーバークロスして、

 

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13:00。ほぼ時刻表通りに郡山駅に到着しました。

乗客は5人程と伊丹からIBEXの小型機で到着した人数を考慮しても少なく、やはり福島空港のアクセス・イグレスのメインは車のようです。

 

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到着したバスターミナルの隣の乗場には会津若松行きのバスが発車待ちをしていました。

福島空港のHPにもバスを乗り継いで会津若松方面への向かうダイヤが紹介されています。

空港から直行便を運行するほどの需要は見込めないので、「需要が見込める郡山駅までのみバス路線を運行しています。福島市や会津若松方面へお越しの方は、終点の郡山駅で接続のバスや鉄道に乗り換えて下さい。」ということのようです。

郡山駅からは東北新幹線なすの号と京成スカイライナーを乗り継いで成田空港へ向かいました。つづきは近日中にアップします。

 





























 

【車庫回送の新幹線に300円で乗れる】JR西日本博多南線訪問記

 

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大分駅から特急ソニック号で到着した博多駅。

1987年のJR発足により九州内の国鉄路線はJR九州に引き継がれましたが、例外として新大阪から博多まで乗り入れる山陽新幹線については、終点博多までJR西日本が運行することになりました。

これによりJR化後の博多駅にはJR九州とJR西日本の2社の列車が乗り入れています。

ところで大阪方面からJR西日本の山陽新幹線を通り博多に到着した新幹線車両は博多駅の先約8kmに位置する車両基地まで引き揚げるものが多いのですが、

車両基地がある那珂川町は福岡市の中心に近いにもかかわらず交通が不便であったことから、住民から回送列車を営業列車として開放してほしいという要望が国鉄時代からありました。

平成2年にJR 西日本が車両基地の脇に博多南駅という新駅を設けることでその要望を実現し、営業を開始したのがこれから乗車する博多南線です。

博多南線はそのような成立経緯から全て新幹線の車両で運転されますが、JR 西日本内では在来線として扱われています。

似たような例としてはJR 東日本の上越新幹線越後湯沢駅から近くのスキー場最寄りのガーラ湯沢駅への路線を在来線として開業させた事例があります。

前置きが長くなってしまいましたが、早速在来線の博多南線が発車する新幹線ホームへ向かいます。

 

f:id:nishiuraexp:20220304172841j:plainJR 九州の在来線切符売り場とは離れた「みどりの窓口」内にある自動券売機で博多南までの切符を購入します。

 

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博多南線は終点まで8分で途中に駅はありませんが、全列車が特急列車という扱いになっており、普通乗車券200円とは別に100円の特急券が必要になります。

1枚にまとめてもよさそうですが自動改札機のシステムが乗車券と特急券を別々に認識するようになっているのかもしれません。

 

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筑紫口に近い新幹線のりばの改札からホームへ向かいます。

 

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次の博多南行は15:12。ひかりレールスター仕様の700系編成での運転です。

博多南線の使用車両は時刻表に明記されており、現状ではこの車両で運転される便が最も多くなっています。

 

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ひかりレールスター仕様の700系は全車両が普通車ですが、博多まで指定席として運転される車両については東海道新幹線のグリーン車と同様の横4列(通常は5列)のシート配置になっています。

なお博多南線内は全便全車両が自由席として運転されます。

 

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このレベルのシートに100円の追加で乗ることができる事例は他にはなさそうです。

 

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発車10分前には空席が多かったものの、直前に乗車する人が多く、さらりと席が埋まって発車時刻になりました。

 

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客層は大都市近郊の私鉄線に似ており、日曜午後の下りでは、買い物帰りの家族連れや塾や部活帰りと思われる学生などが中心でした。

 

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博多駅発車後しばらくJR 九州の在来線鹿児島本線としばらく併走します。

 

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鹿児島本線と離れ市街地の高架を走ること数分、

 

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ポイントで本線と分岐し高架を降りると車両基地の脇にある博多南駅に進入します。

なおここまでの高架線は山陽新幹線開通から長らく車両基地への引き込み線扱いでしたが、

2011年の九州新幹線開通後は九州新幹線本線としても使われており線路を共用する格好になっています。

 

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15:20博多南駅に到着。

仮ホームのような単線一面の簡易な駅です。

 

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到着した車両の向こうには車両基地で発車を待つ新幹線車両が見えています。

 

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博多南駅の管理は以前はJR 九州が行っていましたが、近年JR 西日本の管理に変わり改札周辺は京阪神近郊の小さな駅とよく似た雰囲気です。

 

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駅舎も非常に簡素なものですが、写真にも写っている前面道路をまたぐ陸橋の先には大都市近郊の駅前でよく見かける複合ビルができており、

 

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1階がバスターミナル、2階が博多南駅連絡口、3階4階にはオフィスなどが入居しています。

 

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バスターミナルを発着するのは地元のコミュニティバスと西鉄バスで、

 

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本数的には西鉄天神大牟田線の大橋駅へ向かうものが圧倒的に多いようです。

博多南と大橋の路線は旅行者には利用機会があまりなさそうですが、

路線途中の住民にとっては博多へ向かうときは博多南行(博多南線乗り継ぎ)、繁華街天神へ向かうとかは大橋行(西鉄乗り継ぎ)と使い分けができバスの営業上も効率がよさそうです。

 

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陸橋から駅にもどると地元那珂川町の市制施行を祝うJR 西日本作成の看板が設置されていました。

1990年の博多南駅開業時には3万人台だった地元那珂川町の人口は5万人を越え単独での市制施行に至りました。

その背景に、この地域の交通環境を劇的に改善した博多南駅の存在があったことは言うまでもなく、両者は共存共栄の関係と言えそうです。

 

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博多南駅からは博多駅乗り継ぎとなるJR 九州福岡近郊区間への切符を買うことができます。

 

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博多南駅を発車する列車は朝ラッシュ時に1時間に4本程度、日中以降は1時間に1本と多くはありませんが、駅の利用者数は乗車人員で約7000人に達しています。

遠方からこの駅のラッシュの様子を見に行くことは容易ではありませんが、数値からその様子を推し量ることはできます。

ラッシュ集中率を40パーセントと見積もるとラッシュ1時間に約2800人が4本の列車に乗車している計算になります。

1分あたり45人から50人が改札を通過する状態が1時間つづき、横5列シートの車両を含む8両編成の全ての座席を埋め立客も多数の状態で博多駅に向けて列車が発車する光景が毎朝見られるに違いありません。

 

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15:47発の復路に利用した博多行もレールスター仕様の700系8両編成でした。

 

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休日の午後に博多へ向かう利用者は少ないようで、博多駅寄りにある改札口から遠い車両は1両数人という状態でした。

 

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発車後本線との合流地点で鹿児島中央方面へ向かう九州新幹線の列車と行き違い。

九州新幹線の最高時速は260kmですが博多南線列車との共用区間は120km制限となっています。

 

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15:55博多駅に戻ってきました。

 

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列車は約5分博多駅に停車したのち山陽新幹線こだま号岡山行となって発車します。

博多駅からは多数の乗車が見られましたが、広島や岡山へは後続の「のぞみ」の方が早着することから、その多くは小倉までの福岡県内利用の乗客と思われます。

博多~小倉間の在来線(鹿児島本線)にはJR九州が多数の特急列車を運転していますがその所要時間が40分台であるのに対し、山陽新幹線だと20分かからずに到着することができます。

JR九州は特急料金を割り引く特例を設けるなどの対抗策を実施しており、

博多~小倉間は全国的にも珍しいJR同士が客を奪い合う区間となっています。


 

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【大分~博多間2550円】883系特急ソニック30号乗車記(大分12:45⇒博多14:46)

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博多行の特急ソニック号に始発駅から乗車するため別府から逆行して到着した大分駅。

 

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乗車するのは大分駅発12:45の特急ソニック30号です。

 

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特急ソニック号には883系と885系の2種類の車両が使われていますが、

今回乗車する30号は883系での運転です。

 

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隣に停車していた787系(左)と885系(右)。

787系は九州新幹線開通前の博多と西鹿児島(現鹿児島中央)を結ぶ「つばめ号」として登場し、ビュッフェや個室を備えるなどJR 特急の中でも最高クラスのサービスが提供されていましたが、新幹線開通後は日豊本線の大分以南、宮崎・鹿児島方面で運転されるようになり、ビュッフェ車両も一般座席車両に改造されてしまいました。

885系は博多と長崎を結ぶかもめ号のスピードアップのため導入され制御振子装置を備えているほか、ドイツの高速列車を思わせる流麗な前面のデザインなどは一筆に値しますが、バブル期に設計された787系に比べると車内設備の点ではやや物足りなさが感じられます。

なお885系で運転されるソニック号は「白いソニックで運転」と時刻表に表記があるので博多大分を往復する際には883系との乗り比べも面白いかも知れません。

 

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枕部分が特徴的な形をしている883系のシート。

以前は色使いも奇抜でしたが、現在では885系に準じた落ち着いた色に変更されています。

 

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シートピッチは充分でコンセントもついていますが、登場から四半世紀が経過しやや設備がくたびれてきている印象も受けました。

 

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シートの色は変更されましたが、エントランス部分などには、登場時の派手な色使いが残っています。

 

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大分発車時点では2割程度の着席率でした。

 

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早々からの高速運転で別府湾を回りこみ次の停車駅である別府へ急ぎます。

 

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シート枕部分の裏側はチケットホルダーになっており、ここに切符を差し込んでおけば検札で起こされることもありません。

 

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今回は乗車2日前にJR九州のサイトから「ネット限定きっぷ」という企画乗車券を購入し運賃料金の合計は3150円でした。

乗車3日前までなら「ネット早得3」という選択肢もあり、そちらは2550円まで割り引かれます。

これは乗車区間の普通運賃より安い値段で特急の指定席を利用できることを意味しており、ネット会員になりさえすればいつでも買うことができる企画乗車券としては破格の割引と言えます。

 

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背景には高速バスとの激しい競争があります。

写真は大分と福岡を結ぶ「とよのくに号」(大分交通運行便)で、大分駅から福岡市の繁華街「天神」まで2時間15分。運賃は片道3250円。往復5760円となっています。

大分福岡間にかぎらず九州は高速バスの発達が著しい地域であり、JR 九州の都市間特急列車は「例外なく」と言ってもよいレベルで高速バスと競合関係にあります。

 

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特急ソニック号の最高時速は130km 。

大分・博多間199km を最速2時間1分で結んでいます。概数では200kmを2時間で走っていることになり、駅停車時間を含めた平均時速はほぼ100km 。

JR 九州の在来線特急としては最速ですが、九州北端の小倉(北九州市)を経由するソニック号の走行経路はかなりの遠回りになっており、

九州を横断してまっすぐ福岡に向かう高速バスとの所要時間差は、福岡側の目的地によってはほとんどありません。

見方によっては「遠回りの不利を補うための九州最速」ということもできるかも知れません。

 

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別府を発車したのち大分空港に近い杵築を通過。

ソニック号が30分間隔で駆け抜ける日豊本線の大分以北ですが、一部は単線のままになっています。

 

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九州の東海岸は西に比べて人口が希薄で普通列車の本数が少ないため、パターンダイヤで走る特急同士が単線区間で行き違わないようなダイヤにしておけば影響はないのでしょう。

 

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13:31。高架の中津駅に停車。小倉からの折り返しも多くダイヤ上はここから北九州の都市圏に入りますが所在地は大分県です。

 

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13:48。福岡県に入り平成筑豊鉄道が分岐する行橋までくると小倉まであと25km。

沿線には市街地が目立つようになります。

 

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城野駅付近で北九州都市モノレールの軌道が見えると政令指定都市北九州市の中心小倉駅はまもなくです。

 

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14:03。大分から1時間18分で小倉に到着。

ここで新幹線とソニック号を乗り継ぐと新大阪から3時間台で別府・大分へいくことができます。

大分空港の立地を考えれば飛行機利用と所要時間に大きな差はないでしょう。

 

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小倉では進行方向が変わるため車内ではセルフサービスて座席の転換が行われます。

声を掛け合ってと言いたいところですが、乗り慣れている人にとっては当然のことのようで、皆さん無言で荷物をまとめて立ち上がり黙々とシートを転換していました。

シートの向きが変わると使用するコンセントも変わるため充電中の電子機器などは一旦コンセントから抜き取る必要があります。

 

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博多側のデッキにはシースルーのドアがついていることがわかります。

 

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小倉の次は黒崎に停車。

黒崎駅の先で黒崎が起点の筑豊電鉄の軌道が別れていきます。

 

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陣原駅を通過し次の停車駅折尾に接近。折尾駅は長期にわたる駅施設の改良工事の最中です。

現状では写真のように筑豊本線の乗り場は改札も別で違う駅のようになっています。

 

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博多への足として新幹線も利用でき高速バスの本数も多い小倉に対し、黒崎や折尾は在来線特急の役割が大きいようで、両駅ともまとまった乗車があり、

 

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車内は6割程の乗車率に。

大分から走ってきたソニック号ですが、福岡県内の折尾→博多間が最混雑区間となりました。

 

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遠賀川の鉄橋をわたると北九州の近郊区間は一段落し車窓には田園風景も見られるようになりますが、走るほどに福岡のベッドタウンの家並みが増え、

 

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小倉から約40分で福岡市の中心部に入り、左手から篠栗線が合流すると、まもなく終点の博多に到着します。

 

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14:46。大分から2時間1分で定刻に博多駅に到着。

 

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今回利用した企画乗車券「ネット限定きっぷ」にはグリーン車用もあり大分・博多間は4650円でした。

博多到着後にグリーン車内を覗くとシートは横3列ですが、シート形状は普通車のものとさほど変わらないようで「普通車で隣が空席なら、あえてグリーン車に投資しなくてもよいかな」という印象を持ちました。

 

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このあと車庫へ回送する新幹線に300円で乗車することができる博多南線に乗車しました。

つづきはこちらです。

 

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別府北浜周辺散歩と大分駅前

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大分空港からバスで約1時間。別府市の中心で別府駅も徒歩圏内の別府北浜に到着。しばらく周辺を散歩します。

 

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別府北浜のバス停留所からバスで来た道を少し戻ったところには別府タワーがあります。

雰囲気が大阪の通天閣にそっくりです。

 

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タワーがあるビルまで行くと入場券の販売機と古風なエレベーターがありました。

入場券は300円。展望台は17階にあります。

 

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別府タワーは通天閣だけでなく名古屋のテレビ搭や東京タワーなども設計した内藤多仲という建築学者の手によるもので、雰囲気が似ているのも当然なのかもしれません。

 

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展望台からの眺め。南(大分市方向)。

 

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展望台からの眺め。北(別府観光港方面)。

 

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あまり商売気は感じられませんでしたが、展望窓沿いに並べられたテーブルでドリンクを注文して一服する事もできます。(ウーロン茶は250円。)

 

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タワーを降り徒歩10分ほどの歓楽街の中に、やや場違いな感じもする立派な木造建築があります。

 

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竹瓦温泉の建物は昭和13年に建てられたもので登録有形文化財に指定されています。

 

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市営の浴場として営業中で気軽に入浴することができます。

普通浴110円。砂湯1050円と表示が出ていました。

 

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竹瓦温泉からアーケード街を歩いて別府駅へ向かいます。

 

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坂を上り駅前まで来るの洋館風の駅前高等温泉の建物が。

竹瓦温泉同様公営で気軽に入れるようなので、また機会があれば試してみたいものです。

 

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別府駅。徒歩で温泉街にアクセス可能な立地で、特急列車で博多から1時間50分程度。小倉から1時間10分程度で到着できます。

 

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駅前に立つ銅像。

油屋熊八は明治時代に別府や湯布院の観光開発に功績を残した人物です。

 

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銅像の後ろにはお湯で手を洗うことができる「手湯」があります。

 

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大分駅コンコース。

 

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別府発12:03の普通列車で大分へ移動します。大分までは3駅、普通列車で15分程度です。

 

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大分駅に到着。

 

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高架化された大分駅は東西両側に駅前広場がありますが、東側のほうが賑やかです。

 

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東側駅前広場には大友義鎮像。

九州北部を治めた戦国武将ですが、キリシタン大名としてと知られ、洋服姿の像は武将というより「立派な先生の銅像」というような風格が漂っています。

別府駅前の油屋熊八の銅像の姿とは好対照であり、

大分の人は行政の中心としての「大分」と、古くから温泉街として知られる「別府」という、隣合う性格の違う二つの街を上手に使い分けているのかもしれません。

 

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大分駅からは在来線特急としては九州最速のソニック号で博多へ向かいました。

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