今回は、ここ京都を起点とする山陰本線の特急「はしだて号」で、まず京都府北部の福知山駅へ向かいます。
少し離れたくらいでは画面に収まらない巨大な京都駅舎ですが、
デパートやホテルが大きな面積を占めており、肝心の駅施設は不慣れな外国人観光客が多いこともあって、いつもごった返している印象があります。
山陰本線の列車はは中央改札から入って右手に進んだところにある行き止まり式のホームから発車します。
同じホームの東側には北陸方面の特急列車などが停車するこの京都駅改札直結ホームは日本一長いことで知られています。
山陰本線の京都近郊は90年代に電化され特急列車も電車での運転が大半ですが、一部福知山駅から京都丹後鉄道に乗り入れる便は今もディーゼル車両が使われています。
また電車の便も含め2本の列車を併結した列車が多いのも山陰本線京都近郊の特徴で
乗車する12時25分発についても「はしだて5号久美浜行」4両編成の後ろに「まいづる5号東舞鶴行」2両編成を連結した6両編成となっています。
「まいづる号」は目的地の福知山駅の手前、綾部駅で切り離され舞鶴線方面へ向かうため、必然的に前4両の「はしだて号」に乗車することになります。
車両は京都丹後鉄道保有のKTR8000系です。
登場から20年以上が経過する車両ですがディーゼル車両にありがちな「煤煙で黒ずんだ」というイメージからは遠い洒落た外観にリニューアルされています。
2両が編成単位となっており、片側の車両にはミニロビーにようなフリースペースがあります。
15分前にホームに着いたときにはすでに入線していましたが、車内清掃の時間が結構長く、車内に入ることが出来たのは発車7分程前になってからでした。
車内もリニューアルされています。鉄道ファンなら一見してデザインを担当した「先生」の名前が出てくることでしょう。いわゆる水戸岡デザインです。
木をふんだんに使った車内や派手な模様のシートも多くの鉄道会社の車両で見られるようになっています。
シートのテーブルは古典的な前の席から引き出すタイプですが、シートピッチはかなり広い印象を受けました。
日除けのデザインも凝っています。(発車後撮影)
12時25分京都駅を定刻に発車。
京都駅を発車すると間もなく左手に京都鉄道博物館の入口に隣接する旧山陰本線二条駅舎が見えます。
京都鉄道博物館へ行こうとすると、これまでは京都駅・山陰本線丹波口駅・東海道線西大路駅いずれからも徒歩15分から20分ほどかかっていましたが、2019年3月に山陰本線梅小路京都西駅が開業しアクセスが格段に改善しました。
現在の二条駅付近は高架化されており、列車は京都の街並みを見下ろしながら北西方向へ進路をとります。
太秦駅を通過する付近では、短時間ですが東映太秦映画村施設内の時代劇のセットを左手の車窓から見下ろすことができます。
嵯峨嵐山駅を通過すると山間部に分け入ります。
線路はトンネルで直線的なルートを進むよう改良されていますが、トンネルを抜ける度に蛇行を繰り返す保津川にかかる橋を渡る格好です。
車窓をよく見ていると保津川に沿って延びていた旧線と一緒に保津川下りの船が見えました。
山間部を抜けると亀岡駅に停車します。
亀岡市の人口は約87000人。京都市のベッドタウンですが人口規模だけみれば山陰本線沿線では県庁所在地の松江・鳥取についで3番目ということになるようです。
亀岡をでるとのどかな田園風景が広がります。
列車本数は亀岡駅まで毎時特急1本、快速1本、普通3本の計5本に対し、亀岡駅から先は特急1本、普通2本の計3本に減少します。
山陰本線京都近郊は、一時福知山線の大阪近郊のあとを追うように利用が伸びていた時期がありましたが、園部駅までの全線複線化が完成する頃には頭打ちとなっており、全線複線化完成のダイヤ改正でも日中の運転本数は変わりませんでした。
ちなみに現在の山陰本線京都近郊の輸送量は山陽本線の広島周辺と同レベルになっています。
車両基地で休む近郊型電車が見えると園部駅に到着します。
京都駅から34km。京都近郊区間は実質ここまでで、この先普通列車は毎時1本になります。
園部駅をでると次の綾部駅まで約40分停車駅はありません。車内も落ち着いてきたので席を立って車内を歩いてみます。
デッキや洗面所もリニューアルされておりドア横に絵が飾ってあるなどなかなか凝っています。
隣の車両に入ると一番奥に「ミニロビー」の入口にかかる暖簾が目に入りました。
暖簾をくぐって入ったロビー内。車内は空席もありますが、ここで寛ぐ人も少なくないようでした。
園部からは沿線に人家も少なく長閑な風景がつづきます。
久しぶりに車窓に市街地を見ると綾部駅に到着です。
ここで後ろ2両の「まいづる号」が切り離されます。
「はしだて号」は4両で空席がありましたが、2両のまいづる号は綾部時点でもほぼ満席のようでした。
「まいづる号」が少し後退して切り離した完了。
「まいづる号」は切り離し完了後にドアが開き乗降が済むとすぐに発車。1分程おいて「はしだて号」も発車しました。
綾部から福知山までは国鉄時代から複線化されており、現在は複線電化の近代的な姿になっています。
綾部駅から10分程で福知山市街地に入り、左から福知山線の軌道が合流します。
福知山駅に到着するとホーム向かい側に大阪から福知山線経由で到着した城崎温泉行の特急「こうのとり号」が停まっており、引き続き山陰本線下り方面へ向かう場合は乗り換えとなります。
両特急列車はしばらく同じホームに並んだのち、それぞれ山陰本線下り方面と京都丹後鉄道線方面へ発車していきました。
このあと福知山線上りの普通列車で柏原駅まで行ったのち、上りの特急「こうのとり号」で尼崎へ向かいました。つづきはこちらです。