今回はここ東京都台東区、東武浅草駅から11時発の特急リバティ会津117号で福島県の会津田島へ向かいます。
特急リバティ会津は東武浅草駅と会津鉄道の会津田島を結ぶ特急列車です。
私鉄特急としては運転距離では近鉄特急しまかぜ(京都~賢島)についで2位ですが、リバティ会津は途中から各駅停車になることもあって終点までの所要時間では最長となっています。
東武浅草駅の切符売り場。
運賃についても終点会津田島まで行く場合、東武鉄道、野岩鉄道、会津鉄道の3社にまたがることもあり普通運賃だけで3240円となります。
1本の列車の乗車にかかる運賃としては、これも私鉄最高記録ではないでしょうか。
ちなみに浅草から会津田島までの特急料金は2110円でした。
特急料金については東武鉄道のサイトで列車の予約をした際にクレジットカードで支払いを済ませておけば、予約完了のメール画面またはそれをプリントしたもので乗車できるので遠方からの旅行者には便利です。
車両と対面。東武浅草駅のホームは先端部が湾曲しているうえ極端に狭くなっています。開業時は2~3両程度だったものを6両編成が停まれるよう延伸した結果だと思いますが、
現在の東武鉄道の需要は6両編成分のホーム2面の浅草駅で捌けるレベルを遥かに越えており、JRや地下鉄と接続する北千住駅が実質的なターミナルになっているようです。
リバティ会津117号は途中の下今市までリバティけごん17号東武日光行と併結運転となります。
双方が3両の6両編成で浅草駅を出発します。
登場からまだ2年程度ということもあり車内は非常に綺麗でした。
色使いはリバティ会津と同じく東京から北へ向かう東北新幹線の車内と似通ったものがあると感じました。
シート。
ピッチは余裕があります。
よく見るとシートのモケットには和風の模様が施されています。
使いやすい場所にコンセントがあり、テーブルは収納式になっています。
車内誌。誌面は列車の目的地となる日光・鬼怒川・会津方面の観光案内が中心です。
列車浅草駅を発車するとすぐに隅田川を渡ります。
渡り終えた所が「とうきょうスカイツリー」駅で特急も停車します。
朝食が早かったので発車早々から昼食の弁当を広げます。ホームに上がる前に浅草駅のデパ地下で買ったものです。
リバティ号の車内販売は列車限定で食事はパンなど軽食程度ですので、今回のような昼をまたぐ長時間乗車では事前に食事を準備しておくほうが無難だと思います。
よく空いた状態で浅草を発車しましたが、案の定北千住駅からの乗車が多く、8割以上の席が埋まりました。
北千住駅をでると荒川を渡ります。列車の姿が見えて隣の鉄橋が「つくばエクスプレス」のものだとわかりました。
北千住駅からしばらくは市街地の中に伸びる複々線区間を快走します。
埼玉県に入り春日部駅に停車。
どこか懐かしい雰囲気が残る地上駅という印象です。
春日部駅はアーバンパークラインこと野田線との乗り換え駅になっています。
春日部駅をでると車窓に田園が目立つようになりました。
車内販売で冷たいお茶を買うと、リバティ号を模したラベルの商品でした。
乗車記念になるものを別に買おうと思っていたのですが買う必要がなくなってしまいました。
列車は利根川の長い鉄橋に差し掛かります。隅田川、荒川、利根川と川沿いの風景も変化していきます。
JR両毛線と並ぶ高架駅の栃木駅、
新鹿沼駅と停車して、
下今市駅に到着。ここで日光方面に向かう後ろ3両の「リバティけごん」を切り離すためしばらく停車します。
下今市駅から3両になり、単線になり、各駅停車になって、一気にローカルムードが強まります。
13時04分。浅草駅から約2時間で鬼怒川温泉駅に到着。北千住駅からほとんど動かなかった車内ですが、はじめてまとまった数の下車がありました。
部屋数にものをいわせるような立派な旅館の建物が沿線に目立つ鬼怒川温泉ですが、かなり前に営業を終え放置状態になっているものも見受けられました。
鬼怒川温泉からしばらく長閑な風景の中をのんびり進み、
東武鉄道の終点新藤原駅に到着。列車はここから野岩鉄道線に入ります。
野岩鉄道線の区間はもとは国鉄路線として建設が進められていました。
しかし国鉄再建法により途中で建設が中止となり、つづきを第3セクター会社が引き継ぐ形で昭和61年に開業に至っています
新しい路線らしくトンネルや鉄橋など大掛かりな構造物で山を直線的に貫いていきます。
途中の湯西川温泉駅はトンネル内にあります。
新藤原駅から約30kmの会津高原尾瀬口駅で野岩鉄道線区間は終わり、ここからは会津鉄道線内となります。
関東地方(栃木県)の東北地方(福島県)を分ける山間部を走り抜け、車窓には再び田園風景が広がります。
14時18分。浅草駅を出てから3時間18分でリバティ会津号の終点会津鉄道の会津田島駅に到着しました。
会津田島駅は会津鉄道の中間駅ですが、ここから先は非電化のため、ここを終点にせざるを得ないということのようです。
車内は野岩鉄道線内で少しずつ下車があったため浅草駅発車時より空いた状態になっていましたが、大半の乗客が接続の会津若松方面へのディーゼルカーに乗り換えていました。
JR東日本が開発しすでに実用化している蓄電池方式を導入すれば会津若松まで直通もできなくないはずですが、会津鉄道は会津若松まで行かず手前でJR東日本只見線に乗り入れているうえ、JR東日本としては首都圏から会津地方へは東北新幹線・郡山経由を利用してほしいでしょうから一筋縄ではいかないのかもしれません。
関東と東北を直結する私鉄最長時間特急「リバティ会津」の旅を終え、筆者も会津鉄道のディーゼルカーに乗り換えて北を目指しました。
つづきはこちらです。