JR西日本姫路駅。今回はここから播但線経由の特急はまかぜ号に乗車し、台風のため延期していた但馬鳥取方面へのミニトリップに出発します。
姫路駅では下りの特急はまかぜ号は、列車が進む播但線のホームではなく山陽本線下り岡山方面のホームからの発車です。
到着時刻が近づくとホームでは何度も注意喚起の放送がながれていました。
はまかぜ号は大阪始発ですが、大阪から但馬方面へは福知山線経由の特急こうのとり号の方が早いこともあり、比較的空いた状態で姫路に到着することが多いようです。
しかし姫路駅では姫路からの乗車に加え、主に博多・広島方面から到着する新幹線との乗り換え客もあるためかなりの乗車があります。
はまかぜ号は姫路で進行方向を変えて播但線に入るため指定の座席を見つけたら回転させて着席します。
今回は終点の浜坂までの乗車です。はまかぜ号の走行区間は割安のB特急料金が適用され浜坂まで2時間以上の乗車にもかかわらず自由席特急券(使用したeきっぷの指定席券も同額)は1420円で済みます。
姫路を発車。播但線最初の駅である京口駅付近では左手に姫路城が大きく見えます。
播但線の寺前以南は1998年に電化され、はまかぜ号の車両も2010年に新型の189系に置き換えられましたが、姫路近郊の播但線は駅間距離が平均2km 程度と短く全駅に行き違い設備があるため、特急列車はポイント通過の減速を頻繁に強いられ強力エンジンの持ち味を発揮できません。
最初の停車駅はホームで103系が休む福崎駅。
福崎からは駅間距離が長くなり、田園風景の中の直線を最高時速110kmで快走します。
姫路から29分で電化区間の終点寺前に到着。
ここからは非電化となり播磨地方と但馬地方を分ける生野峠にさしかかります。
時速は50kmから60km程度。 勾配だけならもう少し出せるはずですが、カーブのほうが制約になっているようです。
峠を過ぎた地点にある生野駅ではキハ41系の普通列車と行き違い。
特急はまかぜ号は昭和47年の登場から長らく播但線内についてはノンストップでしたが、鳥取方面へのバイパスルートとなる智頭急行線の開通以降は、福崎・寺前に停車するようになり、その後生野が追加。
天空の城として竹田城跡が注目を集めると最寄り駅の竹田駅にも一部が停車するようになりました。
その竹田駅に到着。ホームと反対側には城へとつづく「駅裏登山道」の入口が見えました。
城への登城はかなりの体力を要しますが、麓の街並みも綺麗に整備されており散歩してみる価値はありそうです。
竹田の次の和田山駅で播但線は山陰本線と合流する形で終点となります。
山陰本線に入ると雨が降り出しました。
山を越えると天気が変わる季節(冬)が近づいていることを実感します。
ちなみに田園風景の向かうに見えているのは豊岡への延伸が迫る高速道路の工事現場です。
豊岡は但馬地方の中心でありながら高速道路の乗り入れがなかったうえ山陰地方を貫く国道9号のルートからも外れ、広域交通には必ずしも恵まれていませんでした。その点では京都から「きのさき号」大阪から「こうのとり号」、神戸姫路経由の「はまかぜ号」を運転するJRには追い風となっていたのですが、開通後は影響か心配されるところです。
豊岡駅に到着する際にはラッセル車の姿も。冬に備えての試運転は季節ネタとして毎年ニュースで取り上げられます。
豊岡から約10分で城崎温泉駅に到着。
外国人も含め多数の観光客が下車し、車内は1両数人という状態に。
温泉街をかすめて浜坂へのラスト区間に踏み出します。
車内では係員によるごみの回収もはじまりましたが、筆者は今から弁当を広げます。
姫路駅ホームの駅そば屋と同居している弁当屋で購入した栗おこわ弁当は880円でした。
ホームにカニのモニュメントがある香住駅を発車すると次は終点の浜坂です。
カニはまだ臨時列車を運転するだけの需要があるようですが、かつては盛況だった海水浴やスキー目的の利用はすっかり勢いを失ってしまったようです。
香住からの最終区間は3両で筆者を含めて3人という閑散ぶりでした。
2010年登場の189系のシートのコンセントは一部の座席のみとなっています。もう少し後の登場だったら全席にコンセントがついていたかも知れません。
13時08分。姫路から2時間24分で終点の浜坂駅に到着。駅の所在地は兵庫県美方郡新温泉町。
はまかぜ1号は始発の大阪駅を発車して5分程で大阪府を抜けてから、終点まで3時間以上にわたり兵庫県内を走りつづけたことになります。
このあと隣に停車している普通列車で餘部駅まで2駅戻って餘部鉄橋周辺を散策しました。
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