西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

一般道走行90㎞・標高700mの峠越え、運賃は半額!日本交通の山陰特急バスで若桜へ向かう(難波高速BT12:00⇒若桜14:48)

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JR関西本線の起点JR難波駅の地上にある大阪シティエアターミナル。

関西空港開港の2年後に開業した大阪シティエアターミナル(通称OCAT)には、航空会社が出張カウンターを構え、搭乗前のチェックインと荷物預けをここで済ませ身軽になって関西空港へ向かうことを想定していたようです。

しかし知名度が低く利用が低迷したことから廃止され、現在では2階部分にある高速バスターミナルがこのビルの核施設として機能しています。

バスターミナルからは難波を拠点とする大手私鉄「近鉄」や「南海電鉄」系列の高速バス路線を中心に全国各地への路線が発着しています。

 

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近鉄高速バス路線図。

鉄道では在阪私鉄で唯一近畿地方外に路線を伸ばす近鉄ですが、

高速バスにおいても足の長い路線が目立ち、北は仙台・山形、西は長崎・熊本への夜行バスが運転されています。

 

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こちらは南海電鉄系列の南海バスの高速バス路線のパンフレットを集めたラック。

大阪と長岡、酒田、鶴岡など日本海側の地方都市を直結する路線が目を引きます。

 

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さて今回は写真の発車表示の3段目、12:00発の鳥取行で経由地の若桜へ向かいます。

この若桜経由の鳥取行きは1日2往復のみですが、標高700mの戸倉峠越えを含む長距離にわたる一般道走行が路線最大の特徴といえます。

経由地を問わず大阪難波と鳥取を結ぶ路線は鳥取拠点のバス会社日本交通バスの単独運行で、大阪・神戸と鳥取・米子などを結ぶ同社の高速バス路線の総称である「山陰特急バス」の一角をなしています。

 

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日本交通バスの高速路線に乗車する際は、予約はネットからできますが、購入は大阪・鳥取などバス路線の起終点にあたるエリアの指定場所(ターミナルなど)でしかできません。

そのため運行エリア外で予約した場合は予約番号を控えておき乗車前に窓口で購入手続きをする必要があります。

全路線が同じ取り扱いになるのかは確認していませんが、今回利用した大阪鳥取線では座席の指定も購入時となっていたため、

満席の予約が入っているときなどは、エリア外からの利用者は、どうしても「残っている席」をあてがわれることになってしまいそうです。

発車オーライネットのような購入までできる予約サイトが使えれば便利ですが、バス会社には一定の負担が生じ、その費用は最後には客が負担することになるわけで、

利用者の9割が大阪または鳥取周辺住民というような状況を把握したうえでの現行の予約・購入システムということなら、エリア外からの利用者が不平を言うべきではないような気もします。

 

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これから乗車する鳥取行の始発は弁天町の車庫となっており、そこから営業運転での到着です。大半の客はここ難波のバスターミナルからの乗車のようで、5分程前には到着し乗車が始まりました。

 

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車内は独立3列シートでトイレが車両中央部の階段下に設けられています。

昼間の3時間台で終点に到着する路線としては充実した車内設備といえそうです。

(写真は若桜到着時に撮影したものです。)

 

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今回は空いており10分前の購入でもある程度席の希望を聞いてもらえました。

前方が良く見える最前列の席に落ち着くとすぐに発車時刻になりました。

下車地の若桜到着予定は14:48で3時間弱の乗車時間となります。

ちなみに終点の鳥取到着は15:25となっています。

 

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バスターミナル最寄りの入り口から阪神高速環状線に入り池田線へ流出

 

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JR神戸線の鉄橋とならんで神崎川を渡り、しばらくで伊丹空港の脇を通過。

 

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渋滞などなく順調な走行をつづけ、池田ICから中国道に入りました。

 

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中国道では宝塚インター(12:23)と西宮北インター(12:33)で一旦本線から離れ料金所付近にある停留所に乗車扱いのため停車します。

今回は宝塚インターでは1人の乗車がありましたが最終の乗車停留所となる西宮北インターでの乗車はなく、最終的な乗客数は10人程度となりました。

 

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中国道の兵庫県区間では大阪~津山を結ぶ中国高速線を運行する西日本JRバス・神姫バスと乗車中の日本交通の高速バス車両を頻繁に見かけます。

神戸・三田IC付近から合流してきた同社の車両と並走する場面もありました。

 

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大阪から1時間少々で姫路市北部に位置する安富PAに接近。

 

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所要時間的には若桜までで約半分、終点鳥取までだと6割以上を残していますが、ここで10分間の休憩となりました。

 

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中国道や鳥取道で見かけることは多くても乗車機会に恵まれなかった日本交通の山陰特急バスですが、

車体のカラーリングは大阪のビル街にも、内陸部の山並みにも、冬の日本海側の雪の白にも映えそうで好感が持てます。

 

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さて13:30頃に安富PAを出発して間もなくの山崎ICでバスは中国道から流出し一般道へ向かいます。

 

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山崎は兵庫県西部の内陸に開けた街で鉄道は乗り入れていませんが、姫路近郊のJR姫新線播磨新宮駅から北へ10kmほどの位置にあります。

姫路との結びつきが強い兵庫県「南部」のエリアで高速を降りたバスはここから姫路と鳥取を結ぶ一般国道29号で鳥取へ向かいます。

山崎市街地区間の国道29号線には戸倉峠47㎞・鳥取92㎞の標識が出ていました。

全国的に高速道路の整備が進捗した最近では一般道を90㎞以上走行する高速バス路線は非常に貴重で、ここからがこのバス路線の醍醐味を味わうことができる区間となります。

 

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山崎市街地を抜け鳥取方面へ北上。

 

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国道沿いを流れる川は素麺のブランド揖保乃糸で知られる揖保川です。

 

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一宮・波賀と内陸の小さな街をいくつか抜けるうち鳥取までの距離は61㎞になりました。目的地の若桜までは32kmとなっています。

国道29号は信号・交通量とも少なくバスは快走をつづけます。

 

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 揖保川沿いを北上してきたバスは兵庫県の北西端ともいえる場所にあるダム湖「音水湖」の湖岸を回るように進み、

 

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兵庫県と鳥取県を隔てる戸倉峠の山道に差し掛かります。

今年も記録的な暖冬だったはずですが、標高500mを超え沿道には白いものが目立つようになってきました。

 

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連続するカーブと勾配の先に見えた県境の「新戸倉トンネル」。

トンネル脇には標高731m、長さ1730mと表示があります。 

 

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前後の峠道とは対照的な直線がつづくトンネル内。

 

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トンネルを抜けた地点には「鳥取県」と「若桜町」の行政界を示す看板があります。

 

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国道29号の戸倉峠の線形は鳥取側のほうが厳しいようで、ヘアピンカーブの先につづく前方の路面が驚くほど下に見えていました。

乗車日は晴天でしたが、冬季は積雪・路面凍結なども珍しくないものと思われ、バスの運行には気苦労が絶えないのではないでしょうか。

 

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急な峠道を慎重に下り麓の山里の風景に出会うと

山崎ICから約1時間の一般道走行を経て中原バス停に停車。1人が下車しました。

本来の運賃は大阪(難波)から中原まで3200円、若桜まで3300円となっていますが、平成28年から同区間の運賃が約半額に値下げされています。

地元鳥取県若桜町のHPには「高速バスの魅力向上を図り利用促進や交流人口を拡大させることを目的に、平成28年度から若桜~大阪間の乗車券が片道1600円となりました」とあり、値下げ分は地元の公費負担とみるのが自然です。

若桜町民が大阪へ出かける場合だけでなく、若桜町を訪れる人も分け隔てなく恩恵を受けられるようになっており、

単に安い運賃で乗車できるだけでなく、ここまで書かせていただいたように、一般道でのダイナミックな峠越えの末鳥取の山里に至る、バス旅の醍醐味を味わえる路線ですので用途を問わず積極的にこの路線を活用したいものです。

(現在公表されている期間は令和2年3月末までとなっています。)  

 

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中原から約10分、バスは14:48ほぼ定刻に「道の駅若桜」前の若桜バス停に到着しました。

半額運賃の効果もあってか筆者を含めほぼ半数にあたる5人程がここで下車しました。

 

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道の駅若桜の駐車場にあった周辺観光案内。

鉄道ブログの筆者としては、この場所が若桜と郡家を結ぶ第3セクター鉄道「若桜鉄道」の終点若桜駅から徒歩3分程の距離にあることを強調しないわけにはいきません。

若桜鉄道は行き止まり路線ですが、その終点駅に大阪からダイレクトアクセスできるのも、鉄道ファンにとっては若桜経由鳥取行バスの魅力のひとつです。

 

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国道29号からみて道の駅の裏手にあたる道を200mほど進むと

 

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右手に上品な赤色の屋根を載せた若桜鉄道若桜駅の木造駅舎が建っていました。

このあと若桜鉄道に乗車し、鉄道ファンだけでなくバイクファンの間でも有名な隼駅を訪問しました。

つづきはこちらです。

 

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