本記事は下に添付の記事の続きです。
石川県七尾市の玄関JR七尾線七尾駅。
今回はこの駅をターミナルに運転される第3セクター鉄道「のと鉄道」とバスを乗り継いで2003年に開港した能登空港へ向かいます。
七尾駅コンコース
路線図。
ブルーの枠で囲まれた部分が「のと鉄道」です。
「のと鉄道」は金沢方面からのJR七尾線の先につづく33.1kmの路線を営業しています。
なお七尾から次の和倉温泉までの区間はJR が線路などの施設を保有しており、
「のと鉄道」は列車の乗り入れのみとなっています。
七尾駅で発車を待つ7:43発穴水行の「のと鉄道」車両。
車内。
7:50。和倉温泉駅に停車。
和倉温泉の次の田鶴浜駅でしばらく停車し対向列車と行き違い。
国鉄→JR →のと鉄道と受け継がれてきたと思われる古い駅名標が印象的です。
駅全体を見渡しても車両以外は国鉄時代のまま時が止まっているようです。
和倉温泉から先は沿線に人家は少なく、
車窓には田園風景と時折七尾湾の海やその真ん中に浮かぶ能登島を遠望することができます。
西岸駅で行き違った、穴水発7:59の七尾行の列車は「のと里山里海号」の車両でした。
のと里山里海号は、普通乗車券+整理券500円+食事代金(便により寿司やスイーツ)で乗車できる観光列車で、現在は土日祝日のみの営業となっているようです。
運転日には定期列車として七尾へ車両を送り込むことがあるのかも知れません。
のと鉄道の駅間距離は比較的長く、
海岸線に沿うように右へ左へカーブする線路を列車は快調に進みます。
8:25。七尾から約40分で終点の穴水駅に到着。
「のと鉄道」は七尾から穴水の先の輪島まで53kmの七尾線と、
穴水から蛸島まで61kmの能登線をJR から引き継いでいましたが、
七尾線の穴水~輪島間20kmと能登線は利用者の減少から廃止され,
現在はここまで乗車してきた七尾~穴水間33kmのみの営業となっています。
利用の少ない区間を切り離し身軽になった「のと鉄道」ですが、
現在営業している七尾~穴水間の輸送密度も3桁に止まっているようで「今後も安泰」とは言い難い状況のようです。
穴水駅の構内には、今は廃止されている区間が健在だった時代に運行されていた急行列車「のと恋路号」のパノラマ車両が保存されていました。
穴水駅舎。
穴水駅には道の駅が併設されており、駅前には駐車スペースが確保されているほか、
鉄道の駅舎に隣接して道の駅の建物があり、鉄道利用者も土産物などを買うことができるようになっています。
福井県の越美北線の終点九頭竜湖駅や秋田県の男鹿線の終点男鹿駅でも同じような試みがなされています。
穴水駅舎内にあった周辺地図。
七尾から湾を回り込むように北上し穴水駅に到着しましたが、
ここ穴水駅から少し内陸に進むと2003年に開港した「のと里山空港」があります。
穴水駅からは航空便に接続する空港連絡のバスが出ており、
のと鉄道は七尾や和倉温泉からの空港アクセスルートにもなっていることがわかります。
穴水駅のバス時刻表。
9:15発のバスに乗車し空港で下車すると10:30発のANA748便羽田行に乗り継ぐことができます。
なお今回は穴水駅で少し時間が欲しいという個人的な理由で七尾発7:43の列車に乗車しましたが、
次の七尾駅発8:17→和倉温泉駅発8:23の列車でも穴水駅には9:04に到着し、
余裕をもって9:15の空港方面のバスに乗り継ぐことができます。
珠洲宇出津特急と時刻表にありましたが路線バスタイプの車両が到着。
終点「のと里山空港」まで乗客は数人でした。
信号も交通量も少ない山中の道を快調に走り、
穴水駅から約15分で「のと里山空港」に到着。運賃は340円でした。
七尾発8:17の列車からの乗り継いだ場合、七尾や和倉温泉から1時間余りで到着できることになります。
* 本記事掲載のダイヤ・運賃などは2020年8月現在のものです。
続き「のと里山空港」から羽田へのフライトの搭乗記はこちらです。