西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【8600系】特急いしづち11号乗車記(四国新型特急乗り継ぎ3)

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高徳線の「うずしお」号と琴電を乗り継いで到着した高松駅。ここから12時50分発の「いしづち11号」で松山へ向かいます。

 

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いしづち11号は2014年デビューの8600系での運転です。SLをイメージしたという前面は好みの分かれるところではないでしょうか。

高松発のいしづち号の場合、これから乗車する11号のほか、6時発の103号、9時42分発の5号、15時50分発の17号、18時58分発の23号、22時20分発の29号の6本が、この8600系での運転になっています。(2019年6月号の時刻表より)

 

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個性的な前面に対して、サイドは大人しいデザインになっています。

 

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白い壁面に木目のフローリングの車内は、2017年に登場し高徳線の「うずしお」号として運転されている2600系に引き継がれています。(2600系「うずしお」号については下の過去記事をご覧ください)

 

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枕つきのシートにはコンセントも備わっています。

 

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ピッチが狭いとかえって邪魔に感じることもあるフットレストも、このピッチなら有効活用できそうです。

 

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デッキのバリアフリートイレと洗面台。このあたりの造りも2600系「うずしお」と共通のようです。

 

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一方後発のうずしおでは省略されたのが自動販売機です。

うずしお号が走る徳島~高松は1時間程度ですが、高松~松山は2時間半程度になるため、そのあたりを考慮しての判断でしょう。

ソフトドリンクのみですが、品ぞろえは車内に設置される自販機としては豊富です。

 

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高松を出発して最初の停車駅「坂出」を出ると、予讃線と予讃線の上下方向から瀬戸大橋へ向かうデルタ線が見えます。

写真右の高架線が高松方面から瀬戸大橋へ向かうルート、左が松山方面から瀬戸大橋へ向かうルート、乗車列車が走っているのが高松から松山へ向かう予讃線です。

このデルタ線については「運賃計算上はすべて宇多津駅構内として扱う」ことになっています。宇多津駅は写真左手方向にある駅ですが、この規定、坂出や高松さらにその先の高徳線方面から来て瀬戸大橋を渡る乗客には曲者です。

多少マニアックな話になりますが、例えば高松から岡山へ向かうマリンライナーなどは実際には写真右の高架線を通って坂出駅から直接瀬戸大橋へ向かいますが、運賃は写真左手方向の宇多津駅を経由したものとして計算されることになります。

高松・坂出からマリンライナーを利用する乗客のうち何割かの目的地は岡山だと思いますが、岡山までの距離は上記の規定を適用した結果、坂出から50.5km、高松から71.8kmとなっています。

坂出の場合実際の走行距離で計算すると10の単位が4になり、運賃は100円以上安くなるのではないでしょうか。高松も60km台になり運賃がかわってくる可能性があります。

 

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デルタ線の先にある宇多津駅では数分間の停車時間があり、先着していた岡山からの「しおかぜ11号」と連結します。「しおかぜ」は5両、「いしづち」は2両ですが、乗車率は「しおかぜ」の方が高いようでした。

 

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宇多津から7両編成の「しおかぜ・いしづち11号」となったのち、丸亀・多度津に停車。多度津駅を出ると5分程で列車は海岸線へでます。

 

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しばらくすすむと、海上の小島へのびる歩道が見えてきます。島には津嶋神社という神社があります。

 

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その津嶋神社の祭礼にあわせ、毎年8月4日と8月5日だけ営業する臨時駅が「津島ノ宮」駅です。1日あたりの乗車人員は5人となっていますが、営業日は2日だけなので、5×365÷2=912.5となり、駅の営業日には1000人近くがこの駅から海上の歩道を通り神社へ向かうのでしょう。

 

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愛媛県に入り、伊予三島駅では8600系同士の行き違い。

写真の車両の連結面よりはグリーン室になっています。8600系のグリーン室は登場時には新幹線のグリーン車に匹敵する(豪華さ)などと宣伝されていました。岡山駅で新幹線のグリーン車から乗り継いでも遜色がないという意味だと思います。

 

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伊予三島から先、進行方向左手に見える山並みは法皇山脈と呼ばれ、列車が走行している麓の平地への吹きおろしが強いことで知られています。

岡山県北部や山形県庄内地方に吹く局地風とともに「三大悪風」などと言われ、列車の運行に支障することもあるようです。もっとも鉄道への影響の大きさという点でいえば、JR四国にとっては瀬戸大橋に吹きつける強風のほうが、ここよりも悩ましい「悪風」なのではないでしょうか。

 

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吹きおろしが鉄道の運行に影響する事例の最たるものは、JR西日本湖西線(滋賀県)における「比良おろし」だと思います。そんなことを考えながら、海側の席から山側の車窓を見ていると湖西線の山側と車窓がよく似ていることに気づきました。

 

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新居浜・伊予西条と過ぎ、列車は今治の街に入ります。今治は四国では4県の県庁所在地につぐ5番目の「大都市」で人口は約16万人です。

 

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しおかぜ・いしづち号の特徴として、今治~松山の短区間利用が多いことがあげられます。

道路交通が必ずしも便利ではないなど理由はいくつか考えられますが、今治~松山の予讃線の営業距離が49.5kmということも大きく関係しているのではないでしょうか。

先ほどの岡山~坂出とは逆にギリギリ50km以内に収まっているため、特急料金は自由席の場合520円で済みます。これが50.1km以上だと1180円に跳ね上がりますので特急列車の利用状況が違ってくることは必至です。

 

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今治から先、伊予北条付近までは再び海沿いを走ります。

 

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15時17分、高松から約2時間30分で終点松山駅に到着。

8600系は、その乗り心地についてあまり良い印象をもっていませんでしたが、軌道側の改良が進んだのでしょうか、今回は2時間以上乗車しても、それほど不快感を感じませんでした。

 

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都市規模に比して「しょぼい」などと揶揄されることもあるJR松山駅舎ですが、

 

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すでに高架化が決定しており、現在の松山駅に隣接している車庫の移転によって生じる回送列車と営業列車をスムーズにさばくため予讃線の一部を複線化する工事もすでに始まっています。

今回は徳島から松山までの片道旅行記です。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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