西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

山陽電鉄訪問記1

f:id:nishiuraexp:20190603225341j:plain今回は兵庫県姫路市姫路駅から「山陽電鉄」に乗車します。山陽電鉄の姫路駅はJR姫路駅を出て左手の山陽百貨店の建物に突っ込むスタイルの行き止まり駅になっています。

 

f:id:nishiuraexp:20190603225439j:plain山陽百貨店の正面には、大通りに向けて次の阪神梅田(大阪)方面の特急列車の発車時刻を知らせる表示器が設置されています。機器は何度か更新されていますが、かなり前からあったように思います。

 

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f:id:nishiuraexp:20190603225729j:plain百貨店の建物内のエスカレーターを上がったところが、駅コンコースになっています。百貨店とともにリニューアルされたエスカレーター付近にくらべるとやや古びた印象を受ける空間です。

 

f:id:nishiuraexp:20190603225932j:plain山陽電鉄の路線は神戸市の西代と山陽姫路を結ぶ本線と、姫路から3駅目の飾磨駅で分岐する網干線の2路線で構成されています。

 

f:id:nishiuraexp:20190603225830j:plain本線の日中のダイヤはシンプルで、特急と普通がそれぞれ15分毎、あわせて1時間に8本の運転です。

ラッシュ時はこれとは別にS特急という山陽電鉄だけの種別の列車が運転されます。

S 特急の存在は山陽電鉄の輸送やJRとの関係を語る上では欠かせません。

山陽電鉄は昭和の時代以来、明石以西から神戸・阪神方面へ向かう乗客が、そのまま乗っていても目的地へ行けるにもかかわらず、明石駅でより早いJR(国鉄)に乗り換えてしまうという現象に悩まされてきました。

おなじような状況の千葉県の船橋駅(京成電鉄→JR)とともに「東の船橋、西の明石」などと言われることもあるようです。

その明石対策として登場したのがS特急で、姫路寄りでは各駅に停車して通勤客を拾い、明石駅手前から特急運転を始めるという、郊外路線型の優等列車ダイヤになっています。

 

f:id:nishiuraexp:20190603230202j:plain山陽電鉄に乗車する際に覚えておきたいのは、割引率が高いうえ券売機で購入できるフリー切符が充実していることです。

 

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おすすめは山陽電鉄全線と神戸高速鉄道経由で三宮までが1日乗り放題の三宮・姫路1dayチケット(1400円)と、上記のフリー区間に阪神電鉄全線を加えた阪神・山陽シーサイト1dayチケット(2000円)で、いずれもフリー区間を単純往復するだけで充分元がとれる価格設定です。

山陽電鉄経由(私鉄ルート)の普通運賃は姫路三宮間ではJRとほぼ同等、梅田まではJRより200円程度安いのですが、フリーパスはこの価格差を広げ所要時間で勝るJRに一矢報いる意味合いがあるようです。

 (価格は記事投稿日現在のものです)


f:id:nishiuraexp:20190603230433j:plainまずは普通車(普通電車)で、網干線との分岐駅「飾磨」へ向かいます。山陽電鉄や乗り入れ先の神戸高速鉄道では普通列車のことを普通車と呼ぶことが多いようです。

 

f:id:nishiuraexp:20190603230543j:plain古参車両3000系の前面のパノラミックウインドウは、JRの113系と共通する印象です。

山陽電鉄本線は新幹線と同じ線路幅で明石以西は直線が多く、特急はコンスタントに100km/h以上の高速運転を行います。

 

f:id:nishiuraexp:20190603230738j:plain網干線が分岐する飾磨駅で下車。所在地は姫路市飾磨区ですが政令指定都市ではない姫路市の区は、~丁目などと同様、地区を区分する「単位」であり、区役所などがあるわけではありません。

 

f:id:nishiuraexp:20190603230848j:plain飾磨駅ホームの神戸方にある山陽そばに入ります。姫路市内の駅で駅そばがあるのはJR姫路駅とここだけだと思います。

 

f:id:nishiuraexp:20190603231053j:plain店内は昭和末期からあまり変わっていないと思われる懐かしい雰囲気です。メニューはうどん・そばなど400円程度が主力ですが、13時をすぎ空腹だったので写真の「飾磨スペシャル570円」にしました。

 

f:id:nishiuraexp:20190603231202j:plain改札の内側と外側どちらからも入店できるようになっている駅そば屋は珍しくありませんが、ここの改札外の入口は「踏切内」。

別々に遮断される上下線の間でさすがに遮断区間内ではありませんが「踏切の中にある街のそば屋」としての顔を併せ持つ駅そば屋です。おそらく昔はここが飾磨駅の入口で今の店舗部分が駅事務室だったのでしょう。

 

f:id:nishiuraexp:20190603231407j:plain飾磨から分岐する網干線は日中15分、朝夕は12分間隔での運転です。

 

f:id:nishiuraexp:20190603231525j:plain網干線に乗車するか迷っていましたが、ちょうど入線してきた電車が最新型の6000系だったので、隣の西飾磨駅まで乗車することにしました。

 

f:id:nishiuraexp:20190603231641j:plainサイドを見ると、姫路から乗車してきた昭和の3000系、現在の山陽電鉄の主力である平成の5000系と共通した雰囲気が感じられます。

 

f:id:nishiuraexp:20190603231737j:plain車内は座席端部の大型パーティションや

 

f:id:nishiuraexp:20190603231835j:plain多言語対応の案内設備など、令和の時代を担う最新型車両らしい仕様になっています。

 

f:id:nishiuraexp:20190603231935j:plain網干行の車両は両側の扉を開いて発車待ちをし、梅田からの姫路行直通特急からの乗り換えと

 

f:id:nishiuraexp:20190603232036j:plain姫路からの直通特急の乗り換えを受けて発車します。

 

f:id:nishiuraexp:20190603232132j:plain網干線は飾磨駅を出ると高架区間に入ります。住宅や商店が並ぶ近景に対して遠景は播磨臨海工業地帯の煙突などが見え、車窓は本線の明石以西とよく似ています。

関西の大手私鉄はいずれもバブルの頃に利用者数がピークを迎え以後減少傾向になっていますが、準大手の山陽電鉄のピークは昭和40年代。モータリゼーションや並行JR路線の攻勢のほかに、重厚長大から軽薄短小と言われたこの国の産業構造の変化を反映した工場勤務者の通勤需要の減少も大きく関係しているようです。

 

f:id:nishiuraexp:20190603232232j:plain3分ほどで西飾磨駅に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20190603232352j:plain簡易な構造の高架駅です。

 

f:id:nishiuraexp:20190603232502j:plain飾磨駅へ向かう6000系電車。

日中の網干線は15分毎のダイヤを3本の編成でこなす運用になっていますが、この日はそのうち2本が6000系だったようです。早々に駅を出てきてしまったせいで6000系が2本ならぶ様子を撮影し損ねてしまいました。

 

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駅周辺は史跡などが豊富な一方、街路の整備がすすんでいるようで、JR英賀保駅までは真っすぐの道を歩いて15~20分程度のようでした。

つづきはこちらです。

 

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