西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【北仙台駅乗り換え】JR仙山線と仙台市営地下鉄南北線乗車記

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山形空港からバスで到着した元旦の山形駅。

 

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ここから青春18切符4日分を使って四国高松を目指す旅行を始めます。

 

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山形からJR の在来線で南下する場合、仙山線で仙台へ出るルートと奥羽本線で福島へ抜けるルートがありますが、奥羽本線ルートは山形・福島県境の板谷峠区間の普通列車が極端に少ないため、今回は仙山線で仙台へ出ることにしました。

仙山線は山形から奥羽本線を2駅下った羽前千歳駅と仙台駅を結ぶ58kmの路線ですが、列車はすべて山形まで直通で運転されています。

 

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乗車列車は東北地方南部を中心に活躍するE721系4両編成の運転で10時52分の山形駅発車時には4人掛けシートを1人で独占できる状態でした。

 

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山形から約20分。松尾芭蕉の句で知られる山寺の門前に位置する山寺駅で対向列車と行き違い。

沿線に観光要素がある仙山線ですが輸送形態は仙台山形間の都市間輸送と仙台の近郊輸送がメインで列車は普通と快速のみとなっています。

同じ東北本線からの分岐路線で距離も似ている磐越西線の郡山~会津若松間では、近年まで短距離運転の特急列車が設定されていたり、2020年春から快速列車に指定席が連結されることが発表されているのとは対照的です。

山形新幹線ルートとの競合を避けたい意図があるのでしょうか。

 

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山寺駅から列車は山形県と宮城県の県境の山間部を走ります。

山形県最後の停車駅面白山高原駅は戦前から長らく仮乗降場という扱いでしたが、JRになって正式な駅に昇格しています。

面白山高原駅の次の奥新川駅からは宮城県となりますが、奥新川駅の所在地が「仙台市青葉区」というのも土地勘のない旅行者には興味深い事実です。

面白山高原駅の利用者は1日56人、100万都市仙台市に位置する奥新川駅はさらに少ない16人となっています。

 

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終点の仙台まで乗り通す予定でしたが先を急ぐ旅でもなく、手前の北仙台駅で下車することにしました。山形から1時間10分での到着です。

 

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北仙台駅は仙台駅から2駅目で概ね1時間に3本の列車が停車します。

赤字で表示された快速列車も仙台近郊では各駅に停車するものが大半です。

 

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JR北仙台駅舎。駅乗車人員は5000人程度で増加傾向にあります。

 

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駅前の道路を右方向に1分程歩くと仙台市営地下鉄北仙台駅の入口があります。

乗り換えの距離はわずかですが、雨の日は傘が必要になるかもしれません。

地下鉄北仙台駅の乗車人員はJRより多く8000人を越えています。

 

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仙台市営地下鉄はJR発足と同じ昭和62年に北仙台駅を含む八乙女~富沢間(南北線・緑)が開通。その後、八乙女~泉中央の延伸と平成27年の東西線(水色)の開通で現在に至っています。

 

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券売機の近くにあった別の路線図。地図に路線図を落とし込んだもので土地勘がない遠来の利用者には、ありがたいサービスです。

仙台市営地下鉄は北仙台~仙台間でJR仙山線と長町~仙台間でJR 東北本線と平行していることは事前知識として知っていましたが、

他にも地元の利用者しか知らないような徒歩乗り換えができる駅があるのではないかと興味深くしらべて見ましたが、

見つけることができませんでした。

仙台都市圏では地下鉄・JR それぞれが仙台駅を中心に放射状に路線を伸ばし、双方の路線が接近しすぎないという、理想に近い鉄道路線の配置ができているのではないでしょうか。

平行路線の存在による競争によって輸送サービスの改善を期待。などというのは東京・大阪周辺など旺盛な鉄道需要がある地域に限った話ではないかと思っています。

 

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運転間隔は平日ラッシュ時4分程度、日中7分半間隔で単線のJR仙山線とは比較にならない高頻度運転なのですが、

 

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大晦日と元日は運転本数半減という思い切った合理化がなされていました。

合理化という点では仙台市営地下鉄は先進的で、30年以上前の開業時から駅ホームをすべて島式にして、運転士がホーム監視をしやすくするため車両の運転台をホームのある側(進行方向右側)に設置するという準備をしたうえで、全列車ワンマン運転を実施しています。

仙台市は地下鉄開業から現在に至るまで国内の地下鉄運行都市としては人口が最小であり、潜在的な需要が限られた中で採算をいかに確保するかという観点が貫かれているように感じられます。

 

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運悪く仙台方面の電車が発車してしまい15分待ちとなりましたが、仙台では地下化されているJR仙石線も日中は15分間隔のダイヤになっており、「地下鉄が1時間4本」でも違和感なく受け入れられる素地があるのかもしれません。

 

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仙台市営地下鉄南北線の列車は開業当初から地下鉄としは短い4両編成ですが、特筆点として運転台がある両側の車両が21.75mという新幹線以外では国内最長クラスになっていることです。

山手線や大阪環状線などJR通勤型車両と同じ20m車長を採用する中間車4両分に両端の運転台を継ぎ足したというのが編成全体のイメージです。

 

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車内は神戸市営地下鉄の同世代車両に似た雰囲気でしたが、車端に川崎重工の銘板があり納得。言うなれば兄弟のようなものなのでしょう。

弟のほうは「赴任先の仙台までどうやって運んだのだろうか」などと車内で考えるうち4駅進んで仙台駅に到着。

神戸では車両の置き換え計画が進行しているので、仙台でも近い将来そんな話が聞こえてくるかも知れません。

15分間隔でも座席定員程度の乗車であり、需要予測が的確に行われているという印象を受けました。

 

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 仙台からは東北本線の普通列車を乗り継いで南下しました。

つづきはこちらです。

 

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