西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【グリーン車は日本一?】特急いなほ8号乗車記 (秋田10:35→新潟14:05)

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JR 東日本秋田駅。

今回はここから新潟行の特急いなほ号に乗車し終点の新潟へ向かいます。


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 秋田駅改札口。

 

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乗車するのは秋田駅10:35発の特急いなほ8号。

 

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6番線で発車を待つ特急いなほ8号。

E653系7両編成です。

前寄りの7号車6号車が普通車自由席。

つづく5~2号車が普通車指定席、最後部の1号車がグリーン車指定席となっています。

  

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普通車車内。

 

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E653系の普通車のシートピッチは91cmで国鉄時代の標準を踏襲しており、

JR化後に製造された特急車両としては狭い部類に入ります。

E653系は、元々上野から茨城県方面へ向かう常磐線の特急「フレッシュひたち号」としてデビューした車両です。

需要が大きい首都圏に乗り入れる特急車両は「座れない乗客を減らす」ことを視野に入れなければならないでしょうから、

数値をだけを見比べ「狭い、快適性に難あり」と断じるのは早計というものでしょう。

もっとも、地方都市を結ぶ「いなほ号」に活躍の場を移した時点で、

シートピッチを拡大する改造を施工するという選択肢もあったかも知れません。

実際に、国鉄末期からJR 初期にかけて、特急車両1両当たりの座席を1列減らし、

生まれたスペースでシートピッチを数センチずつ広げるという車両改造が頻繁に行われていました。 

しかし多くの場合、躯体や車体強度に絡む、窓の位置や大きさは変更されなかったため、

少なくない座席が「窓枠のために車窓を充分に楽しめない」という不都合を抱えることになってしまいました。

窓枠とシートピッチの話に文字数を割いているのには理由があります。

 

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こちらは最後部1号車のグリーン車です。

E653系が「フレッシュひたち号」として運転されていた当時は全車両普通車でしたが、

以前からグリーン車が連結されていた「いなほ号」に転用されるにあたり、

普通車からの改造で登場したグリーン車です。

最初から「いなほ号」向けに設計されたグリーン車で、定員を増やすことをそれほど重視する必要がなかったためか、

写真のように、車内にフリースペースが設けられるなど、全体にゆとりある空間に仕上がっています。

 

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グリーン車のシート。

シートについては、明るい色調の大きな座席が配置されています。

そして普通車では2列でシェアする窓を1列で独占していることがわかります。

シートピッチは普通車の2倍の182cm(91cm ×2)あり、

この点では全JRのグリーン車でも断トツのスペックとなっています。

 

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横方向についても、通路を挟んで2席×1席の配置であり、

1席あたりの専有面積はかなりのものです。 

 

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 今回はこのグリーン車の独立席を利用します。

断トツのスペックを有する「いなほ号」のグリーン車ですが、実際に着席すると、

前席との間に設置されたパーティションのために多少圧迫感があり、

前のシートまで182cmあっても、パーティションまでだとグリーン車標準の116cm+α程度に見えます。

 

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フルリクライニングさせた状態。

シートピッチが182cmあって、この程度のリクライニング角度で、後ろの席から「そんなに倒さないで」と苦情が来ることなどあるのでしょうか。

パーティションの存在価値に疑問を感じないでもありません。

 

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10:35。定刻に秋田駅を発車した列車は、秋田新幹線こまち号が通る奥羽本線と別れ、終点新潟の手前まで日本海縦貫線の一部を成す羽越線を南下します。

 

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羽後牛島駅通過後、秋田を代表する河川、雄物川にかかる鉄橋を渡ります。

 

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「いなほ号」グリーン車は2席並びの側が日本海を望む海側で、独立席は内陸側となりますが、

グリーン車内のフリースペースのおかげで、独立席を指定した場合でも、

日本海の車窓を好きなタイミングで楽しむことができます。

 

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内陸側の車窓。

もっとも、この季節、緑濃い内陸側の車窓を独立席から眺めるのも悪くありません。

 

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11:07。最初の停車駅「羽後本荘」に到着。

現在橋上駅舎への切替工事が続いています。

 

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羽後本荘駅前発車後、かなりの距離に渡り羽越線に並行する線路は、第3セクターの由利高原鉄道線のものです。

並行区間の沿線には市街地が広がりますが、駅はありません。

 

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11:27。象潟に停車。読みは「きさかた」です。

 

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小砂川駅付近の車窓に広がる日本海。

列車はこの付近で秋田県を抜け、山形県に入ります。

 

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内陸側に目を向けると、標高2236mの鳥海山を望む区間ですが、

本日は天気に恵まれず、広い裾野だけが見えている状態でした。

 

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11:59酒田着。

酒田は山形県庄内地方の要衝で、羽越線の運転上の拠点ともなっています。

 

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酒田駅の時刻表。

左が新潟方面、右が秋田方面です。

赤字で記された特急いなほ号の本数は新潟方面が7本、秋田方面が3本。

新潟発の特急いなほ号の半数以上が当駅で折り返していることがわかります。

 

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酒田発車後「いなほ号」はしばらく広大な田園地帯の中を快走します。

 

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山形新幹線の終点新庄へ向かう陸羽東線が分岐する余目駅に停車したのち、

12:19。鶴岡駅に到着。

 

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鶴岡市は酒田市と並ぶ庄内地方の拠点で、その人口12万は山形県内では山形市に次ぐ第2位となっています。

駅前にはホテルが複数見え、秋田から動きが少なかったグリーン車も新たな乗客を迎えての発車となりました。

 

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庄内地方の中心で乗客を拾った列車は、あつみ温泉駅とその次の停車駅である府屋駅の間で、新潟県に入ります。

山形新潟県境付近は、羽越線内でも特に日本海の車窓が美しい区間として知られます。

 

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12:51。新潟県最初の停車駅、府屋駅に到着。

 

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新潟県に入っても美しい日本海の車窓が続きます。

 

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その日本海から少し離れ、村上駅に接近すると車内の照明と空調が一時ストップ。

秋田から交流電化区間を走ってきたいなほ号は、この先直流電化区間に入ります。

交流、直流の電化方式が切り替わる地点には、電気的な絶縁のため、無電区間が設けられています。 

これはデッドセクションとよばれますが、デッドセクションを通過する電車は、交流、直流の両方に対応できることを求められます。

その点、E653系は、最初に投入された常磐線(取手駅〜藤代駅間)にデッドセクションがあるため、それに対応した交直両用車両となっており、

それは常磐線特急の車両置き換えに伴って、E653系が羽越線に転じた理由の一つと考えて差し支えないでしよう。

 

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13:18村上着。

羽越線酒田以南の普通列車は、

村上以南の直流区間だけを走る直流電車と、村上以北の交流区間に乗り入れる気動車に大別され、村上駅で乗り換えとなるケースが少なくありません。

 

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13:28坂町駅に停車。

坂町駅からは、山形県の米沢へ向かう米坂線が分岐します。

余目駅から分岐する陸羽東線とともに、日中は列車間隔が数時間空くこともあるローカル線です。

 

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13:43新発田着。

「いなほ号」が秋田から走ってきた羽越線は、この先、新潟を通らず、その先の新津へ抜けるため、

「いなほ号」はここから白新線へ進みます。

白新線は、新発田と新潟を結ぶ27.3kmの短い路線で、半分以上が単線ですが、

新潟の近郊輸送を担い、輸送密度はコロナ前の数値で約16000。

札幌近郊の札沼線や広島近郊の可部線と肩をならべる存在です。

 

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白新線の車窓。

田園地帯に立つ建物の数が次第に増え、

 

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阿賀野川にかかる鉄橋を渡ると、間もなく終点の新潟です。

 

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上越新幹線と並んで新潟駅に進入。

 新潟駅在来線ホームは近年高架化されました。

 

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14:05。秋田から273kmの道のりを3時間30分で走破し新潟駅に到着。

 

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「いなほ8号」が到着した新潟駅5番線は上越新幹線と平面で乗り換えができる構造になっています。

 

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ホーム上に設置された新幹線乗り換え改札。

接続の14:14発上越新幹線「とき324号」に乗り継ぐと終点東京に16:00に到着します。

このように、新潟駅において「いなほ号」から上越新幹線へスムーズな乗り換えができるよう配慮されている背景には、

「いなほ号」が通う羽越線沿線が、首都圏からの距離の割に時間がかかることが、問題視されている。という事情があります。

長期的には羽越新幹線の構想もありますが、

当面、上越新幹線にリレーする特急いなほ号が、首都圏と羽越線沿線の速達輸送の重責を担うことになりそうです。

筆者は、新潟から先、上越新幹線ではなく、上越妙高行の特急しらゆき号に乗り継ぎ、長野方面へ向かいました。

続きはこちらです。

 

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