西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

高知市街散歩と特急南風26号・剣山12号乗り継ぎ乗車記(高知18:36⇒徳島21:04)自由に四国鉄道の旅5 

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JR 四国ツアーの旅行商品自由に四国鉄道の旅(JR 四国特急2日乗り放題+提携ホテル1泊)を利用した鉄道旅行2日目。

列車の運休で予定変更を余儀なくされ、愛媛県松山市の伊予鉄道松山市駅からJR 四国バスが運行する高速バスなんごくエクスプレス号に乗車。

高知はりまや橋バスターミナルに16時過ぎに到着しました。

残る旅程としては徳島へ戻るだけですが、徳島線の特急剣山号に接続する特急南風26号の高知駅発車は18時36分。

それまで高知の繁華街で時間を潰すことにしました。

 

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はりまや橋交差点付近から西方向へ伸びるアーケード街は、幅も広く行き交う買い物客の数も高知市の人口を考えれば多い印象で、全体に活気が保たれているように見えました。

高知の商圏の中では郊外型ショッピングセンターとの競争もあるようですが、地理的に他地域と隔絶されているのは悪いことばかりではないようです。

 

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商店街を歩くこと10分、高知市街地の観光スポットのひとつ「ひろめ市場」に到着。

 

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市場の入口付近にあった店でカツオのたたき丼定食を注文。

 

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店の前の椅子・テーブルは簡素なものですが、あまり立派なものを並べると逆に雰囲気を壊してしまうのでしょう。

カツオのたたきは味もさることながら一切れの大きさに感心しました。スーパーで売っているものの倍はあったと思います。

ひろめ市場から高知駅への移動は路面電車「とさでん」を利用しようと思っていたのですが、アーケード街のすぐ南を併走している東西線の電車通りのどこに電停があるのかアーケード内からは判然とせず、結局はりまや橋付近まで徒歩で戻ってしまいました。

 

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そして南北方向の車道に出れば、そこを走る南北線(桟橋線)の「はりまや橋」駅は高知駅とは反対方向でしかも大通りを2回渡る必要があります。

高知駅方向をみると「はりまや橋」駅のひとつ高知駅寄りにあたる「蓮池町」駅もありますが、そこまで歩くと高知駅はかなり近くに見えており、「わざわざ電車に乗る気がしない」といった具合で、結局高知駅まで15分以上かけて歩いてしまいました。

 

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電車に乗る気があってさえこのような状況ですから「とさでん」は高知城・ひろめ市場・はりまや橋・高知駅という典型的な観光ルートにおいてかなりの客を取り逃がしているような気がします。

「とさでん」では、以前に高知駅と「はりまや橋」駅の間の運賃を190円から100円に値下げする試みも実施されましたが、増客減収という結果に終わり元にもどされたようです。

個人的には高知駅発車前の車内限定発売で250円~300円程度の「はりまや橋往復切符(払い戻し不可)」を発売するのがよいのではないかと思っています。

長期的には蓮池町駅をアーケード街の入口付近まで南に移動させ「はりまや橋交差点北詰」駅扱いで東西線との乗り換え駅に加える必要があるようにも思います。

 

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高知駅発18時36分の特急南風26号で阿波池田駅まで行き、特急剣山12号に乗り継いで徳島駅に戻ります。

 

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ホームで列車の入線を待つつもりだったのですが、南風26号は発車30分以上前からすでに乗車できる状態でホームに停車していました。車両は2000系の4両編成です。

後継車両の登場で引退が見えてきたJR四国の2000系ですが、地味な外見とは裏腹にJR史上に残る名車といっても過言ではありません。

2000系は急曲線が連続しスピードアップが困難だった土讃線の高速化のために導入された車両で、曲線を通過する際の遠心力を打ち消すため車体を曲線の内側に傾ける「振子装置」を搭載しています。

振子装置自体は国鉄時代の昭和47年に名古屋と長野を結ぶ特急しなの号などに導入された381系ですでに実用化されていましたが、381系の振子装置は「自然振子」と呼ばれるものであり、その挙動は大雑把にいえば「曲線に入ってから車体が傾き曲線を抜けてから元に戻る」というものでした。

カーブの走行に対して振子の挙動が若干遅れることから乗り心地が低下し、通常の鉄道では少ない「乗り物酔い」を多発させる原因になっていました。

このような問題を克服すべくこの2000系で導入された新しい振子装置は「制御振子」と呼ばれるもので、車両側で曲線の位置をあらかじめ記憶させるとともに列車の走行位置をモニターし、列車が曲線に近づくとその手前から少しずつ車体を傾けていくというハイテク仕様になっています。

これにより381系を上回る5度の車体傾斜を実現し、傾斜角が大きい分曲線通過速度もより向上させることができました。

国鉄の分割民営化から間もない時期に、最も規模が小さいJR会社となったJR四国が先鞭をつけた「制御振子」は、90年代のうちに貨物を除く全JRの特急車両に導入され全国で都市間の所要時間の大幅な短縮に貢献しました。

 

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(写真 2000系車内)

このように全国の特急列車で導入された制御振子方式ですが、そのハイテク仕様ゆえ車両価格が高価になるという欠点があり、2000年代に入るとしだいに傾斜角は小さいが安価が魅力の「車体傾斜」とよばれる新しい方式を採用する特急車両が次々に登場するようになりました。

JR四国でも2014年に予讃線の特急しおかぜなどで運転される8600系が車体傾斜方式で導入され、それにつづき「制御振子」を産んだ土讃線での走行を視野に2600系がやはり車体傾斜方式で製造されましたが、いざ試運転をしてみると土讃線の厳しい線形では「車体を傾斜させる装置の挙動が追い付かない」ことがわかり、2600系を実績のある制御振子方式に変更した2700系が登場することになりました。

 

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(2000系を置き換える形で導入される2700系(右)を紹介する高知駅の広告) 

制御振子装置を搭載した車両の製造は長らくなかったのですが「30年近く前に制御振子を産んだ路線が制御振子を復活させた」という事実は興味深く、また土讃線を高速で走行することがいかに困難であるかを物語っているようでもあります。

 

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ハード面では革新的な技術を搭載して登場した2000系ですが、接客設備面では登場から30年近くが経過し、最近のJR特急車両に比べて見劣りする面も目立ち始めていました。

座席背面のテーブルはノートパソコンのサイズを意識した最近のものに比べて小さくコンセントなどの設備もありません。

 

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高知駅での発車待ちの間に日が暮れ最初から夜汽車ムードに。

乗車率は今回の旅行で利用した特急列車の中では最も高く半数程度の席が埋まっていました。

 

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ホームに「吊り橋」のモニュメントがある大歩危駅に停車。一つ手前の土佐岩原駅との間に高知と徳島の県境があります。

 

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19時45分。高知から1時間9分で徳島県西部の拠点阿波池田駅に到着。

 

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岡山に向けて発車していく南風26号をこ線橋から見送り、

 

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徳島行きの特急剣山12号の乗り換えます。車両は185系2両編成です。

185系は阿波池田まで乗車した南風号の2000系より古く、国鉄末期に民営化後の四国の特急列車で使用することを想定し導入されたものです。

この車両が登場した当時の四国内には高速道路はほとんどなかったのですが、すでに4県庁所在地を直結する高速道路計画があり、土讃線を筆頭に線形が厳しい四国内においては振子装置など曲線走行への特段の対策がないこの185系では高速道路時代に対応できないという危機感が早くからあったようです。

そして先述のようにJR四国発足後まもなく制御振子装置を搭載した2000系が登場すると土讃線・予讃線・高徳線の順に車両が置き換えれ「国鉄の置き土産」とも言うべき185系は早々に第一線から引退。

以後はもっぱら徳島線や牟岐線を走るローカル特急で使用されています。

車齢が若い段階で高速運転が要求されず走行負荷が少ない路線への転属を余儀なくされた185系ですが、そのおかげで同時期の製造で北海道に導入され、主要幹線での高速運転に供され続けた兄弟車両183系などに比べると、良いコンディションを保っているようにも見えます。

 

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剣山12号の乗車率は1割~2割程度と空いていました。

南風26号からの乗り継ぎは筆者も含め10人程度だったようです。

 

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北海道の兄弟車両183系とも共通するバス型の空調吹き出し口や、

 

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レバーを押し続けていないと水が出ないため使い方にはコツがいる洗面台など、車内にはJR化後に登場した特急車両には見られない特徴が多くみられます。

 

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途中の主要駅穴吹駅に停車。乗車は数人でした。

 

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阿波池田から1時間14分、高知から乗り継ぎ時間も含め2時間28分で終点徳島駅1番線ホームに到着しました。

高知からの所要時間については乗り継ぎ時間を含めても徳島と高知を結ぶ高速バスより若干早いようです。

一方、運賃(料金含む)では高速バスの方がかなり安くなりますが、JR四国も徳島高知を格安で往復できる切符を発売し対抗しています。

今回は徳島駅から1日半をかけ予土線経由で四国を一周する計画を立てていました。

観光列車「伊予灘ものがたり号」と1日数本しかない予土線全線を走行する普通列車をつなぐ特急宇和海号の運休により旅程は大きく変更になりましたが、「うずしお」に始まり「いしづち」「宇和海」「南風」「剣山」の各特急に乗車することができ、ホテル代込みで11700円(JR四国ツアー「自由に四国鉄道の旅」利用)の価値は十分にあったように思います。

 

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徳島駅前には深夜まで阪神方面からの高速バスが続々と到着します。

満席や続行便を連ねての到着も珍しくなく、休日夜の駅前は列車よりもバスで到着する人達によって賑わいを保っているように見えました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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