西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

JR男鹿線の蓄電池電車「ACCUM」に乗る(どこかにマイル秋田旅行5)

f:id:nishiuraexp:20190618170125j:plain

どこかにマイル秋田旅行2日目。午前中「由利高原鉄道」に乗車し一旦秋田駅にもどってきました。

コンコースの秋田犬のバルーンは送風機にかかる電気代を節約するため毎日「膨らませたり凹ませたり」しているようです。  

さて午後は秋田駅から発車するJR男鹿線の列車に乗車します。

 

f:id:nishiuraexp:20190618170748j:plain

男鹿線の列車は日中は1時間に1本あるかないかというレベル。(写真は到着時刻表です。)

 

f:id:nishiuraexp:20190618170439j:plain

男鹿線を通って男鹿へ向かう列車は全便が秋田駅から発車しますが、路線としての男鹿線(緑のライン)は秋田駅から奥羽本線で青森方向へ3駅進んだ追分駅が起点です。駅の運賃表の地図では分かりませんが奥羽本線は電化、男鹿線は全線が非電化です。

 

f:id:nishiuraexp:20190618171210j:plain

男鹿線の列車が電化区間と非電化区間を直通することに着目して導入されたのが蓄電池電車ACCUMです。JR東日本ではここより先に、同じように電化の東北本線と非電化の烏山線を直通する列車で蓄電池電車を実用化していましたが、この車両はJR九州で開発された蓄電池車両をベースとしています。

「なぜ自社ですでに蓄電池車両を実用化しているのに、わざわざJR九州の技術を?」と思ってしまいますが、それは電化方式の違いによるもののようです。

東海道本線や山陽本線など本州の主要な路線やそこから分岐する路線の電化区間は直流で電化されていますが、九州や日本海側、東北地方などは交流電化になっています。直流電化区間と直通するJR東日本の烏山線の車両とは別にJR九州では独自に交流電化区間と直通する蓄電池電車の開発が進められていたということのようです。

 

f:id:nishiuraexp:20190618171605j:plain

車内もベースとなったJR九州の通勤車両の雰囲気が伝わってきます。12時08分の発車時刻が近づくと半分くらいの座席が埋まりました。

f:id:nishiuraexp:20190618171717j:plain

車内には蓄電池電車のシステムをリアルタイムで説明する画面が設置されています。

電化の奥羽本線内で駅間を走行しているときは、

 

f:id:nishiuraexp:20190618171841j:plain

通常の電車と同じく架線からの電力で運転。

 

f:id:nishiuraexp:20190618172019j:plain

駅が近づいてブレーキがかかると制動により発生した電力を架線に戻したり蓄電池に充電したりします。

ブレーキで発電というのは「自転車でライトをつけるとペダルが重たくなる」(軽くブレーキがかかった状態になる)ということを逆に述べているという理解でよいと思います。

 

f:id:nishiuraexp:20190618172201j:plain

そして追分駅から非電化の男鹿線内に入ると

 

f:id:nishiuraexp:20190618172342j:plain

蓄電池の電力で走行し、

f:id:nishiuraexp:20190618172503j:plain

駅が近づいてブレーキがかかると、発生した電力で蓄電池の充電を行います。

 

f:id:nishiuraexp:20190618172636j:plain

男鹿線内二田駅では従来車両のディーゼルカーで運転の列車と行き違い。

蓄電池電車は「電車」として扱われるため列車番号のあとのアルファベットは「M」。他のディーゼル列車は「D」となっているので、どちらの車両で運転されるかは市販の時刻表でも容易に判別できます。

 

f:id:nishiuraexp:20190618172858j:plain

秋田から約1時間で終点の男鹿駅に到着。所要時間は意外にも従来のディーゼル車両とかわりません。蓄電池電車で統一された際にはスピードアップが実現するのでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20190618173129j:plain

男鹿駅は新駅舎になっていました。

 

f:id:nishiuraexp:20190618173334j:plain

改札口付近。

 

f:id:nishiuraexp:20190618173528j:plain

観光案内所併設の待合室。

 

f:id:nishiuraexp:20190618174050j:plain

駅舎外観。

 

f:id:nishiuraexp:20190618173745j:plain

待合室から階段を上がって屋上へ出ることもできます。洪水や多少の津波程度なら避難場所として活用できそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20190618173923j:plain

屋上から駅前方向を眺めると通路の先に茶色い建物が見えています。

 

f:id:nishiuraexp:20190618174257j:plain

行ってみると「道の駅」に併設されたOGARE(オガーレ)という商業施設でした。

 

f:id:nishiuraexp:20190618181207j:plain

建物内では地元の農産品や特産物・土産物などが販売されています。

駅に降り立つ人だけを相手にしていたのでは、このような商業施設は成立しませんが、「数が多い車での来訪者が相手なら商売として成り立つ」という事情を踏まえ、(鉄道の)駅前に道の駅をつくって(鉄道の)駅の利便性や周辺の魅力も維持するというのは賢明な方法だと思います。

 

f:id:nishiuraexp:20190618181328j:plain

レストランも併設されていました。

 

f:id:nishiuraexp:20190618181422j:plain

道の駅と反対方向には旧男鹿駅舎があります。

 

f:id:nishiuraexp:20190618181548j:plain

男鹿ステーションギャラリーとして観光客に開放されています。

 

f:id:nishiuraexp:20190618181656j:plain

内部は多彩な展示で埋め尽くされていましたが若干統一感に欠ける印象もありました。

 

f:id:nishiuraexp:20190618181857j:plain

道の駅や旧駅舎を見学している間に、秋田から乗ってきた蓄電池電車はホームと反対側に造られた充電設備で充電を行っていたようです。充電は比較的短時間で完了するようですでにパンタグラフは下げられていました。

 

f:id:nishiuraexp:20190618182052j:plain

13時45分の秋田行で車両とともに秋田へ戻ります。

 

f:id:nishiuraexp:20190618182154j:plain

秋田駅からの運賃は由利高原鉄道の始発駅「羽後本荘」、「男鹿」とも760円です。

それぞれを往復したので3040円と由利高原鉄道の1日乗車券が1100円で今回の鉄道乗り歩きにかかった費用は4140円となりました。

高すぎるとは思いませんが、お隣の青森県で発売されている「津軽フリーパス」のようなJR以外も含めエリア内の鉄道が乗り放題になる魅力的な切符が秋田にもあれば、1回1回切符を買う手間も省け(秋田駅であってもICカードは使えません)便利になるのにと思いました。

 

f:id:nishiuraexp:20190618182316j:plain

14時44分。秋田駅に到着。

このあと秋田空港へ向かい、18時30分発のJAL2176便伊丹行で帰路につきました。続きはこちらです。

www.nishiuraexp.com

 

www.nishiuraexp.com

 

由利高原鉄道訪問記(どこかにマイル秋田旅行4)

f:id:nishiuraexp:20190617230204j:plainどこかにマイル秋田旅行2日目は、2つのローカル線を訪ねます。まずはJR羽越線羽後本荘駅から分岐する「由利高原鉄道」です。

羽後本荘駅は工事のため前日から仮駅舎での営業が始まったばかりでした。

 

f:id:nishiuraexp:20190617230414j:plain左手の窓口が由利高原鉄道の切符売場です。JRに乗車するときは自動改札、由利高原鉄道に乗車するときはその左の有人通路から駅に入ります。

 

f:id:nishiuraexp:20190617230515j:plain由利高原鉄道は昭和60年に廃止された国鉄矢島線のあとを継いだ第3セクター鉄道です。日本海に面した羽後本荘から内陸の終点矢島駅まで約23キロ、運賃は600円です。

 

f:id:nishiuraexp:20190617230629j:plain列車は概ね1時間に1本。全て各駅停車で終点矢島まで約40分です。

 

f:id:nishiuraexp:20190617230841j:plain土日は1日乗車券が1100円で発売され、終点近くまで行く場合は単純往復でもこちらの方がお得になります。

 

f:id:nishiuraexp:20190617231157j:plain1日乗車券の裏面は、提示で割引などのサービスを受けることができる店舗の一覧表になっていました。

 

f:id:nishiuraexp:20190617230932j:plain

f:id:nishiuraexp:20190617231010j:plain現在の由利高原鉄道の車両は2000・2001年に製造された2000形2両と、2012~2014年に製造された3000形3両に大別されます。羽後本荘発8時40分の便は新しい3000形での運転でした。

 

f:id:nishiuraexp:20190617231111j:plain車内は4人掛けのボックスごとにテーブルが備わっています。

 

f:id:nishiuraexp:20190617231351j:plain列車は羽後本荘駅を発車すると次の薬師堂駅までJR羽越線と併走したのち子吉川に沿って内陸方向へ進みます。

由利高原鉄道には鳥海山ろく線という愛称があります。

鳥海山は秋田・山形県境付近にそびえる名山で高さは2236メートル。

昨日、秋田空港に着陸するJALの機内からは曇天でもよく見えましたが、由利高原鉄道の車窓からは「天気がよければ」見えるとのことでした。

 

f:id:nishiuraexp:20190617231437j:plain矢島方面へ進むにつれ沿線の人家は少なくなりローカルムードが強まります。

沿線は国鉄矢島線時代には本荘市、由利町、矢島町にまたがっていましたが、現在は終点の矢島駅までの全区間が由利本荘市になっています。

 

f:id:nishiuraexp:20190617231525j:plain9時19分終点の矢島駅に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20190617231625j:plain矢島駅には由利高原鉄道の本拠があり、駅舎内では鉄道グッズの販売なども行われていました。

 

f:id:nishiuraexp:20190617231743j:plain駅前広場には1日乗車券の優待店舗に名を連ねていた多賀部食堂があり、

 

f:id:nishiuraexp:20190617231847j:plain少し歩くと民家や店舗が集まる一画がありました。このあたりが古くからの街の中心だったのでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20190617232020j:plain駅前にあった広域地図。

由利高原鉄道は矢島で終点ですが、由利高原鉄道に並行する国道108号は矢島から先、奥羽本線院内駅付近を通り、鳴子温泉から陸羽西線、石巻線に沿って石巻市に達する長距離国道です。(写真の地図はそこまで広域ではありません)

 

f:id:nishiuraexp:20190617232337j:plain9時40分発の便で折り返します。往路の車両は入庫し、復路は「まごころ列車」として運転の2000形車両でした。「まごころ列車」には秋田おばこ姿のアテンダントさんが乗務され、車窓や沿線の案内などを聞くことができます。

 

f:id:nishiuraexp:20190617232438j:plain

f:id:nishiuraexp:20190617232534j:plain3000形より古い2000形ですが車内は大掛かりな改造が施されています。

 

f:id:nishiuraexp:20190617232724j:plain途中唯一行き違いができる前郷駅付近。

矢島~前郷は約11キロあります。この区間では埼玉県の工業高校の生徒が製作した、EVOLTA乾電池600本を動力源とする「電車」を走行させるイベントがあり、往復約22キロを2時間47分で走破。ギネスにも認定されたそうです。

 

f:id:nishiuraexp:20190617232906j:plain子吉川の鉄橋は車窓のハイライトの一つ。

 

f:id:nishiuraexp:20190617232955j:plain乗客全員にアテンダントさんから沿線案内と乗車記念のしおりが配られました。

 

f:id:nishiuraexp:20190617233112j:plain羽後本荘駅に到着。

 

 

f:id:nishiuraexp:20190617233251j:plain

f:id:nishiuraexp:20190617233513j:plain

仮駅舎に移った羽後本荘駅ですが、長らく親しまれた駅舎との「お別れ会」ということでしょうか、旧駅舎では「エキまつり」が開催され大盛況でした。

 

f:id:nishiuraexp:20190617233633j:plain

羽後本荘から10時39分発のJR羽越線秋田行に乗り継いで、

 

f:id:nishiuraexp:20190617233757j:plain

秋田駅からはもう一つのローカル線、JR男鹿線の「電車」(写真奥)に乗車します。

つづきはこちらです。

 

www.nishiuraexp.com

 

www.nishiuraexp.com

 






























どこかにマイル秋田旅行3  秋田駅周辺観光


f:id:nishiuraexp:20190616150053j:image伊丹発12時55分のJAL2173便で秋田空港へ。空港からリムジンバスに乗り継いで15時20分頃秋田駅に到着しました。

 

f:id:nishiuraexp:20190616151148j:plain秋田駅前からアーケード街をぬけ


f:id:nishiuraexp:20190616150129j:image市街地を流れる川に沿って歩くこと15分。


f:id:nishiuraexp:20190616150149j:image秋田市街の観光地の一つ赤レンガ郷土館に到着です。なお秋田空港からリムジンバスに乗車した場合は、秋田駅まで行かず手前の北都銀行前で降りると徒歩5分程度でここまで来ることができるようでした。

この建物は明治末期に建てられ秋田銀行本店として長年使われてきたものです。郷土館という名称ですが、内部は頭取室など銀行当時のまま保存展示されています。


f:id:nishiuraexp:20190616150205j:image古い建物の重厚さに感心する一方、銀行内部の基本的な造りは今も昔もほとんど変わっていないことに気づきます。


f:id:nishiuraexp:20190616150224j:image上階から眺めるとより一層建物の歴史的価値が伝わってきます。


f:id:nishiuraexp:20190616150243j:image赤レンガ郷土館の入館券を購入すると、隣接する秋田出身の版画家勝平得之氏の記念館に入ることもできます。

美術の世界で高い評価を受けている作品であっても素人にはその良さが理解しづらい、ということは往々にしてありますが、勝平氏の版画はカラフルな彩色版画で機械化される前の農作業の様子を描写したものが中心で、素人にも直感的にその良さが伝わってくるものばかりでした。


f:id:nishiuraexp:20190616150257j:image赤レンガ郷土館から千秋公園へ向かう途中には秋田県立美術館がありました。この種の施設は、他県では繁華街から少し離れたひっそりした場所にあることが多いように思いますが、ここは秋田駅から歩いて10分ほどの距離にあり気軽に訪れることができそうです。


f:id:nishiuraexp:20190616150312j:image千秋公園は秋田駅から徒歩10分程度。秋田二十万石佐竹氏の居城「久保田城」跡に整備された公園です。


f:id:nishiuraexp:20190616150330j:image上の写真の看板の地点から坂道を登ること10分。久保田城表門です。


f:id:nishiuraexp:20190616150345j:image佐竹義堯公銅像


f:id:nishiuraexp:20190616150357j:image久保田城御隅櫓。城内に多数あった櫓の中でも最も高い位置にあったものを復元しているのですが、元々2層だったもののうえに現在の秋田市街地を一望できる展望台を載せたとのこと。

復元という観点ではどうなのか、と思うところもありますが、展望台には興味があり、入口で入館料100円を払おうとしたところ、間もなくの16時30分で終了である旨を告げられました。仕方なく外観だけ撮影して退散しました。


f:id:nishiuraexp:20190616150411j:image千秋公園から歩いて秋田駅前の西武デパートの地下にある「佐藤養助」に入店。

場所が分かりやすく気軽に秋田名物を食べることができるので特に短時間滞在の方におすすめです。


f:id:nishiuraexp:20190616150425j:image「稲庭うどん」と「きりたんぽ鍋」のセットを注文しました。


f:id:nishiuraexp:20190616150439j:imageまず「きりたんぽ鍋」が配膳され、


f:id:nishiuraexp:20190616150451j:image「きりたんぽ」を鍋に入れてほぐす間に


f:id:nishiuraexp:20190616150503j:imageもう一つの秋田名物「稲庭うどん」が出てきました。

「稲庭うどん」も「きりたんぽ」も初めてでしたが、「稲庭うどん」はそうめんのように細く味も西日本ではメジャーな讃岐うどんとは全くの別物です。きりたんぽは「ちくわ型の焼おにぎり」という感じでしょうか。鍋に入れると主食とおかずが同時に食べられるので合理的だと思います。


f:id:nishiuraexp:20190616150514j:image秋田駅に戻ってきました。

コンコースには精悍な顔立ちの秋田犬の展示が、・・・と思っていたら、


f:id:nishiuraexp:20190616150528j:imageよそ見をしている間に送風機のスイッチが切られこんなお姿になってしまいました。


f:id:nishiuraexp:20190616150542j:image「どこかにマイル」の行先決定は早くても出発の3週間程度前になってしまいます。土日を利用する場合、ホテルの予約に苦労したのは1度目の鹿児島の時と同じでした。今回は秋田県内の羽後本荘駅を起点とするローカル鉄道「由利高原鉄道」乗車も目的の一つのため安い値段で残っていた羽後本荘駅前のホテルに宿泊することにしました。


f:id:nishiuraexp:20190616150554j:image羽後本荘までは羽越線の普通電車で約45分です。ロングシートの3両編成でしたが土曜日ということもあり余裕のある乗車率でした。


f:id:nishiuraexp:20190616150604j:image日本海に沿って走る羽越線は風の影響を受けやすく、今回も定刻に秋田を発車したものの途中から徐行運転となり


f:id:nishiuraexp:20190616150615j:image約10分遅れて羽後本荘駅に到着しました。


f:id:nishiuraexp:20190616150628j:image羽後本荘駅は工事のため今日から仮駅舎での営業になっていました。


f:id:nishiuraexp:20190616150638j:image昨日まで長らく使われてきた駅舎がこちら。


f:id:nishiuraexp:20190616150649j:image駅前広場に面して立つ本荘ステーションホテル。秋田駅周辺の同じレベルと思われるホテルが軒並み10000円以上だったのに対し朝食付きで6000円台でした。正面が本館、直角に接しているのが別館です。

 

f:id:nishiuraexp:20190616151221j:plain別館の部屋は一般的なビジネスホテルという感じでした。

 

f:id:nishiuraexp:20190616151244j:plain秋田駅の土産物売場で買った土産。秋田銘菓の「金萬」(まんじゅう)と「もろこしクッキー」。


f:id:nishiuraexp:20190616150737j:image翌朝の朝食は本館1階の食堂「大黒屋」で。


f:id:nishiuraexp:20190616150747j:image和食オンリーのバイキングスタイルです。

福島県のホテルに泊まったときに鮭が異様に辛かったので東北地方の地元ホテルはどこも同じなのかと身構えていましたが食べやすい薄味でした。

ここからは鉄道ネタです。つづきはこちらです。

 

www.nishiuraexp.com

 

 

www.nishiuraexp.com

 

どこかにマイル秋田旅行2 JAL2173便伊丹~秋田搭乗記。


f:id:nishiuraexp:20190616080630j:image

新三田駅からJR、阪急、モノレールと乗り継いで到着した伊丹空港第1ターミナル。


f:id:nishiuraexp:20190616080646j:image昨夜から天気は荒れ模様で空港アクセスのモノレールさえ風速20メートル越えで一時徐行していたほどですが、ほとんどの便が欠航せずに飛んでいるのは立派なものです。


f:id:nishiuraexp:20190616080712j:image搭乗口は検査場を出てすぐの14番。

現在の伊丹空港はリニューアル済み、工事中、工事未着手の場所が入り乱れています。この搭乗口周辺はリニューアル済みで、絨毯が張られベンチも弾力のある掛け心地のよいものになっていました。


f:id:nishiuraexp:20190616080726j:image秋田行のJAL2173便は小型ジェットのエンブラエル190での運航です。

JALの伊丹発便は大半がこのエンブラエル190またはさらに小さいエンブラエル170を使用する「J AIR」運航便になっています。


f:id:nishiuraexp:20190616080746j:image搭乗機エンブラエル190。


f:id:nishiuraexp:20190616080806j:imageエンブラエル190と170の最大の違いは、190にはクラスJ席があることでしょう。今回もチェックイン時に空席があったので追加1000円でアップグレードしました。


f:id:nishiuraexp:20190616080819j:image機内誌スカイワードにはJAL各機材の全長、航続距離などのデータを掲載したページがあります。190と170の大きさに差がありすぎる感じですが縮尺が違うのでしょう。


f:id:nishiuraexp:20190616080849j:image同じく機内誌掲載のルートマップ。

伊丹秋田線は親不知付近から日本海上に出て佐渡の南を飛び、秋田沖で陸地方向に旋回して着陸という経路になるようです。


f:id:nishiuraexp:20190616080902j:image静止画だと良い天気に見えますが、雲が動いているのが肉眼でもわかるほどの強風が吹いています。


f:id:nishiuraexp:20190616080919j:image離陸はいつもの六甲山系方向とは逆の大阪方面でした。普段は着陸時に見る風景ですが、離着陸で角度が違うことから離陸時のほうが視点が高くなり、初めて見る風景のように新鮮でした。


f:id:nishiuraexp:20190616080942j:image風にあおられながら上昇し雲の上へ抜けて行きました。


f:id:nishiuraexp:20190616080954j:image揺れのためドリンクサービスは冷たいお茶のみ。

 

f:id:nishiuraexp:20190616082110j:plainルートマップどおりの場所から日本海上へ出ます。

奥に糸魚川の街と街を貫いて日本海に注ぐ姫川が見えていますが、姫川の水が注いでいる場所だけ日本海の水の色が澄んでいるように見えます。

台風などの際に濁流の川が注ぐ場所だけ海水が茶色になっているのを見たことがありますが逆は初めてです。姫川といえば急流と翡翠のイメージですが水質もかなり高いレベルなのでしょう。


f:id:nishiuraexp:20190616081021j:image秋田沖に到達。高度がさがり写真中央付近にはこれから着陸する秋田空港の滑走路が見えています。


f:id:nishiuraexp:20190616081051j:image着陸直前は風に煽られるのがわかりましたが、最後は思ったよりソフトな着地でした。


f:id:nishiuraexp:20190616081108j:imageターミナルビルから乗ってきた機体を振り返ります。市街地からそれほど離れていませんが自然環境に恵まれた空港のようです。

 

f:id:nishiuraexp:20190616082131j:plain私事ですが秋田空港の利用は初めてです。東北の空港では仙台・青森に次いで3箇所目です。


f:id:nishiuraexp:20190616081130j:image制限エリアを抜けると「なまはげ」と「秋田犬」が出迎えてくれました。


f:id:nishiuraexp:20190616081143j:image秋田駅方面のリムジンバスに乗り継ぎます。

秋田空港は奥羽本線和田駅から数キロのところに位置していますが、歩くには遠く、そこへ向かうバス路線もありません。

 

f:id:nishiuraexp:20190616082201j:plain運転間隔は均等ではなく到着便に合わせて発車するダイヤになっているようです。このような空港では到着後あまりゆっくりしていると、次のバスまで1時間待つかタクシーしかないということになりかねないので注意を要します。


f:id:nishiuraexp:20190616081205j:image秋田駅までは930円。


f:id:nishiuraexp:20190616081214j:image乗客は10人少々。秋田駅までは一般道のみの走行です。渋滞というほどではありませんがスムーズとは言い難い道路状況で、秋田駅まで約35分かかりました。


f:id:nishiuraexp:20190616081226j:image15時20分。伊丹から2時間30分で秋田駅前に到着しました。

仮に新幹線を使うと7時間かかり、日本海号などの夜行列車なき今、関西・東北の移動は航空の独占状態になっているようです。

つづきはこちらです。

 

www.nishiuraexp.com

 

 

www.nishiuraexp.com

 

【県内なのに】兵庫県内からのアクセスが悪い伊丹空港(どこかにマイル秋田旅行1)


f:id:nishiuraexp:20190615191852j:image5月に申し込んだJALの「どこかにマイル」の目的地は秋田になりましたが、気付けばもう出発日。まずは伊丹へ向かわなければなりません。

というわけで今回の旅のスタートは兵庫県三田市、JR福知山線の新三田駅です。

新三田駅は、宝塚~福知山~城崎間の電化及び宝塚~三田間の線路付け替え、特急北近畿号運転開始などが行われた、国鉄末期の昭和61年秋に開業した駅です。複線区間もこの時に宝塚から当駅まで延長されています。


f:id:nishiuraexp:20190615192013j:image宝塚以北が非電化だった当時の福知山線には旧型客車が残り、運転本数も宝塚まで1時間に2本、以北は1時間に1本というローカル線でしたが、電化によるダイヤ改正で新規開業したこの新三田駅までは1時間に3本に大増発されました。

現在は大阪~新三田で1時間あたり快速2本・普通4本が走るまでにまで成長しています。

なお新三田折り返し列車が多数設定されているのは電化開業当時と変わらず、新三田以北は篠山口まで1時間に2本、篠山口~福知山は現在に至るまで1時間あたり1本のままです。


f:id:nishiuraexp:20190615192119j:image10時48分当駅始発の高槻行は321系7両編成。


f:id:nishiuraexp:20190615192141j:image20メートル車両、4ドアという通勤型車両のベースは国鉄時代から変わりませんが、


f:id:nishiuraexp:20190615192219j:image扉間のロングシートの定員は7人から6人に変更され、


f:id:nishiuraexp:20190615192242j:image案内装置はドア上部ではなくドア間にレール方向に設置されるなど、同じ車両をルーツにもつ通勤型車両でもJR東日本と西日本で別々の進化を遂げているように見えます。

そもそもJR西日本は先日のオレンジ色の201系引退により、乗降の激しい「通勤型車両好適路線」の大阪環状線を3扉車に統一しています。今後JR西日本では4扉車両は製造されない可能性もあります。


f:id:nishiuraexp:20190615192311j:image新三田を発車すると田園地帯の向こうの丘陵地にニュータウンの家並みが見えます。国鉄末期の電化、複線化、線路付け替え、新三田駅開業、いずれもこの三田市域における大規模ニュータウンの開発が関係していました。平成に入りニュータウン内に神戸電鉄公園都市線が開業しJR三田駅まで同線の電車で出られるようになりましたが、始発電車が多い新三田駅までバスなどでアクセスする傾向が強く、ここでも神戸電鉄は苦戦を強いられているようです。


f:id:nishiuraexp:20190615192331j:image新三田から約20分で宝塚に到着。隣のホームには当駅始発の快速が停車しており、三田方面からの乗客が一斉に乗り換えていました。通常であれば三田方面からの電車を宝塚から快速運転し、通過駅となる駅へ向かう客のために途中駅からの各駅停車を運転すればよさそうなものですが、あえてそうしていないのには理由があるようです。


f:id:nishiuraexp:20190615205348j:image
f:id:nishiuraexp:20190615193814j:image宝塚駅舎は近年建て替えられ、内装もかなりこだわった造りになっています。

JR西日本がここまで「頑張る」のは、道向かいに阪急電鉄宝塚線のターミナル宝塚駅があり対大阪でJRと競合関係にあるからですが、ここの場合は単なる鉄道路線の競合だけでは語ることができない背景があるように思います。

***阪急宝塚線沿線から大阪への通勤・買物の客を運んだ梅田行きの電車が、空で宝塚へ引き返すのでは効率が悪い***

というところから始まった阪急電鉄の宝塚周辺の開発(需要発掘)は私鉄経営のお手本のように言われ、その流れの中で生まれた宝塚歌劇などは、それ自体から生じる反作用が阪急ブランドをより強固なものにしているようにも見えます。

培われたブランドイメージは、広い視点で見れば歌劇鑑賞のために阪急電鉄を利用する客から得られる運賃収入をはるかに上回る価値を生み出しているに違いありません。

阪急平野とか阪急信者という言葉まで聞かれるエリアでJRが「挑む」立場から脱するのはまだまだ容易ではなさそうです。


f:id:nishiuraexp:20190615193902j:imageその阪急の「城」阪急宝塚駅から宝塚線の急行に乗車します。


f:id:nishiuraexp:20190615193942j:image阪急の運賃は一定以上の距離ではJRより低い水準に抑えられ、神戸線や京都線も含めJRに対するアドバンテージになっています。


f:id:nishiuraexp:20190615194011j:image日中の梅田行は10分毎の運転ですべて急行です。通過運転がはじまる手前の駅から始発の各駅停車を運転するという、郊外型路線の教科書的なダイヤになっています。


f:id:nishiuraexp:20190615194036j:image11時20分発の急行梅田行に乗車。

阪急の車両には詳しくありませんが、神戸線などに比べると年式の古いものが多いのでしょうか。

阪急の車両は古い車両でも古さを感じさせないとよく言われます。整備水準が高いこともあるのでしょうが、マルーンの塗装に代表されるように、新型車両をあえて従来車両の個性を多く引き継ぐスタイルにして、見た目の新しさを抑制する戦略が奏功しているように感じます。最初から新しくないものは古くなりようがないのです。


f:id:nishiuraexp:20190615194101j:image伊丹空港最寄りの蛍池駅で下車。


f:id:nishiuraexp:20190615194125j:image隣接する大阪モノレールに乗り継ぎます。(11時46分発)


f:id:nishiuraexp:20190615194143j:imageモノレールも10分間隔の運転で阪急との接続は良好です。


f:id:nishiuraexp:20190615194213j:image1駅約3分で終点大阪空港駅に到着。この区間は歩いても10分少々です。

新三田駅から約1時間での到着でした。福知山線の駅から伊丹空港へ向かうバスも調べましたが宝塚駅から1時間に1本程度、伊丹駅から1時間に3本程度しかなく、結局のところ今回のように宝塚と蛍池で2回乗り換えるルートが一番信頼できるようです。

空港の所在地伊丹市は兵庫県であるにも関わらず、県庁所在地の神戸市中心部からでも鉄道で行こうとすると十三と蛍池の2回乗り換えが必要となりアクセスの悪さが際っています。

 

 

f:id:nishiuraexp:20190615194303j:image伊丹空港からは12時55分発のJAL2173便で秋田へ向かいました。

つづきはこちらです。

 

www.nishiuraexp.com

 

 

 

www.nishiuraexp.com

 

神戸市営地下鉄と都会のローカル線「和田岬線」訪問記2

f:id:nishiuraexp:20190610224001j:plain

JR神戸線兵庫駅から和田岬線の電車で到着した和田岬駅。和田岬への鉄道の乗り入れは以前は和田岬線のみでしたが、2001年に開業した神戸市営地下鉄海岸線の和田岬駅がJR駅のすぐ近くに出来ました。

 

f:id:nishiuraexp:20190610224127j:plain

JR駅側の入口は空いていましたが、

 

f:id:nishiuraexp:20190610224228j:plain

三菱重工業の造船所がある道向かいの入口から駅ホームへ向かう人の数はかなりのもので、JR和田岬駅以上の帰宅ラッシュになっていました。

 

f:id:nishiuraexp:20190610224312j:plain

周辺の鉄道路線図。緑が地下鉄山手線、青が地下鉄海岸線です。

海岸線は、新長田と三宮を南回りで結ぶ路線で、JRの新長田、神戸、元町、三ノ宮の各駅へアクセス(徒歩圏に駅がある)できます。地図だけみると和田岬とJR神戸線を結ぶ和田岬線の役目は地下鉄海岸線開業とともに終わったようにも見えます。

しかし海岸線の三宮駅(三宮花時計前駅)は、JRなど他の路線との乗り換えが必ずしも便利ではない、和田岬から三宮までの運賃がJRより高く定期券であったり三宮でJRに乗り継ぐ場合は、その差がさらに大きくなる。などの事情もあって、時間限定運行にも関わらずJR和田岬線を利用する人が少なくないのが現状のようです。

 

f:id:nishiuraexp:20190610224418j:plain

海岸線の時刻表。朝と夕方~夜間のみ運転のJR和田岬線と違い日中も10分間隔で運転されています。

 

f:id:nishiuraexp:20190610224542j:plain

神戸市営地下鉄海岸線は駆動装置にリニアモーターを採用しており、レールの間にはその基板が敷かれています。

 

f:id:nishiuraexp:20190610224629j:plain

リニアモーター車両は、レールを「蹴って」前進する一般車両に比べて勾配に強いという特長もありますが、床下機器の体積を小さくすることが可能→車両断面を小さくすることが可能→トンネル断面を小さくすることが可能→建設費が抑制できる。というのが最大のメリットのようです。

最重要区間で需要も大きい1本目の路線を「フル規格」で建設し、2本目の路線はリニア車両の「小断面」でという流れは、神戸のほか横浜、京都、福岡、仙台なども同じです。

 

f:id:nishiuraexp:20190610224723j:plain

断面が小さい分車内はやや狭く、4両編成の定員は和田岬線103系6両の半分程度ではないでしょうか。

逆に言えばJR和田岬線の1本分は地下鉄2本分に相当することになり、仮に15分に1本の運転であっても、輸送力的には地下鉄を7~8分間隔で走らせているのと同じということになります。

 

f:id:nishiuraexp:20190610224819j:plain

10分程で終点の新長田に到着。

 

f:id:nishiuraexp:20190610224907j:plain

神戸市営地下鉄の「本線」たる西神・山手線とは地下通路を歩いての乗り換えです。実際の乗り換え時間は5分程度必要です。

 

f:id:nishiuraexp:20190610225004j:plain

名谷への帰路は北神急行電鉄の車両でした。市営地下鉄車両で言えば2000系と同世代でありすでに30年選手です。

 

f:id:nishiuraexp:20190610225047j:plain

新長田~名谷は神戸市営地下鉄の再混雑区間で夕方のラッシュにかかり車内は満員でした。目の前で閉まったドアの広告には、祖谷のかずら橋(徳島県)の写真と「秘境ってこんなに近かったんだ」の文字。

神戸市営地下鉄の主たる利用者は神戸市西部(須磨区、西区)のニュータウン住民でありマイカーを利用した場合、明石海峡大橋の入口つまり四国への入口にあたる垂水ジャンクションに短時間でアクセスできるエリアに住む乗客が、かなりの割合を占めているはずです。

徳島や香川への、主に「マイカー・日帰り」の観光客呼び込みを考えた場合、神戸市営地下鉄の駅や車内というのは非常に効率的なPRの場になるのではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20190610225146j:plain

18時ごろ名谷駅に到着。

名谷~新長田~兵庫~和田岬~新長田~名谷の約2時間のミニトリップはここで終点です。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

www.nishiuraexp.com

 

神戸市営地下鉄と都会のローカル線「和田岬線」訪問記


f:id:nishiuraexp:20190609094817j:image

今回は運転時間帯が限られ乗車がむずかしいJR西日本の通称「和田岬線」に乗車する機会を得たので、アクセスに利用した神戸市営地下鉄とあわせて記事にすることにしました。スタートは神戸市須磨区、神戸市営地下鉄名谷駅です。


f:id:nishiuraexp:20190609094842j:image

神戸市営地下鉄は写真路線図の緑のラインと青のライン(海岸線)の2路線で構成されています。

緑のラインは厳密には左から西神中央~名谷間が西神延伸線、名谷~新長田が西神線、新長田~新神戸が山手線の3路線で成り立っていますが、電車はその先の茶色のライン北神急行電鉄の谷上まで直通で運転されます。

 

f:id:nishiuraexp:20190609165552j:plain

ダイヤは日中は7.5分間隔、ラッシュ時は最短3分間隔で、およそ半数が北神急行直通になっています。なお北神急行は神戸市営化の話が進んでいます。実現してもすでに直通になっているダイヤが大きく変わることはないかもしれませんが、運賃については、現在2回の初乗り運賃が必要なうえ、北神急行の運賃が割高なため谷上~三宮で500円を超えているものが、280円になるとも言われ(鉄道誌にも出ていた数値ですが決定しているわけではないと思います。)神戸電鉄も巻き込んだ大きなトピックになることは必至です。


f:id:nishiuraexp:20190609094918j:image

現在の神戸市営地下鉄(海岸線を除く)を走行する車両は5種類あります。写真は1977年の開業以来の1000系。


f:id:nishiuraexp:20190609094937j:image

北神急行開通のころ(1988年)に登場した2000系。


f:id:nishiuraexp:20190609094952j:image

快速運転が始まった1993年に登場した3000系。


f:id:nishiuraexp:20190609132619j:image

北神急行電鉄からの乗り入れ車両7000系と、下の過去記事でご紹介させていただいた新型車両6000系です。 

 

www.nishiuraexp.com

 

 1000系、2000系、3000系については、順次6000系に置き換えられることが決まっているため、実質1本の路線でこれだけのバリエーションの車両が見られるのもここ数年と思われます。


f:id:nishiuraexp:20190609095011j:image

乗車列車は2000系でした。内装は1000系とほぼ同じです。名谷~新長田の間は神戸市営地下鉄最初の開業区間であり最混雑区間でもありますが、名谷始発便だったため余裕がある状態でした。


f:id:nishiuraexp:20190609095037j:image

3駅目。長田区の新長田で下車。市営地下鉄では海岸線、他社ではJR神戸線との乗り換え駅であり、神戸高速鉄道・山陽電鉄の西代駅も歩けない距離ではありません。


f:id:nishiuraexp:20190609095055j:image

周辺は阪神大震災で甚大な被害を受けましたが駅周辺は近代的な街に生まれ変わっています。

 

f:id:nishiuraexp:20190609164053j:plain

長田の復興のシンボルとされる鉄人28号のモニュメントは駅からすぐ(JR南側の道を姫路方向に徒歩3分程)で、JR神戸線の車窓からもよく見えます。


f:id:nishiuraexp:20190609095128j:image

新長田から一駅JR神戸線の各駅停車で、和田岬線の始発駅「兵庫」へ移動します。


f:id:nishiuraexp:20190609095158j:image

兵庫に到着。

神戸市中心部のJR(国鉄)線の高架は戦前の昭和6年のことだったと思います。隣接する神戸駅や三ノ宮駅と同じく、その時以来の駅舎が今も使われています。利用が多くリニューアルが繰り返された三ノ宮駅などに比べると、駅内部は開業当時の面影を色濃く残しています。

なお昭和43年までは駅前に山陽電鉄のターミナルがありました。駅利用者数では新長田と変わりませんが、全ての快速電車が停車するのはその名残なのかもしれません。

 

f:id:nishiuraexp:20190609164116j:plain

この駅から分岐するJRの路線が和田岬線です。

現在の和田岬線の利用者の多くは、終点の和田岬駅近くにある三菱重工業神戸造船所への通勤客のため、列車の運行は朝と夕~夜間のみで、和田岬までの2.7kmに途中駅はありません。なお駅の時刻表にも記載されている「和田岬線」の名称ですが、これは通称で正式には山陽本線の支線となっています。


f:id:nishiuraexp:20190609095340j:image

戦前の面影が色濃い兵庫駅舎内。高架の兵庫駅ですが、和田岬線の乗場は高架横の地平ホームです。


f:id:nishiuraexp:20190609095321j:image

兵庫駅の改札内に和田岬線専用の別改札があります。

これは乗り換え改札ではなく和田岬駅出口としての改札です。

途中に駅がないので、ここから和田岬線の電車に乗る客はすべて和田岬駅が目的地ということになり、乗る前に切符を回収したりカードから運賃を差し引いても問題はないのでしょう。

 

f:id:nishiuraexp:20190609164143j:plain

電車の運行時間帯が限られているため改札も時間限定です。

 

f:id:nishiuraexp:20190609095420j:image

兵庫駅に和田岬駅の出口改札があるため、和田岬駅までの乗り越し精算も兵庫駅で行う必要があります。兵庫駅までの乗り越し精算機は別の場所にありますが、間違ってここで精算して兵庫駅を出ようとする人が多いのでしょう、精算機は注意書きに包囲されていました。


f:id:nishiuraexp:20190609095521j:image

改札を抜け和田岬線のホームに入ると、そこには和田岬駅の入口(切符売り場)があります。和田岬駅から兵庫駅までの乗客は兵庫駅に着いてから兵庫駅までの切符を買い、さきほどの改札機(兵庫駅にある和田岬駅の改札)を通して入場し、すぐ近くにある兵庫駅の改札で切符を回収され出場することになります。


f:id:nishiuraexp:20190609095535j:image

兵庫駅和田岬線ホームにある切符売り場の運賃表。すべて和田岬駅からの運賃。

 

f:id:nishiuraexp:20190609164212j:plain

ここまで説明した和田岬線の乗車券の取り扱いに関する表示もありましたが、皆が容易に理解してくれるとは思えません。


f:id:nishiuraexp:20190609095632j:image

路線名・ダイヤ・乗車券の取り扱いなど、特筆点の多い「和田岬線」ですが、車両も和田岬線専用のものです。形式は103系でこれは少なくなったとはいえ他路線でも見ることができますが、

 

f:id:nishiuraexp:20190609164246j:plain

朝夕だけの限定運用で人目に触れる機会が少ないためか、車内に一切広告がありません。またこの時間帯の兵庫発の電車は和田岬まで仕事帰りの人を迎えに行く形になるため、乗客は6両編成に5人程度でした。

なお和田岬線の車両は過去にさかのぼっても個性派ばかりで、平成2年までは旧型客車が、その後平成13年に電化されるまではキハ35系ディーゼルカーが使用されていました。いずれも和田岬線限定の車両で、兵庫駅と和田岬駅のホームが同じ側にあることから反対側のドアを開閉できない状態にするなどの改造がほどこされていました。


f:id:nishiuraexp:20190609095704j:image

発車を待つ間隣の高架線を何本もの列車が駆け抜けていきます。同じ駅でありながらここだけ違う時間が流れているような感覚になります。

 

発車~和田岬到着までの4分間の車窓は動画にしましたので、こちらをどうぞ。


JR和田岬線 全線車窓(東側) 兵庫⇒和田岬


f:id:nishiuraexp:20190609095728j:image

電車はおよそ4分で終点の和田岬に到着。


f:id:nishiuraexp:20190609095745j:image

駅に到着するとすでにホームで多数の乗客が待っており、折り返しの数分の間も途切れることなく退勤の人たちが車内に入っていきます。

以前は満員になったようですが、2001年に神戸市営地下鉄海岸線が開通、目の前に同線の和田岬駅が出来てからは、そちらへ移る傾向があるようで、席が埋まるか若干の立客が出る程度で兵庫駅にむけて発車していきました。


f:id:nishiuraexp:20190609095758j:image

この駅の券売機や改札機はすべて兵庫駅にあるので、駅設備は駅名版と時刻表程度しかありません。


f:id:nishiuraexp:20190609095810j:image

f:id:nishiuraexp:20190609095824j:image

駅前にはファミリーマートがあり、壁面には和田岬駅の歴史などの説明書きが掲示されていました。

 帰りは地下鉄海岸線を利用しました、つづきはこちらです。

 

www.nishiuraexp.com

 

 

www.nishiuraexp.com