西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

神戸市営地下鉄と都会のローカル線「和田岬線」訪問記


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今回は運転時間帯が限られ乗車がむずかしいJR西日本の通称「和田岬線」に乗車する機会を得たので、アクセスに利用した神戸市営地下鉄とあわせて記事にすることにしました。スタートは神戸市須磨区、神戸市営地下鉄名谷駅です。


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神戸市営地下鉄は写真路線図の緑のラインと青のライン(海岸線)の2路線で構成されています。

緑のラインは厳密には左から西神中央~名谷間が西神延伸線、名谷~新長田が西神線、新長田~新神戸が山手線の3路線で成り立っていますが、電車はその先の茶色のライン北神急行電鉄の谷上まで直通で運転されます。

 

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ダイヤは日中は7.5分間隔、ラッシュ時は最短3分間隔で、およそ半数が北神急行直通になっています。なお北神急行は神戸市営化の話が進んでいます。実現してもすでに直通になっているダイヤが大きく変わることはないかもしれませんが、運賃については、現在2回の初乗り運賃が必要なうえ、北神急行の運賃が割高なため谷上~三宮で500円を超えているものが、280円になるとも言われ(鉄道誌にも出ていた数値ですが決定しているわけではないと思います。)神戸電鉄も巻き込んだ大きなトピックになることは必至です。


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現在の神戸市営地下鉄(海岸線を除く)を走行する車両は5種類あります。写真は1977年の開業以来の1000系。


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北神急行開通のころ(1988年)に登場した2000系。


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快速運転が始まった1993年に登場した3000系。


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北神急行電鉄からの乗り入れ車両7000系と、下の過去記事でご紹介させていただいた新型車両6000系です。 

 

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 1000系、2000系、3000系については、順次6000系に置き換えられることが決まっているため、実質1本の路線でこれだけのバリエーションの車両が見られるのもここ数年と思われます。


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乗車列車は2000系でした。内装は1000系とほぼ同じです。名谷~新長田の間は神戸市営地下鉄最初の開業区間であり最混雑区間でもありますが、名谷始発便だったため余裕がある状態でした。


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3駅目。長田区の新長田で下車。市営地下鉄では海岸線、他社ではJR神戸線との乗り換え駅であり、神戸高速鉄道・山陽電鉄の西代駅も歩けない距離ではありません。


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周辺は阪神大震災で甚大な被害を受けましたが駅周辺は近代的な街に生まれ変わっています。

 

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長田の復興のシンボルとされる鉄人28号のモニュメントは駅からすぐ(JR南側の道を姫路方向に徒歩3分程)で、JR神戸線の車窓からもよく見えます。


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新長田から一駅JR神戸線の各駅停車で、和田岬線の始発駅「兵庫」へ移動します。


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兵庫に到着。

神戸市中心部のJR(国鉄)線の高架は戦前の昭和6年のことだったと思います。隣接する神戸駅や三ノ宮駅と同じく、その時以来の駅舎が今も使われています。利用が多くリニューアルが繰り返された三ノ宮駅などに比べると、駅内部は開業当時の面影を色濃く残しています。

なお昭和43年までは駅前に山陽電鉄のターミナルがありました。駅利用者数では新長田と変わりませんが、全ての快速電車が停車するのはその名残なのかもしれません。

 

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この駅から分岐するJRの路線が和田岬線です。

現在の和田岬線の利用者の多くは、終点の和田岬駅近くにある三菱重工業神戸造船所への通勤客のため、列車の運行は朝と夕~夜間のみで、和田岬までの2.7kmに途中駅はありません。なお駅の時刻表にも記載されている「和田岬線」の名称ですが、これは通称で正式には山陽本線の支線となっています。


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戦前の面影が色濃い兵庫駅舎内。高架の兵庫駅ですが、和田岬線の乗場は高架横の地平ホームです。


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兵庫駅の改札内に和田岬線専用の別改札があります。

これは乗り換え改札ではなく和田岬駅出口としての改札です。

途中に駅がないので、ここから和田岬線の電車に乗る客はすべて和田岬駅が目的地ということになり、乗る前に切符を回収したりカードから運賃を差し引いても問題はないのでしょう。

 

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電車の運行時間帯が限られているため改札も時間限定です。

 

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兵庫駅に和田岬駅の出口改札があるため、和田岬駅までの乗り越し精算も兵庫駅で行う必要があります。兵庫駅までの乗り越し精算機は別の場所にありますが、間違ってここで精算して兵庫駅を出ようとする人が多いのでしょう、精算機は注意書きに包囲されていました。


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改札を抜け和田岬線のホームに入ると、そこには和田岬駅の入口(切符売り場)があります。和田岬駅から兵庫駅までの乗客は兵庫駅に着いてから兵庫駅までの切符を買い、さきほどの改札機(兵庫駅にある和田岬駅の改札)を通して入場し、すぐ近くにある兵庫駅の改札で切符を回収され出場することになります。


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兵庫駅和田岬線ホームにある切符売り場の運賃表。すべて和田岬駅からの運賃。

 

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ここまで説明した和田岬線の乗車券の取り扱いに関する表示もありましたが、皆が容易に理解してくれるとは思えません。


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路線名・ダイヤ・乗車券の取り扱いなど、特筆点の多い「和田岬線」ですが、車両も和田岬線専用のものです。形式は103系でこれは少なくなったとはいえ他路線でも見ることができますが、

 

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朝夕だけの限定運用で人目に触れる機会が少ないためか、車内に一切広告がありません。またこの時間帯の兵庫発の電車は和田岬まで仕事帰りの人を迎えに行く形になるため、乗客は6両編成に5人程度でした。

なお和田岬線の車両は過去にさかのぼっても個性派ばかりで、平成2年までは旧型客車が、その後平成13年に電化されるまではキハ35系ディーゼルカーが使用されていました。いずれも和田岬線限定の車両で、兵庫駅と和田岬駅のホームが同じ側にあることから反対側のドアを開閉できない状態にするなどの改造がほどこされていました。


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発車を待つ間隣の高架線を何本もの列車が駆け抜けていきます。同じ駅でありながらここだけ違う時間が流れているような感覚になります。

 

発車~和田岬到着までの4分間の車窓は動画にしましたので、こちらをどうぞ。


JR和田岬線 全線車窓(東側) 兵庫⇒和田岬


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電車はおよそ4分で終点の和田岬に到着。


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駅に到着するとすでにホームで多数の乗客が待っており、折り返しの数分の間も途切れることなく退勤の人たちが車内に入っていきます。

以前は満員になったようですが、2001年に神戸市営地下鉄海岸線が開通、目の前に同線の和田岬駅が出来てからは、そちらへ移る傾向があるようで、席が埋まるか若干の立客が出る程度で兵庫駅にむけて発車していきました。


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この駅の券売機や改札機はすべて兵庫駅にあるので、駅設備は駅名版と時刻表程度しかありません。


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駅前にはファミリーマートがあり、壁面には和田岬駅の歴史などの説明書きが掲示されていました。

 帰りは地下鉄海岸線を利用しました、つづきはこちらです。

 

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