西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【県内なのに】兵庫県内からのアクセスが悪い伊丹空港(どこかにマイル秋田旅行1)


f:id:nishiuraexp:20190615191852j:image5月に申し込んだJALの「どこかにマイル」の目的地は秋田になりましたが、気付けばもう出発日。まずは伊丹へ向かわなければなりません。

というわけで今回の旅のスタートは兵庫県三田市、JR福知山線の新三田駅です。

新三田駅は、宝塚~福知山~城崎間の電化及び宝塚~三田間の線路付け替え、特急北近畿号運転開始などが行われた、国鉄末期の昭和61年秋に開業した駅です。複線区間もこの時に宝塚から当駅まで延長されています。


f:id:nishiuraexp:20190615192013j:image宝塚以北が非電化だった当時の福知山線には旧型客車が残り、運転本数も宝塚まで1時間に2本、以北は1時間に1本というローカル線でしたが、電化によるダイヤ改正で新規開業したこの新三田駅までは1時間に3本に大増発されました。

現在は大阪~新三田で1時間あたり快速2本・普通4本が走るまでにまで成長しています。

なお新三田折り返し列車が多数設定されているのは電化開業当時と変わらず、新三田以北は篠山口まで1時間に2本、篠山口~福知山は現在に至るまで1時間あたり1本のままです。


f:id:nishiuraexp:20190615192119j:image10時48分当駅始発の高槻行は321系7両編成。


f:id:nishiuraexp:20190615192141j:image20メートル車両、4ドアという通勤型車両のベースは国鉄時代から変わりませんが、


f:id:nishiuraexp:20190615192219j:image扉間のロングシートの定員は7人から6人に変更され、


f:id:nishiuraexp:20190615192242j:image案内装置はドア上部ではなくドア間にレール方向に設置されるなど、同じ車両をルーツにもつ通勤型車両でもJR東日本と西日本で別々の進化を遂げているように見えます。

そもそもJR西日本は先日のオレンジ色の201系引退により、乗降の激しい「通勤型車両好適路線」の大阪環状線を3扉車に統一しています。今後JR西日本では4扉車両は製造されない可能性もあります。


f:id:nishiuraexp:20190615192311j:image新三田を発車すると田園地帯の向こうの丘陵地にニュータウンの家並みが見えます。国鉄末期の電化、複線化、線路付け替え、新三田駅開業、いずれもこの三田市域における大規模ニュータウンの開発が関係していました。平成に入りニュータウン内に神戸電鉄公園都市線が開業しJR三田駅まで同線の電車で出られるようになりましたが、始発電車が多い新三田駅までバスなどでアクセスする傾向が強く、ここでも神戸電鉄は苦戦を強いられているようです。


f:id:nishiuraexp:20190615192331j:image新三田から約20分で宝塚に到着。隣のホームには当駅始発の快速が停車しており、三田方面からの乗客が一斉に乗り換えていました。通常であれば三田方面からの電車を宝塚から快速運転し、通過駅となる駅へ向かう客のために途中駅からの各駅停車を運転すればよさそうなものですが、あえてそうしていないのには理由があるようです。


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f:id:nishiuraexp:20190615193814j:image宝塚駅舎は近年建て替えられ、内装もかなりこだわった造りになっています。

JR西日本がここまで「頑張る」のは、道向かいに阪急電鉄宝塚線のターミナル宝塚駅があり対大阪でJRと競合関係にあるからですが、ここの場合は単なる鉄道路線の競合だけでは語ることができない背景があるように思います。

***阪急宝塚線沿線から大阪への通勤・買物の客を運んだ梅田行きの電車が、空で宝塚へ引き返すのでは効率が悪い***

というところから始まった阪急電鉄の宝塚周辺の開発(需要発掘)は私鉄経営のお手本のように言われ、その流れの中で生まれた宝塚歌劇などは、それ自体から生じる反作用が阪急ブランドをより強固なものにしているようにも見えます。

培われたブランドイメージは、広い視点で見れば歌劇鑑賞のために阪急電鉄を利用する客から得られる運賃収入をはるかに上回る価値を生み出しているに違いありません。

阪急平野とか阪急信者という言葉まで聞かれるエリアでJRが「挑む」立場から脱するのはまだまだ容易ではなさそうです。


f:id:nishiuraexp:20190615193902j:imageその阪急の「城」阪急宝塚駅から宝塚線の急行に乗車します。


f:id:nishiuraexp:20190615193942j:image阪急の運賃は一定以上の距離ではJRより低い水準に抑えられ、神戸線や京都線も含めJRに対するアドバンテージになっています。


f:id:nishiuraexp:20190615194011j:image日中の梅田行は10分毎の運転ですべて急行です。通過運転がはじまる手前の駅から始発の各駅停車を運転するという、郊外型路線の教科書的なダイヤになっています。


f:id:nishiuraexp:20190615194036j:image11時20分発の急行梅田行に乗車。

阪急の車両には詳しくありませんが、神戸線などに比べると年式の古いものが多いのでしょうか。

阪急の車両は古い車両でも古さを感じさせないとよく言われます。整備水準が高いこともあるのでしょうが、マルーンの塗装に代表されるように、新型車両をあえて従来車両の個性を多く引き継ぐスタイルにして、見た目の新しさを抑制する戦略が奏功しているように感じます。最初から新しくないものは古くなりようがないのです。


f:id:nishiuraexp:20190615194101j:image伊丹空港最寄りの蛍池駅で下車。


f:id:nishiuraexp:20190615194125j:image隣接する大阪モノレールに乗り継ぎます。(11時46分発)


f:id:nishiuraexp:20190615194143j:imageモノレールも10分間隔の運転で阪急との接続は良好です。


f:id:nishiuraexp:20190615194213j:image1駅約3分で終点大阪空港駅に到着。この区間は歩いても10分少々です。

新三田駅から約1時間での到着でした。福知山線の駅から伊丹空港へ向かうバスも調べましたが宝塚駅から1時間に1本程度、伊丹駅から1時間に3本程度しかなく、結局のところ今回のように宝塚と蛍池で2回乗り換えるルートが一番信頼できるようです。

空港の所在地伊丹市は兵庫県であるにも関わらず、県庁所在地の神戸市中心部からでも鉄道で行こうとすると十三と蛍池の2回乗り換えが必要となりアクセスの悪さが際っています。

 

 

f:id:nishiuraexp:20190615194303j:image伊丹空港からは12時55分発のJAL2173便で秋田へ向かいました。

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