どこかにマイル秋田旅行2日目は、2つのローカル線を訪ねます。まずはJR羽越線羽後本荘駅から分岐する「由利高原鉄道」です。
羽後本荘駅は工事のため前日から仮駅舎での営業が始まったばかりでした。
左手の窓口が由利高原鉄道の切符売場です。JRに乗車するときは自動改札、由利高原鉄道に乗車するときはその左の有人通路から駅に入ります。
由利高原鉄道は昭和60年に廃止された国鉄矢島線のあとを継いだ第3セクター鉄道です。日本海に面した羽後本荘から内陸の終点矢島駅まで約23キロ、運賃は600円です。
列車は概ね1時間に1本。全て各駅停車で終点矢島まで約40分です。
土日は1日乗車券が1100円で発売され、終点近くまで行く場合は単純往復でもこちらの方がお得になります。
1日乗車券の裏面は、提示で割引などのサービスを受けることができる店舗の一覧表になっていました。
現在の由利高原鉄道の車両は2000・2001年に製造された2000形2両と、2012~2014年に製造された3000形3両に大別されます。羽後本荘発8時40分の便は新しい3000形での運転でした。
車内は4人掛けのボックスごとにテーブルが備わっています。
列車は羽後本荘駅を発車すると次の薬師堂駅までJR羽越線と併走したのち子吉川に沿って内陸方向へ進みます。
由利高原鉄道には鳥海山ろく線という愛称があります。
鳥海山は秋田・山形県境付近にそびえる名山で高さは2236メートル。
昨日、秋田空港に着陸するJALの機内からは曇天でもよく見えましたが、由利高原鉄道の車窓からは「天気がよければ」見えるとのことでした。
矢島方面へ進むにつれ沿線の人家は少なくなりローカルムードが強まります。
沿線は国鉄矢島線時代には本荘市、由利町、矢島町にまたがっていましたが、現在は終点の矢島駅までの全区間が由利本荘市になっています。
9時19分終点の矢島駅に到着。
矢島駅には由利高原鉄道の本拠があり、駅舎内では鉄道グッズの販売なども行われていました。
駅前広場には1日乗車券の優待店舗に名を連ねていた多賀部食堂があり、
少し歩くと民家や店舗が集まる一画がありました。このあたりが古くからの街の中心だったのでしょうか。
駅前にあった広域地図。
由利高原鉄道は矢島で終点ですが、由利高原鉄道に並行する国道108号は矢島から先、奥羽本線院内駅付近を通り、鳴子温泉から陸羽西線、石巻線に沿って石巻市に達する長距離国道です。(写真の地図はそこまで広域ではありません)
9時40分発の便で折り返します。往路の車両は入庫し、復路は「まごころ列車」として運転の2000形車両でした。「まごころ列車」には秋田おばこ姿のアテンダントさんが乗務され、車窓や沿線の案内などを聞くことができます。
3000形より古い2000形ですが車内は大掛かりな改造が施されています。
途中唯一行き違いができる前郷駅付近。
矢島~前郷は約11キロあります。この区間では埼玉県の工業高校の生徒が製作した、EVOLTA乾電池600本を動力源とする「電車」を走行させるイベントがあり、往復約22キロを2時間47分で走破。ギネスにも認定されたそうです。
子吉川の鉄橋は車窓のハイライトの一つ。
乗客全員にアテンダントさんから沿線案内と乗車記念のしおりが配られました。
羽後本荘駅に到着。
仮駅舎に移った羽後本荘駅ですが、長らく親しまれた駅舎との「お別れ会」ということでしょうか、旧駅舎では「エキまつり」が開催され大盛況でした。
羽後本荘から10時39分発のJR羽越線秋田行に乗り継いで、
秋田駅からはもう一つのローカル線、JR男鹿線の「電車」(写真奥)に乗車します。
つづきはこちらです。