鹿児島中央駅。
今回はここから小倉~新山口間を除いて在来線特急のみを利用して東京まで行き、
東京からは東北北海道新幹線「はやぶさ号」のグランクラスで新函館北斗、道内の特急北斗号に乗り継いで札幌に至る、
特急列車日本縦断の旅を始めます。
列車に乗車する前に駅に隣接するJR九州系の商業施設アミュプラザ地下の「とんかつ店」に立ち寄り腹ごしらえ。
店を出て鹿児島中央駅在来線改札口へ。
鹿児島中央駅から乗車するのは、11:50発の特急「きりしま10号」宮崎行です。
特急きりしま号は787系4両編成での運転です。
787系は1992年にデビューし「つばめ号」の愛称で九州新幹線開通前の博多~西鹿児島間(現鹿児島中央駅)を結んでいました。
全区間乗り通すと4時間近くかかったことから、
ビュッフェや半個室のシートが設けられるなど、
JR九州を代表する特急列車として活躍した車両です。
編成は短縮され走る路線も変わりましたが、
鹿児島中央駅で発車を待つ姿には往年の風格が感じられます。
エントランス部分。
元々個性の強い車両でしたが、リニューアルが施工され、より列車離れしたデザインになっています。
4連休初日の「きりしま10号」の指定席はほぼ満席。
シートポケットに入っていた路線図。
本日は鹿児島中央から「きりしま号」で宮崎まで行き、博多行の「にちりんシーガイア号」に乗り継いで小倉までの行程を予定しています。
今回の旅行では、九州内についてはJR九州のネット会員が購入できる「九州ネットきっぷ」を利用しました。
鹿児島中央~宮崎間は特急指定席利用で2620円です。
ネット上では乗車券と指定席特急券のセット価格のみ表示されていましたが、
発券は乗車券と指定席特急券にわかれており、
それぞれの金額も券面に記されています。
その内訳は乗車券が3割引の1770円、指定席特急料金が850円。
乗車券を割り引いた額プラスαを特急料金として上乗せし、
トータルでは普通列車で行くのと大差ないという価格設定になっているようです。
九州の街から街へ普通列車で移動しようとするときは、
乗車券を買う前に「その区間に特急がないか、ネットきっぷの設定がないか」を確認したほうがよさそうです。
鹿児島中央を発車した列車は鹿児島市街地を走り、次の鹿児島駅へ向かいます。
鹿児島における鉄道の玄関は鹿児島中央駅が西鹿児島と呼ばれていた時代から、鹿児島中央(西鹿児島)駅でしたが、
鹿児島駅前には市電のターミナルがあって繁華街の天文館などへの利便は良いようです。
鹿児島を発車してしばらくすると左の車窓に尚古集成館や鹿児島藩主島津家の別邸として築造された仙巌園が見えます。
右手の車窓には仙巌園の借景にもなっている桜島を錦江湾越しに望むことができます。
JR 九州のサイトからネット予約する場合、「ネットきっぷ」のような格安きっぷでも座席表から席を選択できます。
きりしま号に乗車する場合は、宮崎行きは進行方向右側、鹿児島中央行は進行方向左側を指定すると桜島が見える側に座ることができます。
12:22。隼人駅に停車。
肥薩線が分岐する駅であるほか鹿児島空港にも近く、
駅付近では着陸機が低空で飛行する様子を眺めることができます。
最高時速130kmで九州のメインライン鹿児島本線を駆け抜けた787系ですが、
現在「きりしま号」として走行している日豊本線の鹿児島中央~宮崎間の最高時速は85km。
平坦な田園地帯でも先を急がず心地よい速度で走ります。
列車の愛称にも通ずる霧島神宮駅。
加治木、隼人、国分、霧島神宮と連続停車です。
朝の「きりしま1号」鹿児島中央行などは、
霧島神宮から鹿児島中央まで途中8駅のうち通過するのは錦江と竜ヶ水の2駅のみとなっています。
かなり以前からのことであり、時刻表をみていて、
「これで特急料金を徴収して苦情はないのだろうか」と余計な心配をしてしまった記憶があります。
13:10、列車は県境をこえ宮崎県南部の拠点「都城」に到着。
数分停車して「きりしま11号」と行き違い。
終点宮崎まで全線単線です。
都城から約45分、南宮崎駅を発車し大淀川の長い鉄橋をわたると終点の宮崎に到着します。
14:02。
鹿児島中央から2時間12分で宮崎駅に到着。
鹿児島中央発車時点でほぼ満席だった指定席の客は8割方がここまで乗り通しており、
連休初日とはいえローカル特急と侮ってはいけないようです。
高架の宮崎駅は現在駅舎内・駅前とも工事の真っ最中でした。
駅から見て左手に建築中の大きな建物は、
JR 九州系の商業施設「アミュプラザみやざき」として、今年11月20日のオープンが予定されています。
今回の旅行では1列車1記事を基本として投稿していく予定です。
乗り継いだ「にちりんシーガイア20号」の乗車記はこちらです。