西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【片道あたり1780円も可能】智頭急行の普通列車を使って鳥取~姫路を移動。

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米子から山陰本線の快速とっとりライナーで到着した鳥取駅。

これから姫路へ向かいますが、鳥取から姫路へ向かう場合、智頭急行線経由の特急スーパーはくと号を利用する、または駅前から発車する高速バス「プリンセスバード」号を利用するのが一般的だと思います。

スーパーはくと号は姫路まで1時間30分程度と最も早く、高速バスは運賃の安さが魅力であるほか、鳥取道全通後は2時間程度で姫路に到着できるようになっており所要時間でも特急列車のレベルに近づいていますが、運転本数が1日4往復と少ないのが難点かもしれません。

今回は高速バスの運転がない時間帯でもバスなみの低運賃で行き来することができる智頭鉄道の普通列車を利用するルートを試します。

 

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まず鳥取駅から乗車するのは智頭鉄道の起点である智頭へ向かう普通列車です。

鳥取駅の発車は15時22分です。

智頭まではJR因美線を走行しますがこの区間の普通列車には写真のような智頭急行の車両が使用されることが少なくありません。

 

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鳥取市街地の高架線を抜け、鳥取から3駅目の郡家駅に到着。

 

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京阪神から鳥取へ向かうスーパーはくと号と行き違い、

 

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郡家駅を起点とし若桜へ向かう第3セクター鉄道若桜鉄道の列車とも接続をとって発車します。

 

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鳥取近郊の郡家を発車するとしだいに長閑な風景が車窓に広がるようになり、

 

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16時19分。鳥取から57分で終点の智頭駅に到着しました。ここまでのJRの運賃は590円です。

ここまで走ってきた因美線はこの先で峠を越え岡山県の津山(厳密には東津山)に至る路線で、津山方面へ向かう場合は、ここで写真に写っている車両に乗り換えとなります。

 

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駅に到着すると実際に多くの人が津山行に乗り換えていました。

姫路へ向かうという観点でいえば、ここで津山行きに乗り換え、津山またはその一つ手前の東津山で姫新線に乗り継ぐルートも可能で、その場合は鳥取から姫路までの全区間がJRとなるため青春18切符だけで移動することも可能です。

ただ青春18切符の期間外などJRの企画切符を使用しない場合は、智頭駅の別ホームから発車する智頭急行を利用するほうが所要時間・運賃いずれの面からも合理的だと思います。

 

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到着したホームから跨線橋を渡り、改札口前を素通りして先へ進むと智頭急行への乗り換え改札口があります。

 

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智頭急行線の時刻表は左側。青の網掛けが姫路や京阪神へ向かう特急スーパーはくと号、黄色の網掛けが岡山へ向かう特急スーパーいなば号、黒字が普通列車です。

普通列車に限れば1時間に1本あるかないかという頻度ですが、因美線鳥取方面との接続がある程度意識されたダイヤになっているようです。

 

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智頭から智頭急行線の終点でJR山陽本線に合流する兵庫県西端の上郡駅までの運賃は1320円です。

 

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上郡から先の山陽本線の駅までの切符もここで購入できるようで、姫路までは1910円となっていました。(上郡まで1320円+上郡~姫路590円の合計)

鳥取から智頭までの590円と合わせ、普通列車だけで鳥取から姫路まで移動した場合の普通運賃は2500円となることがわかります。

なお鳥取駅で智頭急行経由で姫路までの普通乗車券を購入することもでき、その場合は両端のJRの乗車距離が通算される関係で10円安くなり2490円となりますが、鳥取駅で智頭急行線内を普通運賃で乗車することを決定してしまうことになるので、個人的にはこの買い方はおすすめしません。

 

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智頭急行では線内の運賃・料金が割引になる複数の企画乗車券が発売されています。

沿線外の旅行者が最も使いやすいのは写真一番上の「智頭線1日フリーきっぷ」だと思います。

土日・祝日と春・夏・冬の指定期間に発売され、全区間普通列車1日乗り放題で1200円という価格設定になっています。

 

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フリー切符の価格が上郡までの片道運賃より安いこともあり、乗り換え窓口で「上郡まで」と伝えると特に指定しなくてもフリー切符を発券してもらえました。

これで上郡までの運賃が120円安くなり鳥取~姫路の片道運賃は2380円となったのですが、

この切符は「1日フリー」のため日帰りの場合は往復することも可能です。

その場合は片道600円で上郡~智頭間を移動できることになり、片道あたり1780円まで出費を抑えることが可能になります。(鳥取~智頭590円 智頭急行600円 上郡~姫路590円)

 

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行き止まり式の智頭急行線ホームで発車待ちをしていた上郡行きの車両。

鳥取から智頭まで乗車した車両と同じですが、こちらは1両での運転です。

 

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智頭急行のメインは鳥取と京阪神や岡山を結ぶ特急列車であり、普通列車は1両でも空席多数という状況が珍しくありません。

 

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16分の乗り換え時間を経て、16時35分に智頭駅を発車。津山方面へ向かうJR因美線の軌道とわかれ特急列車の高速運転に対応した高架線へ駆け上がっていきます。

 

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智頭からおよそ6分で最初の停車駅恋山形に到着。対向列車と行き違い。

 

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国内の「恋」のつく駅はJR北海道母恋駅、三陸鉄道恋し浜駅、西武鉄道恋ヶ窪駅とここの4駅で、

平成25年に連携して「恋駅きっぷ」を発売したところ大好評であったことから、智頭急行では「独自の取り組み」として同年6月に駅をすべてピンク色にしてしまいました。と同社HPに説明がありました。

 

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トンネルを抜け岡山県内へ。

 

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智頭急行の途中駅では佐用駅とならぶ主要駅である大原駅で10分程停車し、後続の岡山行特急スーパーいなば号を先に通します。

 

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フリー切符は途中下車自由のため停車時間に駅の外へ出てみました。

立派な駅舎ですが、駅前からホームへはこの駅舎を通らずに行くことができる構造になていました。

 

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17時31分、智頭から約1時間でJR姫新線接続の佐用に停車。

 

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17時50分終点の上郡駅に到着。

 

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行き止まりホームの先には智頭駅と同じくJRとの乗り換え改札口があり、駅を出ることなくJRに乗り換えることができます。

智頭駅でフリー切符だけを購入した場合は、ここで姫路までのJRの切符を購入することになります。590円です。

 

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JR山陽本線の時刻表。

姫路までは30分強ですが、日中は途中の相生駅で乗り換えが必要になります。(左)

朝夕は姫路まで直通となるものの、山陽本線の姫路~岡山間は青春18切符旅行者には鬼門とされる混雑区間であり、残念ながら着席できないことも少なくないようです。

 

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智頭急行の乗り換え改札口はJR上郡駅の2・3番線ホームにそのままつながっており、

岡山方面の全列車と姫路方面の一部の列車へは跨線橋を渡ることなく乗り換えができます。

20分の接続で18時10分に岡山からの列車が到着。辛うじて着席はできましたが、立客も多く車窓や車内を撮影できる雰囲気ではありませんでした。

 

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18時44分。鳥取から3時間24分で姫路駅に到着しました。

ちなみに鳥取駅(前)をほぼ同時に発車した15時20分発の高速バス「プリンセスバード号」の姫路駅前到着予定時刻は17時24分となっています。

 

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鳥取から姫路まで智頭急行経由で普通運賃が2500円(全線通しで買うと2490円)、智頭急行の企画乗車券を駆使して日帰りすれば片道あたり1780円になることを記事中で確認しましたが、

自らの記事(下に添付)を見返していて高速バスの運賃がまさにそこに照準をあわせていることに気づきました。

 

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バスの所要時間は先述のとおり約2時間であり、ダイヤが合えば多少の遅延が発生したとしてもバスのほうが早くて快適かも知れませんが、

バスは1日4往復のみで鳥取発の場合15時20分の次は19時30分までありません。

その間、鳥取駅発16時59分の普通智頭行で出発しこの記事で紹介した普通列車乗継ルートを辿ると19時56分(休日ダイヤ)に姫路に到着することができます。

姫路から鳥取方面についても、バスは姫路発7時30分発の次が10時30分ですが、

姫路駅発8時01分の山陽本線岡山行に乗ると上郡駅で智頭急行から因美線に直通する鳥取行普通列車に乗り継ぐことができ、乗り換え1回で10時55分に鳥取に到着できるなど、

定時性の高さも考慮すれば智頭急行の普通列車を利用するルートにもかなりの実用性があるといえるのではないでしょうか。

岡山から米子・鳥取を経由して姫路に到着したところで今回の旅行記は終了です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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