姫路から播但線経由の特急はまかぜ号に浜坂まで乗車。その後餘部鉄橋周辺を散歩したのち普通列車で鳥取駅に到着しました。
鳥取駅の北口を出て左手に見える白い建物「鳥取駅バスターミナル」から姫路行きの高速バス「プリンセスバード」号に乗車し姫路に戻ります。
ターミナルの入口には鳥取駅バスターミナルから発車する高速バス路線が一目でわかる看板が設置されていました。
京都・大阪・神戸・姫路・広島が昼行、東京と福岡が夜行便です。
姫路と広島の間の空白には岡山行が掲載されていたと思われますが同路線は最近廃止されてしましました。
姫路までは2時間4分、2500円です。
大阪までが3800円、神戸三宮までは3500円となっていることを考えれば、姫路や明石はもちろん阪神方面へ向かう場合でも姫路行に乗車してJR神戸線の新快速や山陽電鉄の特急に乗り継ぐほうが安くなるケースがありそうです。
★★本記事掲載の運賃、ダイヤ等は記事投稿日現在のものです。
便数については神戸行・大阪行をあわせると1時間に1~2本あるのに対し、姫路行は1日4往復と少なく、この点は注意を要します。(時刻表は撮影日時点のものです)
姫路と鳥取を結ぶプリンセスバード号は姫路に拠点を置く神姫バスと鳥取に拠点を置く日の丸自動車の共同運行になっています。
姫路・鳥取間のバス路線の開設は昭和20年代にさかのぼりますが、路線開設当初から両社の共同運行であり、双方にとっての伝統路線でもあります。
やや薄暗く「昭和のバスターミナル」といった印象の待合室と切符売場でしたが、支払いはクレジットカードだけでなく電子マネーも可能であるなど、大切なところでは時代遅れになっていないというのは心強いところです。
プリンセスバード号は座席定員制で事前の予約は必要なく切符購入時に座席の指定もありませんが満席になると乗車できません。
連休最終日の夕方に姫路へ向かう便でしたが、発車直前で窓側の席が埋まる程度の乗車率でした。満席で乗れなくなることはそれほど多くないのではないでしょうか。
車内に入って最初の印象はシートピッチが広いことで席上の表示によれば、後方にトイレがある進行方向左側が9列、右側が10列で計38席というシート配置であり、横4列シートの車両としては、かなりゆとりがある部類に入ると思います。
各座席にはコンセントではなくUSBポートが設置されていました。
15時20分定刻に鳥取駅バスターミナルを発車。
今回の鳥取滞在時間は約15分。土産を買う暇もありませんでした。
ちなみに次の姫路行は19時20分、姫路到着は21時24分です。翌日も休日ならこちらにして鳥取観光という予定になっていたかも知れません。
シートポケットに入っていた路線案内のパンフレット。通常運賃でも神戸線や大阪線に比べて割安な姫路路線ですが、日帰り往復が3600円になる格安切符も発売されているようです。
鳥取市街地を抜け、鳥取道・鳥取南インターへ向かいます。
鳥取道に入ると千代川の向こうに河原城の天守(復元)が見えました。
鳥取駅を出ると鳥取県区間では河原・用瀬・智頭福原の3か所で乗車扱いのため停車します。いずれも一旦本線を出てパーキングエリアに設けられたバス停に停車しますが、河原で1人の乗車があったのみでした。
ちなみに用瀬は「もちがせ」と読みます。鳥取道に平行するJR因美線にも同名の駅があり難読駅のひとつとして知られています。
南へ下るにつれ山深くなりトンネル区間が長くなります。
トンネルの間の明かり区間では、右手に智頭急行線の高架軌道が見えました。
智頭急行は鳥取道に先行して建設されました。
智頭急行開通と同時に京阪神・姫路と鳥取・倉吉の間で運転を開始した特急「スーパーはくと」号の姫路・鳥取間の所要時間は1時間40分程度となり、長年一般道経由で姫路・鳥取間を3時間で結んでいたバス路線も、佐用インターまでを高速道路に乗せ換えて所要時間を2時間30分に短縮するなど対抗策を打ち出しましたが、一時は乗客減少から路線休止に追い込まれることになりました。
現在のプリンセスバード号は鳥取道が岡山県区間を除いて開通した2010年に運転を再開したもので、再開時の所要時間は2時間19分。鳥取道全線開通時に2時間4分まで短縮され現在に至っています。
鳥取県区間最後の乗車バス停「智頭福原」を出て間もなくバスは県境の「志戸坂トンネル」に入り岡山県へと歩をすすめます。
岡山県に入ると陽が差してきました。
岡山県内では西粟倉・大原インター、兵庫県に入り佐用平福に停車します。
いずれも乗降ともに可能となっているのは、一般道経由だった時代の名残りではないでしょうか。
全線が2車線で追い越し車線や登坂車線もほとんどなかった鳥取道ですが、最近は4車線への改良工事が一部で施工されているようです。
大原インターバス停に停車。岡山県区間のバス停は本線上に設置されています。
鳥取道はこの先で兵庫県に入り「佐用平福」のバス停を過ぎると佐用JCTで中国道に合流し終点となります。
今回は中国道の車線規制を伴う工事と連休最終日の混雑が重なり、佐用JCT付近で渋滞に巻き込まれてしまいました。
普段は渋滞するような場所ではなく、ここでの遅延発生は例外的な出来事と言って差し支えないと思います。
渋滞を抜けたのは姫路到着予定時刻に近い17時20分。
佐用からの中国道では山崎インターと夢前で降車扱いのため停車します。
鳥取方面へ向かう場合はJRバスと神姫バスが運行する大阪~津山間の中国高速バス急行便に乗車して山崎インターで鳥取行のプリンセスバード号に乗り継ぐことも可能となっています。
福崎インターで中国道を離れ姫路と但馬地方を結ぶ播但自動車道に入ります。
約10分程走り、砥堀インターで流出。国道312号線で姫路市中心部へ向かいます。
信号の向こうにはJR播但線の軌道がありますが、姫路駅から3駅目の砥堀駅と4駅目の仁豊野駅の間であり、ここからの一般道走行がそれなりに長いことを意味しています。
18時すぎ、姫路城と姫路駅を結ぶ大通り「大手前通り」に進入。
この大手前通りの姫路駅から200mほどの区間は、全国に先駆けてバス・タクシー以外の一般車の乗り入れを禁じる「トランジットモール」となり姫路駅前のイメージ向上に寄与しています。
約45分遅れで姫路駅前バスターミナルの11番乗り場に到着しました。
今回は突発的な渋滞により大幅な遅延となってしまいましたが、普段は姫路駅~砥堀インター間の市街地走行で多少の遅れが発生することがある程度で、概ねダイヤ通りに近い運行が行われているようです。
また遅延のため3時間近い乗車となりましたが、38席のゆとりの座席配置も手伝って疲れを感じることもありませんでした。
定刻ならJR特急「スーパーはくと」号との所要時間差は30分程度であるのに対し、運賃はおよそ2/3、日帰り切符なら半額程度となることを考えれば、スケジュールを1日4往復のダイヤに合わせることができるのであれば非常に魅力的なバス路線といえそうです。
姫路駅から乗車する場合は11番乗場からすぐの場所に設置されている自動券売機で切符を購入することができます。日帰り往復券3600円もこの券売機で購入できるのは便利だと思います。
プリンセスバード号の姫路発時刻は7時30分、10時30分、15時10分、19時30分(2019年10月現在)となっています。(7時30分と15時10分は神姫バス運行便です。)
陽が短くなり18時過ぎでもすっかり夜の雰囲気の姫路駅前に戻ってきたところで今回の但馬鳥取旅行記は終了です。最後までお読みいただきありがとうございました。