昨日、三ノ宮からJR神戸線を走る特急列車「はまかぜ5号」で姫路に到着。姫路城の夜桜会を見物したあと、姫路駅前に2018年にオープンしたホテルモントレ姫路に宿泊していました。今朝は早起きし、2019年3月のダイヤ改正から運転を開始した特急「らくラクはりま」号で三ノ宮へもどります。
らくラクはりま号の運転区間は姫路~大阪。
これから乗車する朝の上りが姫路発6:21⇒三ノ宮7:01⇒大阪着7:21。夕方の下りが大阪発19:04⇒三ノ宮19:27⇒姫路着20:08のダイヤで、途中停車駅は加古川、西明石、明石、神戸、三ノ宮となっています。
通常の特急料金だと姫路~大阪間は指定席1490円、自由席970円となりますが、JWESTカード(JR西日本のクレジットカード)会員向けに発売されている、「JWESTチケットレス」を利用すると、指定席が半額以下の720円になります。
***姫路~神戸・三ノ宮、加古川・西明石・明石~大阪は620円、加古川・西明石・明石~三ノ宮、神戸・三ノ宮~大阪は510円です。***
通常の指定席券の値段が520円ですので、特急料金がほぼ不要になるのと同じという破格での販売です。
神戸線ホームへ。
姫路から神戸・大阪方面へのラッシュは7時前から8時前までで、8~10分のサイクルで新快速と快速が交互に発車します。
6時16分ごろ岡山方から「らくラクはりま」が入線。289系6両編成で、前から3両が指定席、つづく2両が自由席、最後尾が指定席とグリーン席が半室ずつという構成になっています。
元は大阪から北陸方面への特急列車として運転されていた車両ですが、直流化改造で南紀方面の「くろしお」号に転属し、その間合いで今回、姫路にも顔を出すようになったという異色の経歴をもつ車両です。
先頭6号車の指定席に乗車します。
シートは一般的なJR西日本の特急列車のシートです。
シートピッチは新快速より7cm程度広く、足元には余裕があります。
シートポケットに入っていたのは、編成表やサービス案内ではなく、津波時の避難方法の告知でした。南紀方面へ向かう「くろしお」号の車両のアルバイト運用であることをあらためて認識させられました。
「らくラクはりま」の2分後(姫路発6時23分)を追う新快速が対面のホームに入線しました。
網干始発ですが、姫路からの乗客は全員が着席できたようです。見方をかえれば姫路でほぼすべての座席が埋まってしまいました。(幕がおろされて見えにくいですが、ほぼ満席でした。)
定刻6時21分に姫路駅を発車。(発車後の車内放送と車窓を収録した動画を添付しました。)
写真は姫路発車後の車内です。6号車の乗客は5人程度でした。
前席の背面からテーブルを引き出し朝食。同じ2人掛けシートとはいえ、新快速ではできないことです。
特急型車両ですので、デッキと客室が分かれており、デッキにはトイレと洗面所が備わっています。
6時31分。最初の停車駅「加古川」に到着。
加古川駅と次に停車する西明石駅は、2019年3月ダイヤ改正から、「らくラクはりま」のほか、従来から運転されていた特急列車「スーパーはくと」や「はまかぜ」のうち、通勤利用に適した時間帯の便が新規に停車するようになりました。
冬ならまだ夜明け前の時間帯ですが、JR神戸線の朝は早く、神戸・大阪方面のホームはすでにラッシュの様相です。
ダイヤ改正までは快速到着後すぐに接続の新快速が入線しスムーズに乗り換えができましたが、新快速に先行して「らくラクはりま」が運転されるようになったためホームで並ぶ時間が延びてしまった格好です。
後を追ってくる新快速は姫路駅で見た通りほぼ満席で、加古川からの乗客が座れる座席はほとんどありません。
「追加料金さえ払ってくれれば、こんな快適な座席に座って通勤できるんですよ、乗らなくていいんですか。」JR西日本の声が聞こえるような気がしないでもありません。
6号車に限れば加古川駅からの乗車は2~3人でした。
加古川からも前の列車に追いつくことなく快走。写真は大久保付近の車窓です。
この先の区間、これほどの田園風景を見ることができる場所はどこかと考え、高槻の先あたりだろうという結論に。昔の国電の流れを汲む207系や321系電車の主たる運転区間(西明石~高槻)の内外では車窓も違ってくるようです。
6時41分。西明石に停車。加古川同様、新規に特急停車駅になりましたが、ここでの乗車も2人程度(6号車)でした。後続の新快速を待つ乗客は加古川ほど多くなく、時間はかかっても確実に座れる当駅始発の各駅停車へ分散しているようです。
6時46分。明石に停車。後続の新快速は、このあたりから満員状態になるはずですが、「らくラクはりま」への乗車はやはり1両あたり2~3人でした。
なおこの時間帯「快速」はまだ電車線(緩行線)走行で、舞子・垂水・須磨の各駅に停車し三ノ宮まで約30分を要します。
明石発車後の車内。6号車は12~13人程度だったと思います。
明石海峡大橋を望む区間。同じ景色でも満員の新快速から眺めるのとは気分も違うはずですが。
6時58分神戸着。下車はなく、乗車はここでも2~3人。「らくラクはりま」の乗客の大半は終点の大阪までの利用のようです。
7時01分三ノ宮に到着。6号車からの「下車」は姫路発車後、筆者が初めてだったようです。
三ノ宮からの乗車もやはり1両2~3人。発車時にホームから全車両の車内を確認しましたが、自由席・指定席とも1両15人程度と寂しい状態でした。次は終点の大阪でこれ以上の乗車はありません。
全体として先月、野洲から大阪まで乗車した新快速Aシートの異常とも思える人気とは対照的で、列車の先行きが少々不安になりました。
兵庫県には山陽新幹線の駅が4つもありますが、神戸(三ノ宮駅)や大阪駅には新幹線が直接乗り入れていないため、播磨地方から阪神方面への新幹線通勤は必ずしも便利ではありません。そういう意味では「追加料金を払っても快適に通勤したい」という層に向けて「らくラクはりま」のような「在来線特急」を運転するのは理にかなっていると思いますし、実際に利用してみて、JWESTチケットレスの価格(510円~720円で指定席を利用できる。)なら値段以上の価値があると感じました。
この列車の利用価値が広く沿線利用者に周知され、人気列車に成長することを期待しています。