西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【連接バスで運行】新潟BRT快速便乗車記(新潟駅15:47→青山16:14)

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新潟駅万代口駅舎。

伊丹からJAL ダイナミックパッケージを利用して1泊2日で新潟を訪問しています。

 

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新潟駅万代口の名物ともなっている新潟交通のバスターミナル。

到着したバスはバックで競馬のゲートを思わせるターミナルに突っ込み、

後方で待つ乗客を載せて発車していきます。

 

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一方、駅前広場には新しいバス乗り場が整備され、

こちらにはBRTとよばれる新しいバス輸送システムに基づく路線を走るバスが発着しています。

 

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BRTはBUS RAPID TRANSIT( バス高速輸送システム)の略ですが、その態様は専用レーンの設置・連接車両導入など様々で厳格な定義が有るわけではありません。

新潟市においては、路線系統の重複による繁雑さや、非効率、ダンゴ運転の解消を狙い系統を整理。

路線再編集約後のメインラインが2015年にBRTとして開業しています。

なお新潟BRTはバスの運行は新潟交通が、施設の設置管理は新潟市がおこなう一種の上下分離方式で運営されています。

 

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新潟BRT路線図。

新潟駅から都心の万代シティ・本町・古町を通ったのち、西に進路を換え白山駅でJR越後線と結節したのち、終点の青山に至る約7kmの路線です。

 

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バスターミナルに設置されているBRT の発車案内。

 

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時刻表。日中以降10分間隔で運転されています。

 

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時刻表をよく見るとランダムに快速便を示す「快」のマークが付された便があることがわかります。

 

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緑の各停便に対し、快速便は赤色で示された停留所のみに停車します。

なお快速便には最新の連接バス車両が充当され、

新潟におけるBRTの象徴的存在という印象を受けますが、

調べて見るとBRT運転開始当初は全便が各停だったようで「連接バスの快速便」登場には複雑な背景があったようです。

 

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まず新潟駅15:47発の快速便で終点の青山まで乗り通すことにします。

 

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スウェーデン・スカニア社のシャーシにオーストラリア・ボルグレン社のボディを載せたという車体は、

一見して格好よく新潟BRTのイメージ向上に寄与しているのではないでしょうか。

 

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乗車口は連接の前と後ろの2箇所となっていますが、降車口は運転席横の1箇所のみ。

 

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運転席付近を覗くと降車時にタッチするICカードの読み取り機が、

通常の運賃箱上に加え降車ドア横にも設置されており、

スムーズな降車への配慮も見られますが、

運転開始当初から通常の車両で運転される便に比べ乗降に時間がかかり「連接バスの便は遅れる」という状態がつづいたため、

「快速便に連接バスを充当する」のではなく、「連接バスが充当される便を快速便にして、停車するバス停を絞ることにより乗降時間が余計にかかるハンデを克服しようとした」というのが実態のようです。

 

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車内。(青山到着後に撮影)

連接バス車両の全長は18メートルあります。

乗降に時間がかかることについては、定員が多く乗降人数が多いことに加えて、車内での動線が長くなることも関係ありそうです。

 

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新潟駅を発車し、一般車両に混じって新潟市の都心を走行。

 

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15:50。

ショッピングセンター前の広い歩道に設けられた繁華街「万代シティ」停留所に接近。

当初は万代シティ停留所を含む都心区間では、バスの走行路や停留所施設を道路中央に設けることが計画されていましたが、

一般車両に対しては車線を1つ塞ぐ形になり、乗降の安全や交差点・信号の交通処理の観点から、

通常通り歩道から乗降する形に落ち着いたようです。

 

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インドネシア・ジャカルタにおけるBRT (2020年2月撮影)

バスは道路中央の専用レーンを走り路面電車に近いイメージですが、

その路面電車の世界では繁華街区間などで「軌道を端の車線に移して歩道からの乗降を可能にする」ことが新しい取り組みとして注目されており、

国内でも札幌市電の一部区間で導入事例があります。

バスや路面電車の中央部走行、歩道寄り走行にはそれぞれ長所短所があり、

そういう意味では「新潟のBRTは(中央部走行という)画期的な計画を描きながら、計画倒れで普通のバスに成り下がった」というような見方をするのは早計ではないか」と個人的には思います。

 

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万代シティからの乗車で立客も出る状態となって万代橋を通過。

 

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本町バス停。

万代橋をわたり新潟島と呼ばれるエリアに入っても密度の高い市街地がつづき、そこに設けられた本町・古町バス停では10人単位の乗降が見られました。

ただ万代シティから乗車して古町で下車するというような短距離利用も珍しくないようで、

結果的には万代シティ~古町間が全区間で一番車内が混雑していたようです。

短距離でもバスが利用されていて良い。という見方もできそうですが、

遠来の客がBRTの路線図を見れば、繁華街を抜けた先の白山駅でJRと結節していることで、

内野など郊外から新潟市の繁華街へ向かう際に、バイパスとして機能することが求められているように見えます。

(新潟駅まで行ってバスに乗ったり歩いたりするより、手前の白山駅で降りてBRTに乗り継ぐ方が便利という捉え方がされてこそ、古町以遠の区間までBRT として整備する意味があるのではないでしょうか)

 

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古町の先の交差点を左折、進路を西に変えます。

 

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東中通バス停は乗降なし。

 

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都心部を抜けると交通量も減りスムーズな走行がつづきます。

新潟駅~青山のBRT全区間約7km の所要時間は快速便26分(平均16km/h) 、各停便29分(平均14.5km/h) (日中ダイヤ)、

そのうち都心部を除いた古町~青山間の距離は5km程度と思われますが、快速便18分(平均16.6km/h) 、各停便20分(平均15km/h) となっており、

意外にも都心と郊外で平均時速は変わりません。

 比較として郊外と都心を直通する広島の路面電車、広島電鉄宮島線について調べると、

郊外の専用軌道区間(宮島~西広島)では16.1kmを32分で走り平均30km/hと地下鉄並みですが、

都心の路面走行区間(西広島~広島駅)では5.4kmに33分を要し平均時速は10kmまで落ちてしまいます。

 

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16:02。バス同士の乗り継ぎ拠点として整備された市役所前停留所に停車。

BRT整備と平行して行われたバス路線の集約・再編によって、

新たに乗り継ぎが必要になった事例があり、地元ではBRTに対する評価を下げる一因になっているようです。

市役所前は復路で途中下車します。

 

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市役所前から先、道路は片側一車線となり、より郊外の雰囲気が強まります。

JRと結節する白山駅へは、この付近から左折し駅前ロータリーに入る必要がありますが快速便は通過。

重要な停留所であるはずの白山駅前を快速便が通過することについて、道路構造が連接バス乗り入れに充分ではないのかと一瞬思いましたが、

運転開始当初は全便が各停であったことを考えれば「駅前に入れない」とうことはないはずであり、

結論として「現状では快速便をわざわざ直進ルートから反れて駅前に入れるほどの需要がない」ということなのでしょう。

なおBRT全線の時刻表を確認すると、各停便と快速便の所要時間差の大半は、この「白山駅飛ばし」によって生じていることがわかります。

 

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白山駅付近から平行するJR越後線のガードをくぐった先で幹線道路に合流。

この付近の路上には1990年代に廃止された新潟交通電車線(軌道区間)が通っていました。

新潟交通(電車)は長年、新潟駅への乗り入れを画策し、万代橋も電車の走行を視野に入れた構造になっていたにも関わらず、実現することなく乗客の減少から廃止に至っています。

新潟駅を起点とし、この付近で旧新潟交通電車線に近いルートを走るBRTは、新潟交通の電車が果たせなかった夢を実現したという見方がされることもあるようです。

 

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幹線道路をしばらく走り、関屋分水路に架かる橋を渡ります。

地図をみると、この橋で万代橋から続いた新潟島区間を抜ける格好になっていることがわかります。

 

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橋を渡り終えると前方にイオンの建物が見えます。

写真の交差点を右折しイオンの建物に横付けする形でBRTの終点の青山に到着します。

 

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16:14ほぼ定刻に終点の青山に到着。

 

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周囲はイオンを核として様々な郊外型の店舗が立地するほか、マンションや住宅街が広がっています。

 

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連接バスの後部。

追い越し車両に向けて、全長が18メートルある旨の注意書きがあります。

 

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青山に到着したバスはイオンの周りをほぼ1周して新潟駅方面への乗車ホームへ向かいます。

 

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乗車ホームへ行くと、1本前の便で新潟駅から到着したと思われる車両が、

折り返し新潟駅行となり発車を待っていました。

 

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乗車ホームにあった新潟駅方面の時刻表。

平日は7:24から8:03まで3分間隔の運転となっていることがわかります。

 

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青山バス停から徒歩約10分、新興住宅地の坂道を登ったところに、

 

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JR越後線青山駅があります。

 

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青山は新潟から3駅目にあたり、新潟駅までの運賃はバスと同額の210円です。

復路はここから新潟行の電車に乗車。

白山駅でBRTの新潟駅方面に乗り換え、バス同士の乗り継ぎ拠点となっている市役所前で途中下車したのち万代シティへ向かいました。

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