西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【吉備線乗車記2】沿線の名所・旧跡密度は京都・奈良周辺の路線に匹敵。

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JR西日本岡山駅。今回はここ岡山と近郊の総社を結ぶローカル線「吉備線」に乗車します。

 

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乗車した12:11発の総社行。吉備線の列車は新幹線とは反対側の9番・10番ホームからの発車です。

 

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約15分の乗車で岡山市街地を抜け4駅目の吉備津駅で下車。

 

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吉備津駅舎。

 

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周辺案内図。(吉備津神社前のものです。)

吉備津駅から吉備津神社⇒(徒歩)⇒吉備津彦神社⇒備前一宮駅と進みます。

 

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駅前の道を左に進み突き当たりを右折すると吉備津神社へと続く松並木が延びています。

 

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松並木の途中にある鳥居をくぐると背後で踏切が鳴り始め、岡山行の列車がやってきました。

鳥居には「昭和10年」「皇太子(平成天皇)御降誕記念」の文字が刻まれています。 

吉備線は岡山近郊の通勤通学路線であるとともに、沿線に神社仏閣・史跡旧跡の類が多いことも特徴です。

その点、全国を見回しても京都・奈良周辺を除けば吉備線の右に出る路線はないのではないでしょうか。

 

 

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松並木の道を歩くこと約5分で吉備津神社前に到着。

 

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大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)が祭られている吉備津神社は広大な境内を持つ神社です。

 

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特徴的な屋根を持つ本殿は室町時代に再建された当時のままの姿で残っており国宝に指定されています。

 

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吉備津神社の見所の一つである長廊下。長さは380メートルもあり、地形に沿って作られているため美しい曲線を描いています。

この廊下の先にある御釜殿では祈祷した内容の吉凶を占うこともできます。

 

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吉備津神社から吉備津彦神社へは吉備線沿いを歩いて向かいました。

 

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吉備津神社は吉備津駅から徒歩約10分。吉備津彦神社は隣の備前一宮駅から徒歩約5分ですが、

吉備津神社から吉備津彦神社まで歩いても20分程です。

 

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吉備津彦神社の入口に到着。

吉備津神社と同じく大吉備津彦命を祭神とする神社です。

 

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拝殿。

 

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拝殿の奥の本殿は県指定文化財に登録されています。

 

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備前一宮駅は吉備津彦神社正面の道を進み、踏切を渡って左折。

神社から徒歩5分ほどの距離にあります。駅舎横ではレンタサイクルが営業していました。

 

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備前一宮駅の改札口。

改札口周辺にはチャージもできるICOCA対応の券売機に自動改札機や、

 

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無人駅ながら小型の情報装置とインターホンが用意されており、

ローカル線という範疇では安定した利用があり、LRT による近代化計画も現実味を帯びてきた吉備線に対しては、現状でも一定の投資が行われていることがわかります。

 

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14:04発の総社行で終点の総社へ向かいます。

日中の吉備線は1時間に1~2本程度の運転本数です。駅から徒歩で観光する場合は、事前に次に乗車する列車の時刻を確認しておくほうがよさそうです。

 

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先ほど下車した吉備津駅を発車してしばらくすると右前方の田園地帯に最上稲荷の大きな鳥居が見えてきました。

 

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鳥居の前を通過すると吉備線の中間に位置し線内で最も利用が多い備中高松駅に到着します。

 

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最上稲荷の最寄り駅で初詣シーズンには臨時列車も運転されますが、鳥居は近くても神社までは距離があり、

平時は駅前からタクシーかレンタサイクルのお世話になるのが良さそうです。

自転車を借りてしまえば、備中高松城跡や五重塔で知られる備中国分寺なども駅から気軽に訪れることができます。

 

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駅にあった観光案内。

駅から近い備中高松城は豊臣秀吉による「水攻め」で知られます。

湿地の真ん中に立つ備中高松城を攻め倦ねた秀吉は、近くを流れる足守川を意図的に決壊させ、城を湖に浮かぶ小島のような状態にして落城させています。

この「水攻め」を発案したとされる家臣「黒田官兵衛」を扱った数年前のNHK 大河ドラマでもそのシーンが再現されました。

「水攻め」は巧妙で壮大な作戦でありながら、極力「血を流さずに」勝敗を決めたという点も後世からの評価が芳しい理由のようです。

 

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対向列車の到着を待って発車。

 

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備中高松を出てしばらくすると列車は足守川の鉄橋にさしかかります。

現在の足守川は水量もそれほど多くない静かな川のように見えます。

 

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足守川沿いにある足守駅。

 

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備中高松を発車しても車内には多くの乗客が残っていましたが、総社市街に入った東総社でようやく1両数人という状態に。

 

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東総社から総社市街を巻くように進むと右手から複線電化の伯備線が近づき、

 

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終点の総社駅に到着。岡山から乗り通すと約40分の道のりです。

 

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終点の総社駅は吉備線・伯備線のほか、一つ隣の伯備線清音駅から分岐する井原鉄道の列車も乗り入れるターミナルです。

なおこの駅を発着する伯備線の列車の大半は倉敷駅から山陽本線に入って岡山方面に直通しています。

伯備線の電車で倉敷回りで岡山へ向かう場合、距離的には吉備線より長く運賃も高くなりますが、

単線非電化の吉備線に対し、複線電化で高速運転ができるため、所要時間は倉敷回りのほうが短いという逆転現象が起きています。

先述の吉備線LRT化計画では吉備線全線が電化され最新型の路面電車タイプの車両が導入される見通しですが、

途中駅を7駅増やす構想で、幹線道路と信号で平面交差ということになれば、所要時間の増加は避けられそうになく、

総社~岡山間の移動においては、かえって倉敷回りの重要性が増す結果になるかも知れません。

このあと伯備線で倉敷へ向かい、水島臨海鉄道に乗車しました。つづきは近日中に投稿します。

 

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