緊急事態宣言解除直後に快速マリンライナー60号に乗車し「瀬戸大橋を渡る」という分かりやすい越境移動をして岡山駅に到着。
20:40頃の岡山駅コンコース。
人通りは少ないものの、パン屋やコンビニは夜の時間帯も営業していました。
緊急事態宣言解除の予定が報道されてから予約した、
駅西口隣接のANAクラウンプラザホテル岡山へ向かいます。
ANAの上級会員「SFC」会員向けのプランでシングルを予約していましたが、
15階のツインルームにアップグレードされ、
客室の窓のカーテンを開けると岡山市街地の夜景と、
その中央を16両の新幹線車両がつくる光の帯が速度を増しながら広島方面へ向かう様子が飛び込んできました。
翌朝。
本日は20階の会場での朝食のあと、岡山発8:05の特急やくも3号で島根県の宍道へ向かう予定のため7時前に起床。
岡山空港発着のフライトがゼロになったのとは対照的に、
朝ラッシュを迎えた岡山駅に各路線の列車が頻繁に出入りする様子を眺めることができました。
出発準備を整え荷物持参で食堂へ。
コロナ対応でバイキングは中止となっており、和食または洋食プレートでの提供となる旨、昨夜のチェックイン時に説明がありました。
席に案内されるとドリンクメニューを渡され「複数注文でも結構です」と。
食事と並行で烏龍茶、食後にコーヒーをお願いしました。
洋食を選択。卵料理はオムレツのほかスクランブルエッグなども選択できるようです。
先月松山のANAクラウンプラザホテルに宿泊したときは朝食のボリュームに驚きましたが、
同じ系列のホテルでもこちらの朝食は個人的には「適量」という印象でした。
ただ人によっては少ないと感じるかも知れず、やはりバイキングの魅力には勝てないのかも知れません。
部屋とは違う方向の市街地を眺めながら優雅な朝食タイムを満喫。
8時前に岡山駅へ。
利用者の数はコロナ以前の日中よりずっと少ないようですが、
そのような状況でもほとんど減便も行わず列車を運行しているJRの姿勢を高く評価する声がもっとあってもよいのではないかという思いと、
この経営的損失の穴埋めがどこへ向かうのかという不安が交錯します。
やくも号も乗車日現在では通常運行。
4両編成ですが、発車直前でも1両3人程度という乗り具合。
シートのリクライニング角度は普通車としてはかなり深い部類に入ると思います。
岡山駅を発車し隣の北長瀬駅付近まで続く貨物駅の脇を加速しながら通過。
倉敷駅手前で山陽下り線から左にそれて高架に上がり、山陽上下線を跨いで倉敷駅の伯備線ホームに進入します。
この設備により山陽線上り列車と伯備線下り列車が平面交差することが避けられ運転上の支障が無くなるとともに、
両者の衝突事故を絶対的に回避することができています。
建設されたのは昭和50年代の伯備線電化時だと思いますが、
国鉄の財政が悪化していた時期に多額の費用をかけて造られたこの高架線を通るたび、
国鉄の安全に対する「気骨」のようなものを感じます。
倉敷駅を発車し急カーブで西から北に進路をかえると、
中国山地を越え日本海側に至る伯備線の旅が始まります。
伯備線の下り列車は高梁川を遡る形で北上を続けます。
岡山から30分少々で備中高梁に到着。
内陸の小都市ながら大学が立地する文教都市としての側面を持っており、通学利用も多くみられる駅ですが、
現在はすべて休校となっているのでしようか、まだ8時台ですがホームは閑散としていました。
伯備線の倉敷~備中高梁間は全線複線で、これまでは毎時特急やくも号1本、普通列車2本の運転でしたが、
2020年春のダイヤ改正で日中の普通列車の半数が総社折り返しとなり総社以北では普通列車の本数が半減してしまいました。
備中高梁以北の伯備線は山陰線に合流する伯耆大山駅まで一部をのぞき単線となっています。
次の停車駅「新見」までの途中駅「方谷」で上りのやくも号との行き違いのため運転停車。
「方谷」は人名由来の駅名で、岡山県は山陽本線の熊山のほか、智頭急行線の宮本武蔵駅、井原鉄道の吉備真備駅など人名駅が多いという特徴があります。
線路に並行する高梁川は遡るほどに川幅が狭くなり車窓は次第に山深くなります。
岡山から約1時間。岡山県北部の交通の要衝新見に停車。
新見から先谷田峠を越えて鳥取県に入ると、沿線の水田で田植えの風景が多くみられました。
目に見えないウイルスに「大騒ぎ」の毎日ですが、普段の5月と何一つ変わらないのどかな車窓風景は乗客に安心感を与えるものです。
大山が見えると伯備線区間は間もなく終了。
1両数人の乗車率でも「右手後方に見えておりますのは・・」と車窓案内の放送が流れました。
伯耆大山から山陰線に入り米子に到着。
現駅舎の西側には、新駅舎の骨組みが立ち上がっていました。
現駅舎に比べれば小規模なものになるようです。
米子から約20分、島根県に入り県庁所在地の松江に到着。
松江からしばらく宍道湖の湖畔を走り、
10:51到着の宍道駅で下車。
乗り心地の評判が芳しくない381系を使用する「やくも号」ですが、
その揺れには車両毎の個体差があるのではないかと感じることがあります。
今回は岡山から3時間近い乗車で普通車利用だったにも関わらず、
年末に岡山から米子まで乗車した展望タイプのグリーン車に比べて揺れが気になりませんでした。
いずれも車両中央付近の座席だったのですが、その日の体調なども影響するのでしょうか。
宍道駅舎。
今回は宍道駅から、3月に山陰線のダイヤの乱れによる乗り継ぎ失敗で断念した、木次線→芸備線→福塩線乗り継ぎでの陰陽連絡にリベンジしました。
つづきはこちらです。