台湾の在来線「台鉄」乗り潰しの旅2日目は、最後に残った東部幹線の蘇澳支線に向かいます。蘇澳支線の延長は僅か3.4kmですが、支線の分岐点である蘇澳新駅までは台北から115kmの距離があります。
台北から途中の宜蘭までの特急列車「プユマ」号は行程の都合上、満席などで乗車できなかったら困るので、事前に台鉄のサイトで購入しておきました。クレカ払いを済ませた後、割り振られた予約番号を控えておき、上の写真のような大型の券売機でパスポート番号と予約番号を入力して発券します。操作が不安な方は、窓口での受け取りも可能です。
宜蘭まで95km、所要時間は70分、運賃は800円程度です。
晩1分(1分遅れ)で、プユマ号が入線。台鉄の定時性については、数分遅れは日本より若干多いかもしれませんが、30分を超えるような大幅な遅れは滅多に発生しないようです。
早朝でも8割程度の席が埋まっていました。
台鉄のサイトで購入する場合、座席指定はできず残念ながら通路側でした。
車内誌。
台鉄は日本の多くの鉄道会社と提携を結んでおり、提携先の日本の鉄道会社が一部の車両に台鉄カラーのラッピングを施すというのが恒例行事のようになっています。
車内誌では自強号カラーになった長野県の「しなの鉄道」の車両が雪景色の中を走る姿が紹介されていました。台湾の方にとっては非常にインパクトのある写真のはずです。
ほぼ定刻に宜蘭に到着。
宜蘭駅舎。派手な装飾について最初は駅付近に動物園があってそのPRなのかと思いましたが、調べてみるとジミーリャオという台湾の絵本作家の世界を表現したとのこと。
駅前風景。左手の施設もジミー氏にちなむもののようです。
行ってみると、吊された汽車の下でフリーマーケットの準備中といった雰囲気でした。この旅行の直前にも台湾東部で大きな地震がありましたが、落ちてこないか少々心配でもあります。
宜蘭駅舎内。日本の古い駅に構造や雰囲気が似ています。
後続の区間車、蘇澳行に乗り継ぎます。
宜蘭から約30分で終点蘇澳に到着。最後の未乗車区間「蘇澳新」~「蘇澳」の間は、内陸の新駅と海に面した蘇澳中心部を結ぶトンネルが中心でした。
蘇澳駅舎。
駅前風景。本線から離れた利用者1日600人の駅の駅前にしては活気が感じられました。
近くには日本の地方都市でもよく見かける小さなアーケード街がありましたが、こちらは活気があるとは言い難い雰囲気です。
蘇澳駅には、蘇澳新駅の時刻表も掲出されています。本線の新駅には蘇澳駅の倍程度の列車が停車するようです。
日本のローカル線の駅のようなのんびりした空気が流れていました。
区間車で蘇澳新駅までもどります。
5分程で到着した蘇澳新駅は、コンクリート剥き出しのやや寒々しい雰囲気の駅舎で、駅前も幹線道路が通っているだけで店舗もほとんどありません。停車する列車の本数がおおいのは、単に本線に属する駅だからというだけの理由のようです。
台北方面への帰路は、区快という種別の列車に乗車します。区快は区間車(普通)の車両・運賃ですが、途中主要な駅のみに停車する「快速」に近いイメージの列車です。外見は他の区間車とかわりませんが、車内のシートはクッションが厚く掛け心地は悪くありません。区快は車両運用上も区別されているのかもしれません。
沿線の街の活気では西部幹線に劣りますが、車窓はこちらのほうが上です。
当初の予定では、瑞芳でこの列車を降り、バスで九份へ向かい観光した後、夜のピーチで帰国する予定でしたが、月曜の予定がかわり早めに帰国したくなりました。
グーグルフライトで直前でも安く買える航空券はないか検索していると、桃園空港発17時15分のチャイナエアライン関西空港行が17000円台で予約できることがわかり、今回はピーチをキャンセルして、こちらで帰ることにしました。
瑞芳を通り過ぎ、蘇澳新から約2時間で台北に到着。
地下ホームから地上にでると、かつて花東線で活躍していたSLが展示されていました。
台北駅から桃園空港へは空港鉄道利用が一般的になりましたが、鉄道開通までアクセス輸送を担っていた国光客運のバスの現状が気になり、SL展示から徒歩1分程のバスターミナルに向かいました。つづきはこちらです。
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