西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【大阪→徳島2000円】南海特急サザン号とフェリー乗り継ぎで徳島へ(南海四国ライン2)

f:id:nishiuraexp:20190708221819j:plain大阪のなんば駅から南海電鉄とフェリーを乗り継ぐルートで徳島へ向かっています。

なんば駅から徳島港まで2000円で行くことができる格安企画乗車券「好きっぷ」を購入し、なんば発12時20分発の南海電鉄の特急サザン号に乗車。

終点の和歌山市駅で普通列車に乗り換え、13時28分にフェリーへの乗り換え駅である和歌山港駅に到着しました。

列車の向こうに見えている徳島港行フェリーの出航は12分後の13時40分です。

 

***なんば駅から和歌山港駅到着までの特急サザン号などについてはこちらです。

 (本記事は下に添付した記事のつづきです。)

www.nishiuraexp.com

 

 

f:id:nishiuraexp:20190710223606j:plain和歌山港駅の自動改札。

「好きっぷ」など徳島港までの航路が1枚になった切符は出てきますので取り忘れには要注意です。

 

f:id:nishiuraexp:20190710223643j:plain改札を抜けるとフェリーの船体へとつながる連絡歩道を進みます。

 

f:id:nishiuraexp:20190710223709j:plain連絡歩道にあったフェリーの時刻表。

フェリーは通常1日8往復で和歌山港発の場合2:40と5:35の便以外は、本記事のように、なんば駅方面からの電車との乗り換えが可能です。

また夜は19:15の便までは徳島港到着後に徳島駅行のバスに乗り継ぐことができます。(2019年7月現在)

 

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f:id:nishiuraexp:20190710223822j:plain船体へとつづく連絡歩道は、かつて国鉄が運航していた青函航路や宇高航路への乗り換えを連想させます。

青函トンネルや瀬戸大橋が開通して30年が経過した現在、このような乗り換え設備や鉄道と航路が一枚になった連絡切符の発売、接続ダイヤの設定など本格的な船車連絡輸送が行われているのは、全国でもここだけではないでしょうか。

 

f:id:nishiuraexp:20190710223900j:plain連絡歩道の終点には小さな待合室があり券売機が設置されています。

 

f:id:nishiuraexp:20190710223925j:plain待合室の先で乗船券(南海電鉄から連絡切符を含む)のチェックを受け船内へと進みます。

駅の改札から船内まで階段はなく、連絡歩道ではムービングウォークも運転中でした。また雨でも傘は不要です。

 

f:id:nishiuraexp:20190710225220j:plain船室内後方は椅子席になっています。一見すると航空機のエコノミー席のようですが、ピッチやリクライニング角度はJRのグリーン車に近いものです。

 

f:id:nishiuraexp:20190710225300j:plain前方はカーペット席になっています。

空いているときは横になってくつろぐこともできますが、混雑時は個人的には椅子席の方が快適だと思います。

 

f:id:nishiuraexp:20190710225327j:plain船室中央部にはテーブル席のほか事務作業や読書などができそうなデスク席などもあります。

(ここまでの船室内の写真は以前乗船したときに下船間際に撮影したものです)

 

f:id:nishiuraexp:20190710223954j:plainその他、カップ麺やアイスクリームを含む自動販売機、ゲームコーナー、弁当や土産物も買える売店などがあり、2時間の船旅を楽しいものにしてくれます。

 

f:id:nishiuraexp:20190710224021j:plainそして船室最前方はグリーン席になっています。追加料金500円(多客期は1000円)が必要で、座席券は乗船後に売店で購入します。

混雑する便では購入時に座席を選択指定するようですが、今回は空いていたためか自由席扱いでした。

 

f:id:nishiuraexp:20190710224105j:plainグリーン席だけで一つの船室を構成しているため静粛性が高く、シートも一般船室の椅子席を上回るもので新幹線のグリーン車レベルでした。

 

f:id:nishiuraexp:20190710224135j:plainソファー席も用意されています。

何度もこの航路を利用している筆者の個人的な印象ですが、空いているときはカーペット席で横になる、ある程度混んでいるときは椅子席の最後部でリクライニングを存分に使ってくつろぐというのが、コスパもよく一番快適だと思います。

グリーン席は混雑が激しい便や時期(盆や年末年始など)に、一般船室の混雑から解放される目的で追加料金を払って利用するものという印象があります。

 

f:id:nishiuraexp:20190710224222j:plain一般船室から甲板にでることもできます。

船室にいる間ほとんど揺れを感じなかったので外は穏やかなものと思っていましたが、甲板はかなりの強風が吹いていました。

紀伊水道上で半分は外洋に接しているためでしょうか。瀬戸内海航路のように「甲板でうどん」というような雰囲気ではありませんでした。

 

f:id:nishiuraexp:20190710224319j:plain15時30分、なんばを出てから約3時間。前方に徳島市街地と徳島市のシンボル「眉山」が見えてきました。

船旅でなければ味わえない高揚感や旅情を感じる瞬間です。

 

f:id:nishiuraexp:20190710224723j:plain15時55分。定刻に徳島港に到着しました。

定時運航のレベルの高さも鉄道連絡輸送を担うこの航路の特長です。

 

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f:id:nishiuraexp:20190710224828j:plain船の下船口は徳島港ターミナルビルの2階につながっており、階段またはエレベーターで1階におりたところに乗船券売場のほか飲食店や土産物屋があります。

「なんば」や関西空港への「好きっぷ」は有人窓口での購入となります。また和歌山港駅や和歌山市駅から南海電鉄の特急サザン号の指定席を利用する場合、指定券もここで購入することができます。

 

f:id:nishiuraexp:20190710224859j:plainターミナルビルの目の前からは徳島駅への徳島市営バスに乗車できます。次の便は船の到着から10分後の16時05分の発車でした。

平日は20分毎、土休日は30分毎の運転ですので、到着後ターミナルの飲食店や土産物屋に立ち寄って1本あとの便で駅へ向かうことも可能です。

ただし和歌山港発19:15の便に関してはその便の到着を受ける21:30発がバスの最終となるので要注意です。(2019年7月現在)

徳島駅周辺までの道路距離は最短でも3~4キロあり、一般的には徒歩で行ける距離ではありません。

 

f:id:nishiuraexp:20190710225020j:plain徳島駅までのバスの乗車時間は約20分。運賃は210円です。(2019年7月現在)

 

f:id:nishiuraexp:20190710225050j:plain16時25分、JR徳島駅前のバスターミナルに到着しました。なんば駅から約4時間、運賃は徳島港までの企画乗車券「好きっぷ」2000円に徳島港からのバス代を加えた2210円です。(今回は南海電鉄の特急サザンの指定席(510円)とフェリーのグリーン席(500円)を追加料金で利用したため3220円になりました。)

ちなみに大阪~徳島で高速バスを利用した場合、運賃は片道3700円、往復購入6700円となり、今回利用した南海四国ライン(鉄道とフェリーの乗り継ぎ)の倍近くかかりますが、所要時間は2時間30分程度。また30分に1本以上の運転頻度で、運賃差を補うに足る高い利便性があることから満席での運行も珍しくないようです。

 現在では利用者数的にはメインの座をバスに譲った格好の南海四国ラインですが、運賃が安いという利点以外にも、

徳島側から見ればバスの始発より早く大阪へ行くことが出来る早朝便があること。

バスでは遠回りとなる関西空港~徳島間では所要時間でも大きな差がないこと。

紀伊水道を挟んで向き合う徳島~和歌山間の実質的に唯一の交通機関であること。

バスを上回る定時性を有していること。

など様々なメリットがあります。

関西の方だけでなく、関東など遠方にお住まいの方も「なんば」から或いは「関西空港行のLCCからの乗り継ぎ」で、格安で利用できる南海四国ラインの利用を検討されてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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