西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

観光列車「ラ・マルせとうち」乗車記。(岡山10:11⇒宇野11:10)

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JR西日本岡山駅。今回はここから観光列車に乗車します。

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改札口の発車表示。乗車するのは上から2つめの臨時列車「ラ・マルせとうち」号です。

列車の行先の宇野は、岡山駅と宇野駅を結ぶ宇野線の終点です。

瀬戸大橋開通までは宇野駅前の宇野港から四国高松へ渡る連絡船に乗り継ぐルートが本州から四国へのメインルートになっていました。

 

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ラマルせとうち号は、直島など香川県を中心とする瀬戸内海の島々などが舞台の「瀬戸内国際芸術祭」へのアクセスをメインターゲットとして運転されているようです。

 

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「ラマルせとうち」は大半のマリンライナーや四国方面への特急列車が発車するームの姫路寄りに設けられた5番のりばから発車します。

 

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「ラマルせとうち」に使用される車両は、2004年まで快速マリンライナーとして瀬戸大橋経由で岡山と高松を結んでいた車両を改造したもので2両編成です。

フランス語で旅行鞄を意味する「ラ・マル・ド・ボァ」(La Malle de Bois)というのがこの車両に付された愛称です。

岡山駅で新幹線を降り瀬戸内海周辺の観光地へ向かう「旅支度」の時間も楽しんでほしいという思いが込められた愛称のようです。

 

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この「ラ・マル・ド・ボァ」車両を使用する列車は、これから乗車する宇野行きの「ラマルせとうち」のほか、いずれも岡山駅を起点に尾道行きの「ラマルしまなみ」、琴平行きの「ラマルことひら」としても運転されています。(折り返し岡山行きも同様です。)

運転日については概ね「ラマルせとうち」が土曜日、「ラマルしまなみ」が日曜日、「ラマルことひら」が月曜日となっているようですが、運転されない日や例外が多数がありますので、時刻表やJR西日本HPの関連ページでの確認が必須です。

 

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車内は2人掛けのリクライニングシートと窓を向いたカウンター席で構成されています。座席の配置は1号車と2号車で左右逆になっており、写真は2号車のものです。(写真奥が宇野・尾道・琴平方向です。)

個人的な印象ですが、宇野行きの「ラマルせとうち」と琴平行きの「ラマルことひら」については、進行方向の左右どちらでも車窓に大きな違いはないと思います。

「ラマルしまなみ」については南側(尾道行きの場合、進行方向左側)の座席を指定すると終点尾道駅の直前に尾道水道の車窓を楽しむことができます。

「南側」は1号車ではカウンター席、2号車では2人掛けリクライニングシートになっています。(折り返し岡山行きも同様です。)

なお座席はすべてグリーン車指定席扱いですので、乗車券のほかグリーン券が必要です。また快速列車ですが青春18切符は使用できません。

 

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今回の「ラマルせとうち」は、当日検索で2号車のリクライニングシート通路側席に1席だけ空きがあり乗車することができました。

「しまなみ」や「ことひら」の状況はわかりませんが、予約は早めにするほうがよさそうです。(新幹線の指定席などと同じく前月同日の午前10時からの発売です。)

 

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座席以外の車内設備については、1号車にカウンターがあり、備え付けの台紙にスタンプを押して乗車記念に持ちかえることができるようになっています。

 

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1号車・2号車の運転席前のスペースには自転車が積み込めるようになっています。

4台×2か所の計8台分で、座席指定があれば追加料金はかからないようですが、座席とは別の予約が必要になるようです。(JR西日本HP関連ページなど参照)

なお自転車の手前のカウンターに置いてある乗車日が入ったボードは記念撮影に使えるだけでなく希望すれば乗務員さんが撮影もしてくれるようでした。

 

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車内設備の目玉は2号車の1号車寄りにある売店コーナーです。

一般的な200円~300円台のドリンクや弁当だけでなく網棚の上に見えている鞄などの販売もあります。

 

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岡山駅発車直後から売店前には行列ができていました。

ドリンクなどの購入が中心かと思えば、ガラスケースに収められたタオルや小物入れなどが次々に売れ1万円札がやりとりされる光景に少々驚きました。

 

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売店の混雑も一段落したころの2号車内の様子。

 

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車内改札を受けた印のスタンプもこの列車専用のものでした。

 

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売店で買った岡山名物の「ばらずし」(1200円)とホットティー(250円)。

熱い飲み物を自席まで持ち帰ることを考えれば、売店がある2号車のほうが「おすすめ」かも知れません。

 

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包装だけでなく中身も華やかで観光列車の車内販売品にふさわしい一品だと思いました。

 

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列車は茶屋町駅付近から児島湾の干拓地に広がる田園風景の中を走ります。

 

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「ラマルせとうち」は、時刻表上では岡山駅から終点の宇野駅までノンストップの扱いになっていますが、何度か行き違いなどのための停車があり、途中八浜駅ではドアが開きホームに出ることができました。

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八浜駅の駅舎は簡素なものですが、この列車の停車にあわせてホームとともにリニューアルが施されたようです。

 

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八浜駅舎にあった地図と干拓に関する案内。

宇野線はこのあたりでは干拓が行われる前の海岸線に沿って走っていることがわかります。終点の宇野駅まではあと2駅です。

 

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児島湾干拓に関する説明に見入っていると、発車ベルがわりの車掌さん手持ちのハンドベルの音が聞こえてきて他の乗客とともに車内にもどりました。

 

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終点宇野駅へ向けての下り坂。

瀬戸大橋開通前は寝台特急の瀬戸号(現在のサンライズ瀬戸号の前身)も通った道です。

 

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岡山駅から59分で終点の宇野駅に到着。

所要時間は一般の普通列車を乗り継いだ場合とかわりませんが、一般の列車を利用すると多くの場合、途中の茶屋町駅で乗り換えが必要ですので、宇野まで乗り換えなしで行けるという点も、この列車を利用するメリットのひとつだと思います。

その点では、尾道行きの「ラマルしまなみ」や琴平行きの「ラマルことひら」についても、それぞれ福山駅・坂出駅での乗り換えが不要になりますので、荷物が大きかったり不慣れな遠来の旅行者にやさしい列車といえるのではないでしょうか。

(岡山駅~琴平駅は特急列車は直通しますが、自由席特急券より「ラマルことひら」のグリーン車指定券の方が安いので、急ぎでなければ(なおかつ運転時間や運転日があえば)「ラマルことひら」の利用をおすすめします。

 

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宇野駅のコンコースには観光案内所と土産物売り場が併設されていました。

 

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宇野駅舎は南欧風というのでしょうか、地中海に例えられることもある瀬戸内海への航路乗り継ぎ駅として歩んできた歴史にふさわしい洒落た佇まいになっていました。

なお宇野駅前の港からは瀬戸内国際芸術祭の会場のひとつである直島へ渡る航路のほか、1日5便という規模にはなっていますが伝統の四国高松へ渡る航路も存続しています。

ちなみに高松行は「ラマルせとうち」の到着から40分後の11時50分の便があり、これに乗り継ぐと12時55分にJR高松駅徒歩5分の高松港に到着します。(2019年8月現在)運賃は730円です。

宇高航路については、高松⇒宇野の便の乗船記を近日中にアップする予定です。

最後までお読みいただきありがとうございました。 

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