JR四国の伊予西条駅に隣接する四国鉄道文化館へ行ってきました。大宮や京都の鉄道博物館に比べればささやかですが、混雑もなく30分程度でも楽しめる好感の持てる博物館でした。
まずは2007年オープン時からある北館。伊予西条駅舎の隣にあります。目玉は0系新幹線とDE50型ディーゼル機関車の現車の展示です。0系新幹線は昭和39年の東海道新幹線開時からJR初期まで活躍した、新幹線を象徴する車両です。DE50型ディーゼル機関車は高度成長期に、非電化路線で、それまでのSLにかわり活躍しましたが、電化や気動車化などで、0系より早い昭和50年代に運転を終えました。
車内や運転台に自由に立ち入りシートに座ることもできます。0系新幹線のこの車内風景、鉄道ファンでなくても懐かしいと感じる方が少なくないのではないでしょうか。北館は車両のほか、新幹線に関するパネル展示などがあります。
つぎに跨線橋で予讃線の線路を越え南館です。写真奥が2014年に増設された南館の建物です。
手前の展示は軌間幅が異なる新幹線と在来線を直通するため、左右の車輪の幅を営業運転中に切り替えるフリーゲージトレインの試験車両です。四国でも岡山駅に連絡線を設け、新大阪から松山などへ乗り入れる構想があります。九州の博多から長崎方面への新幹線で先に実現するかにみえましたが、技術的な課題が多く導入が先送りになっているようです。
南館の建物内はSLと急行型気動車の現車の展示がメインです。急行型気動車のほうは、比較的最近まで阿波池田発高松行の快速サンポートとして4両で運転されていたものです。坂出高松間ではマリンライナーに迫る俊足を披露していました。
南館の車両も自由に内部を見学できました。運転当時の広告などが意図的にそのまま残されていました。
車両の詳しい解説もあり、「文化館」を名乗っていますが、博物館としての体裁もととのえられています。
南館のもう一つの見せ場は、四国をイメージしたジオラマです。伊予西条駅周辺や瀬戸大橋などが再現されていました。運転は1時間に1回というのも、来館者数を考慮したのでしょうが、ある意味リアルで面白いとおもいました。
そもそも、この施設が高松や松山ではなく伊予西条にあるのは、東海道新幹線開業時の国鉄総裁十河信二氏が当地出身であることに関係しています。北館の隣にはその生い立ちや功績などを説明する記念館もあります。
北館、南館、記念館共通で入館料は300円。水曜日は定休日です。