西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

秩父鉄道急行「秩父路」と西武特急「ラビュー」乗り継ぎ乗車記(熊谷18:10⇒池袋20:47)

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長野からしなの鉄道・信越本線・高崎線のルートで到着した。埼玉県熊谷市の玄関「JR熊谷駅」。時刻は18時、今夜は東京駅22時発のサンライズエクスプレスに乗車予定ですが、真っすぐ東京へ向かったのでは時間が余るので秩父方面へ迂回することにしました。

 

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熊谷駅にはJRのほか私鉄の秩父鉄道が乗り入れています。

 

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秩父鉄道は東武伊勢崎線羽生駅から熊谷を通り、寄居で東武東上線・JR八高線、御花畑で西武秩父線と接続し秩父山麓の三峰口に至る71.7kmの路線を有しています。

東京都心と郊外を結ぶ名だたる主要路線を横につなぐ秩父鉄道の路線は、横浜線や南武線同様の外環状線の形態をとっていますが、輸送密度は4000人程度、列車は1時間に2~3本程度で「平均的な地方私鉄」というのがその実態のようです。

 

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今回は1日に数便のみ運転される急行で西武秩父線接続の御花畑駅まで向かいます。

御花畑まで44.8kmで運賃は880円、急行料金は210円でした。

秩父鉄道の運賃は短距離では割高なものの長距離になるとJRの幹線運賃とそれほどかわりません。

 

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急行の発車は18時10分。

その5分前、18時05分に三峰口行きがあり、さらにその19分前にも17時46分発の影森行きがありますが、驚いたことに急行は先行する2本の普通列車を途中で追い越し目的地の御花畑に先着します。

 

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東急からの移籍車両で運転の先発の普通を見送り、


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すぐにやってきた急行に乗車します。

 

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西武鉄道の通勤車両からの改造であり、外観だけ見ると急行料金を徴収する列車としては物足りない印象もありますが、

 

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車内は2人掛けのリクライニングシートがゆったりとした感覚でならび、

 

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特に車両中央のドアを埋めて新たに大きな窓を設置した部分の居住性はかなりよさそうで、JR化後もしばらくは全国に残っていた国鉄の急行型車両を連想させます。

 

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発車すると走りも急行らしいものでメーターアプリの針は頻繁に80kmに達していました。

ロングレールではないもののこの速度でも揺れは許容範囲であり、速度・乗り心地・シートのいずれをとっても長野電鉄や富山地方鉄道の特急と同レベルか上回っているという印象を受けました。

下車駅である御花畑までの所要時間は53分、駅停車時間も含めた平均時速は50.7kmとなっています。

 

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暗くてよく見えませんが熊谷周辺でも沿線には田園が広がっているようです。

 

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途中波久礼駅で普通列車と行き違い。

 

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地方私鉄らしい風情が漂う長瀞駅に停車。

熊谷発車時点での着席率は20パーセント程度で途中停車駅での乗降もわずかでした。

急行券が必要とはいえ210円であり、先行列車2本抜きの力走を見せる列車だけに、もっと利用があってもよさそうですが、このままだと先行普通列車を途中駅折り返しにして、急行はその先では普通列車として運転というような合理化が行われても不思議ではない状況だと思います。

 

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19時03分御花畑駅に到着。次の駅影森駅が終点ということもあり、ほとんどの客が下車したようでした。

 

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御花畑駅から徒歩5分程の場所に位置する西武鉄道秩父線の終点「西武秩父駅」に移動。

 

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8両の特急が停車できるホームに沿う形で土産物店やフードコートなどが入る商業施設が営業していました。

 

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ここから19時25分発の特急ちちぶ号に乗り継いで池袋へ向かいます。

 

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「ちちぶ号」というのは西武鉄道が池袋~西武秩父間を走る特急列車に長年にわたって使い続けている愛称ですが、その「ちちぶ号」に2019年に導入された新型車両には「Laview(ラビュー)」の愛称が付されました。

 

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ラビューの最大の特徴はこれまでの鉄道車両の常識をくつがえす大きな窓です。

ホームから見ると座席に座っている乗客のひざ下まで見えています。

 

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シルバーの外観に対して車内は黄色が多用されています。

 

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すべてが黄色に塗られたデッキ部分。

 

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池袋~秩父間の所要時間は1時間20分程度ですが、編成中2か所に洗面台やトイレが備わり特急車両としての体裁が整えられています。

 

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洗面台も「まっきいろ」でした。

弱視者対策も兼ねて通勤車両のドアに黄色のテープを貼ったりする事例は全国の鉄道で見られますが、これだけ黄色一色になってしまうと、デザインとしては斬新でも機能面(視認性)ではどうなのかと思うところもあります。

 

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座席も黄色ですが、デッキの黄色にくらべれば大人しい色使いであり、色よりも珍しい形状のほうに目がいきます。

 

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妻面の情報パネルは大型もので表示される文字も車両中央付近からでも判読できる大きさでした。

 

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座席間の肘置きは固定で、コンセントのほかテーブルが格納されています。

一方通路側と窓側に位置する肘置きは背もたれと一体になっており、リクライニングすると肘置きが上方へ動くという他の車両のシートでは見られない構造になっていました。

 

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シートピッチは普通車としてはかなり広く

 

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テーブルも大小の使い分けができます。

 

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定刻に西武秩父駅を発車。途中の飯能駅で進行方向が変わるため座席は最初から進行方向と逆向きにセットされています。

ちなみに西武秩父から飯能までと飯能から終点池袋までの所要時間にそれほど差はありません。

あらかじめ回転させておく背景には座席回転のトラブルを未然に防ぐ意味合いがあるのかもしれません。

 

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消費増税後の池袋までの運賃・料金は790円と710円でちょうど1500円となっています。従来の「レッドアロー」車両で運転される便と同額です。

 

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途中駅でそのレッドアロー車両の特急とすれ違い。

 

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飯能で進行方向が変わると速度が上がり、沿線にも市街地の明かりが目立つようになりました。

 

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飯能から先、入間市と所沢に停車しますが、下車のほうが多く乗車はほとんどありません。

夜に新宿へ向かう小田急の特急にも乗車したことがありますが、途中の相模大野や町田では乗車の方が多く、新宿に近づくにつれ席が埋まっていた記憶があります。

当地の事情に詳しくない筆者には何が違いを生むのかよくわかりません。

 

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所沢を発車すると次は終点の池袋です。

右は「いけぶくろ」の韓国語表示ですが、左の表示は誰に向けられたものでしょうか。ちなみにここは6号車です。

 

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20時47分。池袋駅の特急ホームに到着。

 

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池袋駅の特急ホームは7両分しかなく、従来より1両長い8両で登場した「ラビュー」は西武秩父寄りでは1両分ホームからはみ出した状態で停車します。

先頭部分の観察をする場合は車止めがある側へ行く必要があります。

 

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窓の大きさ、シートの形状、デッキの色使いとともに球体に近い先頭車両の形状も従来の鉄道車両の常識を覆すものです。

 

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サンライズエクスプレス乗車にほどよい時刻になったため、池袋から東京メトロ丸の内線で東京駅に向かいます。

 

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これからはこんな顔が流行るのでしょうか。メトロの最新車両も独特の丸顔でした。

 

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側面は戦後まだ間もないころからバブル期まで長きにわたり丸ノ内線で活躍した車両を意識したデザインになっていました。

 

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車内のイメージは従来の車両と大きな変化はないように見えます。

つづきサンライズエクスプレス瀬戸号の乗車記はこちらです。

 

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