西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

特急ひだ20号乗車記(富山17:14⇒岐阜20:41)と岐阜キャッスルイン。

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本日は大阪から南紀方面へ向かう予定でしたが、最初に乗車予定だった特急くろしお号の区間運休で急遽行先を北陸方面に変更しました。。

大阪から特急サンダーバード号と北陸新幹線つるぎ号を乗り継いで富山に到着。これから夕方に富山を発車する高山本線経由の特急ひだ20号に乗車して、南回りで到着する予定だった岐阜のホテルへ向かいます。

 

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特急ひだ20号は高架になった富山駅在来線ホームの金沢寄り切り欠き部分に設けられた2番線から17時14分に発車します。

 

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特急ひだ号に使用されるキハ85系気動車はJR発足間もない平成元年に、それまで使用されていた国鉄時代からのキハ80系気動車の置き換えとともに、出力を強化してスピードアップを図ることを目的に導入されました。

そのような背景からキハ85系のエンジンには時速200km超えのディーゼル特急が運転されるイギリスのカミンズ社のものが搭載されました。

線路の改良もあり、特急ひだ号の主要な運転区間である名古屋~高山間では、それまで国鉄型のキハ80系で3時間程度かかっていたものが2時間16分(当時)まで短縮されました。

キハ85系はその後名古屋と紀伊半島方面を結ぶ特急南紀にも導入され、そちらでも大幅な時間短縮を実現しています。

 

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キハ85系の特徴として大出力エンジンともうひとつ大きな窓が挙げられます。

ひだ号南紀号などこの車両で運転される列車には「ワイドビュー」のサブ愛称が付され

ワイドビューひだ、ワイドビュー南紀といった表記は市販の時刻表にも見られます。

ホームに停車中の車両を横から覗くと、窓の下が肘置きの高さとほぼ同じになっていることがわかります。国鉄特急型ではこれが概ね肩のラインでしたから違いは一目瞭然です。

 

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この「肘置きのラインまである窓」については窓自体の寸法拡大にあわせ、車内において通路部分に比べ座席部分を一段高くしたハイデッカー構造を採用することによって実現しています。

なお写真手前のようにバリアフリー対策としてハイデッカー構造を採らない座席も用意されています。

 

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国鉄時代にはあまり低い位置まで窓があると速度感が増しすぎて落ち着かないという主張もあったようですが、高速道路走行などスピード慣れした現代人には何の抵抗もなく受け入れられたようで、「窓が低い位置まであるから怖い」という苦情があったという話は聞いたことがありません。

製造初年から30年が経過するキハ85系ですがシートの掛け心地やピッチも最近の特急車両に遜色がないように感じられました。

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その他の車内設備としてはデッキにバリアフリー対応のトイレと洗面所、飲料の自販機があります。車内販売の乗務はありません。

 

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高山線の列車は富山駅を金沢方向に発車したのち北陸新幹線やあいの風富山鉄道(元北陸本線)とならんで神通川を渡ったのち左にカーブして内陸方向へ進みます。

富山市の公共交通機関利用推進政策は市街地の路面電車だけでなくJR高山線も対象で、富山近郊区間での増発や駅新設などをメニューとする社会実験が行われました。

増発ダイヤについてはその後元の戻された部分も多かったようですが、駅についてはその時に新設された「婦中鵜坂」駅が現在まで存続しています。

利用者数は200人程度とそれほど多くないものの増加傾向にあるようです。

 

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「おわら風の盆」で知られる越中八尾に停車。

 

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富山を発車してしばらくで日も暮れ車窓の街並みも途切れがちになってきたため夕食にします。

富山駅併設の土産物売り場「とやマルシェ」内で買った「かえで」という弁当で税込み756円でした。テイクアウトなので770円にはならないようです。

 

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小さめですが季節感のある上品な弁当でした。

 

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富山から約35分で到着した猪谷駅でJR西日本区間は終わりJR東海区間へ入ります。

保線状態はJR東海区間のほうがよいようで、列車の揺れが少なくなったように感じられました。

 

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猪谷からは山間部走行がつづき、車窓は数多いトンネルの中も外も大差ないという感じでした。

猪谷駅から1時間弱が経過し久しぶりに沿線に街の雰囲気を感じると高山線最大の拠点高山駅に到着します。

富山~高山間の乗客も多くまとまった数の下車がみられました。

東京から高山を目指す場合、乗車日は台風の影響で不通でしたが、北陸新幹線開業後は東海道新幹線で名古屋へ行き名古屋から下りのひだ号に乗り換えても、北陸新幹線で富山へ行き上りのひだ号に乗り換えても所要時間的には変わらなくなっています。

北陸新幹線富山回りは本数が少ないかわりに混雑も少なく魅力的なルートと言えるかもしれません。

 

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ひだ号の需要としては名古屋~高山がメインとなるようで、乗車している20号についても富山からの3両編成の前に4両が増結され、当駅からは7両となって名古屋へ向かいます。なお富山からの3両の号車表記は8号車~10号車、高山増結車両は1号車~4号車となっており、多客期には欠番なしの10両編成となることもあるようです。

 

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増結を終え発車を待つ間ホームに出てみました。

高山駅は古風な地上駅舎が最近まで残っていましたが、立派な橋上駅舎に建て替えられたようです。

 

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高山を発車して市街地を抜けると再び山間部の走行がつづきますが、需要が大きい区間のため線路の改良が進んでおり、列車の速度が上がったことが体感的にもわかりました。写真は高山の次の停車駅「下呂」駅を発車するときに撮影したものです。露出不足でブレてしましましたが、駅周辺には大きな旅館が立ち並んでいました。

 

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下呂の次の停車駅「美濃太田」の手前で濃尾平野に抜けると列車の速度はさらに上がり

 

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高山線内では最速の110kmに達しました。

 

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美濃太田~岐阜間は約20分です。

 

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定刻20時41分より少し遅れて岐阜駅に到着。

ひだ号はここで進行方向を変え、終点の名古屋まで東海道線を走行します。

 

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都会的な様相の岐阜駅前。

 

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JR駅を出て右手方向に徒歩3分ほどの位置に名鉄の岐阜駅があり、そこからさらに2分ほど歩いた場所にある岐阜キャッスルインが今夜の宿です。

富山での乗り換えが3時間以上あったため南紀回りで予定していたより遅い時刻の到着になりました。

 

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1泊素泊まり6400円。土曜チェックインの価格であり、立地は名鉄駅徒歩2分、JR駅徒歩5分程度。部屋の広さにも余裕がありコスパは悪くないというのが筆者の個人的な印象です。

明日の元々の予定は高山線を富山まで北上したのち、糸魚川から大糸線を南下、南小谷からは臨時快速「ふるさとビュー号」で長野に至る旅程でしたが、

本日の旅程変更と台風の影響で明日も大幅に旅程を変更。

まず最寄りの名鉄岐阜駅から名鉄特急パノラマスーパーで豊橋へ行き、飯田線の特急伊那路号などを利用して長野を目指すことにしました。 

つづきはこちらです。

 

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