西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

〈SEA PASEO(シーパセオ) 乗船記〉松山観光港9:35→広島港12:15

愛媛県松山市。松山観光港。松山の繁華街大街道から伊予鉄道のリムジンバスで約30分、または伊予鉄道高浜線の終点高浜駅から徒歩またはバス数分。

今回はここから船で広島へ向かいます。

広々とした松山観光港ターミナルビル内。

松山観光港と広島港を結ぶ航路は、

同区間を1時間10分から1時間20分で結ぶ高速船(スーパージェット)が9往復、2時間40分で結ぶフェリー(クルーズフェリー)が10往復の計19往復。

そして10往復のフェリーのうち5往復がクルーズ船<シーパセオ>での運航となっており、今回はその該当便である松山観光港9:35発の便に乗船します。

★★当記事記載の運賃、ダイヤや船内サービスなどについては2023年1月の乗船体験に基づくものです。★★

市街地から離れている松山観光港ですが、ターミナルビル内には土産物屋などもあり乗船までの時間潰しに困ることはありません。

出港30分前より乗船手続きが始まり広島港までの乗船券を購入。フェリーの運賃は広島港まで4500円、呉港まで3500円。高速船(スーパージェット) は広島港まで7800円、呉港まで6100円となっています。

乗船は2階の桟橋から。

出航時刻の10分ほど前に広島からのシーパセオが接近。

★シーパセオは2隻あり乗船便はシーパセオ2での運航ですが、ここでは1と2は区別せずシーパセオ乗船記として綴らせていただきます。

到着客の下船が済むとすぐに乗船が始まりました。

船内。前方の展望席へ。前面展望席は背もたれが低いソファのようなシートが並び、後方席からの視界に配慮されているようです。

9:35。乗船開始から10分にも満たないクイックターンで松山観光港を出港。展望席の座席に荷物を置き船内散歩へ出かけます。

まず展望席を立って振り返ると、その後ろには航空や特急列車の座席を思わせるリクライニングシートが3-2-3の配置で並んでおり、その奥には販売カウンターが見えています。

リクライニングシートの右手(右舷側)はOZASEKIエリアという個室感覚のブース席。

一方、左舷側はゴロ寝ができるカーペット席になっていました。

船内中央には軽食なども扱う販売コーナーがあり、その前は飲食や談笑にも利用できるフリースペース。

売店の裏側から甲板に出たところには飲料とアイスの自販機がありました。

後方の甲板は[そよ風のパティオ] と名付けられた一角でベンチが並んでいます。

船上の甲板で[そよ風] というのは穏やかな瀬戸内海のクルーズ船らしい、ある意味強気なネーミングという印象です。

ここのベンチの多くは上階デッキが屋根となる部分にあるので雨天でも寛ぐことができます。

上階デッキに上がると所々に小さなガゼボが並ぶ開放的な空間になっていました。

乗船日は出航地松山の最低気温が0℃という冷え込みで、外気に触れる甲板で寛ぐ人は皆無でしたが、気候がよくなれば、ずっと船室内ですごすのは勿体ないかも知れません。

船室内設置のモニター。

出港から間もなく30分というところ。船は四国から本州へと順調に瀬戸内海を北上しています。松山観光港から寄港地の呉港までは48.8km 、広島港まで66.2kmの道のりです。

先述のように松山〜広島航路はフェリーと高速船合わせて19往復。展望席から前方を眺めていると頻繁に松山行の姉妹船と行き違う様子が見られ、その頻度の高さを実感します。

行き違いだけでなく追い越しもあります。

11時を過ぎ松山観光港を45分後の10:20に出港した高速船が左側から追い越していきましたが、ここでの追い越しについては、意図的にそのようなダイヤが組まれているのではないでしょうか。

高速船を先に通したあと前方を陸地に阻まれたシーパセオは速力を落とし右に旋回。

音戸の瀬戸に差し掛かります。音戸の瀬戸へは写真右端の赤色の橋の下から進入します。

音戸の瀬戸は本州と倉橋島の間に存する海峡で南北約1000m 開口部200m 最も狭い部分で70m 。平安時代に平清盛が日宋貿易の振興のために開削したとも言われています。

船室内モニターに見る音戸の瀬戸。

おそらく追い越しが困難な海の隘路を前に、フェリーが船足の早い高速船の進路を塞がないよう、その手前で追い越すダイヤが組まれているのでしょう。

ダイヤをよく確認すれば音戸の瀬戸区間での行き違いも回避するよう配慮されているかも知れません。

音戸の瀬戸を抜けると20分ほどで寄港地の呉港へ。

呉港のターミナルは[大和ミュージアム] や[鉄のクジラ館] など呉の観光スポットに隣接しているほか、JR呉駅とも陸橋で結ばれているなど非常に便利な場所にあります。

松山〜広島間の航路ではフェリーの大半と高速船の半数がここに寄港します。

呉港出港後、呉での下船で空きができたOZASEKIエリアへ。靴を脱いで着席します。

様々な座席があるシーパセオですが、個人的にはここが最も快適ではないかと思います。写真奥の窓下にはコンセントも備えられています。

松山観光港出港から2時間余り。時刻は間もなく正午。

販売カウンターで購入した、おにぎりと広島檸檬ケーキ、コーヒーをOZASEKIに持ち込み昼食。

航空の機内食のような感覚ですが、船内でこのようなスタイルの昼食というのはあまり経験がありません。

昼食を食べ終わるころには広島港入港の放送が流れ、船内では下船の準備が始まりました。

定刻より少し遅れて広島港に到着したシーパセオ。港では折り返し松山への乗船客が列をなしており、ここでも速やかな下船•乗船ののち松山観光港へ向け出港していきました。

飲食店なども入る近代的な広島港ターミナルビル。

ターミナルビル前からは広島電鉄の路面電車が繁華街の紙屋町方面や広島駅方面へ12〜15分程の間隔で発車しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。