JR広島駅新幹線側入口。
今回はここから山陽新幹線とバス・JR ・路面電車など広島周辺の交通機関を乗り歩きます。
広島駅新幹線改札口前。
まずは広島近郊の代表的な観光地の一つである「錦帯橋」へ向かいます。
錦帯橋の新幹線最寄り駅は博多方面に一駅の新岩国駅です。
「JR東海のサービス=東海道新幹線で利用するもの」というイメージがあるEX ICですが、
山陽新幹線の一区間乗車でも利用できます。
ネットでの予約購入は以前から利用していましたが、
駅での発券が不要でSUICAやICOCAで在来線に乗る感覚で新幹線に乗車できるので非常に便利です。
乗車するのは広島11:36発「こだま845号博多行」。
若干遅れて到着した「こだま845号」
元ひかりレールスターの700系8両編成での運転です。
自由席の乗車率は10%未満。
山陽新幹線の「こだま」は0系を使用していた時代には4両編成もあったほどで、
仮にコロナの影響がなくても空いていることが多いようです。
広島の市街地を加速。
新岩国に到着。
わずか13分の乗車中に県境を跨ぎ山口県に入っています。
新岩国駅コンコース。
やや薄暗く天井から下がるサイン類の多くは、昭和50年の開業当時から使われているもののようです。
駅前から錦帯橋を経由して岩国駅へ向かうバスの時刻表。1時間に1~2本程度の運転です。
よくみると現在の時刻表の下に青枠のバス時刻表が掲出されていた様子がわかります。
「新幹線駅の改札口前の柱に、はめ込みの時刻表を掲出するなど並みのバスではないはず」と思い調べてみると、
かつては岩国駅から錦帯橋・新岩国駅を通り山口線の津和野・日原や山陰の益田を結ぶ国鉄バス岩益線が駅前に乗り入れており、
JRバスに引き継がれたのち比較的最近になって廃止されたことがわかりました。
JRバス移管後のダイヤで新岩国駅から津和野まで2時間10分程度、益田まで2時間30分程度だったようです。
山陽新幹線新岩国駅舎。
1日の駅利用者数は1000人程度。
駅周辺は東海道・山陽新幹線全駅の中で最も長閑で、立派な駅舎がなければローカル線の駅周辺とかわりません。
なお駅前から西方向に延びる通路を進むと、第3セクター鉄道「錦川鉄道」の清流新岩国駅があります。
錦川鉄道は元国鉄岩日線でした。
岩日線時代から現在の清流新岩国駅は存在していましたが、
駅名は「御庄」を名乗り、当時は国鉄同士だったにもかかわらず、新幹線との乗り換え駅としての扱いは受けていなかったようです。
現在青森県の北海道新幹線「奥津軽いまべつ」駅と、その脇を通るローカル線津軽線の津軽二股駅が、別個の駅として扱われていますが、ここに先例があったことになります。
冷遇とも思える岩日線の扱いについては、
新岩国駅開業当時、岩日線が岩国と日原を結ぶという元々の計画を達成できず、途中の錦町止まりのまま赤字路線の一つとなっていたうえ、
国鉄のバス部門が、その計画線を辿る先述の岩益線を運行していたので、
乗客をバスに誘導しようという意図があったのかも知れません。
駅前で発車を待つ「いわくにバス」錦帯橋経由岩国駅行。
岩国駅から近い岩国錦帯橋空港に乗り入れるANAのラッピングが施してあります。
岩国錦帯橋空港は山口県に属するため県内観光地の錦帯橋をおす空港名になっていますが、
錦帯橋の数十倍?とも思える観光客を集めている広島県の宮島をはじめ、
広島市都心部より西の広島県内へ行く場合、広島空港を利用するより便利な場合があります。
12:05。乗客数人で発車。
川に沿って走ること15分。
錦帯橋に隣接するバスターミナルに到着。新岩国駅からの運賃は350円。
広島駅から乗り換え時間も含めて45分程で到着しましたが、
此処と広島市繁華街に位置する広島バスセンターを結ぶ高速バスが1時間毎に運転されており、
所要時間も新幹線利用と大差ないことを到着後に知りました。
広島駅と広島バスセンターは離れているので一概には言えませんが、
広島~錦帯橋間の移動では高速バス利用が便利な場合が多そうです。
バスターミナルの2階は食堂になっており、錦帯橋を眺めながら地元名物の岩国寿司を食べることもできるようです。
目的の錦帯橋。
錦帯橋は江戸時代の1673年に第3代岩国藩主吉川広嘉によって創建されました。
それまでの橋が増水の度に流出していたのに対し、
周辺の風景にも馴染む斬新なアーチ型の橋は長年にわたり美しい姿を保っていましたが、昭和25年の台風で惜しくも流失。昭和28年に再建されました。
現在の橋は平成13年度から平成15年度にかけて架け替えられたものです。
入口で310円を払い「入橋」。
小雪が舞う寒さのなか「活気あふれるというには足りないが、閑散としているというには多い」程度の来訪者が橋を行き交っていました。
案内板の説明によれば、橋の延長は約193.3mであるのに対し橋面の延長は210m あるそうで、
物言わぬ無機質な数字が橋の特性を雄弁に語っています。
単に橋を渡って戻って来るだけではなく、
渡った先も公園のほか歴史的な建築物や土産物店などが並んでおり観光地として整備されています。
そしてその一帯を抜けた先には、山上の岩国城へ向かうロープウェー乗り場もあります。
1693年築と伝えられる岩国藩家老香川家の長屋門。など。
「入橋料」の310円で橋を往復でき、帰りは橋の入口でチケットを見せるだけでOKです。
なお岩国城へのロープウェーとのセット券も販売されていました。
橋を渡りバスターミナル側に戻ったのち、
徒歩で築90年以上の立派な駅舎が残るJR 岩徳線の西岩国駅へ向かいました。
続きは近日中に投稿します。